6 Minute English
Slang
EPISODE 160901 / 01 SEP 2016
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俗語は悪い物でしょうか? あなたは俗語をよく使いますか? ニールとアリスはとてもイギリス人好みな言語、コックニー押韻俗語について議論し、そして専門用語についても説明します。

[台本]

アリス:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。私はアリス…

ニール:そして僕はニール。

アリス:ゼニ貸してくれる?、ニール

ニール:いいよ。いくら必要なの?

アリス:2、3枚ってとこ。

ニール:何だか今日は変な感じだよ、アリス。

アリス:ええ、わかってるわ、ニール。俗語、あるいは特定の集団が使う非公式な言語が今日の番組のテーマです。そこで私は「お金」を意味する俗語をいくつか使って見せたわけ。'Dosh'はお金を表す一般的な言葉で、'smacker'はイギリスのポンドやアメリカのドルのことです。

ニール:そう。コックニー押韻俗語とは俗語の一種です。これは19世紀にロンドンっ子が生み出した暗号化された言葉で、警官の前で会話しても内容が理解されないようにしたものです。引き続きお金の話をすると、君に質問があるよ、アリス。

アリス:いいわよ。

ニール:コックニー押韻俗語の「お金」はどれでしょう? それは…
a) パン? b) 蜂蜜? それとも c) パン生地?

アリス:a)のパンだと思うわ。賭けてもいいが、ニール、私がロンドンっ子だってことをアンタ知らなかっただろ。

ニール:そんなこと信じないね、アリス! そいつは嘘っぱちさ!

アリス:'Adam and Eve'の意味は「信じる」、そして'pork pie'の意味は…、「嘘」! 実際、あなたが正しいわ。私はロンドンっ子じゃないから。

ニール:ロンドンっ子だと認めてもらうには、セント・メアリ・ル・ボウ教会の鐘の音が聞こえる範囲で生まれないといけません。現在ではロンドンのシティの中にあります。

アリス:その通り。さて俗語は、説明したように口語的な、あるいは形式張らない言語です。そしてそれは、特定の社会集団に固有のものです。人々は通常それを気取らない会話で使い、文書やより改まった状況では使いません。例えば就職面接のような場では。

ニール:私たちはそれぞれの状況で自分の発言が適切になるように話し方を変えます。だからさっきは君に驚かされたんだよ、アリス。君は'dosh' とか 'smackers' と話したけれど、それは番組で放送するには適切に思えないからね。

アリス:俗語を使う事はしばしばひんしゅくを買います。つまり賛成してもらえません。では、俗語辞典の編集者であるジョナサン・グリーンの話を聞きましょう。誰が俗語を話し、どう変わったかについてです。ラジオ4の番組「口コミ」に出演したときのものです。

[挿入]
Jonathan Green 俗語辞典編集者
俗語は評判が悪いものです。私が思うに、それは最初期の俗語の集まりが16世紀、1500年代の犯罪にからむ俗語だったことに起因します。それらは悪人と関連があり、必然的に悪評は長らく残っていました。しかし今、ここ40~50年で変化がありました。俗語の定義が重視する傾向にあるのは「差異」や「おどけた感じ」、「面白い」「ユーモラス」「独創的」といったことです。

ニール:そこで私たちは16世紀の俗語を集めた記録を、つまり辞書を持っています。犯罪者たちは言葉を暗号として、周囲に理解されずに会話できるように使っていました。そしてこの悪評は長らく残った、つまり消失はゆっくりしたものでした。

アリス:しかし最近の50年、人々は俗語をふざけて、あるいは独創的に使うようになりました。また同様に、特定の集団に所属していることを示すためにも使います。そしてどうやら、酒を飲むことや酔っぱらうことについて話す時、人はとても独創的になるようです。「お酒」を意味する俗語の'booze'は、13世紀のオランダ語'busen'(大酒を飲む)に由来します。

ニール:そして、酒を飲むことや酔っぱらう事を表現する俗語は何百もあります。「アルコール(on the sauce)」、「酔う(in your cups)」、「酔っぱらった(half cut)」、「泥酔した(hammered)」、「千鳥足の(squiffy)」、「ほろ酔いの(tipsy)」、「酔った(wasted)」、「グデングデンの(legless)」、他にももっと沢山ありますが、この番組で触れるにはあまりに下品すぎます。

アリス:そうね。だから、こうした言葉は厳密に受け入れられたわけではなく、あるいは改まった文脈で適切とは言えないかもしれませんが、侮蔑的というわけではありません。こうした言葉はしばしば人々を楽しませ、社会集団と結びつくのに役立ちます。

ニール:その一方で、品のない言葉や口汚い罵りは「無礼な言葉は人を不快にし、混乱させる」ことになります。だから、私がそうした例を出さないのは、それが不適切で失礼だからですよ、アリス。

アリス:そうね。では、ジョナサン・グリーンと司会者のマイケル・ローゼンの話を聞きましょう。話しているのは専門用語、つまりまた違うタイプのグループ内言語についてです。

[挿入]
Jonathan Green 俗語辞典編集者
Michael Rosen ラジオ4「口コミ」司会者
グリーン:専門用語とは、私が小文字のoで始まる「職業上の」、小文字のpで始まる「専門的な」と呼ぶものです。それは周囲に対して閉ざされています。そこには法律の専門用語もあれば、海軍の専門用語もある。私は最近、パトリック・オブライエンの著作を読みましたが、そこには檣楼座板だの、甲板をfiddyingするといった言葉が溢れていました。
ローゼン:これはラジオ4ですよ、ジョナサン。気を付けて!

ニール:BBCの別の放送、ラジオ4の番組「口コミ」のジョナサン・グリーンでした。彼は、専門用語は職業的・専門的なものだと話しています。つまり例えば弁護士や水兵が職場で話すものという意味です。檣楼座板というのは、おそらく、船のマストのてっぺんに取り付ける鉄製のプレートだと思いますが、その話題について私が知っていることはあまりありません。

アリス:しかし、それこそが狙いです。専門用語は特定の集団に属する技術的な言語です。だから、部外者にとって専門用語はしばしば理解しがたい。

ニール:そう。そしてここスタジオ内では、僕の好きなラジオの専門用語を何でも使えます。僕のフェーダーを見てごらん、アリス。フェーダーを下げて、今度は上げて上げて、ただいまレベルのテスト中です…

アリス:さあもう、フェーダーから手を離しなさい。これは、スタジオの機器で音のレベルを操作するものです。さあ、今日のクイズ質問の答え合わせをする時間ですよ、ニール。

ニール:僕の質問は、コックニー押韻俗語の「お金」はどれでしょう? それは… a) パン? b) 蜂蜜? それとも c) パン生地?

アリス:私は a)のパンと答えたわ。

ニール:そして君は、正解だよアリス! コックニー押韻俗語は、偽装しようとしている言葉の韻を踏む表現の中の最初の単語だけを使います。だから、'money' は 'bread and honey' になって、でも'bread'とだけ言います。

アリス:そういうこと。さあ、今日習った単語を繰り返しましょう。それは、
slang
dosh
smacker
Cockney Rhyming Slang
colloquial
frowned upon
lingered
booze
swear
profanity
jargon

ニール:では、今日の6 Minute Englishはこれでおしまい。またすぐ番組に参加してね!

二人:さよなら!

[ノート]
someone's kind of:~好みの

lend:貸す
dosh:お金(俗語)
Sure:もちろん・喜んで・いいとも・承知しました
A couple of:2つの・2~3の
smacker:1ドル・1ポンド(俗語)
sound strange:妙な響きである・おかしな感じに聞こえる
Slang:俗語・隠語・スラング 特定の集団の中でのみ通用する用語
informal:非公式の・形式張らない・私的な・日常の・砕けた
particular:特定の・個別の・固有の・際立った
subject:主題・議題・題目・テーマ
demonstrate:実際にやって見せる・実演する・行動で示す・明示する・論証する
slang word:俗語
general term for:~の総称・~を表す一般的な言い方
Cockney:コックニー方言・ロンドンのイーストエンド労働者階級出身の人々の通用語で非常に強い訛りがある より厳密にいうと、「cockney」の定義は東ロンドンの教会「St Mary-le-Bow」の鐘の音が聞こえる範囲で生まれ育った人達を指す
rhyming slang:押韻俗語・語呂合わせのように韻を踏み、同じ響きの音を持つ語を使った俗語
Cockney rhyming slang:ある語句を類似した韻を持つ別の語句に置き換えたコックニーの俗語
coded:暗号化された
invent:発明する
Cockneys:ロンドンっ子・ロンドンのイーストエンドに生まれ育ちコックニー方言を話す労働者階級の人を指す
bread:パン・<俗語>金・銭
honey:蜂蜜・恋人
dough:パン生地・練り粉・<俗語>金・銭 (もしかしてc)も正解では?)
bet:賭ける・請け合う・主張する・断言する
Adam and Eve:<俗語>~を信じる・believeの押韻俗語
pork pie:豚肉入りのパイ・<俗語>嘘・lieの押韻俗語
Actually:実際は・本当に・実のところ
To be considered:~と考えられる・~とみなされる
distance:距離・隔たり
St Mary-le-Bow church:セント・メアリ・ル・ボウ教会 ロンドンのシティのチープサイド通りから入ったところにある歴史のある教会
in what is now the City of London.:(ここの訳は自信がありません)
Indeed:実に・まさに・本当に・確かに
as we've said before:前に言った通り
colloquial:口語の・話し言葉の・日常会話の
characteristic:特徴のある・特有の・独特な
specific:明確な・限定された・具体的な・特有の・固有の
social group:社会集団
rather than:~よりはむしろ・かえって
in writing:書面で・文書で
formal堅苦しい・よそよそしい・改まった・正式な・公式な
job interview:就職面接
appropriate:適切な・ふさわしい・妥当な
earlier:前に・以前に・早期に
present:贈呈する・伝える・述べる・示す・上演する・放送する・描く
be frowned upon:冷やかな目で見られる・ひんしゅくを買う
frown:眉をひそめる・不快感を示す
disapprove:賛成しない・同意しない・不可とする・不満を示す・非難する
Jonathan Green:(born 20 April 1948 in Kidderminster, Worcestershire) is a British lexicographer of slang and writer on the history of alternative cultures. (英語版wikipediaより)
lexicographer:辞書編集者
BBC Radio 4:ラジオ4 長波・中波・FM(92-95MHz / 103-105MHz)・デジタルで放送。聴取者数は1084万5000人。ニュース・ドラマ・ドキュメンタリー・ガーデニングなど総合的な編成が組まれている。(wikipediaより)
Word of Mouth:口コミ・口伝えで・口頭で
Word of Mouth:BBC Radio's Word of Mouth is a programme about English and the way it is spoken. It is broadcast regularly on BBC Radio 4 and is presented by Michael Rosen.(英語版wikipediaより)
reputation:評判・風評・評価
I would say:~だろうと思います・私の意見では
come from:~から来る・~に由来する・~の生まれ
collection:集めること・収集・堆積・取り立て
criminal:<名詞>犯罪者・犯人 <形容詞>犯罪となる・有罪の・犯罪者に特徴的な・犯罪的な
1500s:1500年代・西暦(ユリウス暦)1500年から1509年までの10年間を指す10年紀
be associated with:~と関係がある・~と関連する・~を連想させる
inevitably:不可避的に・必然的に・否応なく
linger:長居する・居残る・ぐずぐずする・残存する・長引く・いつまでも残る
definition:定義
tend to:~しがちである・~する傾向がある・~するのに役立つ・~に気を配る
stress:強調する・重視する・強く主張する・アクセントを付ける
different:異なる・相違する・様々な・別の・変わった
jocular:おどけた・滑稽な・ひょうきんな
funny:おかしい・ユーモアのある・奇妙な・特異な
humorous:ユーモアのある・面白味のある・おどけた
inventive:発明の・独創的な・発明の才がある
record:記録・業績
dictionary:辞書・辞典
code:法体系・規約・記号・符号・暗号
slow to:ゆっくり~する
disappear:消える・なくなる・見えなくなる
to be funny:ふざけて・冗談で・おどけて
creative:創造力に富んだ・独創的な・創造的な
as well as:~も~も・~だけでなく~も・~と同様に
belong to:属する
apparently:一見したところ・見た感じ・どうも~らしい
drinking:飲むこと・飲酒
drunk:酔っぱらう・大酒を飲む
booze:酒・酒宴・アルコール飲料・大酒を飲む
alcohol:酒類・アルコール飲料
Dutch:オランダ語・オランダ人
busen:中世オランダ語で大酒を飲む(uの上に-がある)
hundreds of:何百もの
expression:言い回し・語句・表現
sauce:料理のソース類・刺激を与えるもの・<俗語>アルコール飲料・酒・ビール 通例、on the sauceとして使われる
in one's cups:<俗語>酔っている
half cut:<俗語>酔っぱらった
hammered:ハンマーで鍛造した・疲れ果てた・<俗語>泥酔した・酔っぱらった
squiffy:斜めの・偏った・<俗語>ほろ酔いの・一杯機嫌の・千鳥足の
tipsy:<俗語>ほろ酔いの・千鳥足の
wasted:利用していない・無駄な・衰えた・<俗語>酔っぱらった
legless:脚のない・<俗語>酩酊した・酔ってフラフラの・グデングデンに酔った
far too:あまりにも・~過ぎる
rude:不作法・無礼な・下品な・野暮な・雑な・下手な
mention:言及する・触れる・話題に出す
while:~なのに・~ではあるが・とはいえ・しかし一方で
term:(ここでは)用語・言葉
strictly:厳密に・きちんと・正確に・完全に
acceptable:受諾できる・受理できる・条件に合った・基準を満たした・好ましい
context:文脈・前後関係・事情・背景
offensive:侮蔑的な・不快な・攻撃的な
not offensive:当たり障りのない
amuseing:面白がらせる・楽しい・愉快な
bond:くっつく・接着する・結合する
By contrast:それに反して・~の一方で
swear:悪態をつく・罵る
swear word:品のない言葉・汚い言葉
profanity:口汚い罵り・冒涜するような・不敬な
offend:怒らせる・気分を害する・不快にさせる・背く
upset:動転させる・困らせる・混乱させる・ダメにする
inappropriate:不適切な・妥当でない・まずい
impolite:無礼な・失礼な
presenter:司会者・講演者
Michael Rosen:Michael Wayne Rosen (born 7 May 1946) is an English children's novelist and poet, the author of 140 books. (英語版wikipediaより)
jargon:専門用語・業界用語・隠語・たわごと
in-group:仲間内の・集団の
small:(ここでは)小文字の
occupational:職業の・職業上の・職業的な (大文字の'O'で始まるのは占領?)
professional:専門的な・職業上の・熟練した・プロの (大文字の'P'で始まるのは何だろう?団体・組織?)
close off:閉鎖する・遮断する・隔離する・孤立させる
environment:環境・情勢・周囲の状況
legal:法律の・法律家の・合法の
naval:海軍の・造船の 
Patrick O'Brien:パトリック・オブライアン(1914年12月12日- 2000年1月2日)は、イギリスの小説家、翻訳家、伝記作家。(wikipediaより)
recently:最近・先日
awash with:~であふれて・~が一杯で・~がたくさんある
futtock plate:檣楼座板・ハトックプレート
fiddying:(訳語見つからず)
deck:甲板・デッキ
segment:部分・一番組・区切り
at work:勤め先で・会社で・仕事中に・働いて
lawyer:法律家・弁護士
sailor:船乗り・水平・海軍軍人
attach:付随する・取り付ける・貼りつける
mast:マスト・帆柱
idea:(ここでは)意図・狙い・目的
though:だけれども・そうは言うものの・しかしながら
technical language:専門用語・技術用語
outsider:部外者・外部の人・素人
hard to understand:理解しがたい・分かりにくい・難解である
fader:減衰器・フェーダー・入出力のレベルを調整、設定する機能
come on:(文脈で)頑張れ・さあ早く・お願い・いいでしょ・やだなぁ・冗談はよせ・止めて 等
live the fader alone.:(意味が通じないと思ったら、live→leave のスペルミスだ、きっと)
leave ~ alone:~を独りにしておく・そのままにしておく・放っておく・~から手を引く
control:操作する・制御する
deck:(ここでは)音響システムの機器
first word:最初の単語
phrase:言い回し・成句・慣用句・語句・表現・フレーズ
rhyme:韻を踏む・押韻する
disguise:変装する・扮装する・隠ぺいする・偽装する
recap:要約する・まとめる・繰り返す・recapitulateの略語

酒に関する俗語が多過ぎ。英国の選挙投票日が木曜なのは、かつて選挙と言うものが導入された時代、賃金は週払い金曜日支給で、金が入ると労働者は泥酔し、金がなくなる給料日前日の木曜が最も素面率が高いから、というのが俗説らしい。飲み過ぎやろ。