6 Minute English
How do you read your news?
EPISODE 161027 / 27 OCT 2016

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無料のデジタルニュースが世界各地で伝統的な新聞を脅かしています。新聞はどうして存続し、その未来はどのような物でしょうか? ソフィーとニールは印刷されたニュースの長所短所を議論します。

[台本]

ソフィー:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。私はソフィー…

ニール:そして僕はニール。

ソフィー:何を読んでいるの?

ニール:ニュースブログさ。そこにこう書かれている。ギリシャで頭が二つある恐竜の化石が発掘されたって。ほら! 見てよこの写真!

ソフィー:あのねえ、ニール、ネットで読んだものを何でも真に受けちゃだめよ! この話はよくある嘘ニュースのウェブサイトのものでしょ、ソーシャルメディアに出回っている。もっとも、騙されているのはあなただけじゃない。真面目なニュースの局でさえ、この手の話題をあたかも事実のように報道するけど。

ニール:'Taken in'は、何かに騙されるという意味。まぁ、認めざるを得ないね、実際信じてたから。それに、嘘の、あるいは偽のニュースサイトがあるなんて知らなかったよ。何が嘘で何が真実か、どうやって見分けたらいいんだろう? とんでもないことがたくさん起きているのに!

ソフィー:いい質問ね。そして実は、デジタルニュースと、その伝統的な新聞への影響が今日の番組のテーマです。私が言いたいのは、あなたも私のように伝統的な印刷物の新聞を読めば、もっと信頼性の高い、つまり信用できる記事を手に入れられますよという事。

ニール:まぁ、君は伝統的な印刷された新聞を堪能していればいいよ。そうできる間はね、ソフィー。だって、そんなものはもうすぐなくなってしまうよ。恐竜と同じ末路さ!

ソフィー:うーん、紙の新聞が最近は経済的に厳しいのは事実ね。それは売上が十分ではないという意味。でも、それがなくなったら私は悲しいわ。その話が今日のクイズ質問につながっています。ニール、現在の英国で紙の全国紙は一日に何部売れているでしょう? それは…
a) 7万部? b) 70万部? それとも c) 700万部?

ニール:じゃあ、僕は a)の7万部にするよ。これよりずっと多いという事は有り得ないよ、間違いなく。

ソフィー:では、あなたが正解を選んだか否かの確認は番組の後ほどで。しかし今は話を進めましょう。私たちはデジタルニュースの欠点について一つ議論しました。すなわち、正しい記事と虚報を見分けるのが困難になる可能性があること。ネット上で利用できる大量の情報を考えるとね。次は長所について話した方がいいんじゃないかしら、ニール。

ニール:えーと、24時間・週7日いつでもニュースにアクセスできる。それに自分のスマホでもタブレットでも検索できて、興味がない話題のページをパラパラめくる必要もない。モノクロばっかりじゃないし、読むのが全てでもなく見たり聞いたりもできる。おまけに自分のコメントも書き込める。

ソフィー:なるほど。では、ケント大学ジャーナリズム学の教授、ティム・ロックハーストの話を聞きます。現代のジャーナリズムにおいて何が重要だと彼が考えているかを理解しましょう。

[挿入]
ティム・ロックハースト ケント大学ジャーナリズム学教授
あなたの地元の記者がニュースを書いている先が、タブレットでもスマホでも、印刷物、オンライン、テレビ、あるいはラジオでも、それは問題ありません。重要なことは、多様性のあるジャーナリズムが入手可能なこと。そして専門的な記者によって書かれていなければなりません。彼らの仕事は公正で客観的であるべき職務です。公平で、公共の利益であって、単に大声で怒鳴り意見を表明するものではありません。

ソフィー:ティム・ロックハーストでした。彼は、ニュースはデジタルでも伝統的な物でも、どんなメディアでもうまくいくと言っています。ただしそれは、記者が優れた記事を追求して公正・客観的である限りは、です。誰かが'objective'だというのは、その人が個人的な感情や意見に影響されないという意味。'rant'とは、何かについて腹を立てて独善的に話すということ。

ニール:さて、新聞は記者たちに給与を払うために金を稼がなければなりません。しかし発行部数は著しく下落しているので、彼らは新聞を採算に乗せる他の方法を見つける必要があります。

ソフィー:新聞の'circulation'とは、一日あたりに流通している部数のこと。なら、販売する広告スペースをもっと増やすのも一つの策、そうじゃない?

ニール:確かに。でも多くの広告主がデジタルメディアの利用を選びつつある。だって、デジタルの方がより幅広い、より的を絞った顧客に届くから。それがデジタルニュースにとって代わりつつある理由の一つだよ。デジタルなら広告で採算が取れる。

ソフィー:記事の質が良いと分かっているなら、新聞にもっとお金を払っても私は気にしないけれど。

ニール:でも、上質な記事を無料で見たいと思っている人がどんどん増えているよ。

ソフィー:新聞は、印刷機の発明以来身近に存在したものであり、人々の生活の年代記として、つまり文書化された記録として歴史的に重要な資産です。ここでアレックス・コックスの話を聞きましょう。家系に関するウェブサイト、findmypast.co.uk の研究員で、この点について話しています。

[挿入]
アレックス・コックス 家系ウェブサイト findmypast.co.uk 研究員
第一次世界大戦中の地方紙は、亡くなった地元の人の一覧を書いている場所に追悼のコラムを常に掲載していました。またとても多くの地方紙が行ったのは、亡くなった家族についての短い詩を投稿することを、その肉親に認めることでした。それらは5-6行の、さほど長くない物でしたが、しかしそうした詩は、実に、実にとても胸に迫る物でした。しかも新聞は掲載にその中の1ページだけでなく、何ページも割いていました。現代の新聞が、今日、そのようなことをすると検討したことさえあるのか、私は聞いたことがありません。

ソフィー:'Deceased'は死者を意味する別の語。この場合は、第一次世界大戦で亡くなったイギリス兵を指します。

ニール:地方新聞は、あの当時、亡くなった人の家族が書いた詩を掲載していました。そうした詩は、印刷物という形で残された、その時代の大切な歴史的記録です。

ソフィー:その通り。さて、思い出してねニール、私の質問は、現在の英国で紙の全国紙は一日に何部売れているでしょう? それは… a) 7万部? b) 70万部? それとも c) 700万部?。

ニール:ああ、憶えているよ。僕の答えは、7万部。

ソフィー:あらら、残念ニール。それは間違いよ。実際の正解は、c)の700万部。ただ、部数は減少中です。

ニール:まあ、それでもまだ僕が思っていたより数百万部多いけどね。さて、今日習った言葉を聞く時間のようです。それは、
taken in
fake
reliable
feeling the pinch
objective
rant
circulation
chronicles
deceased

ソフィー:では、今日の6 Minute Englishはこれでおしまい。またすぐ番組に参加してね!

二人:さよなら!

[ノート]

threaten:脅す・脅迫する
around the world:世界中で
so why do they survive:(もしかしたら、how、いかにして生き残り、の間違いか? でも、なぜ存続しているか、でもおかしくないか?)
survive:生き延びる・何とかする・存続する
future:未来・将来
pros and cons:賛否・良い点悪い点・賛否両論・損得
pro:~に賛成の・~寄りの・~促進の
con:~に反対して
in print:印刷されている・絶版ではない・発売中の・印刷媒体での

it says here:ここに~と書かれている
fossil:化石
two-headed:双頭の
dinosaur:恐竜
discover:発見する・発掘する
Greece:ギリシャ
Look!:(感嘆詞的に)ねえ・おい・いいかい・いいですか
picture:絵・映画・写真・光景
Honestly:<感嘆詞>(不信・落胆・困惑・嫌悪などで)いやはや・全く・実際・あのね・正直なところ
believe:信じる・信頼する・真に受ける
one of those:よくある・その手の
fake:嘘の・偽造の・いんちきな・でたらめな・不快な
float about:出回る・広まる・辺りを漂う・流布する・付近にある・どこかに存在する
get taken in:騙される
serious:真面目な・本気の・本格的な・重大な
report:報告する・報道する・公表する・説明する・記録する
these type:この種の・この手の
story:(ここでは)報道のネタ・記事
as if:あたかも~のように・まるで~であるかのように
as if it were true:まことしやかに
true:真実
fool:騙す・ごまかす・からかう
admit:認める・許す・許可する
pretend:嘘の・偽の・架空の
exist:存在する・生存する・存続する
be supposed to:~することになっている・~するはずである・~しなければならない・本来なら~するはず・~すると予想される
How am I supposed to know how it works?:どうやってこれを使えばいいんですか?
know:知る・分かる・見分ける・識別する
real:実在する・存在する・現実の・本物の
extraordinary:異常な・途方もない・非凡な・特別な・並外れた
happen:起こる・発生する
actually:実際は・本当に・実は・実のところ
effect:効果・効力・結果・影響
traditional:伝統の・伝統的な
newspaper:新聞
subject:主題・題目・テーマ
show:(ここでは)番組
The thing is:何がいいたいかって言うと・本当は・肝心なのは・実は・どういうことかというと
print:<名詞>印刷・印刷物
find:出会う・見つける・探しだす・気付く・手に入れる
reliable:信頼できる・信頼性のある・あてになる
trust:信用する・信頼する
enjoy:楽しむ・味わう・満喫する・享受する
disappear:消える・消失する・存在しなくなる
pretty soon:近いうちに・近い将来・もうすぐ・早急に
the same way as:同じ方法で・同じように
Hmm:ふーむ・うーん
feel the pinch:金銭的に苦しい
pinch:(ここでは)窮地・危機・ピンチ
feel a pinch:危機を感じる・危機感を抱く
these days:この頃は・近頃
make money:金を稼ぐ・儲ける
miss:(ここでは)~がなくて不自由する・~がいないのを寂しく思う・~が恋しい
go:(ここでは)離れて行く・去る・消えていく
bring on:持ってくる・連れてくる・引き起こす・招く・もたらす
national newspaper:全国紙
currently:現在は・今や・これまでのところ・一般に
go for:(ここでは)選ぶ・決める
much more:はるかに
surely:疑いなく・間違いなく・確かに・必ず・本当に・もちろん
find out:見いだす・発見する・調べる・答えを出す
get a right answer:正しい答えを出す
move on:先へ進む・次に移る・取り掛かる
discuss:話し合う・議論する
disadvantage:不利な立場・不都合・不利益・デメリット・欠点
be hard to:~するのが難しい
distinguish A from B:AとBを区別する・見分ける
given: (前置詞または接続詞的に用いて)前提とすると・仮定すると・与えられたとすると・~があるとすれば・~を考えれば・鑑みると
例文:Given the basic premise, the argument makes sense.:その基本前提を仮定すれば,その主張はうなずける.
mass of information:大量の情報
available:利用できる・入手できる・得られる・応対できる・通用する・在庫がある
maybe you should:~したほうが良いと思う
advantage:好都合・有益・得・強み・長所
access:接続する・アクセスする・利用可能にする
24/7:毎日24時間週7日
search for:探す・検索する
without having to:~しなくても・~する必要なしに
flip through:パラパラめくる・素早く変える
page:ページ・一枚
stuff:物事・シロモノ・がらくた・才能・素材
be interested in:興味がある
in black and white:白黒で・印刷されて・文書で・物事の良い悪いで見て(もしかしてここは、文ばかりじゃない、という意味かも?)
all about:~が全てで・全て~次第で・要は~で
make comment:コメントする・論評する
Tim Luckhurst:Timothy Colin Harvey Luckhurst is a British journalist and academic currently the Professor of Journalism at the University of Kent, and the founding head of the university's Centre for Journalism.(英語版wikipediaより)
Professor:教授・先生
Journalism:ジャーナリズム・ジャーナリズム学・新聞学科・記事・新聞雑誌
Kent University:ケント大学は、英国・イングランドのケント州カンタベリーに位置する国立大学である。1965年に英国政府によって設立された、いわゆる新設大学 "plate glass university" のひとつである。(wikipediaより)
see:見る・会う・理解する・考える・確かめる・調べる
nowadays:現今・現代・最近の
doesn't matter:問題ない・構わない・関係ない・どうでもいい
whether:~かどうか・~であろうとなかろうと
local:<形容詞>地元の・現地の・地方の・一部の
journalist:ジャーナリスト・記者
produce:生み出す・生産する・製造する・作る
What matters is:大事なことは・重要なのは
diversity:多様性・様々な種類・相違点
provide:供給する・与える・もたらす
professional:専門的な・専門職の・職業上の・本職の・プロの・熟達した
reporter:記者・レポーター・報告する人
be to do:~することになる・~するつもりである・~したい・~のはずである
honest:正直な・誠実な・率直な・ごまかしのない・純正な・公正な
objective:目的の・客観的な・事実に基づく
impartially:公平に
public interest:公益・公共の利益・市民の関心
not simply:単に~だからでなく・単なる~でなく
rant:不満をぶちまける・騒ぐ・怒鳴り散らす
express opinion:意見を述べる・見解を示す・所信を表明する
successful:上出来な・成功した・うまくいく・達成できた
platform:演壇・台・駅のホーム・台地・プラットフォーム
so long as:~さえすれば・~である限りは・~する以上は・~であるならば・~の間は
in pursuit of:~を追求して・~を追いかけて・~を求めて
influence:影響を与える・感化する・動かす
personal:個人的な
feeling:感情・気持ち・思い入れ
opinionated:自説を曲げない・意固地な・独断的な・独善的な
way:道・方向・経路・方法・手段・やり方・状態
pay:支払う・金を払う・利益になる・得になる・割に合う
circulation:循環・(ここでは)発行部数
falling:落下する・下落する・縮小する
dramatically:劇的に・著しく・飛躍的に
number:数・数字・順位・番号・合計
copy:コピー・写し・原稿・広告文・題材・部数
distribute:分配する・ばらまく・広げる・流通させる
per day:一日当たり
advertising space:広告スペース
advertiser:広告主
choose:選ぶ・~を望む
reach:届く・至る・手を伸ばす・人に渡す
wide:幅広い・範囲が広い・種類が多い
targeted:標的とする・目標とされた・的を絞った
audience:聴衆・観客・視聴者・読者
take over:奪う・引き継ぐ・代わってやる・乗っ取る・占領する
pay for itself:元が取れる
through advertising:広告によって・広告を通じて・広告を介して
not mind:気にしない・苦にならない・構わない
increasingly:ますます・どんどん・だんだんと・次第に
expect:期待する・予期する・楽しみにする・要求する
for free:無料で
around:囲むように・あちこちに・近くに・そばに・活躍し・存在して・現存して
since:~以来・~のときからずっと・~なので
invention:発明・考案
printing press:印刷機
chronicle:年代記・物語・記録したもの
written account:事実まはた出来事に関する知識を保存する書かれた文書
written:書かれた・書き言葉の・文書の
account:報告・記述・説明
people's lives:人々の生活・人々の命
historical:歴史に関する・歴史上の・歴史的な
resource:援助・資金・供給源・資産・資源
Alex Cox:(資料見つからず)
researcher:研究員・調査員
genealogy:家系・血統・系譜・系図学
findmypast.co.uk:Findmypast is a privately held UK-based online genealogy service owned by British company DC Thomson. Founded in 2003(英語版wikipediaより)
During:~の間に・~の期間中
First World War:第一次世界大戦は、1914年(大正3年)から1918年(大正7年)にかけて戦われた人類史上最初の世界大戦である。(wikipediaより)
local paper:地方紙・地方新聞
always:いつも・常に・相変わらず・以前から
print:<動詞>印刷する・出版する
Memoriam:記念して・追悼して
column:(ここでは)コラム・囲み記事
list:載せる・記入する・一覧表にする
local:<名詞>土地の人・地元の人
dead:死者・死人
What a lot of:なんてたくさんの
allow:許す・許可する・与える・割り当てる・配分する
relative:血縁者・親類・身内・親戚・肉親
submit:提出する・投稿する・提案する・言う・考える
poem:詩・ポエム
deceased:故人
loved one:最愛の人・故人
deceased loved one:亡くなった家族
line:(ここでは)行
really:実のところ・本当に・正直に・間違いなく
quite:すっかり・かなり・すごく・非常に
powerful:強力な・迫力がある・説得力のある・実力のある・効果を発揮する
dedicate:捧げる・献身する・打ち込む・取っておく
page space:紙面
multiple:多数の・複合的な・多様な・倍数の
modern:現代の・今の・近代の・最新の
consider:考える・考慮する・検討する
in this case:この場合・もしそうなら
refer to:参照する・注意を向ける・言及する・呼ぶ・指す
soldier:兵士・軍人
at the time:当時・あの頃・その頃
capture:捕らえる・占領する・(ここでは)形あるものに記録する・永続的なものに形を変える
time:時・時間・時代・時期・状況・時勢
Indeed:実に・本当に・確かに
remember:憶えている・記憶する・思い出す
still:まだ・それでも・にもかかわらず・さらに
it must be:~に違いない・きっと~だろう

英国は人口6400万人で全国紙700万部。日本は1億2000万人で大手5紙で2300万部らしい。日本人こそ紙の新聞大好きだね。