6 Minute English
Does punctuation matter?
EPISODE 160929 / 29 SEP 2016

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なぜ句読点は大事なのでしょう? それは誤解するかどうかに影響するでしょうか? ニールとアリスは修辞学について、コンマについて、そして何故メールにピリオドを使うと不誠実な印象を与えることがあるのかについて議論します。

[台本]

アリス:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。私はアリス…

ニール:そして僕はニール。

アリス:ところでニール、さっきあなたからメールが届いたけれど、文末にピリオドがなかったわね。

ニール:そうだね。僕はメールにピリオドは全然使わないな。だって堅苦し過ぎて、改まった感じになるから。メールは会話みたいなもので、あまり多くの句読点は必要ないよ。

アリス:ということで、句読点が今日の番組のテーマです。私が少し気にし過ぎなのは分かっているけれど、でもあなたがしていることは、英語の書き言葉の基準を劣化させることだと思うわ。

ニール:'stickler'とは、ある物事について特定の方法でするよう要求する人のことです。もちろん君は、句読点の規則について英語の進化を阻止したがるようなこだわり屋さんじゃあないよね? アリス。

アリス:いいえ、もちろん違います。でも、句読点の規則に従わないせいで文章が多義的になったり、理解しにくくなる時は、私はうるさく言いますよ。

ニール:'Ambiguous'とは、何かが二つもしくはそれ以上の意味を持つことです。句読点のおかげで文の意味が分かりやすくなる例を何か挙げられるかな?

アリス:ええ、いいわよ。これでどうかしら「さぁおばあさんを食べよう」

ニール:うえっ! それは童話の「赤ずきんちゃん」を思い起こさせるね。少女と少女のおばあさんと、腹を空かせたオオカミの話。今のはオオカミが他の仲間のオオカミに話したことかい?

アリス:いいえ、女の子、つまり赤ずきんちゃんがおばあさんに話した言葉です。あるべき場所にコンマがあれば、文はこうなります。「さぁいただきましょう、おばあさん」。適切な句読点なしでは文章は多義化します。さて、句読点がなぜ大切なのかという理由をもっと考察する前に、今日のクイズ質問に行きましょう。

ニール:いいよ。段落を表すキーボードの記号を別の言葉で何というでしょうか? それは…
a) 段落記号? b) 千枚通し? それとも c) パイカ?

アリス:c)のパイカにするわ。

ニール:じゃあ、君が正解を選んだか否かの確認は番組の後ほどで。 

アリス:話を進めましょう。句読点は古代ギリシャ人によって発明されました。彼らは何種類かの点を使って、異なる長さの間の取り方を示しました。文章の短いまとまりがコンマ、長めのまとまりがコロン、文章の完結がペリオドスでした。私たちはそれらの用語を句読点の名前として使っています。実際にはそれらの言葉は節を指すのであって、点の記号そのものを指すのではないのですが。

ニール:じゃあ、昔の句読点は文法に関することじゃなかったということ?

アリス:違います。それは弁論に関するものでした。異なる点は異なる長さの間を示していました。短いの、中くらいの、長いの、と。こうした間で文章を中断するのは文を読みやすくするためで、結果として理解もしやすくなるのです。

ニール:なるほど。では句読点の専門家、キース・ヒューストンの話を聞きましょう。彼は「いかがわしい文字 : &マーク、?!マーク、その他の珍しい活字たち」という本の著者で、BBCラジオ4の番組「口コミ」で話している時の物です。

[挿入]
Keith Houston 「いかがわしい文字:&マーク、?!マーク、その他の珍しい活字たち」著者
句読点の始まりは修辞学が全てでした。つまり演説です。しかし人々はそこに規則をあてはめるようになります。私が思うに、おおむね8世紀前後かその頃です。人々はその記号を単に間と結びつけるのでなく、実際の文法上の単位と結びつけるようになり、それが句読点として使われました。つまりコンマは単なる点ではなく、これくらいの長さの間を意味していたのです。今では実際に節を区切り、えー、ある種の一貫した論理的なたっぷりした文章を区切っているのです。

アリス:修辞学、つまり人を説得する話法の技術は、ギリシャ人やローマ人にとって非常に重要でした。説得力を持たせるには、あなたの話を理解してもらう必要があります。そこでこうした小さな句読点が、弁士にとって彼らの文章をより効果的に送り届けるうえで役に立ったのです。

ニール:後になって、これらの記号には文法的な役割が与えられました。コンマは節を、つまり主語と動詞を含む文法上の単位を区切るものであり、同時に読み手にそこで短く休止を取るよう伝えるのです。

アリス:どうして句読点がずさんな、つまり不注意だと良くないのか、あなたにも理解できるようになってきたかしら、ニール?

ニール:うん、わかったよ。だけど、最近のメールや句読点に関する研究によれば、メッセージの最後にはピリオドを付けると考える人は、そうでない人に比べて誠実さに劣るとの結果なんだけどね。

アリス:それ本当? さて、どうして明瞭な文章を書くのが困難になるのかについて話を聞く良い頃合いでしょう。私たちは、句読点を使って分かりやすくしてもなお、書かれた文を誤解することがあります。ここで、キース・ヒューストンに再び登場してもらいます。「口コミ」の司会者、マイケル・ローゼンと話しているところです。

[挿入]
Michael Rosen and Keith Houston
MR: しょっちゅう私は、Twitterやそういったもので人が皮肉を誤解しているのを見掛けますよ。つまり、なぜなら私たちの目の前には文字列だけがあり、抑揚というものがない。だから、皮肉の句読点が必要でしょうか。「やぁ、僕は今、皮肉ってるよ」 こういうのが必要でしょうか?
KH: それに対応するには顔文字が最適だと言えるんじゃないでしょうか。可愛くウインクしている顔文字は、御存じのように、セミコロンとダッシュと閉じる丸括弧で作ります。
MR: ああ、はいはい、そうでしたね。あれは全て、キーボードにある句読点を使って生み出されたものです。

ニール:'Irony'とは、言葉を本来の、あるいは最も一般的な意味とは逆の何かを意味して使う事です。しかしオンライン上でメールやTwitterを使う時は、私たちはその言葉を耳で聞くことはありません。それが、書き手がどのような感情を込めたのかを理解しづらくなる原因です。

アリス:その通り。顔文字を使う、つまりキーボードにある文字で作る顔の表現を使うことで、私たちはどのような感情を意図しているのか道しるべを示すことができます。

ニール:さてアリス、僕の質問を憶えているかな。段落を表すキーボードの記号を別の言葉で何というでしょうか? それは… a) 段落記号? b) 千枚通し? それとも c) パイカ?

アリス:ええ、私はパイカと言ったわ。

ニール:そしてそれは、間違い。残念だなあ。正解は段落記号。これはギリシャの言葉'paragraphos'に由来します。近代的な'pilcrow'の最古の出典は、1440年の中英語の言葉'pylcrafte'からです。

アリス:あぁなんてこと、ここは悲しい顔ね :-( 。クイズ質問に間違えるのって嫌だわ。さて、今日覚えた単語を聞かせてもらえるかしら?

ニール:いいよ。それは…
stuffy
stickler
rhetoric
clause
sloppy
irony
literal
emoticons

アリス:では、今日の6 Minute Englishはこれでおしまい。またすぐ番組に参加してね!

二人:さよなら!

[ノート]
matter:重要である・問題である・大きな違いがある
if:もし~なら・たとえ~でも・~かどうか
get wrong:誤解する・間違える
make ~ sound:~な印象を与える・~のように聞こえる 
insincere:不真面目な・不誠実な・偽善的な.

text:<動詞>メールを書く・メールを送信する <名詞>文章・文字列・メール
earlier:時間的に前に
put a full stop:終止符を打つ
full stop:ピリオド・完結・終止符
much too:~過ぎる
stuffy:息苦しい・空気がこもった・退屈な・堅苦しい
formal:堅苦しい・規則通りな・改まった・正規の・公式な・文語体の
Texting=text messaging:携帯電話等のテキストメッセージの送受信
conversation:会話・話し合い・打ち合わせ
lots of:たくさんの・~だらけ
punctuation:句読点・中断
subject:主題・題目・テーマ・主語
show:(ここでは)番組
a bit of:少し・ちょとした
stickler:こだわる人・うるさい人・言い張る人
stickler for:~にうるさい人
let:させる・許可する
standard:基準・尺度・規格・標準
written:書き言葉の・文語の
slip:滑る・経過する・転ぶ・逃れる・衰える・悪化する・消える・誤る
insist:求める・主張する
certain way:特定のやり方・一定のやり方・ある方法
particular thing:特定の事柄・ある特定の物事
Surely:疑いなく・間違いなく・必ず・確実に・本当に・きっと・もちろん
rule:規則・命令・標準・習慣・支配
evolution:進化・発達・発生
follow:(ここでは)従う・守る・倣う
ambiguous:多義の・複数の意味を持つ・曖昧な・不明瞭な
Alright:大丈夫・申し分ない・問題ない・元気な・承知した・確かに・いいぞ
then:(ここでは)それでは・それなら・それで
here you are: はいどうぞ・さあどうぞ
Ugh:(嫌悪の)あー・げっ・おえっ・うわぁ
bring to mind:思い起こさせる・思い浮かべる
children's story:子供向けの話・児童書
Little Red Riding Hood:赤ずきんちゃん ヨーロッパの民話でフランスのペロー童話集やドイツのグリム童話集に収録されている。
well-placed:上手く配置された
comma:コンマ・句点・休止「,」
Let's eat:さあ食べましょう
proper:適切な・正確な・妥当な・ふさわしい
sentence:文
look at:見る・調べる・考察する
reason:理由・原因・根拠
keyboard:鍵盤・電子鍵盤楽器・キーボード
sign:象徴・合図・表示・しるし・記号・符号
represent:表す・示す・描写する・説明する・指摘する・相当する
paragraph:段落・ひとまとまりの文章・項
pilcrow:段落記号 段落を表す約物(言語の記述に使用する記述記号類)であり「¶」のような形で見られる。一般には、段落の区切りを表す目的で、段落の始めあるいは段落の終りのいずれか一方に置かれる。(wikipediaより)
bodkin:紐通し・千枚通し・剣・細長いヘアピン
pica:パイカ・12ポイントの活字・1インチ当たり10文字印字できるタイプライターの字
find out:見いだす・解明する・調べる・気付く・謎を解く
Move on:先に進める・話題を移る
invent:発明する・創作する
Ancient Greek:古代ギリシャ人
series of:一連の
dot:点・少量
indicate:指し示す・意味する・表示する・表明する
length:長さ・期間・程度
pause:小休止・ためらい・一呼吸・中断
unit:一個・一群・構成単位・課
text unit:文章単位
colon:コロンは、欧文の約物(言語の記述に使用する記述記号類)のひとつ「:」である。(wikipediaより)
complete:完了する・終える・完結する・全部満たす
periodos:(ギリシャ語で)回路
(以下参考)
本来 comma はギリシャの修辞学の用語で、「節」の意味で用いられていました。ちなみに、「句」はcolon、「文」は period と呼んでいました。これが転じて「句読点」自体を表すようになったのです。
period はギリシャ語のperiodos(回路)から派生したものです。この単語はまずラテン語に入り、 periodus となりました。これは「完全な文章」という意味です。periodos は本来「回路」、すなわち「ぐるっと回って元に戻る」を意味していました。ここから「文の完結」を意味するようになったのでしょう。
(以上は「雑学ENGLISH #137 ■ 文字記号あれこれ」から引用しました。)
term:(ここでは)用語・言葉・表現
name:名付ける・任命する
punctuation mark:句読点
although:にもかかわらず・ではあるが・とはいえ
actually:実際には・本当は・本当のところ・実は
refer to:参照する・注意を向ける・問い合わせる・言及する
clause:節・条項・箇条
early:早い・初期の・昔の
grammar:文法
public speaking:演説・弁論・人前で話すこと
medium:中位の・中間の
break up:壊す・分割する・終わらせる・中断させる・苦しめる
therefore:その結果として・それ故・従って
expert:専門家・熟達した人
Keith Houston:(資料みつからず)
author:作者・著者・創造者
Shady Character:いかがわしい男・怪しい人物
shady:影の多い・日陰の・後ろ暗い・疑わしい・こそこそした
Character:(ここでは)文字・符号 書籍タイトルはCharacterという語に文字の意味をかけている、のだろう。
Ampersand:アンパサンド・記号「&」の名称
Interrobang:感嘆修辞疑問符・インテロバングとは、英語などの表記に使われる約物(言語の記述に使用する記述記号類)の一つ。疑問符「?」と感嘆符「!」を重ね合わせた文字であり、両方の意味を兼ね備える。(wikipediaより) 訳文では「?!」と並べたが正確にはこの二つが重なって一字になっている。
Typographical:印刷の・植字の・活字体の
Curiosity:好奇心・詮索好き・珍しい物
BBC Radio 4:ラジオ4 長波・中波・FM(92-95MHz / 103-105MHz)・デジタルで放送。聴取者数は1084万5000人。ニュース・ドラマ・ドキュメンタリー・ガーデニングなど総合的な編成が組まれている。(wikipediaより)
Word of Mouth:口コミ・口伝えで・口頭で
Word of Mouth:BBC Radio's Word of Mouth is a programme about English and the way it is spoken. It is broadcast regularly on BBC Radio 4 and is presented by Michael Rosen.(英語版wikipediaより)
start off:出発する・動き出す・~し始める
all about:周囲をぐるりと・~に関するすべて・~次第・~が全てで・~が重要・すっかり・全く・要は~で
rhetoric:修辞学・説得力・弁舌の才・説得力のある話・発言・巧言・表現
speech:演説・スピーチ・対話・話・話しぶり
start to:~し始める
assign:割り当てる・指定する・任命する・あてがう・与える・~のせいにする
around:周囲に・そばに・おおよそ
associate ~ with …:~と…を結び付ける・…で~を連想する
mark:印・点・記号・マーク
actual:実在の・現実の・存在している・実際の・事実に基づいた
grammatical:文法の・文法的な・文法上正しい
mark out:区切る・境界を定める・策定する・計画する・消す・選定する
, you know, :ご存じでしょうが、(文の間にあって)えーと
a sort of:一種の・その手の・~みたいなもの・いわゆる・大体
consistent:一致した・矛盾のない・一貫した・着実な
logical:論理的な・理にかなった・合理的に考える
bit of:少しの・一片の・やや・(反語的に)たくさんの・かなりの
writing:書くこと・書面・文字・言葉・文章・文学作品
art:人工・芸術・技術・職業・能力
persuasive:説得力のある
Roman:ローマ人
help:助ける・支援する・役立つ・促進する
speaker:演説者・弁士・議長
deliver:配達する・供給する・発表する・伝える・演説する・実現させる
effectively:効果的に・有効に・効率的に
Later on:後で・その後
function:機能・効用・役割・関数
contain:含む・収容する・封じ込める・阻止する
verb:動詞
as well as:同様に
tell:話す・告げる・示す・見分ける
reader:読者
briefly:簡潔に・短く・つまり・簡単に
see:見る・会う・理解する・考える
sloppy:不注意な・ずさんな・乱雑な・だらしない・ゆるい
careless:不注意な・うっかりした・軽率な
Though:~にもかかわらず・~だけれど
recent:最近の・新しい
research into:~に関する研究
suggest:提案する・勧める・意味する・示唆する
consider:考える・見なす・考察する・凝視する
end in:~の結果になる・~で終わる
sincere:誠実な・正直な
Really:<間投詞>本当ですか・まさか
good time to:~するのに適したタイミング
be hard to:~するのが難しい
unambiguous:曖昧でない・明白な・はっきりした・一義的な
misinterpret:誤解する・間違って説明する
guide:案内する・導く・指導する
Michael Rosen:Michael Wayne Rosen (born 7 May 1946) is an English children's novelist and poet, the author of 140 books. (英語版wikipediaより)
presenter:司会者・講演者
notice:気づく・言及する・通知する
misunderstand:誤解する・取り違える
irony:皮肉・反語・風刺
in front of:~の前に・~に向かって
intonation:イントネーション・抑揚
ironic:皮肉な・皮肉を含む・皮肉屋な
You might say:~と言ってもいい・~とも言える・
emoticon:顔文字・フェイスマーク・文字を組み合わせて作った顔の表情・emotion(感情)+icon(アイコン)の造語
 :-) Smiling ;-) Winking ←こういうのね
go about:こなす・いつも通り行う・取り掛かる・まん延する
little:小さな・年少の・小さくて可愛い
wink:ウインクする・まばたきする
semicolon:セミコロン・「;」
dash:ダッシュ記号「-」
closing parenthesis:右丸括弧・閉じ丸括弧・「 )」
of course:もちろん・(思い出したり指摘されて)そうだった・あっそうですね
opposite:反対の・逆の・向かい側の・対照的な
literal:文字通りの・一語一句・元の言葉に忠実な
usual:通常の・普通の・よくある
feeling:感覚・感情・意識・考え
intend:~するつもりである・意図する・意味する
facial:顔の
expression:言い回し・語句・表情・表現
make out of:~を作り上げる
character:性質・特徴・役柄・文字・符号
signpost:道しるべで示す・道路標識で示す・手掛かりとなる
come from:~から来る・由来する・~の出身であ
paragraphos:ギリシャ語で区切りの横線 Unicodeに「U+2E0F」として存在する
earliest:最古の
reference:言及・参照・出典・関連性・適用性
modern:現代の・近代の・最新の
Middle English:中英語・1100年~1500年頃の英語
pylcrafte:Pilcrowの古語・The earliest recorded version was pylcrafte, in 1440; over the next century it settled down to its modern form.(worldwidewords.orgより)
Oh dear:あら・まあ
sad face:悲しい顔・暗い顔 「:-(」←これのこと
hate:憎む・嫌がる・~したがらない・残念に思う
I hate it when:~するのが嫌いである・~が嫌いだ
learn:学ぶ・身につける・覚える

欧米の顔文字がなぜ横向きで発達したのか不思議。日本の顔文字(*´∀`*)の方がずっと優れていると思います。日本生まれの「絵文字」は今や'emoji'で世界共通語。ガラパゴスが勝利することもある!