6 Minute English
Is the internet good or bad?
EPISODE 180426 / 26 APR 2018


近頃は、人々はインターネットをあって当然だと考えています。みな人生を、友人や家族とばかりでなく、ソーシャルメディア上で分かち合っています。インターネットの父、ティム・バーナーズ=リーによれば、それは必ずしも好ましい事ばかりではありません。この、インターネットは良いものなのか悪いものなのかについての議論をよく聞き、役に立つ語彙もいくつか学んで下さい。

[台本]

ロブ:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。僕はロブ。

ニール:そして僕はニール。

ロブ:さてニール、君はワールド・ワイド・ウェブを、つまり人がよくインターネットと呼ぶものを初めて使った時のことを覚えているかい? そしてそれを何に使ったのか?

ニール:ああ、それはいい質問だ。実は、覚えているんだよ。それに、ほとんど何も変わっていないんじゃないかな? だって、猫の画像を検索したんだから!

ロブ:猫! 実に有意義だ。ともあれ、君はインターネットは大まかに言って世界に有益だと思うかい、それとも良くない物かな?

ニール:わぁ、それは本当に大問題だ。途方もない質問だ。僕がそれに答えられるか分からないな。

ロブ:おそらく答えられる人が一人いる。それは、これを発明した人物、英国のコンピュータ科学者、ティム・バーナーズ=リーだ。彼の「子供」がどうなったと彼が考えているかはすぐに明らかにするけれど、でもその前に、皆さんに質問です。後にワールド・ワイド・ウェブとなる発想をバーナーズ=リーが初めて提案したのはいつだったでしょうか? それは…

a) 1985年
b) 1989年
c) 1991年

ニール:うーん、難しいけれど、僕の考えでは人が思っているより早そうだから、1985年にするよ。

ロブ:まぁそれはずいぶん前の事だけれど、正解は番組の少し後で明らかにするとしよう。インターネットがおそらく歴史上で一番、とまでは言わないにせよ、最も重要な技術的進歩の一つだというのは真実だと思うよ。君も賛成かい、ニール?

ニール:確かにこれ無しの生活は想像しにくい。不可能ではないけれど、便利というには程遠い。

ロブ:この頃は、人はインターネットを当たり前だと思っている。人々は人生をソーシャルメディア上で分かち合っている。友達や家族とだけにとどまらず。そしてそれは良い事ばかりとは限らないと、インターネットの父、ティム・バーナーズ=リーは言っている。彼は最近のBBCの番組「テック・テント」で、インターネット、とりわけネットの情報を支配している企業に対する懸念の話をしている。彼が「インターネットの巨人たち」と呼ぶ企業の事だ。彼の話では、こうした企業は何をしなければならないと彼は考えていただろう?

ティム・バーナーズ=リー
当初は、インターネットの巨人がしなければならない重要な事は、ただ中立的であることだと思っていました。ただプラットフォームになればいい。そうすれば人類が、ひとたび技術によってつながれば、素晴らしいことをするだろうと。しかし明らかに、そんな風には機能しなかった。もし人類がウィキペディアによって結びつけば、人々は一般的に素晴らしい物を生み出す。もし人々がソーシャルネットワークによってつながると、そこには匿名性があり、人々のまさしく一番嫌な所を引き出し得るのです。

ロブ:さて彼の話では、インターネットの巨人は何をすべきだったと彼は考えていただろう?

ニール:彼はこう話してる。当初は、中立的でありさえすればいいと考えていたと。当初とは、「最初は」「初めの頃は」という意味で、そこには後で考えが変わったという意味合いもある。ともかく、彼はただ中立的であればいいと考えていたと彼は言っている。中立的とは、ここでの意味は何もする必要がない事。インターネットや情報を統制する必要はない。それは人々やアイデアや情報を結びつける道具となり、素晴らしいものになるだろうと思っていた。

ロブ:しかし良い事ばかりではなかった、だろ?

ニール:うん。彼はこう言っている。情報源を利用する手段を人々に与えるのは、普通は良い事だ。しかし、ことソーシャルネットワーク、ソーシャルメディアとなると、人は匿名になる。

ロブ:匿名?

ニール:そう。その意味は、ネット上では人々は自分の本当の身元や性格を隠せるという事。中には、相手に面と向かっては決して言わないことを書き込む人もいる。それは、重大な結果を招くことはないと考えているからだ。バーナーズ=リーによれば、匿名性は人の最も不快な面を発揮させ得るのだ。人々はひどいことや嫌なことを互いに言い合っている。

ロブ:バーナーズ=リーは、これをどうすれば変えられるか、いくつか提案をしている。それは「いいね」や「シェア」という考えに基づくもので、彼はそれを称賛と呼んでいる。彼の提案とはどんなものだろう?

ティム・バーナーズ=リー
様々なソーシャルネットワークや様々なプラットフォームはそれぞれ異なる状況にあり、いくつかの事例では問題がある事を認めています。物事の動作の仕方を微調整すれば問題は大いに改善し得ることを彼らは理解していると思います。リツイートの拡散の仕方を変えたり、あるいは人々が称賛を得る方法を変えることによって。例えば、建設的な人にもっと多くの賛辞を寄せるのです。

ロブ:企業はどうすればこの問題に対処できると彼は考えているかな?

ニール:えー、彼によれば、ソーシャルネットワークの一部は問題がある事に同意していて、何がそれを良くするかも分かっている。

ロブ:でも彼は'improve'という語は使わなかったよね?

ニール:違う。実際に彼が使ったのはやや改まった動詞の'ameliorate'。その意味は「改善する、何かをより良くする」だ。

ロブ:で、どうすれば問題を改善し得ると彼は提言しているだろう?

ニール:人が賛辞を贈ったり受ける方法を微調整するというものだ。微調整の意味は、「何かの機能の仕方を少し変更すること」だ。インターネット上で起きることの多くは、「いいね」やシェアを得たいという我々の欲望に突き動かされている。これが、バーナーズ=リーが語っている称賛だ。彼は、これを微調整すればより良い経験をもたらすことができると考えている。例えば、建設的だったり前向きな行為でより多くの賛辞を得るといったような。

ロブ:ふーむ、興味深いね。でも、それが建設的かどうかを誰が決めるんだろう?

ニール:ああ、それはまた別の大問題だ。また別の機会でいいんじゃないかな。

ロブ:では差し当たり、僕らの小さな質問の正解を確認しよう。バーナーズ=リーがワールド・ワイド・ウェブとなるものの着想を提示したのは何年だったでしょうか? 選択肢は、a)1985年、b)1989年、または c)1991年。実のところ、1989年なんだ。さあ番組を終わる前に今日の語彙を簡単に要約しよう。

ニール:'Initially'。意味は「初めは、始めた当初は」だ。それから取り上げたのが、'neutral'。

ロブ:この場合の意味は、「統制しない」や「操作するための措置を何も講じない」

ニール:それから名詞の'anonymity'があった。それは隠された正体や人柄がある状態の事。

ロブ:お次の、状況を'ameliorate'するは、それをより良くすること。

ニール:何かを'tweak'するは、何かの作用の仕方を少し変化させること。

ロブ:そしてもちろん、'kudos'を取り上げた。賛辞とは、人が成し遂げた何かを褒めたり高く評価すること。

ニール:今日の番組ではロブ、君を称賛するよ。どうもありがとう。

ロブ:ありがとう、ニール。お聞きいただいたみなさん、ありがとう。今日のお時間はここまでですが、フェイスブックやツイッター、インスタグラム、ユーチューブで我々に会うことが出来ます。そしてもちろん、我々のウェブサイト、bbclearningenglish.comでも! じゃあまた!

ニール:ご参加いただきありがとう。さようなら。

[ノート]

take for granted:当然だと思う・当たり前だと考える・軽く見る・ありがたみを忘れる
share:共有する・共に負う・分ける・分配する・伝える
life:命・一生・人生・生活
例文share one's life with:自分の人生を~と分かち合う
not always:必ずしも~とは限らない・必ずしも~ばかりではない
positive:確かな・前向きな・積極的な・有益な・好意的な
Tim Berners-Lee:ティモシー・"ティム"・ジョン・バーナーズ=リー(英語: Timothy "Tim" John Berners-Lee, 1955年6月8日 - )は、イギリスの計算機科学者。ロバート・カイリューとともにWorld Wide Web(WWW)を考案し、ハイパーテキストシステムを実装・開発した人物である。またURL、HTTP、HTML の最初の設計は彼によるものである。メリット勲章(OM)、大英帝国勲章(KBE)、FRS(王立協会フェロー)、FREng(王立工学アカデミー(英語版)フェロー)、FRSA(王立技芸協会フェロー)を保持する。(wikipediaより)
useful:役立つ・便利な・有益な

first time ever:初めて
World Wide Web:World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ、略名:WWW)とは、インターネット上で提供されるハイパーテキストシステム。ワールドワイドウェブではドキュメント(ウェブページ)の記述には主にHTMLやXHTMLといったハイパーテキストの記述言語が使用される。ワールドワイドウェブで使われるハイパーテキストとは、文書中に別の文書のURLへの参照を埋め込むことで(これをハイパーリンクと呼ぶ)インターネット上に散在する文書同士を相互に参照可能にするシステムである。世界中に張り巡らしたような、文書間のつながり方が蜘蛛の巣を連想させることから、世界に広がる蜘蛛の巣を意味する「World Wide Web」と名付けられた。(wikipediaより)
really:実際は・実のところ・本当に・明らかに・全く
例文in which nothing really happens:そこでほとんど何も起こらない
look up:見上げる・調べる・探す・検索する
generally:大抵・通常・概して・一般に・一般的に
negative:否定の・反対の・悪い・嫌な・良くない・悲観的な・後ろ向きな
now that:それは・それは本当に
big question:大問題・大きな問題
question:質問・疑問・問題・懸案・論題・論点・疑義
huge:巨大な・莫大な・大量の・膨大な
例文huge popularity:途方もない人気
not know if:~かどうかは分からない
perhaps:恐らく・多分
invent:発明する・考案する・生み出す
British:イギリスの・イギリス人の
find out:見いだす・解明する・理解する・明らかにする・気付く・見破る・答えを出す・謎を解く
child:子供・幼児・所産・産物
shortly:間もなく・すぐに・近いうちに・近々
suggest:提案する・提言する・勧める・意味する・示唆する
idea:思い付き・発想・着想・アイデア・意見
Tricky:巧妙な・狡猾な・扱いにくい・やりにくい・難しい・厄介な
go for:(ここでは)選ぶ・決める
a long time ago:ずっと前に・遠い昔に・古くからの
reveal:見せる・公開する・明らかにする・暴露する
a little later:しばらくして
true:真の・真実の・本当の
if not:もしそうでないなら・~とは言わないまでも・~とまではいかなくても・~ではないにせよ
例文one of, if not the, greatest:最高峰とは言わないまでも最も偉大な~の一人だ
technological:技術の・技術的な
development:発達・発展・開発・出来事
of all time:空前の・史上最も
agree:同意する・賛成する・承知する・一致する
be hard to:~し難い・~するのが難しい
imagine:想像する・思う・推測する
impossible:不可能な・無理な・あり得ない
not nearly as:~からは程遠い
convenient:便利な・使いやすい・都合の良い
BBC Tech Tent:https://www.bbc.co.uk/programmes/p01plr2pサイトはこちら(ここでのテントは、どういうニュアンスなんだろうか?)
Tent:テント・天幕
concern with:~に対する懸念・関心
particularly:特に・とりわけ・非常に
the companies that control its information.:(itsは単数形なのでcompaniesではない。internetを指すと推測)
control:操作する・制御する・規制する・支配する・統制する・管理する
information:知識・情報・資料・事実
giant:巨人・巨匠・巨大企業
What does he say he thought these companies had to do?:(ちょっと不思議。did he say … companies should have done? とかじゃないのかな?)
Initially:初めに・最初は・当初は・最初のうちは
feel:感じる・感じがする・~ではないかと思う
main thing:主要なこと・一番重要な事
just:ちょうど・ただ~だけ・ぴったり・実に・全く・まさに・単に・わずか・はっきり言って・いったい・とにかく
neutral:中立の・偏らない・はっきりしない
platform:演壇・演台・駅のホーム・プラットフォーム
参考:プラットフォーム、プラットホームとは、周辺よりも高くなった水平で平らな場所(台地)をさす英語。転じて、ソフトウェアやシステムにおける”動作環境”を指す。
humanity:人類・人間・人間性
once:一度・一旦・あるとき・以前
clearly:はっきりと・明らかに・明確に
work:(ここでは)機能する・動作する・効く・効き目がある・役に立つ・うまくいく
via:~を通って・~を経由して・~によって・~を用いて
Wikipedia:ウィキペディア(英: Wikipedia)は、ウィキメディア財団が運営しているインターネット百科事典である。コピーレフトなライセンスのもと、サイトにアクセス可能な誰もが無料で自由に編集に参加できる。世界の各言語で展開されている。(wikipediaより)
produce:生み出す・作り出す・生産する・製造する
in general:一般的に・概して・通例
anonymity:匿名・匿名性
bring out:持ち出す・連れ出す・引き出す・発揮する・表に出す・見せる・発表する・明らかにする・浮き彫りにする
nasty:不快な・汚らしい・嫌な・悪い・意地の悪い・胸が悪くなる・悪意のある・たちの悪い
very:まさに・まさしく
mean:意味する・指す
at first:最初は・初めは
in the beginning:始めた当初・始めたばかりの頃・初めに・まず最初は・当初は
change one's mind:気が変わる・考えが変わる
tool:道具・用具・工具・手段・方法
not all good:良いことずくめではない
access to:~に入る権利・~に近づく手段・~を利用する機会・~へのアクセス
source:もと・源・情報源
generally:大抵・通常・一般に
when it comes to:~に関して言えば・~ことになると
hide:隠す・秘密にする
true:真の・真実の・本当の・本物の・正確な
identity:正体・身元・本人であること・本質・個性・一致・同一であること・独自性・アイデンティティー・自己認識
personality:人柄・人格・性格・個性・魅力・人
in person:直に・生で・直接に・自身で
there will be consequences.:重大な結果を招く・ただでは済まない・報いを受ける・どうなっても知らないぞ
consequence:結果・帰結・成行き・因果関係・重大さ・重要さ
horrible:恐ろしい・身の毛もよだつ・ひどい・嫌な・不快な・惨めな・下品な
terrible:極度の・嫌な・不快な・ひどい・下手な・怖い
have a suggestion:提案がある
suggestion:提案・提言・忠告
be based on:~も基づく
like:(ここでは)いいね
share:共有・シェア
kudos:称賛・賛辞・名声・栄誉
different:異なる・違う・色々の・様々な・別の・変わった
situation:状況・情勢・事態・状態・立場
in some cases:場合によっては・一部の例では
acknowledge:認める・承認する・同意する・認識する・受け入れる
issue:問題・論点・争点・核心・問題点
realise:気付く・理解する・実感する・実現する
hugely:大いに・極めて・とても
ameliorate:良くなる・改良する・改善する・向上させる
tweak:つまむ・微調整する・いじる
way:道・向き・方角・経路・道筋・道のり・方法・手段・やり方・考え方
retweet:リツイートする
propagate:伝播する・伝える・伝搬する・広める・増殖させる(拡散、は辞書的にはない意訳)
constructive:建設的な・前向きな・積極的な・建設に関する
address:取り組む・対処する
improve:良くする・改良する・改善する・向上させる
though:でも・しかし・だけども
actually:実際は・実際に・本当に・実は・実のところ
rather:かなり・だいぶ・ずいぶん・幾分・やや・どちらかといえば
formal:堅苦しい・型通りの・改まった・文語の・正式な・公式な
Much of:多く・大半・大部分
be driven by:~によって動かされる・引き起こされる・駆られる・突き動かされる
desire:欲望・欲求・要求・切望
lead to:~につながる・~に通じる・~に至る・~を引き起こす・~の原因となる
positive:前向きな・積極的な・有益な・肯定的な・好意的な
action:活動・行動・行為・振る舞い・動作
interesting:面白い・関心を引く・興味深い
wonder:~かどうかと思う・~を知りたいと思う
decide:決める・決定する・判断する
for another day:別の日・別の機会・またの機会
guess:推測する・推量する・言い当てる・~だと思う
For now:今のところ・差し当たり
present:贈る・伝える・提示する・示す・提起する・描く
option:選択・選択肢
in fact:実際には・実のところ・実は
go:(ここでは)離れて行く・去る
quick:早い・速い・迅速な
recap:=recapitulate・要約する・概括する
例文quick recap:簡単なまとめ
take action:行動を起こす・取り掛かる・措置を講じる・対策を取る
state:状態・ありさま・様子
hidden:隠された・秘密の
praise:称賛・褒めること・賛美
appreciation:感謝・ありがたく思う事・高く評価すること・真価を知ること・好意的な理解
That's all:以上です・これで最後です・それが全てだ・ただそれだけ
find:出会う・見つける・発見する・気付く・理解する・獲得する
Bye for now:またね・じゃあまた後で・次回お会いしましょう(for nowで今のところは、一時的に)
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交通事故は自動車の普及期に一旦激増し、その後大幅に減少している。ネット上の問題もそうなると信じたい。