AS IT IS
Teachers in English-speaking Areas of Cameroon Remain on Strike
October 07, 2017

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何千人もの教師が、10月5日に「世界教師の日」をカメルーンの首都ヤウンデで祝った。

アーネスティン・タベは教師で、職を求めて9月に首都にやって来た。彼女はそれまでは英語圏の町、クンバで暮らしていた。

タベは、カメルーンの英語を話す地区で継続しているストライキのため5か月にわたり賃金が支払われていなかった。

「私は自分が教えることに関わっているために、ここに来ることを決めました。私の中の情熱が消えないように。なぜなら教師として、他の人が知るためにいつでも教えていたいのです」

昨年11月に弁護士と教師がストライキを始めたとき、カメルーンに二つある英語圏地域のほとんどの学校が閉鎖された。ストの参加者は、政府によるこの国でのフランス語の扱いを改めるよう求めた。

ギデオン・タンダはストライキを呼び掛けた教員労働組合の一つの指導者だ。

タンダは教員労組が懸念しているいくつかの問題点について述べている。彼によれば、英語を話す教師が頻繁にフランス語圏地域に行かされ、フランス語を話す教師が英語圏地区に送られている。彼はこう付け加えた。教師はしばしば、その人が訓練を受けた地域外で教えなければならないと。「どう思いますか? その人(教師)は教えられません。悪意があります」と彼は言う。

タンダはまた、教師がより多く学校を休むことを心配しているとも話している。

「政府は耳を貸さず、今はとても悲しむべき状況です。たくさんの殺戮がありました。人々は逃げ回り、どこにも見つからない人がいます。つまり行方不明です。教師として私がひどく遺憾に感じているのは、現在の時点で人々は丸一年授業がないことを強いられており、そして間もなく更にもう一年になることです」

英語圏分離主義者の集団がストライキに加わった。彼らは、英語圏地域で「アンバゾニア」と言う名の新たな国家を作ることを要求している。

数千人の人々が今月の初めに、独立の要求を支持して街路でデモを行った。しかし、人権団体のアムネスティ・インターナショナルによれば、治安部隊が暴力的に対処したため、少なくとも17人が死亡している。

政府によれば、ストに応える形で政府は英語を話す教師1,000人に雇用を提供し、私立学校に補助金を交付したという。当局者はまた、教員労組の指導者の一部を刑務所から釈放もしたと話している。

南西部地域の知事バーナード・オカリア・ビライは、教室に戻るよう教師に要請している。彼は、政府は人々の安全を保障するためにここにあるのだと話している。彼によれば、政府当局者は教師の不安に対処するために一年を通じて彼らとの対話を続ける予定だ。

しかし、他の暴力行為も報じられている。正体不明の放火犯が、ストへの参加要請を無視した学校を標的としたもので、犯人は武装集団の一員の可能性がある。子供たちを再び学校に通わせるのは安全ではないと話す親もいる。

政府の推計では、9月に学校年度が始まって以降、英語圏地域の見込まれている生徒のうち授業に出席したのは、わずか20%だ。

ジョン・ラッセルがお送りしました。

[ノート]
remain:とどまる・~のままでいる・~し続ける・状態が続く

World Teacher's Day:世界教師デー(せかいきょうしデー)とは、1994年から毎年10月5日に、世界教師機構によって行われる国際デーである。教師への支援を求めることと、将来を担う世代の子供達に、充分な教育を施せるよう求めることを目的としている。(wikipediaより)
Yaounde:ヤウンデ(Yaounde)はカメルーンの首都。カメルーン中南部に位置する。 2012年の人口は244万62人で、ドゥアラにつぐカメルーン第2の規模を持つ都市である。 標高700mを越える高原にあり、赤道近くとはいえ涼しく、また湿気が少なく過ごしやすい、いくつもの丘に囲まれた町である。 商業上の首都と言えるドゥアラは西に279kmにあたる。 1992年にヤウンデ・ンシマレン国際空港が開港した。(wikipediaより)
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Cameroon:カメルーン共和国、通称カメルーンは、中部アフリカに位置する共和制国家。南西部が大西洋のギニア湾に面する。首都はヤウンデ。旧ドイツ植民地から、イギリスとフランスの植民地に分かれた経緯がある。非同盟路線を歩むが、経済、文化、軍事面でフランスとの関係が深い。1995年にイギリス連邦に加盟した。(wikipediaより)
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look for:探す
Kumba:クンバ(Kumba)は、カメルーンの南西州の都市。 2012年の人口は17万3049人。(wikipediaより)
c1
used to:よく~したものだ・昔は~だった・以前は~だった
English-speaking:英語を話す・英語圏の
pay:(ここでは)賃金を支払う
ongoing:進行中の・継続中の・開催中の
strike:スト・ストライキ
get involved:巻き込まれる・関与する・関わる・加わる・参加する・深入りする
teaching:教えること・教職・授業・授業内容
zeal:熱意・情熱・熱心
die down:弱まる・鎮まる・収まる・冷める・下火になる・衰える・止む
you are always eager to teach others to know:(訳に自信なし。多分youでなくIって言ってる気がする。あとto knowの意味)
eager to:しきりに~したがる・意欲的である・熱心である・ぜひ~したい
region:地域・地帯・区
go on strike:ストを決行する・ストに入る
striker:ストライキをする人
reform:改革する・改める・変える・改善する・修正する
Gideon Tanda:(資料見つからず)
trade union:労働組合・職種別労働組合
call a strike:ストライキを呼び掛ける
issue:話題・問題・論点
be concerned about:心配する・懸念する・不安に思う・気にする・関心がある
training:訓練・練習・教育
perform:行う・演じる・任務を遂行する・責務を果たす
faith:信頼・信用・自信・信念・信条・教義
bad faith:不誠実・誠意のない・悪意・邪悪な
miss school:学校を休む・学校を欠席する・学校に行けない
listen:聞く・耳を傾ける・聞き入れる・耳を貸す
deplorable:嘆かわしい・悲しむべき・ひどい・惨めな・遺憾な
on the run:走り回って・逃げ回って・逃亡して・逃走して
nowhere:どこにも~ない
missing:行方不明
terribly:ひどく・すごく・恐ろしく
feel bad:気分が悪い・不愉快に思う・悔やむ・心苦しく思う・遺憾とする・気の毒に思う
at this point in time:現在のところ・現段階では
miss class:授業を休む・欠席する
for a whole year:まる一年
be about to:まさに~しようとしている・~しかけている・~間近である
separatist:分離派・分離主義者
form:形成する・結成する・組織する
state:(ここでは)国・国家・政府・行政
Ambazonia:南カメルーン連邦共和国(英語: Federal Republic of Southern Cameroons)は、カメルーンに属する領域のうち北西州と南西州を合わせた地域において展開されているカメルーンからの分離独立運動において、当該地域の独立を主張する政府が自称している国名。アンバゾニア共和国(英語: Republic of Ambazonia)とも呼ばれる。(wikipediaより)
demonstrate:デモをする・示威運動をする・実演する
in support of:~を支持して・~に賛成して・~の裏付けとして
call for:~を呼び求める・~を要求する・呼び掛ける・提唱する
independence:独立・自立
rights group:人権団体
Amnesty International:アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、国際連合との協議資格をもつ、国際的影響力の大きい非政府組織(NGO)である。国際法に則って、死刑の廃止、人権擁護、難民救済など良心の囚人を救済、支援する活動を行っている。和名は「国際人権救援機構」。(wikipediaより)
security force:治安部隊
react:反応する・対応する・反対する
violently:激しく・乱暴に・暴力的に
In response to:~に応えて・応答して・反応して
subsidy:補助金・助成金・交付金
private school:私立学校
release:解放する・自由にする・公開する・釈放する
jail:刑務所
governor:州知事・支配者・統治者
Bernard Okalia Bilai:(この人
OkaliaBilaiBernard
urge:促す・要請する・勧める・呼び掛ける・奨励する・急き立てる
be here to:~しに来ている(訳に自信なし)
guarantee:保証する・約束する・請け合う
security:安全・無事・治安
deal with:取り組む・対処する・処理する
throughout the year:1年を通じて・1年中・年間を通じて
report:報告する・報道する・報じる・説明する・公表する
Unknown:未知の・知られていない・未確認の・無名の
arsonist:放火犯
possibly:もしかすると・場合により・~の可能性のある・おそらく・あるいは
militant group:過激派組織・武装集団
target:標的にする・狙う・目的にする
ignore:無視する・破る
call:(ここでは)招集・招き・命令・合図・要求・需要
take part in:参加する・加わる・出場する
send back:送り返す・返送する
estimate:見積もる・推定する・評価する
expected:予期された・期待された・予定された
show up for:姿を現す・姿を見せる・やって来る・出席する

このVOAの記事だけでは事情が分かりにくいので、少し補足を。まずHUFFPOST日本版から「「安定国家・カメルーン」で起きている「苛烈な弾圧」について--白戸圭一 2017年03月30日」 一部引用すると、
旧仏領vs.旧英領
カメルーンの国家形成の経緯は少々複雑だ。国内には10の州があり、このうち8州は旧フランス植民地だが、住民弾圧の舞台となっている2州は旧英国植民地だ。旧仏領8州は1960年1月に独立したが、旧英領2州は1961年10月に西カメルーンとして別に独立し、旧仏領カメルーンとともに「カメルーン連邦共和国」を構成した。そして1972年5月に連邦制を廃止して「カメルーン連合共和国」として一体化し、1984年に国名を「カメルーン共和国」に変えて今に至っている。
このような独立の経緯があるために、カメルーンはフランス語と英語の双方を公用語として採用し、8州ではフランス法を範とする法体系が、2州では英国法を範とする法体系が施行されてきた。
旧英領2州の英語話者の住民はカメルーンにおける少数派であるため、就職、教育などの機会の面で不利益を被って来たと主張し、2州には中央政府に対する不満や反感が横溢してきた。2州のうち北西州の州都バメンダは、カメルーンの最大野党「社会民主戦線(Social Democratic Front)」結党の地でもある。
今回、研究者たちが抗議した「弾圧」のきっかけは、中央政府が2州の裁判所や学校へのフランス語導入を強行しようとしたことに対する住民の抗議行動である。北西州の州都バメンダを中心に2016年11月以降、住民の抗議行動が拡大し、英語系の法曹、教師らによるストライキも行われた。政府は実力行使に踏み切り、治安部隊によるデモ隊への実弾射撃や拷問によって多数の死傷者が出る事態となった。  
旧植民地時代の英領と仏領が一つの国になったことから、少数派の英語圏への弾圧が生じ、「中央政府が2州の裁判所や学校へのフランス語導入を強行しようとした」ことを契機にストライキが起きている訳です。(VOAの記事でストしているのが弁護士と教師という理由がこれで分かります。)
wikipediaの「カメルーンの歴史」から地図を引用すると、
Cameroon_boundary_changes
独領(オレンジ色)だった地域が、第一次世界大戦でドイツが敗れたために英領(赤)と仏領(青)に分割され、仏領がカメルーン(緑)になって、後に左上の赤い旧英領が統合される経緯です。VOAの記事に出てきた、女性教師がかつて暮らしていたクンバは旧英領だと分かります。
6年前の2011年9月にカメルーン訪問記を書いた、自転車世界一周のチャリダーマンこと周藤卓也氏も、「主要道すら泥まみれになる英語圏カメルーン道路網の貧弱さと南カメルーン連邦共和国の独立運動」という記事で、英語圏と仏語圏の格差を指摘しています。
AFP-BBは今月初めに「カメルーン英語圏が「独立宣言」 治安部隊との衝突で7人死亡 2017年10月2日」という記事を書いています。一部を引用すると、
【10月2日 AFP】アフリカ中部カメルーンで1日、かつて英国の統治下にあった英語系地域の分離独立を目指すグループが象徴的な「独立宣言」を行い、デモ隊と治安部隊との衝突でこれまでに少なくとも7人が死亡した。
カメルーンはフランス語と英語が公用語で、1日は旧フランス領と旧英国領が統一した記念日に当たる。国内では少数派の英語系住民らは昨年11月以降、仏語系住民らとの間に待遇の違いや差別があるとして抗議を続けていた。
とのことです。