The English We Speak
Catch-22
EPISODE 180611 / 11 JUN 2018


[要約]
フェイフェイは新しい仕事を探しているのですが、経験がないとその仕事は得られません。どうにもならない状況ですが、ロブは彼女の境遇を言い表すうってつけの言葉を知っています。あいにく、それで彼女が新しい職に就けるわけではありませんが! その表現について、The English We Speakの最新号で学んでください。

[台本]

フェイフェイ:こんにちは、The English We Speakへようこそ。こちらはフェイフェイです…

ロブ:…そしてこんにちは、ロブもここにいますよ。ねぇフェイフェイ、どうして浮かない顔なの?

フェイフェイ:うまくいかなかった。

ロブ:うまく?

フェイフェイ:採用されなかったの。

ロブ:ああ、そうだった。就職ね。君は新しい仕事に就きたかったんだ。とてもとてもやりたかった仕事、君にピッタリだろうと言っていた仕事に。

フェイフェイ:明らかに私にピッタリじゃなかった。この不採用通知を見て。私には十分な経験がないと書いてある。よくもこんなことを! でもこの仕事をしないで、どうやって経験を積むの?

ロブ:おやおや、まるで板挟みの状態だね。

フェイフェイ:キャッチ22? それは私に必要な何かの資格?

ロブ:いいや、これはうまくいかない状況を言い表しているんだ。要するに、ある事をしようとしても、別の何かを済ませるまでは出来ない。でもその別の何かは、最初のあることを済ませないと出来ない。

フェイフェイ:つまりどうしようもない状態なのね。

ロブ:そう。この語句が使われている例をいくつか聞いてみよう…

[例]
親の車が必要なんだけど、お母さんからはお父さんの許可が必要だと言われ、その後、お父さんからはお母さんの許可が必要だと言われた。どちらの許可も貰えない。つまり私はジレンマの只中にいる。

イギリスで英語を学習するために短期学生ビザを申請するには、ある程度英語が出来なければならない。でも、イギリスに来たいのは英語を学ぶためだ! これは申請する可能性がある多くの学生にとって不条理だ。

フェイフェイ:皆さんがお聞きなのはThe English We Speak。ロブは私が身動きできない立場にいると言っています。それは目的を達せられない状況の事。

ロブ:そうだよフェイフェイ。それをした何らかの経験がないと君は新しい仕事には就けない。でも、その仕事をしないと経験は得られない。話が矛盾している!

フェイフェイ:これって奇妙な言葉ね、ロブ。

ロブ:うん。これは本の題名「キャッチ22」に由来している。ジョセフ・ヘラーが1961年に書いた作品で、第二次世界大戦中の兵士に対する官僚主義的な拘束を描いたものだ。
でもほらフェイフェイ、仕事のことを悲観し過ぎなくていいよ。君は今の仕事については豊富な経験があるから。

フェイフェイ:それは私がここで40年も働いているからよ!

ロブ:確かに。でもみんな君の専門技能を尊敬している。とりわけある職務について。

フェイフェイ:それは何?

ロブ:紅茶を淹れることさ。さあ、ヤカンを火にかけてもらえるかな?

フェイフェイ:ああ、本気で新しい仕事が必要だわ。

ロブ:さよなら。

[ノート]

get a job:職に就く・仕事を得る・採用される
impossible situation:どうにも我慢のならない状況・どうしようもない状況・厳しい難局・耐えられない状況・手に負えない状況・抜き差しならない状況
perfect:非の打ちどころのない・申し分のない・完全な・完璧な・最適な・理想的な・うってつけの・ふさわしい
phrase:言い回し・語句・成句・表現
describe:言い表す・説明する・描写する・表現する
position:位置・場所・姿勢・身分・態度・状況・情勢・立場
unfortunately:残念ながら・あいにく・不運なことに・不幸にも
get someone a job:就職の世話をする・仕事に就かせる・職を与える・職を周旋する
latest:最近の・最新の・最後の
episode:放送1回分・第~話・出来事

glum face:浮かない顔・冴えない顔・陰気な顔
glum:落胆した・陰気な・不機嫌な
go for:(ここでは)~を得ようとする・~を求めようとする・目指す
Clearly:はっきりと・明らかに・明確に
rejection:拒絶・拒否・却下・不合格
say:(ここでは)~と書いてある
how dare:よくも~できるね
例文How dare you say such a thing.:よくもそんなことが言えるね。
例文How dare you disturb us!:よくも邪魔したな!
例文How dare you!:よくもそんなこと!・ありえない!
dare:あえて~する・大胆にも~する・恐れずに~する・~する勇気がある
Oh dear:あれまあ・なんと・あらら・やれやれ
sound like:~のように聞こえる・~ように思える・~ような印象を与える
catch-22:不条理な状況・板挟み状態・矛盾する規則・不条理な規則に縛られて身動きができない状態・ジレンマ・八方ふさがり・金縛り状態
参考:ジョーゼフ・ヘラー(Joseph Heller)の小説『Catch-22』(1961年)から。Catch-22はアメリカ空軍パイロットに対する軍務規則の条項名。主人公は、「精神障害にかかっていることを理由に除隊を申し出ると、『自分で自分のことを精神障害と判断できるということは精神障害ではない』と判断されて除隊を認めてもらえない」というジレンマに悩む。(英辞郎より)
some kind of:ある種の・何かの
qualification:資格・必要条件・免許・資質
Nope:=no
win:(ここでは)成功する・目的を達成する・うまくいく
Basically:基本的に・大筋で・おおむね・要するに・つまり・簡単に言えば
in action:活動中で・作動中で・実施中で
permission:許可・承認・同意
either:どちらか一方の・どちらの~も
apply for:申し込む・申請する・応募する・志願する
short-term:短期の
student visa:学生ビザ
potential:可能性がある・見込みがある・潜在的な
but you can't get the experience without doing the job.:(withでなく、withoutですね)
come from:~から来る・由来する・~の出身である・~の原産である
Joseph Heller:ジョセフ・ヘラー(英: Joseph Heller、1923年5月1日 - 1999年12月12日)は、アメリカ合衆国の風刺作家、小説家および戯曲家である。ジョゼフ・ヘラー、ジョーゼフ・ヘラーとも表記する。最も有名な作品は、第二次世界大戦中のアメリカ兵を描いた『キャッチ=22』で、この表題は選択における不条理を表す言葉として一般に使われるようになった。(wikipediaより)
bureaucratic:官僚制度の・官僚的な・官僚主義の・お役所仕事の
constraint:制限・制約・強制・拘束・束縛・圧迫・抑制
constraint on:~に対する制約
soldier:兵士・軍人
World War II:第二次世界大戦
look:(ここでは)ねえ・おい・いいですか
have got:=have
plenty of:たくさんの・多量の・豊富な
respect someone for:人の~を尊敬する・尊重する
expertise:助言・見解・専門知識・専門技能
especially:特に・とりわけ
task:任務・課題・職務・仕事・役割
put a kettle on:やかんを火にかける
例文put the kettle on for tea:お茶の用意をする
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40 years? fourteenではなくて? フェイフェイって何歳?