AS IT IS
Girl Scouts Accuse Boy Scouts of Stealing New Members
August 24, 2017
ガールスカウトアメリカ連盟は、ボーイスカウトアメリカ連盟が女の子をひそかに入会させようとしていると非難している。

ガールスカウト総長のキャシー・ホピンカー・ハナンはボーイスカウト総長のランドール・スティーブンソンに宛てて手紙を出した。その中でハナンは、ボーイスカウトが若い親たちに、彼らの娘のためのプログラムを作ることを話していたと知り、彼女の組織は憤慨していると述べている。

「あなたがたが…、女子の入会を提供することがミレニアル世代の親たちにとって魅力的か調べていると知り、我々はその透明性の欠如に落胆している」と彼女は書いている。

ハナンはまた手紙の中でこうも言っている。彼女の考えでは、ボーイスカウトは男子に限ることに関し不誠実になっている。それどころか、彼女によれば、ボーイスカウトは男子と女子、両方のためのモデルを作り出している、と。

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ガールスカウトとボーイスカウトの会員数は、近年減少している。どちらの組織も最も高い比率だった時から100万人以上の会員を失っている。

それに答えて、両指導者は協力について話し合うために今月会談した。

しかしハナンは、ボーイスカウトは既に、ガールスカウトに損害を与える男女共用プログラムの開発を始めていると思われると書いている。

この手紙のことを最初に報じたのはバズフィード・ニュースだ。

会員数の減少

ボーイスカウトは、ワシントンポストに宛てた声明文で、同団体への女子の加入を検討中であることを認めた。しかし、同団体によれば、それは会員数を増やすために行っているのではなく、自分たちの娘を、息子と同じ団体に参加させたい家族からの要望に応えているのだとしている。

「ボーイスカウトアメリカ連盟は、一方の性別のための活動に有益な点があると確信しています」と、ボーイスカウトの全国広報責任者エフィー・デルマルコスは声明で述べている。

しかし、と彼女は続けている。多くの男の子や女の子がボーイスカウトにもガールスカウトにも参加していません。ですから、ボーイスカウトは多忙な生活に合致したプログラムを開発することで、そうした家族を支援しようとしているのです、とデルマルコスは書いている。

プログラムの目的は「人格形成や価値観に基づくリーダーシップ訓練を提供すること」だと、デルマルコスは述べている。

ガールスカウトの外部の女性で、ボーイスカウトが女子を加入させるよう求める人もいる。

2月に、トランスジェンダーの子供がボーイスカウトの活動に参加することを認める発表をしたのを受けて、全米女性機構(NOW)は同団体を称賛した。また「女子が正式な会員になることを承認して全ての子供たちを支援する」という約束を履行するようボーイスカウトに求めている。

全米女性機構によれば、これはニューヨーク市に暮らす15歳の少女、シドニー・アイルランドの取り組みに触発されたものだ。彼女はイーグルスカウトである兄と同じような行動をしている。

ボーイスカウトとは異なり、ガールスカウトは女子のみが活動への参加を許されることを維持してきた。同団体は、女子に力を与えることが彼らの最も重要な目標だと話している。

フィル・ダーキンでした。

[ノート]

The Girls Scouts of America:アメリカではジュリエット・ゴードン・ローが1912年にガールスカウトアメリカ連盟(Girl Scouts of the U.S.A.)を設立。他の国に比べ、多くの少女が参加しており、現在のメンバー数は約400万、OGはおよそ5千万にも上る。全国的な活動として年に一度のクッキーセールがあり、これは当初、ガールスカウトが募金活動の一環としてクッキーを焼きそれを売ったことにはじまり、現在では伝統行事の一環になっている。(wikipediaより)
accuse:非難する・責める・訴える・罪に問う
the Boy Scouts of America:ボーイスカウトアメリカ連盟(英語: Boy Scouts of America, 略称BSA) はアメリカ合衆国における最大の青少年運動組織の一つである。2,400万人以上の青少年加盟員と100万人近い成人ボランティアを擁する。1910年に国際的なスカウト運動の一部として創立されて以来、のべ1億1,000万人以上のアメリカ合衆国国民がボーイスカウトアメリカ連盟の加盟員となっている。(wikipediaより)
secretly:ひそかに・こっそりと・秘密で
recruit:採用する・募集する・軍務に就かせる
President:大統領・会長・議長・総長 (総長という訳語はwikipediaを参考にした)
Kathy Hopinkah Hannan:The national organization has its central headquarters in New York City. It is headed by a chief executive officer and a 40-member national board of directors. Sylvia Acevedo currently serves as the chief executive officer, and was officially appointed in May 2017. The chair of the national board of directors, the highest volunteer position, is Kathy Hopinkah Hannan.(英語版wikipediaより)
Randall Stephenson:Randall Lynn Stephenson (born April 22, 1960) is an American telecommunications executive. He is the current chairman, chief executive officer and President of AT&T Inc since May 9, 2007. 36th President of the Boy Scouts of America (英語版wikipediaより)
organization:団体・組織・協会・機構・経営陣
upset:転覆して・混乱して・動揺して・取り乱して・憤慨して
be disappointed:失望する・落胆する・がっかりする
lack:不足・欠乏・欠ける
transparency:透明度・透明性
test:試す・経験してみる・検査する・試験する
例文test ~ for defects:欠陥がないか~を調べる
appeal:嘆願・訴え・魅力・訴求力
offer:申し出る・提供する・提案する・用意する・勧める・企てる・与える
millennial:ミレニアル世代 ジェネレーションYと似た世代を表す表現として、1980年代から2000年代初頭(2000年前後)に生まれた世代のことを"Millennial Generation"(ミレニアル世代)、あるいは"Millennials"(ミレニアルズ)と呼ぶ場合がある。(wikipediaより)
dishonest:不正直な・誠実さに欠く・不正の
Instead:代わりに・むしろ・それどころか
model:モデル・模型・手本・模範・型
Membership:会員の地位・会員数
decline:減少する・衰退する・下る
rate:割合・比率・歩合・相場・代金・費用
In answer:応じて・答えて・返事に
discuss:話し合う・議論する・検討する
working together:共同作業・一緒に働く・共に働く
believe:信じる・信頼する・思う・考える
coed:男女共学の・男女共用の
damage:損害を与える・損なう・損傷する
report:報告する・報じる・報道する・説明する
BuzzFeed News:バズフィード(英: BuzzFeed)は、アメリカ合衆国ニューヨークに本社を置く、同名のウェブサイトを運営している企業である。2006年にジョナ・ペレッティにより設立され、今では、政治・DIY・動物・ビジネスなど幅広いトピックを網羅するグローバルなメディア企業に成長している。 2011年には、 Politicoに勤務していたベン・スミスを編集長として採用し、もともと提供していたエンターテイメントコンテンツに加えて、よりシリアスなジャーナリズムやルポルタージュへと幅を広げていった。(wikipediaより)
confirm:確認する・追認する・認める・固める
statement:声明・発言・供述
The Washington Post:ワシントン・ポスト(英語: The Washington Post)は、1877年創刊のアメリカ合衆国・ワシントンD.C.の新聞である。米国内での発行部数は66万部で、USAトゥデイ(211万部 本紙のみ全国紙)、ウォール・ストリート・ジャーナル(208万部)、ニューヨーク・タイムズ(103万部)、ロサンゼルス・タイムズ(72万部)に次いで第5位。2013年にオーナーのドナルド・グラハムの15年来の友人であるAmazon.comの創業者ジェフ・ベゾスに買収された。(wikipediaより)
consider:考える・考慮する・検討する
include:含める・盛り込む
respond:答える・返事する・反応する
request:依頼・要求
become a part of:~の一員になる・~に参加する
believe in:~を信じる
benefit:便益・恩恵・利益・援助・利点・強み
single-gender:一方の性のための・男女別々の
Effie Delimarkos:(資料見つからず)
national communications for the Boy Scouts:(正しい組織名称は不明)
national:国の・国家の・全国的な
communication:連絡・通信・情報・文書・交信・広報
例文director of communications:広報責任者
either:(否定文で)どちらの~もない
fit into:合う・適合する・しっくりくる・当てはまる
aim:狙う・目指す
deliver:配達する・届ける・供給する・伝える
character:性格・個性・特徴・人格・品性
development:発達・進歩・開発・作成・成長
例文develop character:人格を成長させる・高める
values-based:価値観に基づく
leadership training:指導力訓練・指導者養成
outside:野外の・外側の・外部の
after:~の後で・~したので・~を受けて
例文after broad criticism for:~に対するさまざまな批判を受けて
announce:公表する・発表する
admit:認める・承認する
transgender:トランスジェンダー(英語 Transgender、ラテン語で「乗り越える」や「逆側に行く」を意味する「トランス」と、英語で「性」を意味する「ジェンダー」の合成語)とは、一般に (常にではない) 生まれたときからもっているとされる、伝統的に社会で認識されている役割と同様の規範的な性役割に収まらない傾向を含む、あらゆる個人および行動、グループに当てられる一般用語である。性同一性が出生時に割当てられた性別と対応しない状態を意味する言葉として用いられる。(wikipediaより)
the National Organization for Women (NOW):全米女性機構・全米女性連盟
praise:ほめる・称賛する
honor:栄誉を授ける・称賛する・履行する
例文honor one's promise:約束を守る
permit:許可する・認める
gain:得る・獲得する・勝ち取る・増加する
full membership:正会員の資格・正式加盟
be inspire byd:~に刺激を受けた・触発された・~に端を発する・~からアイデアを得る
effort:尽力・努力・取り組み
Sydney Ireland:(写真はchange.orgのサイトより)
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act like:~のように振る舞う・~な行動する
older brother:兄
Eagle Scout:最高位を獲得したスカウトはイーグルスカウトと呼ばれる。1911年に導入されて以来、200万人以上の青年がイーグルスカウトの位を取得していった。 最低でも21個のメリットバッジを取得し、ちかいとおきて、奉仕、リーダーシップによるスカウトの精神を実践することが要求される。(wikipediaより)
Unlike:似ていない・異なる
continue:継続する・続ける・存続する
allow:許す・許可する
empower:権限を与える・力を与える・力づける・できるようにする
purpose:目標・目的・理由・意義・意味・決意

ガールスカウトとボーイスカウトの対立という記事は日本語では見つかりませんでした。AdGangというサイトには、昨年「100年目にして遂に実現!クッキーを売るガールスカウトの隣で牛乳を売るボーイスカウト 2016.03.10」という記事があり、
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両者が協力してどちらも商売繁盛というほのぼのニュースもあるのですが…。また、共に会員数が減っているという点についても、それを解説している資料は見つけられませんでした。残念。
VOAの記事中に合った、ボーイスカウトがトランスジェンダー児童を受け入れという話は、日本語でも記事が多数ありました。幾つかの記事を読むと、ここ数年で状況が大きく変化していることが分かります。
ボーイスカウトは数十年にわたりLGBTの受け入れに難色を示してきましたが、2013年に同性愛の少年の加入を認める判断を下しています。次いで2015年には、LGBTを公表している成人のリーダー就任と職員採用を禁止した規則を撤廃。2016年に、ニュージャージー州でカブスカウトに参加していた当時8歳の子供がトランスジェンダーを理由に退団させられますが、これに対し抗議活動が発生。そして今年、これまで出生証明書に記された性別のみを基に男子の入会を認めてきたが、ボーイスカウトアメリカ連盟は1月30日、心と体の性が一致しないトランスジェンダーのメンバー加入を認めると発表。その結果、昨年除名された子供も、別の支部への入会が実現。また近年は、ガールスカウトもトランスジェンダー受け入れの方針を示している。となります。
もう一つ、Sydney Irelandという15歳の女の子が、ボーイスカウト加入を求めている話がありました。これは検索すると英文の記事が出てきて、ワシントンポスト紙やネットメディアのハフィントンポストなどが取り上げていると分かります。彼女は「非公式に」ボーイスカウトに参加しており、もう4年も正式加入を求めているそうです。
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ハフィントンポストの記事で彼女は、「ボーイスカウトの憲章が作られたのは1916年で、女性参政権が認められた1920年より前のもの。だからちょっと遅れている(so they’re just a little behind)」と話しています。はは、なるほど。
最後におまけで、こんな記事もありました。ニューズウィーク日本版から「ボーイスカウト大会でオバマを非難したトランプに批判が殺到 2017年08月03日」 1910年の創設以来、合衆国大統領はボーイスカウトアメリカ連盟の名誉連盟長で、ジャンボリー(原則4年に一度の大規模集会)に招待されてスピーチするのですが、「政治的発言はしない」のが不文律だそうです。しかし先月ウェストバージニア州で行われたジャンボリーでトランプ大統領は、オバマ批判、ヒラリー・クリントン批判、マスコミ批判を繰り広げ、大炎上したという話。どこででも荒れる人ですね。この記事の中で、今から4年前、2013年に当時のオバマ大統領がジャンボリーに参加「しなかった」理由が書かれています。そこを引用すると、
何故オバマ大統領が「ボーイスカウト・ジャンボリー」に参加しなかったのかという問題です。それは、特にオバマ政権時代には、ボーイスカウト組織への同性愛者の参加という問題が生じていたからでした。当初は「参加禁止」であったものを、大統領も積極的に影響力行使をする中で、2013年にはメンバーとして参加が可能になり、2015年には同性愛の指導者の参加も解禁されることとなりました。オバマ大統領は、結局この自由化を待つ中で前回2013年の大会には参加できなかったのです。
なるほど。