6 Minute English
Hangry: are you angry when you're hungry?
EPISODE 180510 / 10 MAY 2018


朝食からはずいぶん時間が経ち、昼食にはまだ少し間があります。あなたは誰彼かまわず近づいてくる人に怒鳴りたい気分です。もしかしてあなたは「空腹で怒っている」のでしょうか? 2つの語から成る新しい言葉を学び、「飢えの怒り」という感情の背後にある科学を理解してください。

[台本]

ニール:こんにちは、僕はニール。

ダン:こんにちは、僕はダン。ニール、「6 Minute Englishへようこそ」のセリフを言わないのかい?

ニール:あー、かもね。今日の気分はどうだい、ダン? ご機嫌かな?

ダン:ああ、とてもいい気分だよ。昼食を食べたばかりだし。君はどうなの?

ニール:まぁ正直に言うと、いまだに食べる時間がなくてね、おかげで少々ご機嫌ナナメさ。

ダン:なんで食べなかったの?

ニール:実は、今日の話題のために調べ物をしていて。それは、空腹な時に怒りを覚えることのあれやこれやだ。僕が何を言っているか分かるかい?

ダン:ああ分かるよ。話しているのは‘hangry’についてだ。これはかなり新しい言葉、だろ? 空腹なと怒っているを組み合わせたものだ。

ニール:そう。「空腹な怒り」が今日の話題だ。だがこれについてもっと学ぶ前に、まず今日のクイズです。英語には、2つの異なる単語を一つにつないで出来た言葉が相当数あります。「空腹な怒り」のように。他にも、朝食兼昼食、モーテル、英国のEU離脱など。こうした言葉を何と呼ぶでしょうか? それは…

a) スーツケース語
b) かばん語、それとも
c) バックパック語

ダン:ああ、それは知っている気がするな。だから答えは秘密にしておくよ。ネタバレさせたくはないからね。僕が知りたいのは、「空腹な怒り」は実在するのかってこと。それともそれは気難しい人たちがでっち上げた物に過ぎないのか?、君みたいな。

ニール:ソフィー・メドリンの話を聞こう。彼女はキングス・カレッジ・ロンドンで栄養及び食品学の講師をしている。「空腹な怒り」は実在するのか、そしてこの言葉の由来は何だろう?

ソフィー・メドリン
私たちは空腹が怒りっぽさを引き起こすことを長らく認識してきました。科学的に。しかし、ソーシャルメディアの素晴らしき世界が2つの言葉を私達のために融合させてくれたので、今ではそれを「hanger」として知っています。

ニール:では「空腹の怒り」は現実か、また彼女はこの言葉がどこから来たと言っているだろう?

ダン:メドリンによれば、これは本当の事なんだ。彼女は、科学は空腹が怒りやすさにつながることを認めていると話している。'Irritability'は名詞で、その意味はイライラしやすい、機嫌がよくないだ。

ニール:また彼女は、ソーシャルメディアの素晴らしい世界が2つの言葉を一つにくっつけたと言っている。彼女は'merge'という動詞を使ったが、統合するの意味は一緒になるだ。

ダン:ソーシャルメディアが色んな事の原因なのは知っているけど、'hangry'という語が登場したのは実のところ1990年代なので、ソーシャルメディアがやって来るより少し前だ。でも、ソーシャルメディアのおかげで一層有名になったのは確かに本当だね。

ニール:僕は、今まさに、#空腹で怒ってる! 先ほどのシーンをもう一度聞いてみよう。

ソフィー・メドリン
私たちは空腹が怒りっぽさを引き起こすことを長らく認識してきました。科学的に。しかし、ソーシャルメディアの素晴らしき世界が2つの言葉を私達のために融合させてくれたので、今ではそれを「hanger」として知っています。

ニール:という訳で、今や'hangar'は実在すると理解した。これについてもう少し学んでみよう。何故そうなるのか? 何故、人は空腹だと腹を立てるのか? ここでソフィー・メドリンの再登場です。

ソフィー・メドリン
血糖が低下するにつれ、人はコルチゾールとアドレナリンを増やします。戦うか逃げるかホルモンの類いのものです。これらが人の脳や神経ぺプチドに影響を及ぼします。それは人の脳を制御するもので、脳内にある化学物質です。そして空腹を感じるきっかけとなる物質は、腹立たしさや更には激怒の、また直情的な種類の振る舞いのきっかけになるのと同じ物質なのです。それが原因で、この同じ反応が起きるのです。

ニール:つまりすべては血糖に関わる、ということかな

ダン:そう。そのようだ。人は空腹になると血液中の糖の水準が下がる。するとそれが特定のホルモンの増加を引き起こす。ホルモンとは人体中で作り出される化学物質で、ある種の生物的精神的な機能を制御している。

ニール:空腹時に放出されるホルモンは、戦うか逃げるかホルモンと同じなんだ。それは、戦うのかそれとも危険な状況から逃げ出すのか覚悟を決めさせるのに身体が使うホルモンだ。

ダン:こうしたホルモンが増加すると腹立たしさや激怒を引き起こしうる。'Rage'はものすごく怒る、の同義語だ。

ニール:そして人は怒っていると衝動的に行動することがある。衝動的な振る舞いとは、考えなしに物事をすること。結果を考慮することなくっていうこと。

ダン:なので空腹な時には、それと同じ感情が浮かんでしまう。人は腹を立ててしまい、間違った判断をする。それが「空腹な怒り」。

ニール:うまい具合にクイズ質問へとやって来れた。'hanger'のような、2つの異なる語をくっつけて出来た言葉を何と言うでしょうか? さて君は正解を知っていると言ったよね、ダン?

ダン:言ったよ!

ニール:それは何かな?

ダン:かばん語だ。

ニール:それは全くもって正しい。正解は混成語。もし知っていたのなら、おめでとう。

ダン:知ってたさ。

ニール:分かったよ、自惚れ屋さん。鼻に掛ける必要はないよ!

ダン:君はまだ少し空腹で怒っているようだね、ニール。

ニール:そうさ。僕は腹ペコで、そのせいで怒っている! でも、今日の残りの語彙の復習を済ませるまで持ちこたえられそうだ。

ダン:では、これも取り上げたのが名詞の'irritability'。意味は、非常にイライラしやすい事。それはまるで…

ニール:やめろ、言わないでくれ。さもないと、僕の拳を君の顔に一体化させてしまうかも。

ダン:イタタ。そう、'merge'の意味は、異なる物を結合させること。君の'fight or flight hormone'が作動しているのが分かるよ。これらの人体中にある化学物質は、攻撃か避難か準備させるものだ。

ニール:まだまだ憤激には達してないよ。これが今日のもう一つの単語の'rage'。その意味はすごくすごく怒っている状態。

ダン:最後の言葉は'impulsive'。これは形容詞で、言い表しているのは、それについてまるで考えずに物事をする事。まったく抑制なく、また帰結について考えないままそれをする事。

ニール:僕はもう帰るよ、飢え死にしそうなんだ。衝動的な事をする前に食事をしなきゃならない。今回の番組はこれでおしまいです。もっとという方は、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、そしてユーチューブのページで我々を見つけてください。そしてもちろん我々のウェブサイト、bbclearningenglish.comも。そこには、あらゆる種類の他の番組、動画、活動があり、皆さんの英語の上達に役立ちます。ご参加いただきありがとう。さようなら。

ダン:さよなら!

[ノート]

while:少しの時間・期間
shout at:~に向かって叫ぶ・~に怒鳴る
come near:そばに寄る・近づく
Could it be that:もしかして~なのでしょうか・ひょっとして~でしょうか
hangry:hungryとangryの合成語・空腹でイライラしている・いらいらするほどお腹が減っている
be made up of:~から成る・~で構成されている
find out:見いだす・解明する・理解する・明らかにする・気付く・見破る・答えを出す・謎を解く
hanger:hunger+anger・洋服掛け

bit:少し・少量・小部分・かけら・しばらく・型どおりの仕事・定められた手順・問題・演技・演出・寸劇
例文tell someone about the bits he missed:聞き逃した部分のことを教えてやる
例文She rejected the whole love and marriage bit.:恋愛,結婚という型にはまった人生を拒否した.
maybe:もしかすると
mood:気分・気持ち・雰囲気
to be honest:正直に言えば・率直に言って・はっきり言って
yet:まだ・今のところは
grumpy:不機嫌な・機嫌の悪い・イライラした・気難しい
research:探究・追求・調査・研究
all about:~に関する全て・~が全てで・全て~次第で
quite:かなり・ずいぶん・すごく
combination:組み合わせ・混合・提携
quite a few:かなりの数・相当数
join together:結合する・融合する・団結する・合流する
brunch:朝食を兼ねた昼食・breakfastとlunchからの合成語
motel:モーテル・比較的安価な自動車旅行者用ホテル・"motor hotel"を縮約したもの
Brexit:英国のEU離脱・British(英国の)+ exit(出ていくこと)の合成語
Suitcase:スーツケース
Portmanteau words:混成語・かばん語・「かばん語」という言葉は、ルイス・キャロルが『鏡の国のアリス』の作中において、一群の造語を「portmanteau」という中央から真っ二つに開くタイプの旅行カバンに関連付けて紹介したことから来ている。(wikipediaより)
portmanteau:両開き式の大きな旅行かばん
Backpack:バックパック・リュックサック
keep ~ to oneself:口外しない・胸に秘めておく・漏らさない
give away:手放す・贈る・与える・ばらす・表に出す
spoiler:ぶち壊しや・妨害する人・甘やかす人・台無しにする人・ネタバレ
例文No spoilers please!:お願いだからネタバレしないで
real thing:本物・実物・上等品
made-up:でっち上げの・フィクションの
例文made-up legend:架空の伝説・でっち上げの伝説
Sophie Medlin:Lecturer(King’s College Londonのサイトより)
lecturer:講演者・講師
nutrition:栄養・栄養学
dietetics:栄養学・食品学
King’s College London:キングス・カレッジ・ロンドン (ロンドン大学キングス・カレッジ) (King's College London, KCL) は、ロンドン大学群を構成するカレッジのひとつで、1829年にジョージ4世及び初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリーによって設立された、イングランドでは4番目に古い名門校である。(wikipediaより)
come from:~から来る・~に由来する・出身である・原産である
recognise:識別する・見覚えがある・認識する・認める・評価する
lead to:通じる・つながる・もたらす・引き起こす・原因となる
irritability:怒りっぽい事・起こりやすい性質・かんしゃく・過敏性・興奮性
merge:混合させる・融合させる・合併する・統合する・まとめる
be annoyed:イライラする・ムッとする・むかつく・憤慨する・悩まされる・困っている
in a good mood:機嫌が良い
be responsible for:~に対して責任がある・~の原因となる・~に関与している・~の貢献者である
actually:実際は・本当のところ・実は・本当に:
appear:現れる・出現する・登場する
arrival:到着
certainly true:確かに事実である・一理ある
certainly:確実に・確かに
true:真の・真実の・本当の・本物の
prominent:突き出した・目立つ・派手な・有名な・著名な・顕著な・優れた
right now:今すぐ・現在・現時点で
hashtag:ハッシュタグとは言葉やスペースの無いフレーズの前にハッシュ記号(番号記号)、#を付ける形のラベルである。ハッシュタグは同じようなタグ付きメッセージを収集することができ、それが存在する全メッセージの電子的検索もできる。利用が広がったことで「hashtag」は2014年6月にオックスフォード英語辞典に収載された。(wikipediaより)
clip:切り抜き・カットされた場面・クリップ・映画やテレビなどで流される映像を短く切り取ったもの
blood sugar:血糖
drop:落ちる・下がる・低下する
increase:増える・増加する・高まる・上昇する・拡大する
cortisol:コルチゾール(Cortisol)は、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であり、ヒドロコルチゾン (hydrocortisone) とも呼ばれる。ストレスによっても発散される。分泌される量によっては、血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらす。(wikipediaより)
adrenalin:アドレナリン(adrenaline、英名:アドレナリン、米名:エピネフリン、IUPAC組織名:4-[1-ヒドロキシ-2-(メチルアミノ)エチル]ベンゼン-1,2-ジオール)は、副腎髄質より分泌されるホルモンであり、また、神経節や脳神経系における神経伝達物質でもある。ストレス反応の中心的役割を果たし、血中に放出されると心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開きブドウ糖の血中濃度(血糖値)を上げる作用などがある。(wikipediaより)
kind of:~のような類いの
fight or flight:戦うか逃げるか反応・闘争逃走反応(fight-or-flight response)は、1929年にウォルター・B・キャノンによって初めて提唱された動物の恐怖への反応である。キャノンの説によると、動物は恐怖に反応して交感神経系の神経インパルスを発し、自身に戦うか逃げるかを差し迫るという。(wikipediaより)
fight:戦う・格闘する・競争する
flight:<動詞>飛ぶ・飛び立つ・<名詞>逃走・逃亡
hormone:ホルモン
have an impact on:~に影響を及ぼす・~に衝撃を与える
neuropeptide:神経ペプチドとは興奮の伝達あるいは抑制に作用する脳内物質ペプチドのこと。通常脳内には微量しか存在しない。蛋白質と同様アミノ酸が連なったものだが,さらに小さな分子である。(コトバンクより)
参考ペプチドは、決まった順番で様々なアミノ酸がつながってできた分子の系統群である。(wikipediaより)
control:操作する・制御する・規制する・支配する・統制する
chemical:化学薬品・化学物質
trigger:引き金
rage:激しい怒り・激怒・憤激・逆上
impulsive:直情的な・衝動的な
behaviour:態度・振る舞い・挙動・言動・動作
that sort of:その類の・そういう・その種の・そのような
response:反応・応答・反響・回答
to do with:~と関係がある
cause:~を引き起こす・~の原因となる
particular:特定の・固有の・特有の・際だった
certain:わずかの・若干の・ある・例の
biological:生物的・生物学的
psychological:心理的・心理学上の・精神的な
function:作用・機能・効用・働き
release:解放する・自由にする・発売する・発表する
例文release a chemical substance:化学物質を放出する
prepare:準備する・用意する・心構えさせる・覚悟をする
例文prepare someone for:人に~を覚悟させる
例文prepare to deal with the threat:その脅威に対処する覚悟を決める
either:~か~・または
run away:逃げ出す・逃走する・走り去る
another word for:~と言い換えられる・~の同義語である:
behave:振る舞う・行動する
consider:考える・考慮する・検討する
consequence:結果・結論・帰結・因果関係・重大さ
emotion:感情・興奮
run through:走り抜ける・通過する・行き渡る・広まる・浮かぶ・去来する
例文The melody was running through her head all day.:そのメロディーが一日中彼女の頭の中で鳴り続けていた
poor decision:まずい決定・間違った判断・お粗末な決断
bring:持って行く・連れてくる・もたらす
nicely:上手に・うまく
absolutely:完全に・全く・絶対に・間違いなく・ものすごく・断然
Alright:万事OKで・大丈夫で・申し分ない・結構な・承知した・了解した・確かに
smarty pants:思い上がった人・うぬぼれた人・知識人気取りの人・知ったかぶり・嫌みなやつ・賢い人
boast:自慢する・誇る・鼻にかける
hold on to:持ち続ける・しがみつく・手放さない
hold on:持ちこたえる・持続する・踏ん張る
get through:通り抜ける・終える・やり終える・済ます・処理する
review:見直す・再調査する・復習する・おさらいする・振り返る
rest:残り・残っているもの・残りの部分、
fist:拳・握りこぶし・げんこつ
kick in:始まる・作動する・効く・効力を生じる
aggression:攻撃・侵害・武力侵攻
escape:脱出・避難・逃げること
state:状態・ありさま・様子
quite:(再掲)すっかり・完全に・全く
例文still not quite free of:まだ完全に自由になっていない
例文wound that has not quite healed:まだ完全に癒えていない傷
without really thinking:(reallyのニュアンスに自信なし。あんまり、という感じか、まるで全然の意味か?)
例文without really thinking about:~のことを特に考えようと思わなくても
control:<名詞>支配・統制・管理・抑制・制限・規制
I'm off.:さよなら・もう失礼します・出掛けるよ
starving:飢えた・飢えて死にそうな・餓死させる
That is it.:これで最後だ・これで全てだ・それだけだ・以上です・まさにそれだ
improve:向上する・改善する・上達する・高める
p066s935 (1)
ひょっとしてJapaneseかな? この子。