6 Minute English
Why do we feel awkward?
EPISODE 190404 / 04 APR 2019



[前書き]

誰もがその気分を知っています。不快で落ち着かない沈黙の中で、人は固まったり遠くを見たり、あるいはただ透明になることを願います。「気まずさ」は、不適切な状況で誰にでも襲い掛かることがあります。しかし、それは何故起きるのでしょう? それは規則とどう結びつき、社会とどんな関係があるのでしょうか? ニールとダンが解き明かし、関連する語彙を皆さんにお教えましす。

[台本]

ニール:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。僕はニール。

ダン:そして僕はダン。

ニール:ところでダン、気まずい思いをすることはあるかい?

ダン:気まずい?

ニール:そう。不快だったり困惑したり照れ臭い気分になる事。何かがおかしい社会的状況で。

ダン:時々ね。記憶にあるのは、両親と一緒にテレビを見るのはいつもとても気まずかったよ。どぎついラブシーンがあったりすると。ほら、誰かがいちゃつくような。


ニール:ああ分かる、僕もだ! で、今日の6 Minute Englishで僕らが注目するのが、この気まずさという感情。そしてそのすべてが社会規範とどうつながっているかだ。

ダン:社会規範とは人が日々の生活で守っている暗黙のルール。他の人々との関わり合い方のこと。特に見知らぬ人との。

ニール:そう、例えばバス停で待っているなら、知らない人と天気の話をするのは問題ない。

ダン:でも相手にこんな事を聞いて社会規範を破ると、とても気まずくなるだろう。分からないけど例えば、あなたはいくら稼いでいますかとか。

ニール:ああ確かに。それは不適切だよね? そして、地下鉄でのもう一つ別の居心地悪い状況について後ほど番組内で知りますが、でも先にクイズを。一番古い地下鉄があるのはどの都市でしょうか? それは、

a) ロンドン
b) ニューヨーク、それとも
c) 東京

ダン:ああ! これに関してはかなり自信があるぞ! ロンドンだろう。

ニール:では、正解は番組の後程。ラジ・パスアード博士は心理学者だ。彼はBBCのラジオ番組「冗談抜きで」にゲスト出演し、社会規範について話している。彼によれば、それはどう人々の生活に影響するのだろう?

ラジ・パスアード博士
人はどうやって暗黙の社会規範が如何なるものか理解するのでしょう? 人々の行動をつかさどる規範を。それは全く暗黙的で、全くほとんど見ません。にもかかわらず人はみなそれに従っています。すなわちそれはとんでもなく強力なのです。それを突き止める唯一の方法は、というのも、MRI脳スキャナーも顕微鏡も使えないのですから…、どんな道具を使って社会規範を照らし出すのでしょう? 実際に人々の生活をつかさどっている規範を。

ニール:規範はどう人の生活に影響するだろう?

ダン:彼によれば、それは人の行動をつかさどっている。それが人の生活を'govern'するの意味は、それが人の生活を「操作する」。それが人の生活を「支配する」。

ニール:興味深いのは、彼の話では、そうした社会規範は暗黙的なんだ。それはどこにも書かれていない。言葉にされていないが、でも了解されている。

ダン:もしそれが言葉になっていなくて書き留められていないのなら、科学者や社会学者はどうやってそれを研究するのだろう? それについてどうやって解き明かせるのか? 彼らにはルールを照らし出す方策が必要だ。その意味は、ルールが何であるか調べるため、そこに隠喩的に光を当てる方法ということ。

ニール:ここでパスアード博士の再登場だ。

ラジ・パスアード博士
人々はどうやって人の振る舞いを統治する暗黙の社会的規則がどんなものか理解するのでしょう? それはとても暗黙的で、ほとんど不可視です。それでも人はみなそれを守っています。すなわちそれはとてつもなく強力なのです。それをつかむ唯一の方法は、というのも、MRI脳スキャナーも顕微鏡も使えないので…、どのような道具を使って、実際に人々の生活を統治している社会的規則を明らかにするのでしょう?

ニール:規則を発見する一つの方法は、それを破ることだ。規則に関して話している場合の「破る」の同義語は「違反する」。そして社会規範を学ぶために、人は違反実験を利用していた。ここで、パスアード博士がそうした実験の一つを説明してくれている。

ラジ・パスアード博士
意図的に社会規範に違反をするのです。ですから典型的なものでは、誰かがメトロに行って、つまり地下鉄、チューブですが、そこで、車両にはたった一人しか座っていないのですが、その人の隣にまで行ってそこに座ります。もしそれが居心地の悪さや不快感を引き起こし、相手の人が地下鉄の駅ですぐに降りたなら、それは社会規範を発見したのです。

ニール:で、どんな実験だったかな?

ダン:ああ、とても単純だ。ほとんど空っぽの電車の車両を見つけて、それから誰かのところに行って、すぐ隣に座る。離れた場所じゃなくて。もしその人が気まずさや居心地悪さを感じたなら、それはその人の振る舞いを観察すれば判断できることだけど、例えば座席を移ったり、違う車両に行ったり、電車から完全に降りてしまったら? もし相手がそうしたら、規範を発見したのだと分かる。

ニール:つまり、規則を破る、あるいは違反することでそれを発見したんだ。よし、語彙をおさらいする時間だけれど、でも先に、クイズ質問の答えを確認しよう。僕が聞いたのは、どの都市に最古の地下鉄があるでしょうか。それは、

a) ロンドン
b) ニューヨーク、それとも
c) 東京

ダン、君はかなり自信があるんだよね。

ダン:自信はあった! ロンドンって言ったんだ。でも今は気が変わった。ニューヨークかもしれないと思うんだ。

ニール:ああ…、これは少々気まずいな、そうだろ? えー、実はロンドンなんだ。だから君が正しいのか間違ったか分からないよ! 今はちょっと落ち着かない気分だ。事実はこう。ロンドンの開業が1863年。ニューヨークが1904年。で、東京は1927年だった。お見事。そしてもし、どれかの年代を知っていたなら追加のボーナスポイントを献上する。さあ語彙の時間だ。皆さんを気まずい気分にさせなければいいのですが。でも、始めてもらえるかな、ダン?

ダン:いいとも! 形容詞の'awkward'と、その名詞形'awkwardness'が今日のリストに載っている。その意味は「社会的状況における不快感」。

ニール:これはすべて、'social rule'という考え方に結びついている。それは言葉にされていないが広く知られた規則で、気まずい事態を回避するために人は日常生活で従っている。

ダン:この規則は、ニールが言ったように、言葉にされていないし、記録もされていない。でも人はそれを知っているし理解もしている。それは'implicit'なんだ。

ニール:そしてこうした暗黙のルールが人の生活を'govern'している。この動詞「統治する」の意味は「統制する、支配する」だ。

ダン:何かをはっきり見るには、それが現実でも隠喩的にでも、そこに光を当てる必要がある。それを'illuminate'する必要がある。それが僕らの次の単語。動詞の「照らす」。

ニール:そして最後に取り上げた言葉は、規則に関して話している場合には破ると同じ意味になる、'breach'する。

ダン:実験では、それについてもっとよく知るために、規則に違反した。

ニール:では、僕らは如何なる規則にも違反したくないので、今日のところは皆さんとお別れする時間です。でもご心配なく。また戻ってきます。それまでの間は、いつもの場所の全てで我々に会うことが出来ます。ネットやソーシャルメディアで、BBC Learning Englishを検索ください。ではまた。

ダン:さよなら!

[ノート]

horrible:恐ろしい・ひどい・嫌な・不愉快な・ぞっとする
uncomfortable:心地良くない・不快な・気まずい・気詰まりな・落ち着かない
silence:静寂・沈黙・静けさ
freeze up:凍結する・固くなる
look away:横を向く・よそ見する・あらぬ方を見る・遠くを見る・目をそらす
turn:(ここでは)変化する・~になる
invisible:目に見えない
Awkwardness:不器用さ・ぎこちなさ・気まずさ・居心地の悪さ
strike:(ここでは)引き起こす・襲う
wrong:間違った・誤った・不適切な・ふさわしくない・悪い
circumstances:周囲の事情、環境、状況
connect to:接続する・つながる・結びつく
rule:規則・規定・基準・標準・習慣・常識
what does it have to do with society?:(文脈的に訳はこれで合っていそうだが、'what does it'はよく分からない)
have to do with:~と関係がある・関連がある・関わりがある・つながりがある
find out:見いだす・解明する・調べる・理解する・明らかにする・気付く・見破る・答えを出す・謎を解く

Now then:さて・ところで
Do you ever ~?:~することはありますか?・よく~するんですか?・普段~をしているの?
awkward:(ここでは)気まずい・居心地が悪い・落ち着かない・ぎこちない
feel awkward:きまりが悪い・ぎこちない・ばつが悪い・気まずい・体裁が悪い・落ち着かない・照れくさい
embarrassed:恥ずかしい・ばつの悪い・きまり悪い・恥をかいて・困って・当惑して
self-conscious:人目を気にする・照れくさがる・気の弱い・自意識過剰の
quite right:全く正しい・完全に正しい
explicit:明示的な・率直な・露骨な・どぎつい
canoodle:いちゃつく・抱き締める
look at:見る・注目する・調べる・検査する・考察する・検討する
social rule:社会的ルール・社会規範・社会の規則
unspoken:言葉にしない・暗黙の
follow:従う・守る・倣う
everyday life:日々の生活
interact with:相互作用する・関わり合う・交流する・付き合う
particularly:特に・とりわけ
stranger:見知らぬ人・よそ者
oh I don't know,:(訳に自信なし。)
underground railway:地下鉄
Aha:分かった・なるほど・そうか・ははぁ、へぇ
Dr Raj Persuad:この人らしきHPtwitter
psychologist:心理学者
Seriously:公式サイトはこちら。タイトル訳は適当
Seriously:真面目に、真剣に・冗談抜きで・深刻に・重く・真面目な話だが・本当のところ・マジで
implicit:暗黙の・黙示的な・間接的な
govern:支配する・統治する・管理する・運営する
behaviour:行動・態度・挙動・振る舞い・言動
almost:ほとんど・ほぼ
yet:けれども・それにもかかわらず
obey:従う
i.e.:すなわち・言い換えれば
massively:大規模に・大幅に・大いに・とてつもなく・とんでもなく
get at:行き着く・到着する・達する・了解する・理解する・突き止める・つかむ
microscope:顕微鏡
illuminate:照らす・明るくする・光を当てる・はっきりさせる・解明する
control:操作する・規制する・支配する・統制する・管理する
rule:統治する・支配する・裁定する・判決する
write down:書き留める・記録する・記載する
understood:<形容詞>了解された・同意済みの・言外の・暗黙の
sociologist:社会学者
shine:磨く・光らせる
例文shine a light on:~に光を当てる・~を明かりで照らす
metaphorical:隠喩の・隠喩的な
see:見る・理解する・確かめる・調べる
find out about:~に気付く・~を知る・~を発見する
Another word for:~と言い換えられる・~の同義語である
breach:破る・破壊する・違反する
breaching experiments were(we) used to learn:(音声ではwereの箇所がweになっている。wereのままで「違反実験が使われていた」で良かったのでは? weにするなら、we used breaching experiments to learnの語順を入れ替えたと解釈すべき?)
experiment:実験
describe:述べる・言い表す・説明する・表現する
on purpose:わざと・故意に
classic:伝統的な・古典的な・昔ながらの・典型的な・標準的な・よく知られた・有名な
例文classic case study:代表的な事例研究
Metro:地下鉄(訳し分けができないので「メトロ」と訳した)
Tube:地下鉄(訳し分けができないので「チューブ」と訳した)
carriage:客車
next to:~の隣に・~の次に
lead to:~に通じる・つながる・至る・~を引き起こす・~の原因となる
discomfort:不快感・不快症状・戸惑い・不安感
got off (at) the tube stop:(ここにatが必要ではないのかな?)
get off:降りる
stop:停車場・停留所
immediately:すぐに・すぐさま・早急に・即座に
nearly:ほぼ・大体・~近くで
rather than:~よりはむしろ・かえって・~ではなくて
distance away:離れて
tell:(ここでは)見分ける・分かる・知る
例文tell from someone's face:人の顔から判断できる
watch:じっと見る・観察する・見守る
completely:完全に・十分に・全面的に・全く・徹底的に・すっかり
pretty:とても・かなり・非常に
have second thought:考え直す・再考する・気が変わる・二の足を踏む
second thought:再考
Well done:よくやった・よく出来た・うまい・お見事
extra bonus:特別賞与・臨時ボーナス
extra:余分の・追加の・別料金の・特上の
daily life:日常生活
eather:どちらか一方の・どちらの~も
reality:現実・現実の事・実在
metaphorically:隠喩的に
put light to:~に光を当てる
be the same as:~と同じである・~も同然である
leave for today:今日のところは帰る・その場を去る・その場を離れる
leave:(ここでは)別れる
look for:探す
例文I'll leave you here. : ここで別れよう。
In the meantime:それまでは・そうこうしているうちに・そのうち・その間にも
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斜め下から問題が来た感じ。