6 Minute English
Women and motorbikes
EPISODE 190606 / 06 JUN 2019


[前書き]

バイクに乗る文化は基本的に男性的だと見なされることがしばしばあります。オートバイに乗る女性に対する現在の印象とはどのようなものでしょう? そして時速110キロで走っているとジェンダーに何が起きるのでしょう? それが、ニールとサムが皆さんに関連する語彙を教えながら話すことです。

[台本]

ニール:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。僕はニール。

サム:そして私はサム。

ニール:もし僕が君に、サム、オートバイと言ったら、君は何を思い浮かべるかな?

サム:ああ、私なら映画の「イージー・ライダー」です。ジャック・ニコルソンとピーター・フォンダが出てる。大きなエンジンのバイクに乗って広く開放的な所を走っている。あなたはどうですか、サム?

ニール:あー、僕が思い浮かべるのは原付に乗った若者だ。僕のピザを配達してくれてる。

サム:同じイメージとはいかない、ってことですね?

ニール:そうだね。でもどちらの場合もオートバイを男性の姿と関連付けている。今日僕らが注目するのは女性とバイクについて。でもその前に、クイズから。最初の大量生産されたオートバイが発売されたのはどの年代だろうか? それは、

a) 1880年代、
b) 1890年代、それとも
c) 1900年代?

君はどう思うかな、サム?

サム:微妙な問題ですね! 1880年代では早すぎるかもしれません。なので安全策を取って、真ん中のを選ぼうと思います。1890年代で。

ニール:では、君が正しかったかは番組の後程確認しよう。エスペランザ・ミヤケは、映画や広告、テレビにおける「性差化されたオートバイ」という新しい研究の著者だ。彼女はBBCラジオの番組「Thinking Allowed」でこのテーマについて取材を受けている。最初に彼女が聞かれたのは、オートバイに乗って時速110キロ以上の速さで移動する体験についてだ。彼女によれば、人はどんな世界の一部になるのだろう?

エスペランザ・ミヤケ
これはジェンダーや人種を解消すると思います。そういったすべての事が問題でなくなります。これは体験がすべてなので、車を運転する人には車の内部空間の楽しさがたくさんあります。バイクには明らかに内部性はありません。完全に外部世界の一部になります。

ニール:では、オートバイでスピード出して移動しているときはどんな世界にいるのだろう?

サム:外の世界です。なぜなら車の中にいるのじゃないから、その体験は全く異なります。バイクに乗っていると内部性はありません。それは中にいる経験の事。でもこれは言っておくべきでしょう。この言葉は実在しますが、私はこれまで聞いたり使ったりしたことがあるものではありません!

ニール:ああ、僕もない。彼女はこうも言っている。高速で移動しているとジェンダーや人種が解消すると。それは重大さが減る事。何かを解消するとは、何かを弱めること。

サム:実際、彼女によれば、スピードが出ているとこうしたことは問題でなくなります。何等の重要性を持たなくなる。もし何かがどうでもいいなら、全く大切ではないということです。

ニール:その前に、人は普通、オートバイを男性と結びつけるという話をした。バイクと言えば、野郎。でも女性とバイクはどうだろう? エスペランザ・ミヤケは続けて、女性のバイク乗りがメディアで一般的にどんな見せ方をされているか話している。何種類の異なるタイプを彼女は挙げているだろうか?

エスペランザ・ミヤケ
通常、出てくるのは三種類です。最初のタイプは典型的な力を持った女性がオートバイに乗っているものでしょう。実際そんなイメージを持っているでしょうが、とは言え、私はこうも付け加えます。そうしたイメージは概してとてもセクシー化され、非常に定型化されて登場すると。ですからええ、その女性は力があるけどピチピチのキャットスーツに身を包んでいます。出てくるもう一つのタイプは、女性ライダーだけれど男性化されています。その女性はある種非常に男性的なスタイルを具現化したようなものです。そして私が考える第三のタイプはスクーターに乗っているちょっとおバカな、クスクス笑う女性です。

ニール:彼女は三種類の表現を話していた。特に映画における。サム、もう少し説明してくれるかい。

サム:ええ。彼女が最初に話していたのは力を持った女性。これは権限を持った登場人物で、話の展開やエピソードを進める力があり、自分のために何かを決める際に男性に依存していません。

ニール:それは肯定的なイメージのように思えるけれど、彼女はこう言っている。そうした登場人物はしばしばセクシー化されていると。つまり男性の観客に向けて性的に魅力があるような感じで描かれると。

サム:彼女が言及した次の登場人物の種類は、とても男勝りな女性で、男性の特徴を体現しています。その意味は、一般的な男性の性格的特徴をたくさん持ち、実演しているということ。

ニール:そして彼女が話した最後の種類は、バイク上の女性をおバカでクスクス笑っているように見せていて、スクーターに乗っている。つまり、どうやら女性とオートバイのたくさんの本当に全面的に良いイメージは無いらしい。少なくとも有力メディアにはね。さあ、今日の語彙を見直す時間だ。でも先に、クイズ質問の答えを確認しよう。どの年代に、初の大量生産されたオートバイが発売されたでしょうか? それは、

a) 1880年代、
b) 1890年代、それとも
c) 1900年代?

君はどう考えたんだったかな、サム?

サム:私の推測は1890年代でした。

ニール:お見事。良い読みだ。これは実際に1890年代で、もし1894年だということを知っていたのならボーナス得点を差し上げよう。よし、今日の単語をざっと思い出すとしよう。最初は動詞の'dissolve'から。何かを解消するとは、それが強さを失い、差し迫ったものでなくなること。

サム:それから取り上げたもう一つ動詞が'matter'。何かが問題であるとは、誰かにとって重大だということです。

ニール:お次の言葉は?

サム:かなり珍しい単語で、内部にいる経験を言い表したもの。'interiority'。

ニール:その単語の傍を駆け抜けて、次の言葉へと進もう。'empowered'。誰かが力を持っているとは自分の人生を掌握していること。力をつけた女性の話をするとは、自分の人生の方向について男性や他の誰かに依存していない女性の話をすること。自分自身で選択をするんだ。

サム:次の単語は'sexualised'。何かに明らかに性的な外見が与えられること。番組内で聞いたのは、オートバイの女性はしばしば性的に特徴が付いた形で現れます。着ている服が例えば、女性たちを性的に魅力的にするものだったり。

ニール:そして最後に出てきたのが'embody'。その意味は、はっきりした明らかな何かの実例になること。なので映画の中で女性のバイカーはしばしば男性の特徴を体現している。その意味は、服装や振る舞いが普通は男性と結びつけるような感じだということ。では、お別れを言う時間だ。次回お会いしましょう。それまでは、ネットやアプリで我々に会えます。ぜひbbclearningenglishで検索してください。ではまた!

サム:さよなら!

[ノート]

Biker:バイクに乗る人
essentially:本質的に、基本的に、原則的に
masculine:男性の、男らしい、男性的な、頑健な、力強い、勇ましい、男勝りの
current:現在の、最新の
image:イメージ、印象、心証、心象
ride on a motorcycle:オートバイに乗る
参考on a horse:馬に乗って
motorcycle:バイク、オートバイ
gender:性、ジェンダー、社会的・文化的な性
kph=kilometer per hour:キロメートル毎時
as:(ここでは)~している時に、~しながら

What do you think of:~をどう思われますか?
motorbike:バイク、オートバイ

Easy Rider:『イージー・ライダー』(原題:Easy Rider)は、1969年公開のアメリカ映画。日本では1970年に公開され、「イージー☆ライダー」と表記されることもある。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Jack Nicholson:ジャック・ニコルソン(Jack Nicholson、1937年4月22日 - )は、アメリカ合衆国の俳優、プロデューサー、映画監督。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Peter Fonda:ピーター・フォンダ(Peter Fonda、1940年2月23日 - )は、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身の俳優。父は名優ヘンリー・フォンダ、姉は女優ジェーン・フォンダであり、芸能一家で育つ。娘ブリジット・フォンダも女優として活躍している。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
cruise:船旅をする、巡航する、のんびり進む、ゆっくり歩く
例文cruise in the fast lane:追い越し車線を走る
wide open space:広く開放的な空間
machine:(ここでは)エンジンで移動する乗り物、自動車、飛行機、オートバイ
moped:小型バイク、原動機付き自転車
参考:モペッド(Moped)はペダル付きのオートバイで、エンジンや電気モーターなどの原動機だけで走行することも、ペダルをこいで人力だけで走行することも可能な車両の総称である。Motor(モーター、原動機)と Pedal(ペダル)のかばん語が語源とされる。日本の年配者を中心にバタバタあるいはペケペケと呼ばれる場合もある。日本以外の国ではペダルの有無にかかわらず小排気量のオートバイ全般がモペッドと呼ばれている。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Not quite:完全には~でない、~とまではいかない
is it, really?:(どう訳すのが最適か不明)
really:全く、実のところ、(間投詞的に)おや、まあ、まさか、まったく
例文Oh, really?:まあ,ほんとうですか
is it,:(付加疑問なのだろう)
associate A with B:AとBを結び付ける
male:雄、男、男性
figure:形状、姿、人影、人物、体形、人物像
look at:~に目を向ける、~を見る、~に注目する、調べる、検査する、検討する、考察する
decade:10年間
mass-produced:量産の、大量生産された、量産品の
release:発表する、公表する、発売する
Tricky:巧妙な、扱いにくい、やりにくい、油断ならない、微妙な、難しい、厄介な
play it safe:安全策を取る、安全第一でいく
go for:(ここでは)選ぶ、決める
option:選択、選択肢
Esperanza Miyake:本人のtwitter(トップがAKIRAの絵とは!)
'gendered motorcycle':コチラ(単純に「オートバイの性差」でもいいかも)
gendered:性差を表した、ある性に特徴的な、性差による、性差に基づいた
Thinking Allowed:(訳出来ず。どういう意味だろう?。think aloud:考え事を口に出して言う、と掛けているっぽいけど)Thinking Allowed is a radio discussion programme broadcast on BBC Radio 4 on Wednesday afternoons between 16:00 and 16:30 and repeated between 00:15 and 00:45 on Monday mornings. It focuses on the latest social science research and is hosted by Laurie Taylor, who was formerly a Professor of Sociology at the University of York.(英語版wikipediaより)
topic:主題、題目、テーマ、話題
experience:経験、体験
travel:旅する、巡回する、進む、動く、移動する
be part of:に参加している、の一員である、に属している、の一端である
dissolve:溶かす、溶解する、解消する、断ち切る、薄らぐ、取り消す、消し去る、なくす、消滅させる
race:人種、民族
matter:重要である、問題である、大きな違いがある
例文It doesn't matter. : どうでもいいよ
all about:~に関する全て、~が全てで、全て~次第で、要は~で
internal space:内部空間
obviously:明らかに、間違いなく、どう考えても、明白に
interiority:内部性、内面性
completely:完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に
exterior:外の、外側の、外部の、屋外の
at speed:速く、高速で、スピードを出して
external world:外界、外側の世界
have to say:言わなければならない、言わざるを得ない、言う必要がある
real:実在する、存在する、現実の、実際の
make ~ less important:~の重要性を低める、弱める、薄める
make ~ less strong: 弱める 
have importance:重要である、重要性を持つ
importance:重要性、大切さ、重大さ
mention:言及する、述べる、触れる、話に出す、口にする
Before that:それ以前は、その件より先に
Think bike, think bloke:(訳に自信なし。何か定型的な訳し方があるかも)
bloke:やつ、野郎
go on to:~に進む、~に進学する、~に取り掛かる、次に~する
例文go on to say:さらに続けて~と言う
Generally:大抵、通常、ほとんどの場合、概して
typical:代表的な、典型的な
empowered:力を与えられる、力を持つ、権限を持つ
female:女、女性、雌
having said that:そうは言っても、そうは言ったものの、とは言うものの、それでもやはり
appear:現れる、出現する、登場する
typically:典型的に、主として、通常は、一般的に、概して
sexualise:性の対象として見る、セクシーに見せる、性的にする、性的特質を与える
stylised:定型化された、型にはまった、様式的な
skintight:体にぴったり合う、ボディコンの、ぴっちりした
catsuit:キャットスーツ
rider:乗り手、騎手、ライダー
masculinised:雄性化された、男性化された
kind of:ある種の、一種の、ある程度、やや、多少
例文kind of antithetical to:~とは対極にあるようなもの
embody:肉体化する、具体化する、具象化する、体現する、具現化する
style:スタイル、流派、様式、型、種類
silly:愚かな、バカな、分別がない
giggly:クスクス笑う
scooter:スクーター
representation:表現、表明、表象、表すこと、肖像、説明、描写、代表、演出
tell someone more about:もう少し詳しく説明する
character:性格、性質、特徴、人柄、登場人物、キャラクター、役柄、人物
authority:権力、支配権、権力者、支配者、権限、権威
have authority:権限がある、影響力がある
have power to:~する力がある、~できる権限を持つ
drive:駆動する、動作させる、推し進める、活発にする
例文drive the program along:計画を着々と進める
plot:筋、構想、物語の展開
action:筋の展開、エピソード
action:活動、行動、行為、振る舞い、動き
be dependent on:~によって決まる、頼っている、依存している、~次第である
make a decision:決定する、決心する
positive:前向きな、積極的な、楽天的な、肯定的な、賛成の、好意的な
present:(ここでは)示す、提示する、表現する、描く
that might be sexually appealing:(might beはどう訳すのか分からない)
sexually:性的に
appealing:魅力的な、魅力がある、好ましい
audience:聴衆、観客、観衆
characteristic:特徴、特性、特質、特色、持ち味
demonstrate:実際にやってみせる、実演する、行動で示す、明らかにする、論証する
personality feature:性格的な特徴
really:全く、実に、とても、かなり、すごく、実際に、本当に、実のところ
completely:完全に、十分に、全面的に、全く、徹底的に
popular:人気のある、評判の良い
例文popular media:有力なメディア
look again:見返す、見直す、再び見る、再び目をやる
take a guess:当てずっぽうを言う、推量をする、見当を付ける
(It was) a good guess:(音声には It wasがある)
good guess:見事な推測、良い読み
indeed:実に、まさに、本当に、確かに、実際に
have a quick reminder:(have a reminderの訳に自信なし。)
quick:迅速な、速い、即座の、素早い
例文make a quick review of:~をざっと見直す
reminder:思い出させる人・もの・合図、思い起こさせるもの
例文have a reminder that:思い起こす手段を得る
get less strong:
immediate:即時の、当面の、目前の、差し迫った、緊急の、直接の、じかの
例文immediate danger;差し迫った危険性
rather:かなり、幾分、多少、どちらかといえば、むしろ
uncommon:珍しい、めったに見られない、まれな
rush by:側を勢いよく駆け抜ける
rush:大急ぎでする、突進する、急ぐ、急いで行く
move on to:~に進む、~に向かう、~に移る、変える
in control of:~を管理して、~の主導権を握って、~を掌握して
direction:方向、向き、方角
make one's own choice:自分自身で選択する
clearly:はっきりと、明らかに、明瞭に
styling:物のデザインや外観
dressed in clothing:服を着る、服装をする
attractive:感じの良い、魅力的な 
clear:鮮明な、はっきりした、明快な、確実な
obvious:明らかな、疑う余地のない
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イージー・ライダーって、サムは何歳だ?