AS IT IS
Trump Administration Backs Asian-Americans in Harvard Case
August 30, 2018

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合衆国司法省は木曜、入学者選考において人種を考慮しているとしてハーバード大学を訴えているアジア系アメリカ人学生側を支持した。

司法省は木曜、裁判所に提出した書類の中で、ハーバード大は人種に基づいた差別を同校が行っていないと立証できなかったと述べている。[以下訳出来ず] It noted what it 同省が「人種間調整」と呼んでいる物をハーバード大は実施しており、同省はそれを「実質的な証拠」と表現して…[ここまで訳出来ず]

司法長官のジェフ・セッションズはこうも言っている。「人種を理由に大学への入学選考を拒否されるアメリカ人がいてはならない」。

トランプ政権は、選考過程において人種を用いない入学政策を強く要請してきた。

2014年、「公正な入試を求める学生(SFFA)」という団体が、ハーバード大は学業成績が優秀なアジア系アメリカ人を不当に扱っていると主張した。アイビー・リーグに属する同大学はこの非難を否定した。同校は差別はしておらず、入学選考において人種を考慮する権利を守るために戦うと述べている。

合衆国最高裁判所は、単科大学や総合大学が入学選考において人種に配慮することを認めている。しかし、それは学校に民族性の混合を生み出すという限られた目的のために行われなければならないとし、またこの慣行は期限を限られるべきだとも述べている。更に最高裁は人種に基づく合格基準の設定を禁じている。SFFA対ハーバード大のこの訴訟は、この問題に関する最高裁の次の試金石になる可能性がある。

ハーバード大は司法省の見解には失望したと述べている。大学の声明には、同校は大学入学選考において「人種を考慮するという全ての単科大学及び総合大学の法的権利を積極的に守リ続けて行く」と書かれている。声明には、最高裁判所はこの法的権利を40年以上にわたり支持しているとも書かれている。

ハーバード大によれば、単科大学や総合大学には人種が混合したコミュニティーを作り出す自由がなければならない。そうした環境は全ての学生の学習体験にとって不可欠なのだと述べている。

セッションズは、「善人」であるとか「好ましさ」といったような、大学が用いている「個人評価」がアジア系アメリカ人に不利に偏っている可能性があると主張している。彼によれば、大学側はアジア系アメリカ人の「個人評価」が入学を希望している他の人たちよりも評点が低いことを認めている。

7月、トランプ政権はある措置を取りやめた。措置とは、大学がより様々な人種から成るようにするため、入学選考過程において人種に配慮するよう大学に命じたものだ。この命令は前政権のバラク・オバマ大統領から残されていたものである。

ケイティ・ウィーバーでした。

[ノート]
Trump Administration Backs Asian-Americans in Harvard Case:トランプ政権、ハーバード大訴訟でアジア系アメリカ人側を支持(タイトル訳は改変)
back A in B:AでBを支持する
例文back the wrong side in the war:その戦争で誤った陣営を支持する

The United States Justice Department:アメリカ合衆国司法省(United States Department of Justice、略称:DOJ)は、アメリカ合衆国の連邦政府行政府における司法関係事務をつかさどる機関である。(wikipediaより)
side with:~の側に付く・~に味方する・~を支持する
sue A over B:BをめぐってAを訴える
Harvard University:ハーバード大学(英語: Harvard University)は、アメリカ合衆国の研究型私立大学であり、アイビー・リーグの一校。イギリス植民地時代の1636年に設置された、アメリカ合衆国内において、最も学術的起源の古い高等教育機関である。(wikipediaより)
consideration of:~の検討・配慮・考慮
consideration:考慮・熟慮・判断・心遣い・斟酌・検討
race:人種・民族・血統
admission:入場・入学・入会
admissions:入学者選考
court filing:裁判所に提出する書類
fail to:~しない・~しそこなう・~できない・~を怠る
demonstrate:実演する・行動で示す・証明する・論証する・立証する
discriminate:差別する・えり好みする・識別する・区別する
on the basis of:~に基づいて
 It noted what it described as “substantial evidence” that Harvard is carrying out what the department called “racial balancing.”:(訳出来ず)
note:書き留める・気付く・気を配る・留意する・言及する・指摘する
describe:言い表す・説明する・描写する・表現する
substantial evidence:実質的証拠・重要な証拠
substantial:実体がある・実在する・頑丈な・相当の
carry out:実行する・実施する・行う・遂行する
racial:人種の・人種間の
balancing:釣り合わせ・平衡
例文seasonal balancing:季節的調整
Attorney General:アメリカ合衆国司法長官(United States Attorney General)は、アメリカ合衆国司法省の長であり、連邦政府において法律問題を担当する閣僚である。日本における法務大臣に相当する(wikipediaより)
Jeff Sessions:ジェファーソン・ビューレガード・セッションズ3世(英語: Jefferson Beauregard "Jeff" Sessions III、1946年12月24日 - )は、アメリカ合衆国の政治家・法律家。アラバマ州・セルマ出身。現在はアメリカ合衆国司法長官で、所属政党は共和党。宗教はメソジストである。メアリー夫人との間に3人の子供がいる。(wikipediaより)
deny:否定する・認めない・拒否する
administration:陣営・政権・経営陣
push for:~しようと努める・推す・促進する・強く要求する・強く要請する
admission policy:入学政策・受け入れ方針
consideration:(再掲)
例文final consideration:最終検討・最終選考
Students For Fair Admission or SFFA:サイトはこちら(団体名の訳は適当)
argue:異議を唱える・反対する・言い争う・主張する
unfairly:不当に・不公正に
treat:取り扱う・処理する・あしらう・待遇する
strong:(ここでは)力量のある・有能な・優秀な
school record:学業成績・学校の成績
Ivy League:アイビー・リーグ(英: Ivy League)とは 、アメリカ合衆国北東部に所在する私立大学8校で構成されるカッレジスポーツ連盟。また、その名称はスポーツと関係ない文脈においても一般的に使われる。構成大学はブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、イェール大学(アルファベット順)。"Ancient Eight"と呼ばれることもある。正式にはスポーツ連盟の名称であるが、学問や教育、大学入試などの分野においても広く使用され、「東海岸のエリート私立伝統校群」として、上流社会の象徴とされることも多い。(wikipediaより)
accusation:非難・告発・告訴
consider:考える・見なす・考慮する・検討する
The U.S. Supreme Court:アメリカ合衆国最高裁判所(英語: Supreme Court of the United States、略称:SCOTUS)は、アメリカ合衆国の最上級の裁判所であり、アメリカ合衆国連邦政府の司法府(連邦裁判所)を統括する。合衆国憲法第3条第1節の規定に基づき設置された唯一の裁判所(他の連邦の下級裁判所は連邦法に従って設置されている)。日本では連邦最高裁判所と呼ぶことも多い。(wikipediaより)
permit:許可する・容認する・同意する・可能にする
college:大学・単科大学
university:大学・総合大学
narrow:狭い・限られた・小さい
purpose:目的・目標・狙い・理由・意義
ethnicity:民族性
practice:練習・訓練・実践・実行・活動・行為・慣行・慣例
be limited in time:時間が限られる
bar:禁じる・禁止する
establishment of:~の確立・設置・構築・設立・制定
acceptance:受諾・受容・採用・合格
例文acceptance quality level:合格品質水準
level:水準・度合・高さ・レベル
例文permissible level:許容基準
case:(ここでは)訴訟・裁判事件
high court:最高裁判所
test:試験・試練・苦難・評価基準・試金石
例文serve as a test of:~の試金石としての役割を果たす
be disappointed by:~に失望する・落胆する・がっかりする
position:(ここでは)見解・見方・態度・立場
A university statement:(ここは the でなく a なんだ)
statement:発言・意見・声明・陳述
vigorously:元気に・精力的に・積極的に・活発に・しっかり
legal right:法的権利
college admission:大学入学・大学入学選考
uphold:支持する・擁護する
mixed:混じった・混合の
例文mixed marriage:異民族間の結婚
community:地域社会・団体・社会・コミュニティー
environment:環境・情勢
be critical to:~には絶対不可欠だ・極めて重要だ・決定的である・~にとって欠かせない
personal rating:個人能力評価
rating:格付け・評価・採点
good person:善人・いい人
likeability:好ましさ
参考likeability rating:好感度
be biased against:~に偏見を抱いている・~を悪く思う
bias:~に偏見を抱かせる・~を偏らせる
admit:認める・承認する
score:得点する・採点する
seek:探し求める・得ようとする・~しようとする
参考job seeker:求職者・就職希望者
参考seeking employment:求職
cancel:取り消す・取りやめる・中止する
measure:(ここでは)手段・方策・措置・施策・対策
order:命じる・指図する・注文する
racially mixed:人種の混ざった・様々な人種から成る
left over:使い残し
例文energy left over from the Big Bang:ビッグバンの名残のエネルギー

関連する日本語での報道をいくつか紹介します。
司法省は、アジア系の学生団体がハーバード大を相手取って起こしている訴訟をめぐり、ボストンの連邦地裁に文書を提出。ハーバード大が入学選考で白人、黒人、ヒスパニック系の志願者を優先して、より成績優秀なアジア系志願者の機会を犠牲にしているとの学生団体の主張を支持する見解を示した。
(中略)
米大学は、学生間の人種バランスに配慮した入学選考指針、いわゆるアファーマティブ・アクション(差別是正措置)に基づき、学生数の少ない人種、特にヒスパニック系とアフリカ系の米国人の入学者数を増やす方向で入学選考を行ってきた。バラク・オバマ(Barack Obama)前政権はこの措置を支持していたが、トランプ政権は2か月前に支持撤回を発表している。
米国司法省は、個別の訴訟について政府の見解を裁判所に提示することができるんですね。これ日本でやったら、行政の司法への介入、三権分立の侵害になりそうですが。
ニューヨーク・タイムズ紙の昨年の調査によると、18歳人口の15%を占める黒人の全米主要大への入学者は、全体の6%にとどまる。オバマ前政権はこうした「ひずみ」を正そうと新たな指針を策定、入試に際し「自発的に人種を考慮」するよう大学に要請した。
(中略)
連邦最高裁は、人種を入学許可の判断材料にすることは認めているが、多様性を確保するため「他に手段がない」ことなどを要件に求めている。「ハーバード大は違法な人種差別でないことを証明できていない」というのがトランプ政権の主張だ。
ややこしいのは、トランプ政権や保守派がアファーマティブアクションを潰そうとするのは、アフリカ系やヒスパニック系が優遇されるのが気に入らないからで、白人の権利を取り戻したいからです。ですからこのハーバード訴訟でのトランプ政権とアジア系アメリカ人の利害の一致は呉越同舟、なんなら同床異夢な状態です。もしアファーマティブアクションを全廃すると今度はアジア系がすごく勢力を広げて白人は大学に入れなくなるかもしれないのですが、そこはどうするんでしょうか?
アジア系のグループは「共通テストで満点をとっても名門大に合格できない」として、選考基準の見直しを求めてきた。ある調査では、アジア系が名門校に合格するには2400点満点の共通テストで白人より140点、ヒスパニック系より270点、黒人より450点も高い点を取る必要があることが明らかになっている。
訴訟を起こしたのはアジア系アメリカ人の学生のグループだ。彼らは人種ゆえに大学に差別されたと主張しており、それを証明する数値データもあるという。
学生側の申し立てによれば「アジア系アメリカ人の学生の合格可能性が25%だったとしたら、(同じ成績の)白人であれば35%、ヒスパニックなら75%、アフリカ系なら95%だった」という。
ニューヨーク・タイムズが報じたところでは、訴訟ではハーバードによる13年の学内調査の結果も取り上げられた。当時の全学生に占めるアジア系アメリカ人の比率は実際には19%だったが、もし学業成績のみで合否判定をしていれば43%に上がった可能性があるという。
アジア系が43%を占めるかもしれない。うーん。本当にそうなったら白人層から不満の声が出そうですが。ボストン連邦地裁での裁判は10月に開かれるそうです。どんな判決になるのでしょうか。