6 Minute English
The art of tipping
EPISODE 190808 / 08 AUG 2019




[前書き]

レストランやカフェでチップを渡すのは面倒な問題です。現金でチップを置いていくべきでしょうか、それともカードでも構いませんか? 決まったサービス料を支払う方がいいか、あるいはその全てが不要だと思いますか? 6 Minute Englishではこの厄介な話題を議論し、地域的な差異を理解します。それに加え、役立つ語彙をいくつか提供します。

[台本]

キャサリン:こんにちは、この番組は6 Minute English。私はキャサリンです。

サム:そして私はサム。

キャサリン:サム、チップを渡すことについてどう思いますか?

サム:チップ? あなたが言っているのは、特定の仕事に就いている人がその仕事をするように、割増のお金を渡すことですか?

キャサリン:まぁそんな風には言いませんが、でもそう。ウェイターやウェイトレス、美容師、タクシー運転手にお金を渡すことです。実際の請求書よりも多くのお金を。

サム:悪夢ですね! 全然分かりませんよ。誰にチップを渡すべきか、どうチップを渡すすべきか、現金でかカードでか、いくらのチップにすべきなのか。10%なのか12.5%か20%か、そもそもチップすべきなのかさえも。だって、場所によってはサービス料は自動的に請求書に加算されてますから。

キャサリン:ええ、チップを渡すことはとても複雑な問題です。それを今回の番組で考えることになっていますが、でもまず第一に、質問から。世間で知られている誰かが渡した最高額のチップはいくらでしょうか? それは…

A: 1万ドル、それは…
B: 25万米ドル、それともそれは…
C: 300万米ドル?

あなたはどう思いますか、サム?

サム:25万ドルを選ぶことにしましょう。

キャサリン:分かりました。あなたが正しかったかは番組の最後に明らかにします。さて、チップの話題に戻りましょう。特に、レストランで働いている人へのチップについてです。ウィリアム・ベケットは数々のレストランを経営しており、先日、BBCの「料理の番組」に出演しました。彼はチップについての見解を問われたのですが、では彼の話を聞きながら次の情報を聞き取ってください。いくつの都市で、彼によれば、今現在レストランを所有しているでしょうか?

ウィリアム・ベケット
これは文化的なことで、すなわち、場所によって異なります。つまり、我々はロンドンにレストランを持っており、マンチェスターにもレストランを持っています。また、ニューヨークでもレストランを一軒開業するところですが、この3都市はチップに対してかなり異なる考えを持っています。ロンドンでは、標準は、「ほら、そこにある。請求書に載ってるよ」です。それは、例えばマンチェスターでは標準ではありませんし、ニューヨークの標準でもありません。我々はそこで年内にレストランを開店する予定です。

キャサリン:ではまず、いくつの都市で彼は現在、レストランを所有しているでしょうか?

サム:2都市です。ロンドンとマンチェスター。ニューヨークで今年中に一軒開く予定ですが、今はまだ開店していません。

キャサリン:で、チップについて彼は何と言っていましたか?

サム:えー、彼は、それはとても文化的なことだと言っています。一つの都市で標準的な物が、必ずしも別の都市での標準ではない。標準という言葉の意味は、ご想像の通り、普通な物、一般的な物です。

キャサリン:ですからロンドンでは、例えば、サービス料は通常、請求書に加算されています。でもマンチェスターではそうじゃない。つまりロンドンとマンチェスターの方針は異なっている。その意味は、これまたご想像のように、違っている。

サム:もう一つ、彼が使った省略形の表現があり、それを取り上げたいと思います。方針がいかに異なるかという話をする前に、彼は'i.e.'と言いました。この2文字が表しているのはラテン語の語句の'id est'です。今、私たちが'id est'と言うことはありませんが、'i.e.'と書いたり言ったりはします。これを使うのは、この次に来るものは、違う言葉を使って、今さっき言ったり書いた物を説明していると示すためです。つまり彼がチップについては言ったことは、これは文化的なことだ、すなわち、場所によって異なる。「これは文化的なことだ」が、より一般的な言い方で、「場所によって異なる」は彼が言っていることの、より具体的な定義です。

キャサリン:つまり一つの相違点は、ある場所では人々は自動的なサービス料の方を好みます。チップについて考えたり計算しようとする必要がなくせるように。でも違う場所では人々はそれを嫌います。人々は、誰にいくらチップを渡すべきかを決めたいのです、自分自身で。でも人々は、そのチップしない自由を本当に活用しているでしょうか? ここでウィリアム・ベケットの再登場です。今度の彼はニューヨークについて話しています。

ウィリアム・ベケット
ニューヨークも全く同じです。ここにはチップを払う暗黙の圧力があります。ただ理論的には、人は立ち上がって出て行くだけです。そうはせず、誰もが20%のチップを払います。あるいはそこには選択の理論があります。でも人々はそれが好きなんですよ。

キャサリン:つまり彼によれば、チップを払う無言の圧力がある。彼がここで言わんとしているとは何ですか?

サム:何かが暗黙であるとは、語られず、言われないが、にもかかわらずなお了解されていること。ですからニューヨークでは、チップを払う必要があるとは誰も言いませんが、でも誰もが知っています。払わなきゃいけないと。

キャサリン:請求書にサービス料は載っておらず、誰もあなたにチップを払うべきことを教えないのですから、支払いを済ませてただ出て行くこともできます。彼曰くそれは、理論的には可能です。その意味は、可能かもしれないけれど現実にはほぼあり得ない。その原因は暗黙の圧力であり、人々の振る舞い方にあります。

サム:でも彼は、人々はチップを払わない自由が好きなのだと言っています。たとえ実際にはその自由を行使しないとしても。

キャサリン:それでは、そろそろ語彙の時間です。でも先に、質問の答えを確認しましょう。さぁサム、誰かが渡したことが知られている最大のチップはおいくらですか?

サム:私の考えは25万ドルです。

キャサリン:あー、実のところ、信じられないような話ですが、何と300万米ドルです。ホントに! 今度こそ今日の語彙のおさらいに進みましょう。

サム:分かりました。私たちは'tipping'について話て来ました。これは追加のお金を渡す習慣です。例えば、ウェイトレスやウェイターに。

キャサリン:'To differ from'は動詞で、その意味は、何々とは異なる。

サム:'norm'とは、普通の、よくある物。

キャサリン:'i.e.'はラテン語表現の省略形で、その意味は「言い換えれば」。

サム:何かが'tacit'だとは、口には出されないが、それでもなお了解されている。

キャサリン:そしてもし何かが'theoretically'に可能なら、それは行うことが可能だが、様々な理由からおそらく行われない。それが、今日チップを置いていかなければならない場所です。さようなら!

サム:皆さん、さようなら!

[ノート]

art:芸術、美術、技術、技巧、技、術、能力、技能

Tip:<動詞>チップを渡す、チップを払う、<名詞>チップ、心付け
参考tipping custom:チップの習慣
complicated:複雑な、入り組んだ、ややこしい、込み入った、分かりにくい、面倒な
issue:問題、問題点、論点、争点
leave:離れる、出る、出発する、後にする、去る、残す、置きっぱなしにする、そのままにする、放っておく、任せる、委ねる、頼む
leave a __-dollar tip:_ドルのチップを残す、置いていく
cash:現金
just as good:(これはjust as good as a cash ripが略されているものと推測)
prefer:~を好む、むしろ~の方を好む、~の方を選ぶ
fixed:固定の、確固たる、一定の、不変の
例文fixed hours:あらかじめ決められた時間帯
service charge:サービス料、手数料
whole thing:全部、全て、
unnecessary:不必要な、余計な、なくてもいい、無用な、無駄な
tricky:やりにくい、扱いにくい、微妙な、難しい、注意が必要な、厄介な、狡猾な
subject:主題、題目、議題、テーマ
discover:発見する、気付く、見いだす、理解する、知る、分かる
regional:地方の、地域の
variation:変化、変動、ばらつき、差異
Plus:加えて、その上、さらに
serve up:食卓に出す、食事として出す、提示する、伝える、出す、提供する、供与する
useful:役立つ、便利な、有益な
extra:余分な、追加の、必要以上の、別の、割増の
in:(ここでは)~に従事している
例文be in agriculture:農業に従事している
certain:ある、例の、一定の、特定の
例文certain area:特定の地域
I wouldn’t put it quite like that.:(訳に自信なし。quiteを抜いて読めば訳のような文意になるが、quiteはどう訳すべきか?)
put:(ここでは)言葉に置き換える、表現する、言う
例文simply put:平たく言えば
例文I can't put into words how happy I am.:今の幸せは言葉にできない
quite:すっかり、全く、かなり、相当に、なかなか、すごく、非常に、完全に、まったく
例文That's quite right. : まさにそのとおりです。
like that:そのように、そんなふうに、そんなに、あんな
waiter:男性の給仕人、接客係
waitress:女性の給仕人、接客係
hairdresser:美容師
taxi driver:タクシー運転手
actual:実在の、現実の、実際の
bill:請求書、勘定書
nightmare:恐ろしい夢、悪夢、悪夢のような出来事
never know:決して分からない、決して知らない、知る由もない
at all:(疑問文で)一体、そもそも
例文I'm not sure if that is possible at all. : そんなことがそもそも可能なのか、私にはよく分かりません。
automatically:自動的に
added to:~に加えられる、付加される、追加される
really:全く、実に、とても、かなり、すごく、実際に、本当に、実のところ
look at:目を向ける、見る、注目する、調べる、検査する、考察する、検討する、~について考える
to start with:まず第一に
we know (that) somebody gave?:(音声ではthatが入っている?)
go for:(ここでは)選ぶ、決める、賛成する、支持する
Find out:見いだす、解明する、理解する、明らかにする、気付く、見破る、答えを出す、謎を解く
Now:<間投詞的>さて、ところで
topic:主題、題目、テーマ、話題
in particular:特に、とりわけ
William Beckett:(資料見つからず)
run:経営する、運営する
a number of:多数の、たくさんの、多くの、幾つかの、いくらかの、複数の、若干の
recently:最近、先日、近頃、近年
appear:現れる、出現する、登場する
BBC Food Programme:サイトはこちら(番組名の訳は適当)
view:(ここでは)意見、見識、考え、物の見方、見解、見通し
as:(ここでは)~している時に、最中に、~しながら
listen out for:~に耳を傾ける
information:知識、情報
currently:現在は、現在のところ、今、今や、目下
cultural:文化の、教養の、文化的な
i.e.:〈ラテン語〉id estの略、すなわち、言い換えれば
differ:異なる、違う、似ていない
from place to place:あちこちに、場所によって
Manchester:マンチェスターは、イングランドの北西部、グレーター・マンチェスターに位置する都市。北部イングランドを代表する都市であり、イギリスで9番目の都市である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
open:(ここでは)開店する、開業する
attitude:態度、立ち居振る舞い、考え方、姿勢
norm:規範、基準、標準、典型、一般水準、平均
later this year:今年中に、年内に、年末までに
not necessarily:必ずしも~ない
expression:言い回し、言い方、語句、表現
as you might guess:恐らくご想像のとおり
guess:推測する、推定する、言い当てる、~だと思う
normal:通常の、標準の、平常の、普通の、正常な
usual:通常の、通例の、普通の、いつもの、よくある、一般的な
usually:普段は、通常、通例、いつもは、大抵、普通
policy:政策、方針、方策、指針、やり方
short:短い、簡潔な、略した、省略形の
would like to:~したい
highlight:強調する、目立たせる、浮かび上がらせる、際立たせる、マーカーで印をつける
例文highlighted in this book:本書で取り上げられる
letter:(ここでは)文字
stand for:~を表す
例文U.S. stands for the United States. : U.S.はUnited Statesの略である。
Latin:ラテン語
phrase:言い回し、言葉遣い、言葉、語句、表現、フレーズ、句
show:示す、表す、表示する
come next:~の次に来る、次に起こる、~に続く
general statement:総論、概論、一般的言明
general:一般の、一般的な、通例の、概略の、大綱の、大まかな
statement:述べること、発言すること、発言、意見、声明
例文avoid misleading statement:誤解を招きそうな言い方を避ける
specific definition:詳しい定義
specific:明確な、はっきり限定された、具体的な、詳しい、曖昧でない
definition:定義
difference:異なっていること、異なる物、相違の程度、差、相違点、異なる部分
so that:~できるように
try to:~しようとする
calculate:計算する、算出する、判断する
hate:憎む、嫌う、嫌がる、~したがらない
decide:決定する、決心する、決意する
actually:実際に、本当に、本当は、実は、実のところ
make use of:使用する、利用する、活用する、生かす
freedom:自由、解放
and this he's time talking about :(this time he's talking aboutの間違い)
exactly the same:全く同じ
exactly:正確に、厳密に、ちょうど、完全に
tacit pressure:無言の圧力
tacit:暗黙の、無言の、言葉に表さない
theoretically:理論上は、建前としては、理論的に言って
stand up:立ち上がる、起立する
walk out:歩いて出て行く、外へ出る
theory:理論、理屈
theory of:~の理論
option:選択、選択肢、選択権、選択の自由
not spoken, not said,:(どう訳し分けるべきなのか不明)
speak:話す、伝える、述べる、伝達する、物語る、明らかにする
say:言う、述べる、発言する、書いてある
yet:(ここでは)けれども、それにもかかわらず
understood:了解された、了解済みの
tell:話す、言う、告げる、教える、伝える
tells you what to tip,:(訳に自信なし)
what to:~べきこと
例文what to do next:次にやるべきこと
例文what to bear in mind:考慮すべきこと
possible:可能性がある、起こり得る、あり得る
unlikely:起こりそうもない、ありそうもない、可能性が低い、あり得ない
behave:振る舞う、行動をする、態度を取る
even if:たとえ~だとしても
Right:なるほど・そうなんだ・へ~・(文頭で)さて、それでは
nearly:ほぼ、おおよそ、大体、近く、ほとんど、危うく
例文It's nearly dawn.:そろそろ夜明けだ.
believe it or not:信じられないような話ですが、まさかと思うでしょうが、驚くべきことに、何と、信じようと信じまいと
whopping:実に、途方もない、べらぼうな、何と
on with:(毎度ですが、go onとかの略かな)
review:(ここでは)復習、おさらい
practice:(ここでは)慣行、慣例、習慣、慣習、しきたり、
differ from:~と異なる、~と違う
be different from:~と異なる、~と違う
form:形、種、種類、型、タイプ、形態
nevertheless:それにもかかわらず、それでもなお
for different reasons:様々な理由で
参考for a different reason:異なった理由で
probably:多分、恐らく
won't be:(won't be doneの略と推測)
And that is where we must leave it today.:(訳に自信なし。itはtipと推測)
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300万ドルの説明しないのかよ!と気になる方は、こちらブログなどをご参照ください。