6 Minute English
What’s in a name?
EPISODE 180201 / 01 FEB 2018


英国の女性は伝統的に、結婚した時に夫の姓を名乗ります。しかし物事は変化しているのでしょうか? 西側社会ではますます多くのミレニアル世代の男性が、伝統を無視して結婚に際して新婦の名字を名乗っています。ダンとニールはこの傾向について議論し、皆さんに6個の語彙をお教えします。

[台本]

ダン:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。僕はダン、今日一緒なのはニールです。やぁ、ニール。

ニール:やぁ、ダン。

ダン:君は既婚者だけど、ニール、結婚した時に君の奥さんは名字を変えたのかい?

ニール:ああ、変えたよ。

ダン:それは彼女の選択?

ニール:そう。彼女は自分の旧姓が好きじゃなかったので、彼女に関しては双方にメリットがあった。君はどうなの?

ダン:あー、僕の妻は旧姓のままでいたかったんだけど、僕の名字を使うしかなかった。それが僕らが結婚した時の法律だったから。

ニール:君が彼女の姓を名乗ることを考えたかい?

ダン:それが今回の6 Minute Englishで僕らが話すことだ。結婚後に夫が妻の名字を使うこと。そのあれこれと、6個の関連した語句、それにクイズ質問だ。

ニール:よしでは質問から行こう。

ダン:1789年以降、たとえ結婚後であっても市民が名前を変えることが法的に禁じられてきたのはどの国でしょうか? それは…

a) 日本
b) フランス
c) トルコ

ニール:僕はb)のフランスにするよ。

ダン:君が正解したかは後程確認しよう。さて伝統的に英国では男性と女性が結婚する時、女性が男性の名字を名乗り、それが彼女の旧姓に取って代わる。

ニール:旧姓とは女性が結婚する前に使っていた名字の事。全てはノルマン人のイングランド侵略にまで遡る。1066年の事だ。女性が男性と結婚すると女は男の所有物となる、という考え方を彼らが持ち込んだ。その結果として、女は男の姓を名乗った。

ダン:近頃では、多くの女性が結婚に際し夫婦別姓にすることを選んだり、新郎の姓と何らかの方法で結合したりしている。時には名字を二重姓にしたりして。

ニール:二重姓とは、二つの名前をハイフンでつないだもの。例えばジョーンズ-スミスみたいに。

ダン:しかし、西側文化ではますます多くの夫婦が違ったやり方をしている。二人が結婚する時に、夫が妻の姓を名乗ることを選ぶんだ。

ニール:BBCの名字と結婚に関する記事で、ローリー・ディアラブ、旧姓ローリー・クックが、なぜ彼が妻の姓を使うことに決めたのか話している。彼によれば、とにかく彼は自分の姓にまったく執着がなかった。彼にとってはどちらでも違いはなかった。

ダン:それは彼一人ではない。戦略的洞察企業であるオピニアム社が、2,000人の英国成人に行なった最近の調査によると、現在18歳から34歳に当たるミレニアル世代男性の10人に一人は、この分類に該当することが示されている。

ニール:チャーリー・ショウはチベット人の仏教徒で瞑想の指導者だ。彼は昨年結婚した際に妻の姓を選んでこう言った。これは、私達の社会に存在する目に見えない家父長的偏見や性差別を認識する良い機会だったと。

ダン:父権制の意味は「男性に支配された」。そして偏見とは人や物、考えに対する不公平な支持や反対のこと。

ニール:多くの伝統的な社会は家父長制だ。しかし現代の英国社会ではその傾向は弱い。誰もが公平であろうとしている。

ダン:ああ確かに。でもそれは目に見えない部分であり、また社会的な物の見方もある。ネバダ大学の研究者であるレイチェル・ロブネットが、合衆国と英国の多くの人を調査して発見したことは、夫婦別姓にしている女性の夫は「か弱い」と見られ、一方でその女性は「主導権を握っている」と思われることだ。

ニール:もしある関係であなたが「主導権を握っている」なら、それは「二人にとってあなたが支配し、意思決定している」こと。

ダン:そのことを疑問に思ったので、僕はロンドンに出掛けて行って結婚した時に妻の姓を名乗る男性についてどう思うか、人々に尋ねてみた。答えはこんな感じだ。

女性:それが悪い考えだとは少しも思わない。私の父は55歳だけど、私の母の姓を名乗っている。人がそれをしたいと思ったら、全ての権利はその人達にある。

男性:それは全く人それぞれだ。誰も傷付けていないし、女性が男性の名字を使うのと何ら変わりはない。

女性:誰もが他の誰かの姓を名乗るべきだと私が思う唯一の理由は、if just for the creation of a family unit. でももしそれが原則から外れるなら、私は賛成しません。

ダン:どうやら僕が話した人達はこの考えに違和感はないようだ。

ニール:ああ。大抵の人は、人にはしたいことをする自由があると言っている。ある女性は、家族の一団を生み出すことにさえも言及している。

ダン:一団とは共に暮らしたり仕事をする人々の集まりのこと。典型的な家族の単位は二人の親と数人の子供たちだ。まあ、これがあの質問への答えだ。人々は誰が誰の名を使うか気にしていないらしい。

ニール:質問と言えば、クイズ質問はどうなったのかな?

ダン:僕が聞いたのは、1789年以降、たとえ結婚後でも法的に市民が名前を変えることが禁じられてきたのはどの国でしょうか?

a) 日本
b) フランス
c) トルコ

ニール:で、僕はb)フランスと言ったよ。

ダン:ドンピシャだよ、いつものように、ニール

ニール:では語彙に目を通してみよう。いいかな?

ダン:最初に取り上げたのは'maiden name'。これは結婚する前の女性の名字のこと。僕の母は結婚した時、自分の旧姓を手放すことを父に対して拒んだ。

ニール:それから取り上げたのは'double-barrelled'。二重姓の名前とは、ハイフンでつながった二つの名前のこと。何か有名な事例が思い浮かぶかな?

ダン:そうだな、一例としてコーンウォール公爵夫人のカミラ・パーカー・ボウルズがある。彼女はチャールズ皇太子と結婚した。彼は次期の英国国王だ。その次は'patriarchal'。もし何かが父権制であるなら、それは男性に支配されている。女性でそれに相当するのは「母権制」で、女性に支配されていること。

ニール:その後は'bias'。偏見とは人や物、考えに対する不公正な支持や反対のこと。

ダン:ファンの多くは、自分が好きなサッカーチームを依怙贔屓している。それから取り上げたのは'wear the trousers'。もし君が主導権を握っているなら、二人にとってあなたが管理し、決断を下している。君の結婚では君が主導権を握っているのかい、ニール?

ニール:ああ、僕の結婚では僕ら二人ともが主導権を持っているんだよ、ありがとう、ダン。それから'unit'。一団とは一緒に生活したり働く人々の集団のこと。ちょうど、BBC Learning Englishのチーム…一団のように!

ダン:これで今回の6 Minute Englishはお終いです。我々のフェイスブック、ツイッター、インスタグラムやユーチューブのページを見に来るのを忘れないで下さい。では次回お会いしましょう。じゃあ!

ニール:さよなら!

[ノート]
What’s in a name?:byシェークスピア。ジュリエットのセリフ
参考What’s in a name? that which we call a rose. By any other name would smell as sweet.:名前がなんだというの? バラと呼ばれるあの花は、ほかの名前で呼ぼうとも、甘い香りは変わらない。2幕2場

ignore:無視する
trend:傾向・動向・流行・趨勢・方向

Hi there:やあ・こんにちは・どうも
married man:既婚男性・妻帯者・所帯持ち
wed:結婚する(weddedでは?)
family name:姓・名字
choice:選択・選ぶこと・選択肢?
old name:旧名
for:(ここでは)~にとって・~に関して
win-win:共に利益となる・双方にとって利益のある・お互いに満足のいく
surname:姓・名字
be forced to:~せざるを得ない・~することを余儀なくされる・無理矢理~させられる
adopt:選ぶ・採用する・導入する・採択する・承認する・態度を取る・接する
get married:結婚する
All that:全てのこと
forbid:禁じる・妨げる・許さない
citizen:国民・市民・民間人
legally:法的に・法律上・合法的に
go for:(ここでは)選ぶ・決める
traditionally:伝統的に・従来の・昔から
replace:取り替える・交換する・置き換える・後を継ぐ・取って代わる・後任となる
maiden name:旧姓
maiden:未婚の・乙女の
date back to:~まで遡る
Norman invasion of England:ノルマン・コンクエスト(英語: The Norman Conquest of England)は、ノルマンディー公ギヨーム2世によるイングランドの征服を指す。コンクエストを日本語にし、ノルマン征服ともいう。1066年のヘイスティングズの戦いに勝利したギヨーム2世はウィリアム1世としてノルマン朝を開いた(ウェストミンスター寺院での戴冠式は同年12月25日)。これによりイングランドはノルマン人により支配されることとなった。ノルマン・コンクエストはイングランドの歴史の分水嶺となり、デンマーク付近(ゲルマン人の領域)の強い政治的・文化的影響から離れ、ラテン系のフランスと政治的にも文化的にも強く関係することになる。なお、ノルマン人はイングランド人(アングロ・サクソン人やデーン人)と同様にゲルマン人の一種なので、異民族というほどでもない。ノルマン・コンクエストが比較的容易に進んだ一因に、どちらの民族もゲルマン人であったという点が挙げられる。(wikipediaより)
invasion:侵入・侵略・襲来
back in:~に遡って・~の頃に・~の時に
introduce:紹介する・案内する・導入する・取り入れる
idea:考え・発想・思い付き・アイデア・意見
property:所有物・財産・資産
As a result of:~の結果として・~を受けて・~が原因で
These days:この頃・近頃・最近
elect:選ぶ・選出する・決める
keep her maiden name:旧姓のままにする・夫婦別姓にする
combine A with B:AとBを結合する・結び付ける
in some way:何とかして・何らかの方法で
double-barrelled:二連式の・二重姓の
double-barreled name:二つの名前をつなげた名前
hyphen:ハイフン
growing number of:ますます多くの
couple:カップル・夫婦・恋人
western culture:西洋文化
differently:違って・異なって
article:記事・論説・論文
Rory Dearlove,  Rory Cook,:くだんの記事'Why I took my wife's last name'はこちら
formerly:以前は・元は・かつては
really:実際に・実のところ・本当に・全く
attach:(ここでは)重きを置く・愛情のきずなで結びつける・慕わせる・執着する
例文attached to money:お金に執着する
anyway:とにかく・どうせ・どのみち
make a difference:違いが生じる・変化をもたらす
not make any difference:どちらでも違いはない・同じことだ
Opinium:Opinium Research LLP is a market research consultancy established on 7 September 2007 as a Limited liability partnership. Its registered headquarters are in London.(英語版wikipediaより)サイトはこちら
strategic:戦略の・戦略的な
insight:洞察力・明察・真相を見抜く力・識見
agency:代理店・取次・仲介・あっせん所・機関・局・サービス提供機関・会社
suggest:提案する・提言する・勧める・意味する・示唆する・ほのめかす
millennial:ミレニアル世代
currently:現在・目下・現在のところ
fall into:(ここでは)分類される・分けられる・該当する・分類に入る
category:区分・種類・部類・範疇・カテゴリー
Charlie Shaw:(資料見つからず)
Tibetan:チベット人の・チベットの
Buddhist:仏教徒
meditation:瞑想・熟慮
instructor:講師・指導者・インストラクター
opportunity:機会・好機・チャンス
acknowledge:認める・承認する・同意する・認識する・応える
unseen:目に見えない・見えざる
patriarchal:家父長の・男性に支配された・父権的
bias:偏り・偏見・心理的傾向・先入観・不公平な判断
sexism:性差別・性差別主義
control:操作する・制御する・支配する・統制する・規制する・管理する
unfair:不公正な・不公平な・不当な・不正な・偏った
support:支援・援助・支持・扶養
opposition:反対・敵対・敵・対立・妨害・抵抗・敵意・反感
modern:現代の・今の・近代の・最新の
like:同じの・似ている・同様の・ありそうな・~しそうな
be meant to:~するように意図されている・~になるよう運命づけられている・~することになっている
mean to:~するつもりだ・~する意図がある故意に~する・~する予定だ
equal:等しい・平等な・公平な・偏らない
but that's the unseen part. And there's the social view of things too.:(thatは何を指しているんだろう?)
part:部分・要素・一部・役割
social:社会の・社会に関する・社会的な
view:見ること・見識・見方・意見
Rachel Robnett:Ph.D. / Assistant Professor / Department: Department of Psychology(ネバダ大のサイトより)
researcher:調査員・研究者
the University of Nevada:ネバダ大学は、アメリカ合衆国ネバダ州にある州立大学。(wikipediaより)
survey:調査する・検査する・測量する・概説する
find:出会う・見つける・発見する・見出す・気付く・理解する
be viewed as:~と見なされる・~と見られる・~と考えられる
feminine:女の・女らしい・女性らしい・優しい・か弱い・めめしい
while:だが・なのに・しかし一方
be believed to:~とされる・~と思われる・~と考えられる
wear the trousers:家庭での主導権を握る・妻が夫を尻に敷く・カカア天下である・(直訳はズボンを履く)
relationship:関係・結び付き・関連性
make a decision:意思決定する・決める・決定する・決断する
wonder about:怪しむ・疑問に思う・疑問を感じる・思いを巡らせる
go out:外に出る・出掛ける・出歩く
power:力・能力・権力・権限
It's each to their own really. It doesn't hurt anybody. And it's no different from a woman taking a man's name.:(本当に台本通りの発言なのか、聞き取れない。最初の方は違うようにも聞こえるんだけど)
to each one's own:人それぞれ:
hurt:傷付ける・苦痛を与える・感情を害する
be no different from:~と何ら変わりない・~と違いはない
The only reason I think that anybody should take someone else's surname if just for the creation of a family unit. But if it's just out of principle, I don't agree.:(訳できず。全体に文意が分からない。誰もが他の誰かの姓を名乗らないといけないと私が思う唯一の理由は、家族の単位を生み出す場合だ。だと、夫婦別姓に反対している趣旨になる。But以降も主張の趣旨が分からない。)
creation:創造・創作・作成・創設・新設
family:家族・親族・一族・家系
unit:一個・一群・単位・部
out of:~から外へ・~の中から・を脱して・~から離れて・~がなくなって・~の範囲外に
principle:原理・行動規範・原則・指針・主義・道理・道義・本質
agree:同意する・賛同する・承知する・同感である・一致する・認める
be comfortable with:~に満足である・心地よく感じる・平気である・慣れている・違和感がない・苦にならない
mention:言及する・触れる・話に出す・名を挙げる
typical:代表的な・典型的な・ぴったりの
mind:嫌だと思う・気に障る・気にする・注意を払う
Speaking of:~と言えば・~について言えば
be spot on:完全に正しい・非常に正確な・ぴったりの
as usual:いつも通り・いつものように・例によって
take a look at:ちらっと見る・ざっと眺める・目を通す
refuse to:~することを拒む・拒否する・認めない
give up:諦める・放棄する・断念する・捨てる・やめる
join:接合する・結び合わせる
think of:(ここでは)考え付く・思い付く・考え出す・思い浮かぶ
famous:有名な・著名な・名高い
Duchess of Cornwall:コーンウォール公爵夫人
参考コーンウォール公爵(英:Duke of Cornwall)は、イングランドの爵位の1つ。イングランド王位(現在では連合王国王位)の相続人に与えられる。イングランド貴族で最初に創設された公爵位で、現在ではランカスター公とともに公爵領をもつ2つしかない爵位のひとつである。ただし、ランカスター公は1413年に王冠にマージされた(爵位保持者がイングランド王位を継承した)ため、ランカスター公爵位の保持者がこれ以降存在しない。2015年初頭におけるコーンウォール公は、エリザベス2世の長男チャールズである。(wikipediaより)
Camilla Parker-Bowles:コーンウォール公爵夫人カミラ(Camilla, Duchess of Cornwall、全名: カミラ・ローズマリー(Camilla Rosemary)、旧名: カミラ・パーカー・ボウルズ(Camilla Parker Bowles)、1947年7月17日 - )は、イギリスの王太子であるウェールズ大公チャールズの元愛人で後妻。2005年4月に再婚した。称号はウェールズ大公妃(プリンセス・オブ・ウェールズ)、コーンウォール公爵夫人、ロスシー公爵夫人、チェスター伯爵夫人。敬称は殿下(Her Royal Highness)。(wikipediaより)
for one:一例として・一つには
Prince Charles:ウェールズ公チャールズ(Prince Charles, The Prince of Wales 、洗礼名: チャールズ・フィリップ・アーサー・ジョージ(Charles Philip Arthur George )、1948年11月14日 - )は、イギリス王位の法定推定相続人で、第21代ウェールズ公(プリンス・オブ・ウェールズ)。イギリス陸海空軍元帥。公邸はクラレンス・ハウス。(wikipediaより)
next in line to:次に~する番である・列での順番が次である
例文next in line for the presidency:次期社長
throne:王座・王位・国王
equivalent:同等の物・同義のもの・相当するもの
matriarchal:女家長制・母権制・女性に支配された
fan:ファン・熱狂的支持者
biased in favor of:人に好意を抱いている・~に好意的だ
bias in favor of:~寄りの偏向がある・~を不当にえこひいきする
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日本で夫婦別姓が認められるのはいつになることやら