AS IT IS
IOC Suspends Russia from 2018 Olympics
December 05, 2017

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国際オリンピック委員会(IOC)は、韓国ピョンチャン(平昌)での冬季オリンピックからロシアを排除した。

しかしロシア人選手の一部は、「ロシアからの五輪選手(OAR)」として大会に出場することができる。

IOCは「反ドーピングの規則や制度に対するロシアの組織的な改ざん」を認定した。ドーピングとは、選手の成績を向上させるために薬物(ステロイドなど)を違法に使用することを指す。

ロシアの当局者は、選手のドーピングについて、国家のあらゆる関与を否定している。

IOCがドーピングを理由に国家の出場資格を停止したのは、オリンピックの歴史でこれが初めてだ。

IOCが今までにオリンピックから国家を締め出してきた例として、ドイツ、南アフリカ、インド、そしてクウェートがある。これまでの差し止めは、戦争行為、国家ぐるみの人種差別、また五輪憲章が求める条件の未達のためだった。

IOCはまた、ソチ・オリンピックでロシア選手が獲得した33個のメダルの内、11個を剥奪している。

ロシア人選手はそれでもなお、来たる2月のオリンピックで競技をすることが可能だ。もし一定の条件に合致すれば。

委員会が選手のオリンピックへの招待を承認する必要があり、選手の履歴が清廉で、かつ厳しい検査要件を満たす必要がある。

参加が認められた場合、選手は「OAR」の名称を掲げた服装で競技に参加することになる。表彰式では、ロシア国歌ではなくオリンピック賛歌が演奏される予定だ。

ロシアの大統領、ウラジーミル・プーチンは以前に、このような状況はロシアにとって「屈辱」だと述べている。彼は、同国の選手はこのような環境の下でピョンチャンに出場することを承諾しないだろうと示唆している。

しかし、8月にロンドンで行われた国際陸上競技連盟の世界選手権大会では、19人のロシア人陸上競技選手がそれに似た状況で現に競技を行っている。

12月4日、ロシアの大統領報道官ドミトリー・ペスコフは、ロシアは冬季五輪のボイコットを検討していないと述べている。今日の発表を受けてロシア政府の態度が変わるのかは、現時点では不明だ。

ジョン・ラッセルでした。

[ノート]
IOC Suspends Russia from 2018 Olympics:(タイトル訳に「の」が多すぎ。もっと上手な訳があるはずだが…)

International Olympic Committee, or IOC:国際オリンピック委員会(仏: Comite international olympique、CIO、英: International Olympic Committee、IOC、以下IOCと記述)は、近代オリンピックを主催する団体であり、またオリンピックに参加する各種国際スポーツ統括団体を統括する組織である。本部はスイス・ローザンヌ。国際機関の一つと思われがちだが、非政府組織 (NGO)の非営利団体 (NPO)であり、その運営資金は、主に放映権料販売とスポンサーシップ収入による。(wikipediaより)
ban from:~を禁止する・~から排除する・~から追放する・~から締め出す
Russia:ロシア連邦(ロシアれんぽう)、またはロシア (Россия) は、ユーラシア大陸北部にある共和制及び連邦制国家である。(wikipediaより)
Pyeongchang:平昌郡(ピョンチャンぐん)は、大韓民国江原道の郡。ソウルから車で約3時間の距離にあり、太白山脈の名山である五台山や、スキー場のある龍平スキーリゾート(YongPyong Ski Resort、通称ドラゴンバレー)がある。自然が豊かで自然環境を楽しむ観光客が訪れるところである。 古代の朝鮮半島における三国時代において、この地は高句麗の領域であり「郁烏縣」と称された。その後、新羅による三国統一を経て新羅の領域になると「白烏縣」に改称され、高麗時代になって初めて今日にも繋がる「平昌」という地名になった。2018年冬季オリンピック開催地に決定した。(wikipediaより)
South Korea:大韓民国、通称韓国は、朝鮮半島(韓半島)南部を実効支配する東アジアの共和制国家であり、戦後の冷戦で誕生した分断国家。英名Koreaは高麗(コリョ)に由来する。(wikipediaより)
Russian:ロシアの・ロシア人の
athlete:運動選手・競技者
participate:参加する・加わる・関与する
例文He participated in a speech contest.:彼は弁論大会に出場した。
game:(ここでは)競技・試合・大会
find:出会う・見つける・発見する・気づく・理解する
例文find ~ guilty of violating antitrust laws:~を独禁法違反と認定する
systemic:体系の・システムの・組織的な
manipulation:操作・操縦・改ざん・ごまかし
anti-doping:反ドーピング・アンチドーピング
doping:ドーピングは、スポーツなどの競技で運動能力を向上させるために、薬物を使用したり物理的方法を採ること、及びそれらを隠ぺいしたりする行為。(wikipediaより)
rule:ルール・規則・規定・基準・習慣
system:系・系統・体系・制度・装置・システム
refer to:指す・言及する・~を言う・触れる
illegal:違法の・不法の・非合法な
drug:薬物・麻薬・医薬品
steroid:アナボリックステロイド(anabolic steroid)は、生体の化学反応によって外界より摂取した物質から蛋白質を作り出す作用、すなわち蛋白同化作用を有するステロイドホルモンの総称。多くは男性ホルモン作用も持っている。アナボリックステロイドは筋肉増強剤として使用されることが主で、ドーピング薬物として知られる。短期間での劇的な筋肉増強を実現するとともに、常態で得ることのできる水準を遥かに超えた筋肉成長を促す作用から、運動選手らの間で長年にわたり使用されてきた。(wikipediaより)
improve:良くする・改善する・向上させる・強化する
performance:性能・業績・成績・遂行
official:役人・職員・当局者
deny:否定する・認めない・拒否する
state:(ここでは)国・国家
involvement:包含・関わり・関係・関与
suspend:ぶら下げる・一時停止する・一日中断する・保留する・延期する・差し止める・資格を一時停止する・出場停止にする
例文suspended for a week:1週間出場停止になる
例文suspend repayments of deposits:預金の払い戻しを差し止める
before:以前に・前に・先に
例文burglarized __ times before:これまでに_回泥棒に入られている
include:含める・盛り込む・採り入れる
Germany:下記参照
South Africa:同上
India:同上
Kuwait:同上
Previous:前の・以前の・先の
例文previous judgment:これまでの判断
suspension:停止・延期・保留・差し止め・停学・資格停止
act of war:戦争行為
act:(ここでは)行為・言動・活動
state-sponsored:国が主導した・国家ぐるみの・国家的な・国が後押しした
sponsor:出資する・後援する・主催する・発起する
discrimination:差別・人種差別
failure:失敗・不成功・不履行・不具合・怠慢・不足・破産
meet:(ここでは)合致する・満たす・かなえる・当てはまる・対処する・対応する
Olympic charter:オリンピック憲章
requirement:必需品・必要な物・必須条件・要求すること・要件
strip:はぎとる・皮を剥く・奪う
medal:メダル・勲章
out of:(ここでは)ある数中の
win:(ここでは)勝ち取る・獲得する・受賞する
Sochi Olympics:2014年ソチオリンピックは、2014年2月7日から23日までロシアのソチで開催された第22回冬季オリンピック。 テーマは"Hot. Cool. Yours."(ホットで、クールな、みんなの大会)。(wikipediaより)
参考sochi:ソチ、ソーチは、ロシア連邦クラスノダール地方の都市で、ロシア随一の保養地。黒海に面し、アブハジアとの国境に近い。(wikipediaより)
compete:競う・競争する・張り合う
例文athlete who will compete:競技に参加する選手
例文person who competed at:~に出場経験がある人
upcoming:もうすぐやって来る・これから起きる・今度の・次回の
certain:(ここでは)わずかの・あの・例の・一定の
例文certain level:一定水準
condition:状態・状況・事情・条件・前提
panel:識者・陪審員・委員会
例文assessment panel:評価委員会
approve:承認する・同意する・賛成する
invitation:招き・招待
clean:汚れていない・きれいな・欠点のない・潔癖な・正しい・前科のない・無罪の
record:記録・業績・成績・履歴
strict:厳しい・厳格な・正確な・慎重な
testing:検査の・検査すること
Once:一旦・一度
approve:気に入る・賛成する・承認する・同意する
participation:参加・加入・関与
uniform:制服・ユニフォーム
carry:持ち運ぶ・携行する
例文carry a placard:プラカードを掲げる
name:名前・名称・名目
The Olympic anthem:オリンピック賛歌(オリンピックさんか、英: Olympic Hymn)とは、オリンピアード競技大会、オリンピック冬季大会の開会式、閉会式等の式典や国際オリンピック委員会総会などで演奏される曲である。オリンピック讃歌ともいう。(wikipediaより)
anthem:賛歌
instead of:~の代わりに・~ではなく・~せずに
national anthem:国家
ceremony:儀式・式典・儀礼
参考victory ceremony:表彰式
President:大統領・国家主席
Vladimir Putin:ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン(1952年10月7日 - )は、ロシア連邦の政治家。現在は第4代ロシア連邦大統領(2012年5月7日 - )を務める。第4代大統領就任以前には、第2代大統領(在任2000年 - 2008年)、第5代および第9代政府議長(首相)(1999年 - 2000年、2008年 - 2012年)、統一ロシア党首(2008年 - 2012年)、ベラルーシ・ロシア連合国家(正式名称は「連合国家」)の閣僚会議議長(首相に相当、2008年 - )など政府・政党の要職を歴任している。(wikipediaより)
previously:過去に・以前に・あらかじめ・これまでに・既に・以前に
humiliation:屈辱・恥・辱めること
suggest:提案する・勧める・持ちかける・意味する・示唆する・示す
agree:同意する・合意する・承諾する・賛成する
circumstance:事情・環境・状況・境遇
International Association of Athletics Federations:国際陸上競技連盟は、陸上競技の国際的な統括団体。略称は国際陸連。競技規則を整備し加盟団体の統括と世界的な競技大会の運営を担う。(wikipediaより)
world championship:世界選手権・世界大会
world championships in London in August:2017年世界陸上競技選手権大会(英語: 2017 World Championships in Athletics)は2017年8月4日から13日までにイギリス・ロンドンのロンドン・スタジアム(旧オリンピックスタジアム)で開催された、第16回世界陸上競技選手権大会。また開幕前に世界パラ陸上競技選手権大会が同所で開催された。今大会から女子50km競歩が種目に追加された。(wikipediaより)
track-and-field:陸上競技
did compete:(didは多分強調の意味)
similar:類似の・同様の
presidential:大統領の
spokesman:報道官・スポークスマン
Dmitry Peskov:ドミトリー・セルゲーエヴィチ・ペスコフ(Dmitry Sergeyevich Peskov、1967年10月17日 - )は、ロシアの外交官。2012年からプーチン政権で大統領報道官。(wikipediaより)
consider:考える・考慮する・検討する
boycott:ボイコット(英: boycott)は、考えや要求を実現させる目的で不買、拒否、排斥などを行うこと。(wikipediaより)
Whether:~かどうか
position:位置・場所・姿勢・地位・見解・態度・立場
following:~の後に・~に続いて・~を受けて
announcement:発表・告知・予告
remain to be seen:今後の課題である・現時点では分からない・今のところ不明だ

VOAの記事の中で、これまでにオリンピック参加が禁止された国として、ドイツ、南アフリカ、インド、クウェートが挙げられていました。順に見ると、

ドイツ:1920年のアントワープ五輪に「第一次世界大戦の敗戦国であるドイツ、オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、トルコは大会に参加することを禁止された。」とwikipediaに書かれています。また1924年のパリ五輪も参加できず、1928年サンモリッツオリンピック大会から復帰しています。

南アフリカ:人種隔離政策に対して世界中からの非難を浴び、1961年のイギリス連邦脱退後はオリンピックへの参加が認められなくなった。1976年モントリオールオリンピックでは、ニュージーランドのラグビーチームが南アフリカへ遠征を行ったことに端を発し、アフリカ諸国によるボイコットが起こっている。1991年、人種隔離政策撤廃を打ち出し、1992年バルセロナオリンピックからようやくオリンピックに復帰を果たした。(wikipediaより)

インド:2014年のソチ五輪について「インドは参加していたものの、インド政府がインドオリンピック委員会役員選挙に干渉したという理由で資格停止処分が科せられたため、個人参加扱いになった(大会期間中に資格停止が解除された。)。」とwikipediaにあります。

クウェート:2010年1月4日、クウェート政府が国内のスポーツ組織に干渉できる国内法の是正が履行されなかったため、IOCからクウェートオリンピック委員会が資格停止処分を受けた。(中略)2015年10月27日にも、政府の介入などを理由にIOC理事会は資格停止処分を決定。2016年6月2日の理事会でも、この資格停止処分を解除しないことを表明し、クウェートの選手はリオデジャネイロオリンピックには、個人資格での参加とし、開会式ではクウェート国旗を使わず五輪旗の下で入場行進することを決定した。(wikipediaより)

ちなみに日本も1948年のロンドン大会には招待されていません。

もう一つ、VOAの記事にあった、今年8月の2017年世界陸上競技選手権大会については、「大規模なドーピング問題で国際大会から締め出しを受けているロシアの選手の一部(国際陸連から身の潔白を証明された選手のみ)が、中立選手(Authorised Neutral Athletes、ANA)として参加している。」とwikipediaに書かれています。

なるほど。
今回のロシアの出場停止措置は大きなニュースなので、日本語でも記事は無数にあります。
14年ソチ五輪で、国別で最も多い33個のメダルを獲得した。だが、その後の16年に検体のすり替え工作など組織的なドーピング疑惑が明らかになり、世界反ドーピング機関(WADA)は国ぐるみの関与があったと認定した。IOCはソチ五輪で採取したロシア選手の検体を再検査したところ、ボブスレーやスピードスケートの選手らに違反が発覚。4日までに五輪からの永久追放など25人の選手の処分を決めていた。
IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、ロシアの国を挙げてのドーピングは「五輪とスポーツの高潔性に対する前代未聞の攻撃」だと断じた。
今回IOCが調査にかけた経費と、ドーピングの独立検査機関の創設準備基金として、1500万ドル(約17億円)の支払いをロシア側に求めた。
各国の反ドーピング機関からはロシアにはびこるドーピング文化を一掃するには、選手団の全面締め出しが必要との声も強かったが、それは見送られた。
ROCが今回のIOCの処分をすべて受け入れた場合は、閉会式には資格停止処分が解除される可能性もある。
ふむふむ。各社1時間ほどの間に一斉に報じています。
NHKの記事が長くて詳細なので、リンクだけ貼っておきます。「IOC ロシア選手団の五輪出場認めず 個人は条件つきで容認 12月6日 7時52分」

ロシアの選手は悩ましいところかもしれません。個人で出場していいのか? それともプーチン大統領のご機嫌を忖度して、ロシアの威厳を傷つけた決定に対し毅然として「自主的に」ボイコットすべきなのか?
AFP-BBの記事によれば、ロシアのムトコ副首相は、ロシアの組織的なドーピングを告発したグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)氏が書いた日記の内容を、「これらの日記は、彼(ロドチェンコフ氏)が米国に滞在していた半年の間に書かれ、編さんされたものだと確信している。特定の事実に都合良く書かれており、ばかばかしい内容だ」と批判しています。
一方、時事.comの記事によれば、「来年2月9日開幕の平昌冬季五輪で実施される7競技から4000人以上の選手を対象に、7000件近いドーピング検査を行ったことを明らかにした。来年1月までに計2万件以上の検査を実施する見通し。」と、大量の検査で迎え撃つ構えです。