6 Minute English
Is loneliness in our genes?
EPISODE 161013 / 13 OCT 2016

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孤独とは一体何で、人はなぜ孤独を感じるのでしょうか? ソフィーとニールは孤独を感じることがどのように人の生存に役立つのか議論します。

[台本]

ソフィー:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。私はソフィー…

ニール:そして僕はニール。

ソフィー:週末はどうだった、ニール?

ニール:うーん、いまいちかな。予定が何もなかったから、二日間誰にも会わなかったんだ。正直に言えば、すごく寂しかったよ! みぞおちの辺りに、本当に身体に感じるんだよね。

ソフィー:かわいそうなニール! すごく落ち込んだみたいじゃない。それは不幸な、という意味! さて、今日の番組のテーマは孤独です。そして孤独は時に社会的苦痛を呼ばれます。自分が孤立している、つまり他の人との接触が不足していると告げる痛みで、それは私たちを人との交流を探し求める気持にさせます。

ニール:孤独を感じることに生物学的な説明があるだなんて、思っても見なかったよ! それなら、社交的であることは種としてどんな風に役に立つんだい、ソフィー?

ソフィー:全ては協力です。つまり、何かを成す為に人と共に働くこと。例えば食料を見つけるといった。

ニール:それなら、僕はピザの配達員さんと共通の成果のために協力し合ったと思うよ。

ソフィー:あなたがお金を払って、彼がピザを渡してくれたってこと?

ニール:その通り。でもそれは社交的に充実するような体験ではなかったけど。これはロンドンの悪い所なんだけど、たとえ人に囲まれていても孤独を感じることもある。本当に好きになれる人と出会うのは簡単じゃない。だからしばしば、人は独りでいる方がいいことがある。

ソフィー:いい指摘ね。そこでニール、都市と独り暮らしについての質問があります。それが増加傾向にあるからですが、一人で暮らしている人の比率が最も高い国はどこでしょうか? それは…
a) アメリカ? b) 日本? それとも c) スウェーデン?

ニール:ああ、うーん、b)の日本じゃないかな。

ソフィー:いいわ。あなたが正解だったかの確認は番組の後ほどで。では孤独の話に戻りましょう。つまりこういう考えです。人は孤独だと不快になるからこそ、外に出て人に会おうという気にさせます。一部の人は他の人よりも孤独を感じやすい傾向があり、その性格には遺伝子が関係しています。

ニール:僕も孤独遺伝子を受け継いでいるんじゃないかな。

ソフィー:さあどうかしらね、ニール。状況によっては孤独がためになることもあります。人に社交的になるよう促すからです。しかし一方、別の状況では孤独に耐える、つまり我慢することが有益な場合もあります。アムステルダム自由大学、ドレット・ボムズマ教授の話がその点について話しているのを聞きましょう。

[挿入]
ドレット・ボムズマ教授 アムステルダム自由大学生物学的心理学部
興味深い疑問なのは、孤独感に影響する遺伝子はなぜ今なお残っているのでしょうか? その説明の一つは、おそらくそれが悪い影響ばかりではないからでしょう。ある状況では、高い水準の孤独に耐えられることに優位性があるのです。それが、集団内でこの遺伝子が維持されている理由です。

ソフィー:つまり、受け継がれている孤独の遺伝子は悪いものではないかもしれないということ。それは何故かしら、ニール?

ニール:なぜなら、それによって長い期間一人でいても嫌な気分にならずに耐えられるからです。

ソフィー:なるほどそれは興味深い、つまりとても面白い考えね。ならしかし、あなたはその遺伝子を持ち合わせていないようね、ニール。だってあなたは週末に落ち込んだのだから。

ニール:その通りだね。実のところフェイスブックに長時間アクセスしていても落ち込んだからね。フェイスブックはソーシャルに人と接する方法の一つ。しかし、オンライン上で僕らがしているツイッターやらメッセージングやらチャットは全部、僕たちを一層孤独にするんだろうか? そのせいで人は外に出なくなり人に会うことが減るから。それとも、バーチャルなつながりで人は孤独を感じなくなるんだろうか?

ソフィー:それもまた興味深い疑問ね。ではニューヨーク大学の社会学者、エリック・クリネンバーグ教授の話を聞きましょう。教授は独り暮らしに関する本の著者でもあり、そのことについて話しています。

[挿入]
エリック・クリネンバーグ ニューヨーク大学、社会学者兼作家
人が10年前、20年前、30年前よりも今日の方が顕著に孤独になり孤立していると指し示す重大な研究は全くありません。つまり、フェイスブックやインターネット、あるいは何であれ私たちが持ち歩いている電子デバイスが、人々を一層孤独に、より惨めにしていると批判する人がいますが、それを裏付けるような多くの証拠を彼らは持ち合わせていません。

ニール:つまり、ソーシャルメディアのせいで人々がますます孤独を感じているという主張を裏付ける、あるいは支持する十分な証拠はないと。

ソフィー:ええ、ないのです。はい、では今日のクイズ質問の正解を出す前に、ニール、孤独には感染性があるって知ってた?

ニール:君が言ってるのは、風邪みたいに誰かからうつるっていうこと?

ソフィー:そう。孤独にも環境要因の影響があるのです。例えば、あなたが毎日会話する相手が常にあなたに対し非友好的だと、統計的に見て、あなたは他の人との交流にも否定的になりがちなのです。

ニール:なるほど。じゃあ、お互いに仲良くしていられるように頑張ろうよ、ソフィー。今日のクイズ質問で僕が正解だったか教えてくれてもいいんじゃないかな!

ソフィー:ええ。私の質問は、一人で暮らしている人の比率が最も高い国はどこでしょうか? それは… a) アメリカ? b) 日本? それとも c) スウェーデン?

ニール:僕は日本と言ったよ。

ソフィー:それは不正解、残念ね。本当は c)のスウェーデン。スウェーデンでは全世帯の半分近くが単身者、つまり一人です。スウェーデンでは独り暮らしがほぼ間違いなく標準です。なぜならそうすることが大変容易で、手頃な価格の一人暮らし用アパートが豊富にあり、若いスウェーデン人は高校を卒業した時点ですぐ自分のアパートに引っ越す予定でいられます。

ニール:わかった。さて、今日覚えた単語をもう一度聞かせてもらえるかな、ソフィー。

ソフィー:ええ、いいわ。それは:
down in the dumps
loneliness
isolated
cooperation
tolerate
intriguing
back up
contagious
single occupancy

ニール:では、今回の6 Minute Englishはこれでおしまい。またすぐ番組に参加してね! それまでの間は、私たちのウェブサイト「bbclearningenglish.com」に来てください。そこには文法の手引き、練習問題、動画や読み物の記事がありますから、皆さんの英語を上達させてください。

二人:さよなら!

[ノート]
discuss:話し合う・議論する
survive:生き延びる・存続する・何とかやっていく.

weekend:週末
great:大きな・卓越した・重要な・重大な・多量の・すてきな・素晴らしい
not great:(それほど、なのか、悪いと訳すべきなのか不明) 
have got=have
for two days:二日間
to be honest:正直に言うと・はっきり言って・正直なところ
feel lonely:孤独を感じる・寂しい・心細い
real:実在する・現実の・実際の・本物の
physical:物質の・自然の・身体の・肉体の
feeling:感覚・感情・気持ち・優しさ・意識・意見
in the pit of one's stomach:みぞおちの辺り
get a sick feeling in the pit of one's stomach:みぞおちの辺りがむかむかする
There was a real physical feeling in the pit of my stomach.:(ニュアンスは訳文で合ってると思うけど、ちょっと曖昧)
Poor:(ここでは)かわいそうな・憐れむべき
do:(動詞の強調)
sound:~に聞こえる・~に思われる
really:実のところ・本当に・正直に・間違いなく・実に・全く
down in the dumps:落ち込んで・憂鬱になって・意気消沈して
unhappy:不幸な・みじめな・悲しい
subject:主題・題目・テーマ
show:(ここでは)番組
loneliness:孤独・孤独感・寂しさ・独りぼっち
sometimes:時々・~ということもある
described as:~と言われる・~と評される・~と呼ばれる・~として描かれる・~とされる
social pain:社会的苦痛
tell:話す・告げる・教える・伝える・命じる
isolated:孤立した・分離した・隔絶した・人と交わらない
lacking:不足している・欠けている
contact with:~との接触
motivate:動かす・刺激する・~する気にさせる・~する動機を与える
seek out:探す・見つけ出す・追求する・求める
companionship:交際・交友・交流・親交.
have no idea that:~なんて全く分からない・知らない・考えても見ない
biological:生物学の
explanation:説明・釈明・真相・解釈
being:~になること・~であること
sociable:社交的な・人付き合いの良い・なごやかな
help:助ける・救う・役立つ・促進する
species:種類・種
then:あのとき・それから・次に・その後・その場合には・そういう事情なら・もしそうなら
all about:~が全てで・全て~次第で・要は~で
cooperation:協力・協調
get ~ done:~を済ませる・~を終わらせる・~を片付ける・~してもらう
suppose:思う・想像する・推定する
cooperate with:~と協力する・~と手を組む
pizza delivery guy:ピザ宅配員
shared:共有の・共通の
outcome:結果・成果・効果・業績.
Exactly:(ここでは)その通り・まさしく
socially:社交的に・人との付き合いで・社会的に・世間的に
enrich:豊かにする・高める・強化する・改善する・充実させる
experience:体験・経験・知識
bad thing about:難点・悪い点
even:~でさえ・たとえ~でも・なおさら
surround:取り囲む・包囲する
meet:会う・接触する・知り合いになる
might as well:~する方がましだ・~するようなものだ・~するも同然・~した方がいい・~したい・~してくれないか
on one's own:自力で・独力で・自分の責任で・独断で・それだけで・独りで
Good point:長所・良いところ・良い説明・良い指摘
living alone:独り暮らし
on the rise:増加中の・上昇中で・増える傾向の
proportion:割合・比率・釣り合い・バランス
live on one's own:独り立ちする・一人暮らしする
guess:推測する・想像する・言い当てる
see:見る・会う・理解する・考える・調べる・確かめる
get ~ right:~をちゃんとやる・~を解決する
later on:後で
get back to:~に戻る・立ち返る
idea is that:~ということです
make someone feel bad:不快にさせる・気分を悪くさせる
go out:外出する・出歩く・働きに出る・交際する
more likely to:~する可能性が高い・~する傾向が強い・~しがちである・~しやすい
gene:遺伝子
play a role:役割を果たす・役を演じる
tendency:動き・流れ・性質・性向・特質・傾向
wonder if:~ではないかと思う・疑問に思う・~かどうか不思議に思う
inherit:相続する・受け継ぐ・継承する・遺伝している
while:~の間・~なのに・~だが・しかし一方で・その上
situation:状況・場所・立場・事態
encourage:勇気づける・励ます・勧める・仕向ける・促す・後押しする
useful:役立つ・便利な・有益な・価値ある
tolerate:大目に見る・許容する・容認する・我慢する・耐える
put up with:耐える・我慢する
Professor:教授・大学の先生・師範
Dorret Boomsma:(born 18 November 1957, Huizen, The Netherlands) is a Dutch biological psychologist specializing in genetics and twin studies.(英語版wikipediaより)
Vrije University:アムステルダム自由大学(Vrije Universiteit Amsterdamまたは省略形VU)はオランダのアムステルダムにある総合大学。なお、アムステルダム大学とはまったく別の組織である。(wikipediaより)
Amsterdam:アムステルダムは、オランダの北ホラント州の基礎自治体(ヘメーンテ)であり、オランダ最大の都市である。憲法に規定されたオランダの首都だが、国会、中央官庁、王宮、各国の大使館など首都機能のほとんどはデン・ハーグにある。(wikipediaより)
Department:(ここでは)学部・学科
Biological Psychology:生物学的心理学
intriguing:興味深い・好奇心をそそるような・魅力的な・不思議な
influence:影響を与える・感化する
still exist:まだなお存在する
probably:おそらく・きっと
negative:否定の・悪い・良くない・消極的な・悲観的な・負の・陰性の
effect:効果・効き目・結果・影響・印象
advantage:有益な点・好都合・利益・強み・優位・長所
level:高さ・段階・水準・度合・水平面
be maintained:維持される・保たれる
in the population:集団内で
for a long time:長期間・長い間
show:見せる・飾る・示す・表す・指摘する・明らかにさせる・論証する
That's true:確かに・その通り
actually:実際に・本当は・実は・実のところ
despite:~にもかかわず・~をよそに
spend:使う・費やす・過ごす
Facebook:フェイスブックは、Facebook, Inc.が運営するインターネット上のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である。2004年にマーク・ザッカーバーグと、ザッカーバーグのハーバード大学のルームメイトまたは同級生だったエドゥアルド・サベリンと創業(wikipediaより)
form:形・外見・形態・ひな形
social contact:社会的接触・社会との接触・社会的関係
tweeting:twitterへの投稿
messaging:メッセージの送受信
chatting:おしゃべり・会話・チャットをする
get out:外に出る・外出する・出発する
virtual:実質上の・仮の・仮想の・バーチャルな
connection:つながり・結合・連絡・関連
stop ~ from doing:~が…するのを妨げる
sociologist:社会学者
New York University:ニューヨーク大学(NYU)は、アメリカ合衆国、ニューヨーク市マンハッタン区にある全米有数の大規模な私立総合大学である。(wikipediaより)
author:作家・著者・作者
research:研究・調査・探究
significantly:意義深く・有意に・大いに・著しく・重大に
critics:評論家・批評家・批判する人
whatever:~するものは何でも・~なら何でも・何が~でも
device:機器・装置・仕掛け・意匠・デバイス
carry ~ with one:~を携行する・~を持ち歩く
miserable:惨めな・悲惨な・不幸な・哀れな・みすぼらしい
evidence:証拠・証言・痕跡
back up:(ここでは)裏付ける・証拠立てる
support:支える・支援する・後押しする・応援する・立証する
claim:要求・主張・請求する権利・苦情
social media:ソーシャルメディア
contagious:伝染性の・感染する・人から人へ広がりやすい
catch:(ここでは)感染する
cold:(ここでは)風邪
environmental factor:環境要因・環境因子
involve:含む・伴う・引き起す・関わる・影響を与える
unfriendly:無愛想な・よそよそしい・敵意がある・好ましくない
statistically:統計的に
interaction with:相互作用・付き合い・やりとり・交流
try:試す・しようと努力する
stay:~のままでいる・状態が継続する・とどまる
friendly:信頼できる・友達のような・優しい・心地よい
start by Ving:~することからから始める・最初に~する
I'm afraid:残念ですが・遺憾ながら・(良くないことについて)~と思う
Nearly:もう少しで・ほとんど・ほぼ・近く
Swedish:スウェーデン人の・スウェーデン語の
household:世帯・家族・家庭
single-occupancy:一人用の部屋・個室方式・ホテルの一人利用料金
for one person:一人前の・一人分の・単身者用の
arguably:ほぼ間違いなく・おそらく・議論の余地はあるが・~と言ってよい
norm:規範・基準・標準
affordable:手頃な・良心的な価格の・無理なく買える・乗り越えられる
apartment:アパート・集合住宅
Swede:スウェーデン人
expect to:~することを期待する・~するつもりだ・~の見込みだ
move into:入居する・引っ越す・参入する・入る
once:~するとすぐに・~した時点で・ひとたび~すると
graduate:卒業する
learn:学ぶ・身に付ける・覚える
edition:版
Meanwhile:その間の時間
visit:訪れる・見物に行く・滞在する・アクセスする
guide:案内・案内者・手引書・指針
grammar:文法
exercise:練習・訓練・運動・稽古
video:映像・動画
article:記事・論説・項目
improve:改良する・改善する・向上させる・伸ばす

日本は元々親との同居率が高く、近年は貧しくなって実家から出られない人が一層増えたからなぁ…。