6 Minute English
Sighing
EPISODE 170420 / 20 APR 2017


今回の番組では、ダンとキャサリンはため息について議論し、またそれが実は、いかに人にとって不可欠な活動で健康を維持しているかを学びます。そして、6項目の語彙を皆さんに説明します。

[台本]

ダン:こんにちは。6 Minute Englishへようこそ。この番組ではみなさんに興味深い話題と6個の語彙をお届けします。僕はダン。そして今日、僕たちが話し合うのは…

キャサリン:はぁ~、溜息です。私はキャサリン。

ダン:えー、それは本物の溜息なのか、それとも意味を実演しただけ?

キャサリン:これはもちろん教育的な目的のものよ、ダン。

ダン:人はなぜ溜息をつくのかを考え、また溜息がどのように人の生存を支えているか学びます。

キャサリン:ええ、とても面白そう。そして溜息をつくのは人間だけではありません。そうよね、ダン?

ダン:そうなんだ。大抵の哺乳類は溜息をつきます。それが今日の質問につながりますが、ネズミは一時間に平均して何回ため息をつくでしょうか? それは?

a) 2回

b)  10回

c) 40回

キャサリン:この貧相で小さな生き物は一時間に約40回溜息をつく、を選ぶことにするわ。

ダン:よし。君が正解したかの確認は番組の後程にしよう。さて、溜息とは正確には何なんだろう?

キャサリン:リン・バーカー博士の話を聞きましょう。英国、シェフィールド・ハラム大学の認知神経科学者です。

[挿入]
リン・バーカー博士 シェフィールド・ハラム大学の認知神経科学者
これは典型的な心肺関係をリセットさせる仕組みなのです。殆どの哺乳類は何らかの溜息をつきます。なぜなら人はため息をつかないと、いずれは死にます。これは生存メカニズムなのです。

キャサリン:つまり人は溜息で生き延びている。

ダン:バーカー博士はこれを生存メカニズムと呼びました。'survive'とは生き続けるという意味。とりわけ、困難な状況で。'mechanism'はここでは、行動の体系を指します。

キャサリン:つまり生存メカニズムとは、生き残るために身体が自動的に行う物事です。でもダン、どうして溜息が生存メカニズムなの?

ダン:それは、溜息で肺をリセットできるからです。'reset'とは何かを元の状態に戻すこと。この動詞はしばしば、技術の話をしている時に使われます。人はコンピュータや携帯を再起動できます。

キャサリン:ええ、そういうこと。でも、溜息でどうやって肺をリセットするの?

ダン:えー、UCLAつまりカリフォルニア大学ロサンゼルス校の科学者が、溜息は特殊な種類の非常に深い呼吸だと発見したんだ。それが、人の肺にある微小な気嚢、肺胞というものが適切に機能するのを維持するんだ。

キャサリン:そして溜息をつかないと、肺胞は虚脱して人は死んでしまいます。肺胞は、酸素を肺から血液に移動させるうえで必要なのです。

ダン:幸いなことに、私たちは自分の肺をリセットする必要について考えなくても構いません。溜息は事実上、反射なのです。

キャサリン:わっ!

ダン:うわー!

キャサリン:ほら、飛び上がった! これが反射のすごさよ、ダン! 人体が考えずにする事。あなたが無意識に、自動的にする事です。

ダン:…I meant …argh….like a man. どうもありがとう、キャサリン。

キャサリン:どういたしまして。

ダン:君はよく溜息をつくの?

キャサリン:そうね、私は疲れた時に溜息をついたり、ホッとした時に溜息をつく。安堵の溜息を漏らすわけね。

ダン:安堵の溜息を漏らす。素晴らしい表現だね。It means what you think it means -悪いことが起きなかったので気分が良い時に溜息をつきます。でもこれはよく、隠喩的に使われます。溜息をつく行為よりむしろ、安心する気持ちに関連しています。

キャサリン:その通り。さて、私は先日、携帯が見つかった時には安堵の溜息が出ました。なくしたと思っていたの。新品だったから、見つけた時にはとても嬉しかった! あなたはどう、ダン?

ダン:僕は苛立ちを表すために溜息をつくことが多いな。あるいは時には諦めとか。

キャサリン:えー、苛立ちとは物事がうまく行かない時に感じるものです。物事にイライラさせられ、きちんと動かない時。何かにじれったい時です。

ダン:そして諦めとは、自分では変えられない悪いことが起きて、最終的に受け入れる時に感じる物。何かを諦めたと感じます。

キャサリン:つまり、安心したり観念したりイライラすると肺がリセットされる。どうも我々人類は溜息を止めそうにありません!

ダン:まぁ実際、我々ヒトは一時間に平均で12回溜息をついています。では…、ネズミはどうだろう?

キャサリン:えー、私の計算では一時間におよそ40回溜息をつくと言いました。

ダン:まぁ実際、一時間に40回なのです。ネズミの心臓は速く鼓動するので、人よりもっと肺を調整する必要があります。

キャサリン:今日の語彙を復習しましょう。

ダン:取り上げた語句は'survival mechanism'。生存を維持するために無意識に行う事です。

キャサリン:私たちはしばしば、人が人生の困難に立ち向かうためにすることを話す時に、この語句や、関連した防御機構という表現を使います。

ダン:次に取り上げたのは'reset'。コンピュータや機械は、もう一度稼働させるためにリセットが出来ます。これは通常、もう一度スイッチを切って入れるという意味です。

キャサリン:パスワードもリセットできます。これは少し意味が違って、新しいパスワードを設定する、あるいは選ぶということです。

ダン:'reflex'という語もありました。これは身体的な作用や反作用で人は制御できません。例えば…、キャサリン?

キャサリン:何、ダン?

ダン:そら、目を閉じた。これも一つの反射だ。

キャサリン:そして'breathe a sigh to relief'です。これは悪いことが起こらなかったので気分が良くなるという意味。私は友人が病気から快復した時に安堵の溜息をついたわ。

ダン:しかし人は他の理由で溜息をつくこともあります。溜息をつくのに便利な二つの言葉、それは、苛立ちと諦めです

キャサリン:'Frustration'とは、イライラした状態のこと。何かが苛立たしいと表現できます。上司が私の話を聞いてくれない時はイライラするわ。

ダン:しかし、仮にもどかしく思うのを越えて、'resigned'を感じるようになってきたとしましょう。

キャサリン:ええ、上司は決して私に耳など傾けてくれないと遂に受けれいた時、そうなります。それが、私が諦める時です!

ダン:'resign'には、自発的に仕事を辞める意味もあります! 頼むから、キャサリン、これは別の語彙例にすぎないと言ってくれるかい?

キャサリン:もちろんそうよ、ダン。私、仕事が大好きだから! 私が溜息つくのはたった、えー、一時間に12回よ?!

ダン:それは完全に平均値だね。そして、今日の 6 Minute Englishはこれでおしまい。またすぐ番組に参加してね。

キャサリン:私たちはソーシャルメディアもしています。フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、それにユーチューブも必ず見つけてください。

二人:さよなら!

[ノート]

programme:番組
discuss:議論する・話し合う
sigh:<動詞>ため息をつく・<名詞>溜息
sighing:溜息・ため息をつく・ 吐息をつく
learn:学ぶ・身に付ける・覚える
in fact:実際に・実は・事実上・要するに・その上
vital:命の・生命に関する・生命維持に必要な・元気な・必須の・不可欠の・致命的な
human activity:人間の活動・人的活動
vital activity:生命活動
例文natural human activity:人間にとって自然な行動
keep:保つ・~の状態にしておく
healthy:健康な・健やかな・健康的な
teach:教える・説明する
item:項目・品目・箇条
vocabulary:語彙

bring:持っていく・連れてくる・もたらす
interesting:面白い・興味深い・関心を引く
real:実在する・現実の・実際の・本物の
just:ちょうど・ただ~だけ・ぴったり・実に・全く・まさに・単に・わずか・はっきり言って・いったい・とにかく
demonstrate:実際にやってみせる・実演する・明らかにする・実証する
educational:教育上の・教育的な
purpose:目的・目標・狙い・意味・意義・理由
look at:目を向ける・注目する・調べる・検討する・~について考える
alive:生存して・動作して・生き生きとして
keep alive:生かしておく・生き続ける
indeed:実に・確かに・全く・まさに・本当に・まったく
most:大抵の・ほとんどの
mammal:哺乳動物・哺乳類
average:平均・並み・標準
Twice:2度・2回
times:(ここでは)倍・回
say:言う・述べる・賭ける
poor:貧しい・みすぼらしい・かわいそうな・乏しい・劣った・地味な
thing:(ここでは)生き物・人・子供
Find out:見いだす・解明する・理解する・明らかにする・気付く・見破る・答えを出す・謎を解く
later:後ほど
exactly:正確に・厳密に・完全に・まさしく・そもそも
Dr Lynne Barker:
cognitive neuroscientist:認知神経科学者
Sheffield Hallam University:シェフィールド・ハラム大学は、シェフィールド市の中心と郊外にキャンパスを持つ比較的新しい大学。大学全体は4つの学部で構成され、特にレジャー・ホスピタリティ系の科目が豊富。(http://www.beo.jp/program/schools/detail/20080618141304.html英国留学のサイトより)
typically:一般的に・通常・典型的に・概して
cardio-respiratory:心肺
cardio-:<連結語>心臓
respiratory:呼吸に関する・呼吸性の
kind:種類
reset:リセットする・規定値に戻す・初期化する・再起動する・再設定する
mechanism:機械・装置・機構・構造・仕組み・働き・作用・過程
engage in:~に従事する・~に携わる・~する・行う・取り組む
例文engage in a negative campaign:ネガティブキャンペーンを行う
some kind:ある種の・何かの
eventually:最終的には・結局は・ついに・最後は・いずれは
survival:生存・生き延びること
call:叫ぶ・名付ける・見なす・呼ぶ
mean:意味する・指す・表す
continue:~を続ける・継続する
especially:特に・とりわけ
circumstance:状況・環境・事態・境遇
system:系・体系・制度・秩序・システム
behaviour:態度・挙動・振る舞い・言動・動作・調子・作用・行動
body:身体・肉体・人
automatically:自動的に・無意識に・思わず・勝手に・機械的に
lung:肺
return:返す・戻す
original:最初の・新たな・独創的な・元の
setting:状況・環境・設定
verb:動詞
technology:科学技術・工業技術・テクノロジー
fine:素晴らしい・結構な・良い・晴れた・元気な
That's fine:それでいいですよ・大丈夫です・それで構わない・結構ですね
scientist:科学者
UCLA, the University of California, Los Angeles:カリフォルニア大学ロサンゼルス校 は、米国カリフォルニア州ロサンゼルス市に本部を置くアメリカ合衆国の州立大学である。1919年に設置された。(wikipediaより)
find:出会う・探しだす・発見する・気付く・理解する・取り戻す
deep breath:深呼吸
tiny:とても小さい・ちっぽけな
sac:嚢・液嚢
air sac:空気袋・空気嚢・気嚢
alveoli=alveolusの複数形:肺胞
alveolar sac:肺胞嚢
work:(ここでは)正しく機能する・動作する・うまくいく・役立つ
properly:適切に・きっちり・正確に
collapse:つぶれる・崩れる・崩壊する・挫折する・破綻する・廃れる・衰弱する・肺などが酸素不足により虚脱する
transfer:移す・移動する・伝える・乗り換える
oxygen:酸素
blood:血液
Thankfully:ありがたいことに・幸いなことに
reflex:反射・反射作用
Boo!:わっ!
Argh!:あー!
There:<感嘆詞的>そら・ほら
jump:飛び跳ねる・急に動く・跳ね上がる
fabulous:素晴らしい・素敵な・優れた・すごい・とても愉快な・信じられないほどの
unconsciously:無意識に・知らず知らずに
I meant …argh….like a man.:(訳出来ず。悲鳴を上げたことへの何か弁解的なこと?)
like a man:男らしく・雄々しく・動じず・潔く
relieved:ホッとした・解放された・安心した・安堵した
breathe a sigh of relief:ホッとしてため息をつく・安堵のため息を漏らす
breathe:呼吸する・息をする・吸い込む
relief:除去・安堵・取り除くもの・気晴らし
great:巨大な・偉大な・素晴らしい・重要な
expression:言い回し・語句・表現
It means what you think it means:(訳出来ず。それが意味しているとあなたが考えているものを指している…、うーん??)
metaphorically:隠喩的に
relate:関係がある・つながりがある・関連する
feeling of relief:安心感・安堵感
act:行為・言動・活動
That's right:その通り
the other day:先日・このあいだ・いつぞや
lose:失う・なくす・遺失する
please:喜ばせる・満足させる・楽しませる
tend to:~しがちである・~する傾向がある・どちらかといえば~
show:見せる・飾る・示す・表す
frustration:不満・苛立ち・失望・落胆・挫折
resignation:辞職・退職・諦め・受容・屈服・服従
例文sigh of resignation:諦めの溜息・断念の溜息
go well:うまくいく
annoy:イライラさせる・いらつかせる・苛たせる・ムッとさせる
frustrating:いら立たしい・イライラする・悔しい・じれったい・もどかしい
finally:ついに・ようやく・最後に・最終的に・やっと
accept:引き受ける・受諾する・認める・受け入れる・応じる
resigned:諦めた・観念した
sound like:~のように聞こえる・~ように思える・~のような印象を与える
human:人・人間
actually:実際に・本当は・実は・実のところ
reckon:数える・計算する・見なす・考える・~だと思う
heart:心臓・胸
beat:打つ・叩く・鼓動する
regulate:規制する・調整する・制御する
review:再調査する・見直す・復習する・おさらいする・振り返る・概観する・論評する
phrase:言いまわし・言葉遣い・成句・慣用句・語句・表現・フレーズ
without thinking:何も考えずに・無意識に・軽はずみに
defence mechanism:防御機構・防衛機制
cope with:対処する・立ち向かう・に耐える
usually:普通・通常・いつもは・大抵
switch off and on:スイッチを切る入れる
set:取り付ける・定める・設定する・決める・合わせる
choose:選ぶ
physical:物質の・天然の・身体の・肉体の・物理学上の
action and reaction:作用と反作用
control:操作する・制御する・規制する・抑制する・統制する
Another:もう一つの・別の・他の
after:(ここでは)~したので
recover:回復する・正常に戻る・取り戻す
illness:病気・疾患
useful:役立つ・便利な・有用な・有益な
state:状態・ありさま・過程・段階・様子
boss:上司・社長
say:(ここでは)仮に~だとしたら
例文say it was true:仮にそれが本当だとしよう
move:動く・取り掛かる・変化する・展開する
beyond:~の向こう側に・~を越えて・~を過ぎて
start:始める・開始する・起こす
voluntarily:自発的に・自主的に・自分の遺志で
leave a job:仕事を辞める・辞職する・退職する
love:愛する・大好きである・強い関心を抱く
what:(ここでは)あのね
例文You know what?:いいかい君,あのね
perfectly:完全に・完璧に・すっかり
that's it:まさにそれだ・その通り・それでおしまい・それで全て・以上です・いい加減して・そこまでにしなさい・その調子
例文find ~ on the Web:インターネット上で~を見つける
make sure:確かめる・確認する・確実にする・必ず~するように手配する
p04zscw4
ダンの悲鳴が大きすぎて録音が割れている。