6 Minute English
Women’s football
EPISODE 190704 / 04 JUL 2019


[前書き]

FIFA女子ワールドカップが大会の終盤に差し掛かっているので、番組では女性だけによるサッカーの人気の高まりに注目します。英国や世界各地の女子スポーツの歴史についてや、イングランドサッカー協会が1921年に女子の試合を禁止して以降にどのような進歩があったのかについて話を聞きます。その中で、皆さんは関連するいくつかの語彙を学ぶこともできます。

[台本]

キャサリン:こんにちは、この番組は6 Minute English。私はキャサリンです。

サム:そして私はサム。

キャサリン:ところでサム、ワールドカップは見てますか?

サム:クリケットですか、それともサッカー? だって今現在両方とも開催中ですから。

キャサリン:確かに。今私が話しているのはサッカーのことです。女子ワールドカップ。

サム:それなら、ええ見てます。とても楽しんでますし、やっと試合をテレビの生放送で見れて、それにメディアにこれほど関心が集まっているのは素晴らしいことです。

キャサリン:英国の女子サッカーの歴史については今日の番組内でもう少し理解を深めますが、でもまずはサム、あなたに質問です。初の正式な女子サッカーワールドカップが行われたのはいつでしょうか? それは、

A: 1970年
B: 1988年、それとも
C: 1991年

あなたはどう思いますか、サム?

サム:えー、これは知識じゃなくて算数で答えが出せると思います。なので、今すぐに言うつもりはありませんが、後で答えることにします。

キャサリン:分かりました。では正解は番組の後ほど言いましょう。さて、ジェンマ・クラークは英国の女子サッカーについて書いている作家で、先日、BBCの番組「女性の時間」で話をしていました。そこで彼女は女子サッカーに対し長年続いていた反応を説明しています。それは英国での女子競技に対し寛大だったでしょうか?

ジェンマ・クラーク
女子サッカーはとても苦闘してきました。試合をするのにも、何らかの主体性を持つのにも、運動選手として真剣に受け止めてもらうのにも。それは歴史を通じてずっと見られます。女子サッカーは絶えず受けてきたと思います。何というか、ある種の後からの反動とか、女性を近づけまいとしたり、このスポーツへの熱意を削ごうとするある種の企てを。

キャサリン:つまり寛大ではなかった、ですね?

サム:ええ。彼女によれば、苦闘してきた。その意味は前に進むのに困難があったということ。

キャサリン:また彼女はこうも言っていました。女子競技には主体性がなかったと。主体性を持つの意味は、自身の状況を支配するとか、自分が決めたい事を決められるということ。つまり彼女が言っているのは、女子競技は競技自体の未来を本当には支配していなかったということです。

サム:彼女たちが成功を収めるたびに逆風が起きました。彼女たちの成功に対する否定的な反発があった。

キャサリン:その通り。また彼女は続けてこうも言っています。ある人たちがこのスポーツへの熱意をくじこうとしたと。彼らはこれを見たり楽しむのを困難にしようとした。では誰が熱意をくじこうとして、またどうやってそうしたのか? 実は、第一次世界大戦中から終戦後、女子サッカーはとても人気になり、最大5万人の観客が試合を見ていました。観衆には人気があったかもしれませんが、でも、競技を運営している男たちにはあまり評判良くありませんでした。イングランドサッカー協会には。ここでジェンマ・クラークの再登場です。

ジェンマ・クラーク
男子のサッカー協会は女子側がとても上手くいっているのを見てうろたえました。そして彼らは、協会のグラウンドでサッカーすることから全女性を締め出し、それは約50年間続きました。それは、女子サッカーをアマチュアの地位に押しとどめ、彼女たちのプレーを見ている観客が絶対にいないようにするための、極めて一丸となった取り組みでした。

キャサリン:つまり男性たちは、女子競技の成功を大変に懸念した訳です。彼らはこう考えた。これは男子競技から金やファンを奪っていくかもしれないと。

サム:だから彼らは、女性が協会所属の競技場で試合することを禁止しました。その意味は、もう女性たちが競技場を使うことを今後は認めないということ。このことはプロの女子競技を効果的に葬り去りました。なぜならそれまでは女子も男子と同じ施設を使っていたからです。

キャサリン:それは、彼女曰く、女子サッカーを制限するための一丸となった努力でした。何かをするために一丸となって努力するとは、それをするためにすごく懸命にやるという意味。サッカー協会の競技場の女子利用禁止が最終的には撤廃されたと言えるのは嬉しいことです。とは言え、比較的最近の1971年にようやくですが。それでは、今日の語彙を復習する前に、今日の質問の答えを確認しましょう。私があなたに聞いたのはサム、いつ、最初の正式な女子ワールドカップがあったでしょうか? それは…

A: 1970年
B: 1988年、それとも
C: 1991年

で、あなたが言ったのはサム、これを計算で出すつもりだということでした。じゃあやってください。

ダム:言いましたよ! だって、ワールドカップは4年ごとの開催だと知っています。今は2019年。だったら答えは奇数年のはずです。ちょっと待ってくださいね。なので答えは1991年になります。合っていますか、キャサリン?

キャサリン:では、この数学的手法が実際にただ答えを知っているよりも優れているのか確かめましょう。最初の女子ワールドカップが本当に開催されたのは…

サム:さぁ早く! 私をホッとさせてください。

キャサリン:1970年でした。

サム:まさか、これを間違えるなんて。

キャサリン:でも、それは公式大会ではありませんでした。初の公式の女子ワールドカップは実際、1991年でした。あなたの計算は正しかった。お見事ですよ。サムも正解した他の皆さんも。さあ、延長戦に入ってペナルティを受ける前に、今日の語彙をまとめましょう。

サム:'struggle'とは、達成するのが非常に困難な物事を言い表せる方法。そのために戦わなければならないもの。

キャサリン:'agency'があるとは、自立して行動できる、自分自身の選択を支配しているという意味。

サム:'backlash'は、何かに対する否定的な強い反応。

キャサリン:もし何かへの'dampen enthusiasm'しようとしているなら、人々のそれへの関心を減らそうとしている。

サム:何かを'Banning'するの意味は、何らかの力を使って、その何かが起きるのを止めさせること。

キャサリン:そして最後に'concerted effort'をするとは、とても精一杯やろうとすること。

サム:では、今日の私たちの試合終了の笛は鳴りました。またすぐにお会いしますが、BBC Learning Englishチームのネットやソーシャルメディアやアプリでもっと沢山探し出すのをお忘れなく。ではまた。

キャサリン:さよなら!

[ノート]

FIFA Women's World Cup:FIFA女子ワールドカップ(フィファじょしワールドカップ、英: FIFA Women's World Cup)は、国際サッカー連盟(FIFA)が主催する、ナショナルチームによる女子サッカーの世界選手権大会である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
参考:FIFA女子ワールドカップ2019(英: FIFA Women's World Cup 2019、仏: Coupe du Monde Feminine de la FIFA 2019)は、2019年6月7日から7月7日にかけてフランスで開催される女子サッカーの国際大会であるFIFA女子ワールドカップの第8回大会である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
approach:近づく、接近する、近寄る、迫る
例文approach the end of:~の終盤に差し掛かる
tournament:トーナメントとは、競技会で勝者や順位を決める方式。ただ一人の勝者を選ぶ・順位を決める・興行として面白いものにする等の目的の違いや、期間・場所等の制限に応じて、さまざまな方法が考案されている。なお日本語において単に「トーナメント」・「トーナメント方式」と言えば勝ち抜き戦(ノックアウトシステム)のことを指す。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
参考トーナメント (tournament) とは日本語の「大会」に近い意味の言葉である。それ自体、大会の形式とは無関係である。日本では勝ち抜き戦そのものを「トーナメント」と呼んでいるため、「決勝トーナメント」という独自の用語も生まれている。例えばFIFAワールドカップで「final tournament」というのは予選を勝ち抜いた出場国による本大会のことであり、決勝トーナメントは「Knockout stage」と呼称されている。JFAでは2015年より「決勝トーナメント」という呼称を廃止している。
look at:目を向ける、見る、注目する、調べる、考察する、検討する
rise in:~の増加、増大、上昇
例文rise in accidents:事故の増加
popularity:人気、評判
hear about:~について聞く、耳にする、見る、知る
around the world:世界中の、世界各国での
make progress:進展する、進行する、進歩する、前進する
FA=Football Association:ザ・フットボール・アソシエーション(英: The Football Association)は、イングランドのサッカーを統括する競技運営団体。略称はThe FAである。1863年に創立された世界最古のサッカー協会であるため、英語の正式名称は国名を表す修飾語を用いず定冠詞 'The' のみを伴う形で表記される。なお、日本語の報道ではイングランドサッカー協会との呼称が定着している他、サッカー専門の雑誌などでは 'The FA' から定冠詞を省いた 'FA' 等の呼び名でも表記される。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
ban:禁止する、できないようにする
match:試合、取り組み
along the way:途中で、道中で、これまでに、進行中に

Cricket:クリケットは、フィールド上1チーム11名の2チームによって半径70メートルほどの広大なフィールド(クリケットではオーヴァル:oval と呼ばれる)で行われるバットとボールを用いるスポーツである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
参考2019 ICCクリケット・ワールドカップは2019年5月30日から7月14日までイングランドとウェールズで開催されている第12回クリケット・ワールドカップ。開幕戦はジ・オーバル、決勝はローズで開催される。出場国はこれまでの14か国から10カ国に減少される。大会は10チームが1回戦総当たりのラウンドロビンを実施し、上位4チームが準決勝に進出する。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
play:試合をする、競技をする、公演する
例文play a concert:コンサートを行う、開く、開催する
at the moment:現在のところ、今は、ちょうど今、目下、当面
In that case:もしそうなら、その場合
great:(ここでは)すてきな、素晴らしい
finally:やっと、ようやく、ついに、とうとう、最終的に、いよいよ
interest in:~への興味、~に対する関心
例文there is great interest in:~に強い関心が集まっている
find out:見いだす、解明する、理解する、明らかにする、気付く、見破る、答えを出す、謎を解く
official:公認の、公式な、正式な
get:(ここでは)解答などを導く、出す
through:(ここでは)~を使って、~を手段として
mathematics:数学、計算
rather than:~よりはむしろ、かえって、というより、~ではなく
Woman’s Hour:Woman's Hour is a radio magazine programme broadcast on BBC Radio 4 in the United Kingdom.(英語版wikipediaより)(番組名の訳は適当)
describe:述べる、言い表す、説明する、表現する
reaction:反応、応答、対応、態度、反感、反発
throughout:~の至る所で、~の初めから終わりまで、~の間中ずっと
easy:たやすい、容易な、きつくない、甘い、寛大な、優しい、厳しくない、ゆったりした、心地よい、快適な
game:遊び、気晴らし、ゲーム、試合、競技、ゲーム
struggle:奮闘、苦闘、骨折り、争い、闘争、もがき、あがき、大変な課題、困難
例文have a hard struggle for existence:生きるために苦しい努力をする
agency:代理店、取り次ぎ、仲介、代理人、代理権、代理行為、力、作用、働き、行為者性、行為主体性
any kind of:どんな種類の~でも、あらゆる種類の、何らかの
take seriously:真剣に受け止める、真面目に受け止める
athlete:運動選手、競技者
throughout history:歴史を通して
I think every moment that:(訳に自信なし。素直に訳せば、'every moment'はthinkにかかっているので「私はいつでもthat以下のように考えている」になるが、文脈的に'women’s football has had'にかかっているように思えるのでそう訳した。でも間違っているかも。) 
every moment:絶えず、いつでも、一瞬一瞬
例文enjoy every moment:一瞬一瞬を楽しむ
you know:ご存じでしょうが、当たり前ですが、あのね、ところで、いいかい、~ですよね、えー、ほら、~じゃない
a kind of:一種の、ある種の、のようなもの
a backlash afterwards:(訳に自信なし)
backlash:反動、跳ね返り、反発、反感、逆風、しっぺ返し、巻き返し
afterward:その後、以後、後に
attempt:試み、企て、攻撃
keep back:後ろに下がらせる、近づかせない、妨げる、抑える、遅れさせる、やらせない、やめさせる、発展できなくする、進出できなくする
dampen enthusiasm:熱意を弱める、くじく、削ぐ、水を差す
dampen:くじく、削ぐ
enthusiasm for:~に対する熱意、意気込み、意欲、熱狂
be difficult to:~は困難である
make progress:進歩する、進展する
mention:言及する、述べる、触れる、話に出す、口にする
have control over:~をコントロールする、管理する、制御する、支配する
situation:状況、情勢、事態、状態、立場
make a decision:決定する、決心する
have success:成功を収める、成功を手にする、成功する
negative reaction:否定的な反応、消極的な反応、後ろ向きな反応
go on to say:さらに続けて~と言う
make it difficult to:するのを難しくさせる、~しにくくする、を困難にする
(for people):(音声にはない)
First World War:第一次世界大戦
参考:第一次世界大戦(だいいちじせかいたいせん、英語: World War I、略称:WWI)は、1914年7月28日から1918年11月11日にかけて、連合国対中央同盟国の戦闘により繰り広げられた世界大戦である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
crowd:群衆、民衆、観衆、聴衆、観客
up to:最大で、~以下の
be popular with:~に人気がある
run:(ここでは)運営する、経営する、管理する
association:協会、組合、同盟、連合
panicked:うろたえた、パニック状態の
do well:うまくいく、好結果を出す、好成績を挙げる、業績が良い
ban A from B:AのBを禁止する、BからAを締め出す、BからAを排除する
ground:地面、土地、敷地、グラウンド、陸上競技場
last for:~の間続く、持続する
concerted effort:協力、協調努力
concerted:申し合わせた、協調した、一致した
参考make a concerted effort to:~するよう協力して努力する、一丸となって努力する、全力を挙げる、共同して努力する
keep A at B:AをBに保つ、維持する、抑える、とどめる
例文keep cost at a minimum:コストを最小限に抑える
amateur:アマチュア、素人
status:地位、立場、状況、情勢
ensure:確かにする、保証する、請け合う、確保する
例文ensure ~ will be accurate:絶対に~に誤りがないようにする
be worried by:~を気にする、心配する、懸念する、案じる、悩む
take A away from B:AをBから引き離す、取り除く、奪う、取り上げる
例文take business away from:~の客を横取りする
supporter:支持者、後援者、信奉者
pitch:(ここでは)サッカー競技場
no longer:もはや~ではない、もう~ない
allow A to B:AにBすることを許す、認める、許可する
anymore:(否定文で)もはや~しない、今後はもう~しない
effectively:効果的に、有効に、効率的に
kill:葬る、ひどい苦痛を与える、大きなダメージを与える、疲れさせる、参らせる、打ちのめす
up to then:その時まで
facility:施設、設備、機関
restrict:制限する、限定する、規制する
try hard:一生懸命やる、精いっぱい努力する
be pleased to:喜んで~する、~してうれしい
ban on:~の禁止
eventually:最終的に、最後は、結局、ついに、いずれは、やがて、そのうち、ようやく、
lift:(ここでは)解除する、取り除く、撤廃する
although:~ではあるが、~だけれども
comparatively:比較的、幾分、割合に
only recently:最近になってやっと、最近になってようやく
Right:なるほど・そうなんだ・へ~・(文頭で)さて、それでは
review:復習する、おさらいする
work out:解明する、解決する、算定される、算出する、はじき出す
come on:(文脈で)頑張れ、さあ早く、お願い、いいでしょ、やだなぁ、冗談はよせ、勘弁して 等
I know I did!:(セリフが重なっているけど、こう言っているように聞こえる。「私がそう言ったのは分かってますよ!」かな?)
every __ years:_年ごとに、_年に一度
odd:(ここでは)奇数
bear with me:少々お待ちください、もう少し待ってください
bear with:~に耐える、~を我慢する、人の話をじっと聞く、人に我慢して付き合う
mathematical:数学の、数学的な
approach:(ここでは)やり方、取り組み方、方法、手法、アプローチ
actually:実際に、本当に、本当は、実は、実のところ
be held in:で開催される
hurry up:急ぐ
put someone out of his misery:苦痛から解放する、不安から解放する、楽にさせる、ホッとさせる
get ~ wrong:~を誤解する、~を間違える、~を取り違える
indeed:実に、本当に、確かに、実際に
work:正常に機能する、効く、効き目がある、役に立つ、うまくいく、功を奏する
well done:お見事
get ~ right:~を正しく行う、正確に理解する、きちんと行う
get to:~に達する、到達する、到着する、着く、~を始める、~に取り掛かる、~に着手する、~の状態になる、~するようになる
extra time:延長時間、延長戦
penalty:罰、罰金、報い、ペナルティ
recap:要約
how you can describe something:(訳に自信なし)
achieve:獲得する、成し遂げる、達成する、成就する、やり遂げる、実現する
fight for:~のために戦う、を目指して戦う
act independently:自主的な行動を取る、単独行動を取る
act:行動する、振る舞う
independently:独立して、自主的に、単独で、独力で、自立して
choice:選択、代案、別の取るべき道、選択肢
certain:ある程度の、いくらかの、一定の、ある、例の
例文have a certain prejudice:何らかの偏見を抱いている
stop A from doing:Aが~するのを妨げる、食い止める、阻止する、やめさせる
final whistle:試合終了の笛
blow:(ここでは)鳴る
look out for:(ここでは)~を注意して捜す、~を探し出す
p07fpg5b
全然知らなかったがとても興味深い話だった。