AS IT IS
Study: Rich Cities Largely Responsible for Greenhouse Gases
March 11, 2018

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世界中の豊かな都市が温室効果ガス排出の主な原因であると新たな研究は述べている。

この研究では、各都市に住んでいる人による財やサービスの使用に基づいて排出を測定している。対象となるのは食料や衣料品、電気製品などで、そうした商品を生産地と使用地の間で貿易をする影響も含んでいる。

これは、排出を製品の生産から見ていた従来の評価基準からの変更だ。

こうしたガスを、製造ではなく消費を基準にして測定すると、最大の排出源は主として北米と欧州の都市になる。研究は、都市の排出は現在の推計より60%多いことを発見した。

研究者は、カナダ、アルバータ州の都市エドモントンで今月行われた国連気候変動会議でこの情報を紹介した。

80か国から来たおよそ750人の都市指導者、大学の研究者や科学者らが参加した。彼らは最新の気候研究や気候変動と闘うために地方自治体に何ができるかについて議論した。

アテンディー・マーク・ワッツは、この研究を行った組織であるC40の代表だ。C40は気候変動との闘いに取り組んでいる90以上の都市による連合だ。研究では、この連合に参加している79都市を調査した。

ワッツによれば、この最新の手法は、温室効果ガスの排出を製造企業ではなく消費者と結びつけることで、排出のより正確な全体像を示している。

新たな推定では責任は富裕な消費者にあるとし、排出を減少させるために「都市の政策立案者にできる事の範囲を広める」と彼は述べている。

都市は世界のエネルギーの3分の2以上を使用している。

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大きな都市、大きな問題

新たな推計は、2015年にパリで採択した気候の公約を各国政府が達成できないという懸念があるタイミングで登場した。

伝統的に、研究者は中国やインドといった工業国を温暖化ガスの最上位の排出国だと考えてきた。今回の研究が示しているのは、こうした生産国が作った製品への需要および使用が、温暖化ガス排出の全体的な過程に不可欠な要素だということだ。

デブラ・ロバーツは国連気候変動に関する政府間パネルの代表の一人だ。彼女は、消費を基準とする計測の利用は「画期的だ」と述べている。

「しかし…、こうしたアイデアに与えられた時間はおそらく差し迫っていると言っていい」と、彼女は会議の場でトムソン・ロイター財団に語っている。

アリス・ブライアントでした。

[ノート]
Study: Rich Cities Largely Responsible for Greenhouse Gases:研究:富裕な都市に温室効果ガスの大きな責任(タイトル訳は改変)

be responsible for:~への責任がある・~の原因である・~に関与している
largely:大部分・主に・ほとんどが・~によるところが大きい・概して・~が多い
greenhouse gas:温室効果ガス・温暖化ガス
emission:排出・放出・発射
measure:測る・測定する・評価する・比べる
based on:~に基づいて
goods and services:財とサービス・物品とサービス
goods:物品・商品・財・財貨・財産
electronics:電子工学・電子機器
include:含む・盛り込む・採り入れる
impact:影響・反響・効果・衝突
point:(ここでは)地点・位置
production:産出・生産・製造
traditional:伝統的な・昔ながらの・従来の
measure:<名詞>寸法・大きさ・測定・計量・評価基準・基準・尺度
consumption:消費・消耗・飲食
rather than:~よりむしろ・~するのでなく・~しないで
manufacturing:製造・製造業
emitter:排出するもの
mainly:主に・大部分は・~を中心に
find:出会う・見つける・発見する・気付く・理解する・獲得する
currently:現在・今・目下・現在のところ・これまでのところ
estimate:見積もる・推定する・評価する・判断する
share:共有する・共に負う・分配する・伝える・話す
United Nations climate conference:国連気候変動会議(正確には、エドモントンで開催されたのは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「都市と気候変動に関する科学会議」)
Edmonton:エドモントンは、カナダのアルバータ州にある都市。同州の州都であり、州内ではカルガリーに次ぐ第2の都市である(国内5位)(wikipediaより)
Alberta:アルバータ州は、カナダの州。カナダ西部に位置する、プレーリー3州のひとつである。西にブリティッシュコロンビア州、東にサスカチュワン州、北はノースウエスト準州、南は北緯49度でアメリカの国境モンタナ州と接している。(wikipediaより)
Canada:カナダは、10の州と3の準州を持つ連邦立憲君主制国家である。イギリス連邦加盟国であり、英連邦王国のひとつ。北アメリカ大陸北部に位置し、アメリカ合衆国と国境を接する。首都はオタワ(オンタリオ州)。国土面積は世界最大のロシアに次いで広い。(wikipediaより)
take part in:参加する・加わる・出場する
latest:最新の・最後の
local government:地方自治体・地方公共団体・地方政府
Attendee Mark Watts:Executive Director @c40cities. Climate optimist. Music lover. Formerly of @arupgroup.(おそらく本人のtwitterより)
head:(ここでは)組織の長・代表
C40:正式名称は、世界大都市気候先導グループ(The Large Cities Climate Leadership Group)といいます。前ロンドン市長によって提唱・創設された都市ネットワークで、気候変動対策に取り組む大都市で構成されています。(東京都環境局の解説)
organization:団体・協会・組織・機構
work to:取り組む・努力する・力を注ぐ・尽力する
study:研究・調査報告書・研究論文
alliance:同盟・連携・連合・提携
examine:調べる・検査する・検討する・試験する・観察する・調査する
be part of:~の一部・~の一員である・~に不可欠である
例文part of marketing planning:マーケティング計画にとって不可欠な要素である
method:方法・手法・方式・筋道
offer:申し出る・提供する・用意する・提案する・示す・表す
full picture:全体像・全容・全貌
link:結び付ける・関連付ける・つなげる
consumer:消費者・購入者
manufacturer:製造会社・製造業者・メーカー
responsibility:責任・義務・責め
increase the scope of:~の範囲を広げる
scope:範囲・領域・余地
policy maker:政策立案者・為政者
lower:下げる・低くする・落とす・減じる・弱める
two-thirds:3分の2
at a time when:~という時に・時期に・時代に
concern:関心事・懸念・気遣い・不安・心配
national government:中央政府
meet:(ここでは)満たす・かなえる・合う・達成する
promise:約束・誓い・保証・公約・請け合い
climate promises they made in 2015 in Paris:パリ協定(Paris Agreement)は、第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催されたパリにて、2015年12月12日に採択された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定(合意)。(wikipediaより)
Traditionally:伝統的に・従来の
consider:考える・見なす・考慮する・考察する・検討する
manufacturing country:工業国
among the top:トップに入っている・上位に入っている
overall:全部の・全体の・総合的な・一般的な
process:行為・過程・作業・経過・推移
Debra Roberts:Debra Roberts founded and heads the Environmental Planning and Climate Protection Department of eThekwini Municipality, Durban, South Africa.(Urban Climate Change Research Networkのサイトより)
Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル(略称:IPCC)は、国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構である。(wikipediaより)
-based:~に基づく・~を根拠とした・~を本拠とする
revolutionary:革命的・革新的・画期的
idea:考え・着想・発想・アイデア・知識
time:時間・期間・時期・時・頃・時世・暇・期限
probably:おそらく・きっと
almost:ほとんど・ほぼ・もう少しで
例文almost non-existent relationship with:存在しなかったと言ってもいい関係
imminent:差し迫った・目前に迫った
Thomson Reuters Foundation:トムソン・ロイター財団(サイトはこちら
conference:会議・協議・協議会

中国やインドが作るからCO2が排出されるのではなく、欧米が使うから出るのだ。まぁ、そう言えばそうです。日本語での報道が一つだけ見つかりました。NATIONAL GEOGRAPHIC日本版から「大都市の温暖化ガス、実は60%増、消費ベースで 2018.03.12」 一部引用すると、
 世界の大都市の炭素排出量は、都市で消費する製品やサービスのすべてを算入すると、これまでの推計より60%も多くなることが最新の分析から明らかになった。
 これは、カナダのエドモントンで開催されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「都市と気候変動に関する科学会議」において、3月6日に発表されたものだ。新たな報告書では、食品、衣類、電化製品、飛行機での旅行、建設業など、都市の外で生産され、都市の住民が消費するものに関する炭素排出量が推計されている。
(中略)
「食物やエネルギーなどの製品やサービスの生産に関する排出量しか算定していないのは、コインの片面しか見ていないのと同じです」とダウスト氏はエドモントンでのインタビューで答えた。
(中略)
大規模な工業地区がなくなった裕福な「消費都市」では、地域の排出量が著しく減少した。しかし、今回の報告によると、商品やサービスの消費に伴う排出量を算入すれば、こうした都市の排出量は一気に高くなり、1人当たりの排出量は世界最高の水準となる。
(中略)
「排出量の削減に貢献したものを買うべきです。他の地域に排出量を押し付けるだけではいけません」と話すのは、エドモントン市長ドン・アイブソン氏だ。同氏は、都市の本当の炭素排出量を知るには、消費に基づく算定が重要だと言う。
なるほどね。