6 Minute English
How honest are we?
EPISODE 170727 / 27 JUL 2017


あなたは正直ですか? 誰かを騙したことはありますか? ロブとニールは、正直さは人にとって自然な事なのか、それとも社会集団の中で暮らしてきた産物なのかを議論します。

[台本]

ニール:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。この番組がお届けするのは興味深い話題と6個の語彙です。僕はニール。そしてロブが一緒です。

ロブ:こんにちは皆さん! 今日僕たちが6分間話をするのは、正直さについて、そして人はどれほど正直なのかについてです。とりわけ、お金を使うことに関して。さてニール、「正直箱」とは何だろう?

ニール:えー、それは何かの代金を、箱の中にお金を入れて支払う事。でも、正しい金額を入れるかはその人次第だ。小規模な事業が、車を駐車したり新聞を買うといった事の料金を徴収するのに、この手法を使う事がある。それは、これなら店員を必要としないためです。

ロブ:しかしそれは、全くお金を払わず新聞を持って行ったり、車を止めることもできるということ! 正直箱は人々が正直であることに依存しています。形容詞の'honest'は、正直で人を騙そうとしないという意味。

ニール:名詞は'honesty'。正直である性質の事。これまでに正直箱でズルをしたことはあるかい、ロブ?

ロブ:全くない! そんなことしたことない!

ニール:本当に?

ロブ:ホントさ! そして'cheat'はちなみに、自分が欲しいものを手に入れるのに誰かをだましたりあざむくこと。正直は最良の策だよ、よく言われるように…

ニール:それは当然ながら、クイズへとつながります。合衆国の大統領で、「正直は最良の策」と言ったのは誰か分かりますか? それは…

a) ドナルド・トランプ
b) ベンジャミン・フランクリン それとも
c) リチャード・ニクソン?

ロブ:率直に言って、ニール! その答えはだれでも分かるだろう。

ニール:でも君は正解を知っているのかい、ロブ?

ロブ:じゃあ、素直な推測してみるよ。僕はb)のベンジャミン・フランクリンだと思うな。

ニール:まあ、それが正解かも知れないし、正解じゃないかも。番組の最後に判明します。僕はさっきの君の'honestly'の使い方が好きだよ、ロブ。副詞の'honestly'は、文頭に置いてイライラしているのを示すのに使えます。例えば、番組の共演者が簡単すぎるクイズ質問を選んだ時に!

ロブ:分かった、分かった。ここは話を進めて、フィリップ・グレーブスの話を聞きましょう。心理学者で、「消費者学」という本の作者。なぜ、正直が必ずしも最善の方策ではないかを説明してくれます。

[挿入]
フィリップ・グレーブス 心理学者、「消費者学」作者
問題は「ほとんどの消費者は正直か」ではなく、問題なのは「ほとんどの人間は正直か?」で、その答えは「否」。人は不正直になる能力とともに進化してきたのです。これは人の進化上の心理的気質の一部です。なぜなら、もし自分の周囲の人達よりも優位に立つことができれば、生き残る可能性は大きくなります。今ここで重要なのは、人は社会集団の中にいることから恩恵も受けており、それが人類の進化の歴史上重要だったのです。ですから、両者の度合いのバランスがあります。いわゆる私腹を肥やすこともできますし、一方で集団から追放される危険性もあります。

ニール:消費者とは、物やサービスを買う人の事。例えば、食品とか服とか。

ロブ:あるいは駐車場とかタクシーの利用も。

ニール:もし、僕が車をとめて駐車場の料金を払わないと、不正になります。でも同時に、お金を節約できます。

ロブ:そしてフィリップ・グレーブスは、不正直さは人の「心理的気質」の一部だと話していました。それはどういうことかな?

ニール:人の心理的な性質とは、人の心の機能の仕方、考え方の事です。

ロブ:もしそうした行動によって利益を得るなら、不正直には合理性があります。つまり、その代金を払わずに何かを手に入れれば、お金を貯めて違う物に使えます。

ニール:だったら、なぜ人は正直でいることをこれほど重視するのだろう? 不正直から利益を得ているのに?

ロブ:なぜならそれは利己的な振る舞いで、社会集団の他の仲間から好まれないからだ。もし誰もが四六時中、自分勝手に不正直に行動したら、世界はとても不快な場所になるだろう!

ニール:自己中心的、それは自分自身ばかり大切にして他の人は気に掛けないこと。それはいい指摘だね、ロブ。

ロブ:ああ。社会は人々が協調的な態度を取ると、より良く機能します。それは、共通の目標に向かって協力するという意味。

ニール:じゃあ、正直は本当に最善の策なんだ。少なくとも大抵の場合は! そして今、合衆国のどの大統領があの言葉を言ったのか明らかにする時間です。君の考えは、ロブ?

ロブ:分かった。ベンジャミン・フランクリンかな?

ニール:それは…、正解だ! たぶん質問が簡単すぎたのだろう! ベンジャミン・フランクリンは1732年から1758年まで続いた「貧しいリチャードの暦」という格言集の中でこれを書いたんだ。他の有名な引用句には、「苦労なくしては利益はなし」とか「明日することがあるのなら、今日やれ」などがある。よし。では、フランクリンの名文句に従い、ただちに今日習った語彙の項目を進展させよう。

ロブ:まず最初は、形容詞の'honest'。正直で人を騙そうとしないという意味。例えば、「ニールはとても正直そうな顔をしている」。よし、それから次は…えーと、'honesty'と'honestly'…。名詞形と副詞形で、例えば、あー…

ニール:ああ全く、ロブ、さあ早く二番目に進めなよ!

ロブ:はい、はい。今やることろだよ! 'cheat'。欲しいものを手に入れるために不誠実な行動をとること。

ニール:ウチのおばあちゃんはトランプではいつもズルをしていた。あれはすごく嫌だったよ!

ロブ:僕は学校の綴りテストではしょっちゅうカンニングをしていたよ!

ニール:何という不正だ、ロブ! よし、三番目は'Consumer'。自身の個人的利用のために商品やサービスを購入する人の事。

ロブ:例えば、「僕はチョコバーの大量消費者だ」

ニール:ひどい英語だよ、ロブ! こうれはどう? 「英国の消費者に、毎月食費にどれだけのお金を使うか尋ねた」

ロブ:なるほど。僕もその方が良い例だと思う。ともかく、もう二度とチョコは消費しないよ。よし、四番目だ!

ニール:'心理的気質'。人の心の機能の仕方、考え方の事です。

ロブ:例えば、「彼には連続殺人犯の心理的気質があった…」

ニール:それは酷い! 先に進もう。'selfish'。自分ばかり大事で、他の人を心配しない事。

ロブ:君は自分にだけ紅茶をいれたね。あれは自己中心的な行為だよ!

ニール:何だって???

ロブ:今のは単なるたとえさ。君は自分勝手じゃないよ、ニール。実際、君は僕が知っている最も協調的な人間だ。君は、共通の目標に向かって人と共に働くのが好きな人だよ。

ニール:じゃあ、利己的ではない?

ロブ:全く利己的じゃない。常に協力的で…おまけに正直だ。

ニール:素晴らしい。さて、僕は心から聴取者の皆さんが我々のフェイスブック、ツイッター、インスタグラム、ユーチューブのページを見に来ることをお勧めします。

ロブ:他の学習者の人達と、英語力を高めるという一致した目標のために協力することが出来ます! さよなら!

ニール:さようなら!

[ノート]

honest:正直な・率直な・誠実な・本物の・公正な・素朴な・素直な
cheat:騙す・欺く・いかさまする・カンニングする
discuss:話し合う・議論する・考察する
honesty:<名詞>正直・正直さ・誠実さ
come naturally to:性分に合う・容易である・簡単である・わけなくできる
product:生産物・製品・成果・産物・結果
social group:社会集団

bring:持っていく・連れて行く・もたらす・届ける
interesting:面白い・関心をひく・興味深い
topic:主題・題目・話題
item:項目・条項・品物
vocabulary:語彙
Hello there:(直訳すると)こんにちは、そこの人・やぁ、そちらの皆さん
've got=have
particularly:特に・とりわけ・ことさらに
when it comes to:~に関して言えば・~と言う話になると・~にかけては
spend:使う・費やす
honesty box:正直箱・正直者の箱
pay for:~の代金を支払う・~の対価を払う
put A in B:AをBに入れる
up to:~次第で
right amount:適正な量の・程よい・過不足ない
method:方法・方式・手法
parking:駐車・駐車すること・駐車場
mean:意味する・指す
sales assistant:店員
rely on:頼る・当てにする・依存する
adjective:形容詞
truthful:正直な・誠実な・真実の
try to:~しようとする
noun:名詞
quality:質・性質・属性・資質・人柄・特性
Absolutely:完全に・絶対に・全く・すっかり
Honestly:<副詞>正直に・本当に・実際のところ・正直に言って・間違いなく・<感嘆詞>全くもって・実際・あのね・正直
by the way:ところで・なお
trick:だます・欺く・一杯食わす・だまして奪い取る・ぺてんにかけてまきあげる
deceive:誤らせる・欺く・惑わす・だます・裏切る
Honesty is the best policy:正直は最良の策・正直の頭に神宿る
as they say:諺にいうように・よく言われるように
of course:もちろん・確かに・言うまでもなく・当然ながら
lead someone on to:人に~するようにし向ける
quiz:質問・クイズ
president:大統領
Donald Trump:ドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump、1946年6月14日 - )は、アメリカ合衆国の実業家、政治家。第45代アメリカ合衆国大統領。不動産会社トランプ・オーガナイゼーションの会長兼社長を務め、カジノ・ホテル運営会社トランプ・エンターテイメント・リゾーツの設立者である。(wikipediaより)
Benjamin Franklin:ベンジャミン・フランクリン(英語: Benjamin Franklin, 1706年1月17日 - 1790年4月17日)は、アメリカ合衆国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者。印刷業で成功を収めた後、政界に進出しアメリカ独立に多大な貢献をした。また、凧を用いた実験で、雷が電気であることを明らかにしたことでも知られている。現在の米100ドル紙幣に肖像が描かれている他、ハーフダラー銀貨にも1963年まで彼の肖像が使われていた。(wikipediaより)
Richard Nixon:リチャード・ミルハウス・ニクソン(Richard Milhous Nixon, 1913年1月9日 - 1994年4月22日)は、アメリカ合衆国の政治家。第37代アメリカ合衆国大統領。大統領再選を目指した1972年にウォーターゲート事件を起こし、再選後の1974年に大統領辞任に追い込まれて任期中に辞職した唯一のアメリカ大統領となった。(wikipediaより)
answer:答え・解答・正解
have a guess:推量をする・見当を付ける
例文have a good guess:良い読みをしている・見事な推測をする
find out:見いだす・解明する・理解する・明らかにする・気付く・見破る・答えを出す・謎を解く
beginning of a sentence:文頭
show:見せる・案内する・示す・表す
irritated:イライラした・苛立つ・刺激された・ヒリヒリする
co-:共同の・共通の・副の
presenter:司会者・講演者
pick:摘み取る・採集する・選定する・突く
move on:先に進む・進歩する・移る
Philip Graves:本人のウェブサイトがコチラhttp://philipgraves.net/
psychologist:心理学者・精神分析医
author:作者・著者・作家
Consumer:消費者・購入者
-ology:学問の分野・~学
not always:必ずしも~とは限らない
policy:政策・方針・やり方
question:質問・疑問・論点・議題・課題・問題
most:最も多くの・大抵の・ほとんどの
evolve:発達する・進化する
例文evolve with several elements:幾つかの要素を備えて進化する
capacity:能力・性質・資格
dishonest:不正な・誠実さに欠く・不正直な・ごまかしの・いんちきの
part:一部・部分・要素
evolutionary:進化の・進化的・進化論の・進化上の
psychological:心理的・心の・精神的な・心理学の
makeup:化粧品・仕上がり・構成・構造・組成・性質・気質
例文the genetic makeup of women:女性の遺伝的素質
例文the makeup of the Japanese minds:日本人の精神構造
gain:得る・獲得する・稼ぐ・勝ち取る・もうける
advantage over:~にたいする優位性・利点・強み
例文gain an advantage:利益を得る
例文gain an advantage over:~に勝る・~をしのぐ・~より優位に立つ
greater:より大きな
chance:機会・好機・見込み・可能性・勝ち目
surviving:生き残った・生存している
benefit from:~から恩恵を受ける・~によって益を得る
past:過去・昔・歴史・経歴
例文our country's glorious past:わが国の輝かしい歴史
balance:平衡・均衡・調和・バランス
strike a balance between:うまく~間の均衡をとる・AとBとをうまく両立させる
extent:範囲・規模・程度・度合
feather one's own nest:(いかがわしい手段で)私腹を肥やす・懐を温める・金をためる・蓄えをする(nextはスペルミスでしょう)
so to speak:いわば・言ってみれば
risk:危険・恐れ・リスク
ostracise:追放する・排斥する・仲間はずれにする・葬り去る
parking space:駐車場
park:駐車させる・置いておく
save money:お金を貯める・貯金する・節約する・倹約する
way:道・道筋・経路・方向・歩み・手段・方法・習わし・やり方・考え方
mind:心・精神・知性・考え方・意向・気持ち・意識
work:働く・機能する・動作する・効く
makes sense:筋が通る・理に適う・合理的な
behaviour:行動・態度・振る舞い・言動
place importance:重点を置く・大切にする・重視する
selfish:自己中心的な・利己的な・自分勝手な
act:行動する・振る舞う・演じる
selfishly:自分勝手に・利己的に
dishonestly:不正直に・不正な
all the time:いつでも・常に・年中・ひっきりなしに
unpleasant:不快な・嫌な・不愉快な
care about:大切にする・大事に思う・気にする・心配する・関心がある・頓着する
good point:良い指摘
society:社会・地域社会
behave:振る舞う・行動する・態度を取る
co-operatively:協調的に・協力的に・共同して
work together:協力する・力を合わせる・共に働く・連携する・共同する
towards:~の方へ・~に向かって・~を目指して
shared goal:共通の目標
really:実際には・実のところ・本当に・明らかに・全く
at least:少なくとも
most of the time:大抵・大体の場合・ほとんどの時間
reveal:見せる・公開する・明らかにする・暴露する
Maybe:たぶん・もしかすると
proverb:諺・格言・箴言
Poor Richard's Almanac:貧しいリチャードの暦(B.Franklin が Richard Saunders の名で編集した年鑑(1732-57)で,独特な警句(God helps those who help themselves. など)で知られる。(goo辞書より)あらゆるジャンルの教訓とユーモアとことわざの寄せ集めはアメリカ人の道徳的手本となった(wikipediaより))
Almanac:年鑑・暦
quote:引用・引用句
include:含める・盛り込む
'There are no pains without gains':苦労なくしては利益はない
'Have you something to do tomorrow? Do it today.':(訳見つからず)明日することがあるなら、今日やれ
follow:~に続く・ついていく・辿る・従う・守る・倣う・信奉する
wise words:名文句
move ahead with:~を進める・進展させる・前進する・実行する
right:(ここでは)すぐに・直ちに
例文I'll be right back.:すぐ戻ります
First up is:まず最初は
face:(ここでは)顔つき
例文a sad face:悲しそうな顔
hurry up:急ぐ
be getting there:そっちの方向に進んでいる・そのような状態になりつつある・着々と進んでいる
granny:おばあちゃん・ばあさん
used to:よく~したものだ・昔は~していた・以前は~だった
card game:トランプ・カードゲーム
annoying:不快な・迷惑な・うっとおしい・うるさい・気に障る
spelling:つづり・スペル
personal use:個人的利用・個人使用
chocolate bar:チョコバー
horrible:恐ろしい・ひどい・悲惨な・下品な・無礼な・最悪の・最低の
terrible:極度の・ひどく不快な・ひどく悪い・恐ろしい・悲惨な・下手な
ask:聞く・尋ねる・質問する・依頼する
agree:同意する・賛成する・承諾する
Anyway:とにかく・どうせ・何としても
never:決して~ない・絶対に~ない・少しも~ない
serial killer:連続殺人犯
nasty:不快な・汚らわしい・不潔な・胸が悪くなるような・ひどい・意地悪な
make a cup of tea:お茶を一杯淹れる
actually:実際は・実は・本当は・実際に・実のところ
co-operative:助け合う・協力的な・共同して働く
common goal:共通の目標
recommend:勧める・推薦する・勧告する
listener:聞き手・リスナー・聴取者
visit:訪れる・訪問する・見物に行く
co-operate with:~と協力する・協働する・連携する
learner:学習者
improve:改良する・改善する・向上させる・高める・伸ばす
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ベンジャミン・フランクリンは大統領じゃなーいー!