WHAT'S TRENDING TODAY?
'Time' Magazine Names Abuse 'Silence Breakers' as Person of the Year
December 06, 2017

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This is What’s Trending Today...

タイム誌は、「沈黙を破った人々」、すなわち自身が受けた性的虐待の話を世間に公表した人達を、2017年の「今年の人」に選定した。

10月の初め以降、数多くの女性たちが権力を持つ男性による性的な不正行為を非難してきた。その分野は、芸能、報道機関、政治、ビジネス、スポーツなどだ。


タイムは人々をこう称賛している。「公然の秘密に声を持たせた。ひそひそ話のつながりをソーシャルメディア上に移すため、そして全ての人が容認できないことを受け入れるのを止める後押しをするために」

雑誌の表紙が取り上げているのは、アシュレイ・ジャッド、テイラー・スウィフト、スーザン・ファウラー、そして性的な嫌がらせを受けていたと告発した人々だ。


同誌はこの発表を水曜の朝にニューヨーク市で、NBCの番組「トゥデイ」内で行った。先週、まさにこの番組で長年、司会者の一人だったマット・ラウアーが解雇された。NBCによれば、ラウアーがある同僚に性的な虐待を行っていたとの通報を受けて対処したものだ。

ハリウッドのプロデューサー、ハーベイ・ワインシュタインやその他の人々を非難した女性達が「#MeToo」運動の立ち上げを支援した。何百万人もの嫌がらせやその他の性的虐待の被害者達が、自らの話をソーシャルメディアサイト上で語った。

ツイッターやインスタグラム、フェイスブック上のメッセージは、女優で活動家のアリッサ・ミラノがフェイスブックの友人からの提案に従って以降に始まった。彼女はこうツイートした。「もしあなたが性的な嫌がらせや暴行を受けたことがあるなら、『私も』と書いてこのツイートにリプライしてください」

その後の48時間で、このハッシュタグは100万回近くツイートされた。

活動家のタラナ・バークが性的暴力についての情報と理解を広めるために「#MeToo」運動を始めたのは10年前のことだ。

ミラノとバークは水曜、共に「トゥデイ」に出演した。バークはこう話した。「これは始まりに過ぎません。私が最初から言ってきたように、これは単に一時のことではありません。運動なのです」

「今、取り組みは本当に始まるのです」


ドイツの首相アンゲラ・メルケルはタイム誌の2015年度「今年の人」だが、報道官を通じて同誌の決定にコメントを寄せている。彼女は、今年の受賞者は「性的暴行について沈黙を破る勇気を持ち、世界的な議論を彼女たちが引き起こした」ことを感謝されるべきだと述べている。

タイム誌によれば、合衆国の大統領ドナルド・トランプと中国の国家主席習近平が「今年の人」に2位と3位だった。

多くの女性が、性的嫌がらせや暴行でトランプ自身のことを非難しているが、彼はあらゆる不正行為を否定している。

同誌の2016年度「今年の人」であるトランプは先日、ツイッターにこう書いている。タイム誌は彼に、取材と写真撮影を承諾すれば「おそらく」今年も再び彼が選ばれるだろう、と言ってきたと。トランプは断ったと述べている。


タイム誌はトランプの主張に反論している。


これが今日、話題になっていることだ。

アシュリー・トンプソンでした。

[ノート]

Time Magazine:『タイム』 (Time ) は、1923年に創刊したアメリカ合衆国のニュース雑誌。世界初のニュース雑誌としても知られている。(wikipediaより)
name:(ここでは)指名する・任命する・選ぶ
publicly:公開で・公然と・公に・公式に
share:共有する・分担する・分配する・話す・告白する
例文share an embarrassing story with:恥ずかしい話を告白する
例文share someone's name publicly:の名前を世間に公表する
sexual abuse:性的虐待
abuse:<名詞>悪用・乱用・酷使・虐待・<動詞>虐待する・悪用する
numerous:多数の・数々の・数え切れないほどの
speak out:声高に言う・はっきり意見を述べる・非難する
wrongdoing:悪事・不正行為
powerful:強力な・有力な・権力のある・影響力のある
field:(ここでは)分野・領域
entertainment:遊興・娯楽・芸能・興行
news media:マスコミ・メディア・報道機関
praise:称賛する・称える・褒める
give voice:表明する・言葉に表す・発言の機会を与える・発言権を与える
open secret:公然の秘密
move:動かす・移動する・展開させる・変えさせる・促す・行動させる
例文move the cursor onto the icon:アイコンまでカーソルを動かす
whisper:ささやき声
例文talk in whispers:ひそひそ話をする
network:網・網状組織・ネットワーク・人脈
push:押す・推し進める・後押しする・促進する・強要する・無理強いする
accept:引き受ける・受理する・承認する・容認する・受け入れる
unacceptable:受け入れ難い・受け入れられない・許されない・容認できない
feature:呼び物にする・特集する・主役を演じる・特徴づける
例文featured on a magazine:雑誌で特集される・紹介される・取り上げられる
Ashley Judd:アシュレイ・ジャッド(Ashley Judd, 1968年4月19日 - )は、アメリカ・カリフォルニア州出身の女優である。(wikipediaより)ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑で、2015年に最初に被害を告白した女優。
Taylor Swift:テイラー・スウィフト(Taylor Swift、1989年12月13日 - )は、アメリカ合衆国のポップ歌手、シンガーソングライター。女優として映画やテレビドラマにも出演している。(wikipediaより)ラジオDJだったデヴィッド・ミューラーから2013年にセクハラを受けたとして訴訟し、今年の8月に勝訴。。デヴィッドに求めた損害賠償金は1ドルだった。
Susan Fowler:元Uberのエンジニア。Uber在籍中に社内チャットで性交渉を求めるメッセージを送るなどした上司のセクハラとそれを放置した人事やマネジメントを告発した。sexually harassed:性的な嫌がらせを受ける
harass:悩ます・困らせる・嫌がらせをする
make an announcement:公表する・発表する
NBC:NBC(National Broadcasting Company、全国放送会社)は、アメリカ合衆国の三大ネットワーク(Big Three television networks)のひとつで、NBCユニバーサルグループの主体となる企業である。ネットワークの本部はニューヨーク・マンハッタンのロックフェラー・センター(GEビルディング)に置かれている。(wikipediaより)
“Today” show:『トゥデイ』(Today)は、1952年1月14日からアメリカNBCで放送されている朝の情報・ニュース番組である。NBCニュース制作。『The Today Show』という俗称でも知られる。(wikipediaより)
longtime:長年の・長期にわたる
co-host:共同司会者・司会者の一人
Matt Lauer:Matthew Todd Lauer (born December 30, 1957) is an American television journalist. He was host of The Today Show from 1997 to 2017 and a contributor for Dateline NBC. With NBC he hosted the annual Macy's Thanksgiving Day Parade from 1998 to 2017 and co-hosted the opening ceremonies of several Olympic Games.(英語版wikipediaより)
be dismissed from a job:仕事を首になる・解雇される
dismiss:解雇する・追放する・却下する・退ける・片づける
act:行動する・作動する・役割を果たす
例文act on an important matter:重要なことを実行する
例文act swiftly on the scandal:不祥事に素早く対処する
after:~の後で・~にちなんで・~したので
receive a report:報告を受ける・通報を受ける
coworker:同僚・仕事仲間
speak out against:非難する・声高に反対する・悪口を言う
Harvey Weinstein:ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein, 1952年3月19日 - )は、アメリカ合衆国の映画プロデューサー。ミラマックスの設立者として知られる。2005年からは弟のボブと共にワインスタイン・カンパニーを経営している。毎年アカデミー賞に大量の作品をノミネートさせていることで有名。『恋におちたシェイクスピア』『シカゴ』ではプロデューサーとしてアカデミー作品賞を受賞した。(wikipediaより)
form:形成する・作り出す・結成する・組織する・構成する
movement:動き・運動・活動
例文form a resistance movement:抵抗運動を立ち上げる
victim:被害者・犠牲者・餌食
sex abuse:性的虐待
activist:活動家・運動家
Alyssa Milano:アリッサ・ミラノ(Alyssa Milano, 1972年12月19日 - )は、アメリカ合衆国の女優、歌手。(wikipediaより)「#MeToo」のハッシュタグを使って性的被害の体験をツイッターに投稿することを呼びかけ、そこから他のSNSにも広がり大きなムーブメントにつながった。
follow someone's suggestion:忠告に従う
follow:(ここでは)従う・守る・倣う
suggestion:提案・提言・忠告
If you’ve been sexually harassed or assaulted:(経験の完了形か継続か、経験の方が文脈に合ってそう)
sexually assaulted:性的暴行を受ける・レイプされる
assault:攻撃する・暴行する・乱暴する
reply:返事・回答・応答
hashtag:ハッシュタグとは言葉やスペースの無いフレーズの前にハッシュ記号(番号記号)、#を付ける形のラベルである。ハッシュタグは同じようなタグ付きメッセージを収集することができ、それが存在する全メッセージの電子的検索もできる。(wikipediaより)
following:後の・次の・続いて
Tarana Burke:Tarana Burke is a social activist. She is currently Senior Director of Programs at Girls for Gender Equity. Burke created the "Me too" slogan to raise awareness of the pervasiveness of abuse in society.(英語版wikipediaより)
spread:広げる・伸ばす・拡張する・まき散らす・流布する
understanding:理解・把握・見解・了解
sexual violence:性的暴力.
appear:現れる・登場する・出演する
just:ちょうど・ただ~だけ・ぴったり・実に・とても・まさに・単に・わずか・はっきり言って・いったい・とにかく
moment:一瞬・瞬間・時点・時期・今・節目
work:仕事・作業・職業・業績
例文work on the trade issue:貿易問題への取り組み
Chancellor:<独語>首相
Angela Merkel:アンゲラ・ドロテア・メルケル(ドイツ語: Angela Dorothea Merkel、出生名:アンゲラ・ドロテア・カスナー/Angela Dorothea Kasner、1954年7月17日 - )は、ドイツの政治家。2000年よりキリスト教民主同盟 (CDU) 党首。第8代ドイツ連邦共和国首相。ドイツ国内において、女性としては初の大政党党首・首相(wikipediaより)
comment:コメントする・論評する
decision:決定・決断
spokesman:報道官
winner:勝利者・受賞者
thank:感謝する・お礼を述べる
courage:勇気・度胸
break the silence:沈黙を破る
sexual assault:性的暴行・婦女暴行・レイプ
launch:打ち上げる・始める・開始する・立ち上げる・起動する
Donald Trump:ドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump、1946年6月14日 - )は、アメリカ合衆国の実業家、政治家。第45代アメリカ合衆国大統領。不動産会社トランプ・オーガナイゼーションの会長兼社長を務め、カジノ・ホテル運営会社トランプ・エンターテイメント・リゾーツの設立者である。(wikipediaより)
Xi Jinping:習 近平(しゅう きんぺい、漢族、1953年6月15日 - )は、中華人民共和国の政治家。中国共産党の第4世代の最高指導者であった胡錦濤の後任として、2012年より第5代国共産党中央委員会総書記、第6代中国共産党中央軍事委員会主席、2013年より第7代中華人民共和国主席、第4代中華人民共和国中央軍事委員会主席を務め、中華人民共和国の最高指導者の地位にある。太子党のひとりで、父は習仲勲(元国務院副総理)。(wikipediaより)
choice:選択・選択の範囲・選択肢・選ばれた人
accuse:非難する・責める・告発する・訴える・罪に問う
deny:否定する・認めない・与えない・拒絶する
recently:最近・先日・近頃
probably:おそらく・きっと・たぶん・おおかた
agree:同意する・賛成する・承諾する
interview:インタビューする・対談する・面接する
photo shoot:写真撮影・写真撮影会
refuse:拒む・嫌がる・断る・許さない
dispute:議論する・論争する・異議を唱える・反論する・敵対する
claim:主張・申し立て・要求

VOAが記事のトップに掲げている写真は、Harvey Weinstein氏へのセクハラ告発に名を連ねた女優たちです。8人写っていますが、VOAのキャプションには何故か12人の名が並んでいます。 top row from left(上段左から)「Asia Argento, Rosanna Arquette, Jessica Barth, Cara Delevingne, Romola Garai, Judith Godreche, Heather Graham, Angelina Jolie, Ashley Judd, Rose McGowan, Lea Seydoux and Mira Sorvino,」となっていますが、人数が合いません。どれが誰か分からないので、気になる方はご自身で確認ください。

タイム誌のエドワード・フェルゼンタール編集局長は、「これほどあっという間に社会が変わるのは、数十年ぶりだ」と選考理由を話した。
(中略)
タイム誌は「今年の人」を発表する最新号の表紙に、様々な立場の女性を登場させ、性的加害行動がいかに社会全般に蔓延(まんえん)しているかを表現した。著名人は、最初にワインスティーン氏を公に糾弾した女優アシュリー・ジャッド氏と、自分の尻をつかんだ元DJに対する民事訴訟に勝訴した人気歌手テイラー・スウィフト氏の2人。
ほかには、メキシコ出身で米国の果樹園でイチゴを摘む仕事に就いていたイサベル・パスカルさん(42、仮名)、カリフォルニア州サクラメントの企業ロビイスト、アダマ・イウさん(40)、配車アプリ「ウーバー」の最高経営責任者を退任に追い込んだ元エンジニアのスーザン・ファウラーさん(26)が表紙に並んでいる。
記事中ではさらに大勢が、「沈黙を破った人」として紹介されている。
(中略)
何千、何万もの人が世界各地で抗議行動に参加し、権力を握る多数の男性にそれまでのふるまいの責任をとらせたという。
日本ではワインスタインと表記されることが多いのですが、BBCはワインスティーンと表記しています。さて、アメリカでは非常に有力な人物が次々とその地位を追われているのに対し、この運動は日本にはあまり(ほとんど?)波及していません。実は英国でも動きは鈍いようで、BBCは「法の違い」にその原因がある可能性を記事に書いています。「セクハラ問題、なぜ英より米でこれほどたくさん浮上 2017年11月23日」 一部を引用すると、
10月5日にハービー・ワインスティーン氏による長年にわたる性的加害行動が名指しで糾弾され、ダムは決壊した。
それからというもの、米国では何十人もの著名人が何らかの性的な問題行為を指摘されている。これはポタポタと水滴が漏れるようにというレベルではない。もはや洪水だ。
名指しされたなかには、俳優ケビン・スペイシー氏、政治家ロイ・ムーア氏、ジャーナリストのマーク・ハルぺリン氏らが含まれる。
疑惑の大洪水は今週さらに威力を増し、メディアの大物をも飲み込んだ。
他国の人たちも名指しされているが、ほとんどは米国人だ。
理由の一つは、米国独自のメディア法かもしれない。
英国で名指しされた人の数が少ないことには、大きな理由がある。英国の名誉毀損(きそん)法だ。
英国で名誉毀損の訴えを起こす場合、原告に立証責任はない。報道内容は事実と異なると、書かれた側は証明しなくても良いのだ。
代わりに、報道した側の新聞社やウエブサイトが、記事の正確性を立証しなくてはならない。
続きはリンク先で読んでいただきたいのですが、要は立証責任の所在が英と米で逆になっています。「ワインスティーンからセクハラを受けた」とアシュリー・ジャッド氏が告発し、仮にワインスティーン氏がそれを「名誉毀損だ」と訴えた場合、英国ではジャッド氏側に「セクハラがあり、名誉毀損にあたらない」ことを立証する責任があり、できなければ敗訴します。一方米では
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの法律顧問でもあったカール教授は、「米国では、名誉毀損の立証責任は原告にある。つまり、名誉を毀損されたと主張する側が、相手の主張の誤りを証明しなくてはならない」と説明する。
英では、告発はハイリスクです。その結果、
例えば、BBCの人気司会者だったジミー・サビルによる常習的な性的暴行は、長年の噂だった。(中略)
しかし英国メディアは名誉毀損裁判を恐れるあまり、報道しなかった。英ITVがサビルの性的暴行を特ダネとして放送したのは、本人が死亡した後のことだった(英国の法律では、死者の名誉を毀損することはできない)。
とあります。へー。
日本はどうなのか?というと、英型のようです。SLAPP WATCHというサイトから「2007.03.17 Saturday 表現者が立証責任を負う日本の名誉毀損訴訟」 一部引用すると、
日本では名誉毀損の裁判が起こされると、立証責任が表現した側にあります。メディアやジャーナリストが訴えられ被告となった場合には、名誉毀損が「なかったこと」を証明しなければなりません。
(中略)
日本では、刑事裁判でも民事裁判でも、社会的評価を低める表現は、ほとんど名誉毀損であることが前提となっているということです。そのうえで、「免責要件」として、公共の利害に関する表現などが特例的に名誉毀損にあたらないと判断されるのです。
つまり、日本では、名誉毀損で「なかったこと」を証明するためには、「免責要件」を、責任を追及される被告がすべて立証しなければなりません。少しでも要件を欠けば、名誉毀損が成立してしまいます。はじめに自由な表現への疑念ありきなのです。
(中略)
合衆国憲法修正第一条によって「表現・報道の自由」が、なによりも優先的に定められているアメリカとは、表現の自由の理解に、少し違いがあるようです。
名誉毀損は、書き込まれた事実の真偽は関係がありません。
社会的評価を低下させる事実を不特定多数者へ伝えているなら、名誉毀損が成立します。
つまり、社会的評価を低下させる事実を記載していること、それが不特定多数者へ伝わる可能性があることを証明すれば、名誉毀損として損害賠償請求をすることは可能といえます。
記載が事実であること(または事実であると信じたこと)、それが公共性のあることは書き込んだ側が証明して自己の責任を回避することになります。
との回答が書かれています。「公共の利害に関するときの特例」にあたることを訴えられた側が立証しなければ名誉毀損が成立するようです。