6 Minute English
Faking it: Computers that spot a real smile
EPISODE 190919 / 19 SEP 2019




[前書き]

時として、誰かが本当に笑っているのか、それとも顔に浮かんだ薄笑いは偽物なのか見分けるのが難しい場合があります。しかし今はコンピュータがあり、それは本物の笑顔と偽物を、人間に出来るよりも上手に識別することが出来ます。どうやってコンピュータにそれが出来るのか、またそのメリットは何か? そのことをニールとサムは6 Minute Englishで議論しており、それと共に役立つ語彙を皆さんにいくつかお教えしています。願わくばそれが皆さんを笑顔にできればいいのですが。

[台本]

ニール:こんにちは。この番組は6 Minute Englishで僕はニール。

サム:そして私はサムです。

ニール:また会えて嬉しいよ、サム。

サム:本当に?

ニール:ああ、もちろん。ところで、今僕は笑っているのか分からないかな?

サム:あーそうですね、誰かが本当に笑っているのか、それとも愛想笑いなのか見分けるのは難しいと思います。

ニール:おや、それは奇遇だね。なぜなら今回の番組は、いかにしてコンピュータは本物の笑顔と作り笑いを、人間ができるよりも上手に見分けることができるかもしれないのか、についてのあれこれなんだ。でもそこに足を踏み入れる前に、質問だ。私たちが顔に出すことが出来る表情は、筋肉によって制御されている。いくつの筋肉が、人の顔にはあるのだろうか? それは、

A: 26個
B: 43個
C: 62個

君はどう思うかな、サム?

サム:見当もつきません! でも沢山だと思うので、62個を選ぶことにします。

ニール:分かった。では君が笑うことになるか泣くことになるか、番組の後ほど確認しよう。ハッサン・ウガールはブラッドフォード大学で画像コンピュータ解析の教授をしている。彼が行ってきた研究は、顔に浮かんだ表情からコンピュータが人間の感情を認識できるようにするものだ。ここでは、彼がBBCのラジオ番組「科学の内幕」で話をしている。どのくらい、彼によれば、この研究は上手くいっているのだろう?

ハッサン・ウガール教授
我々は人の感情についてかなりたくさん取り組んできました。ですから狙いは、いかにして顔の筋肉の動きが、それが顔面に反映されるのですが、もちろんコンピュータを通じて、動画のコマを通じて。そして、こうした筋肉の動きがいかにして実際に顔の表情と関連するのか理解しようとしており、さらに顔の表情から感情を理解しようとしています。もしくは感情を推論しようと。で、そうすることはかなり成功しています。我々が持っているソフトウェアでは、実際に人の顔をリアルタイムで調べることが出来て、そのうえ、その人が表している一連の感情をリアルタイムで識別することも出来ます。

ニール:では、コンピュータに感情を識別させることに、彼らは成功しているのだろうか?

サム:ええ。彼曰く、かなりうまくいっています。そして興味深いことに、彼によれば、コンピュータはそれをリアルタイムにこなせるのです。その意味は、遅延がないということ。コンピュータは止めてデータを分析する、つまり計算をする必要がない。人が話している間に、それが出来るのです。

ニール:このシステムは人の表情を分析するのに動画を使う。そしてそのうえ感情を推定できる。何かを'infer'するの意味は、実際に直接話を聞くことなく何かを理解すること。つまり、利用可能な情報を調べ、自身の知力と知識を使って意味を掴むということ。

サム:ちょっと探偵みたいじゃないですか? 手掛かりを調べて、詳細の全てを知らなくても何が起きたのかを推測する。

ニール:うん。そして今回の場合はコンピュータが、顔にある筋肉つまり顔面筋の動きがいかにして様々な感情を表すのかを調べる。ここでウガール教授の話をもう一度聞こう。

ハッサン・ウガール教授
我々は人の感情についてかなりたくさん取り組んできました。ですから狙いは、いかにして顔の筋肉の動きが、それが顔面に反映されるのですが、もちろんコンピュータを通じて、動画のコマを通じて。そして、こうした筋肉の動きがいかにして実際に顔の表情と関連するのか理解しようとしており、さらに顔の表情から感情を理解しようとしています。もしくは感情を推論しようと。で、そうすることはかなり成功しています。我々が持っているソフトウェアでは、実際に人の顔をリアルタイムで調べることが出来て、そのうえ、その人が表している一連の感情をリアルタイムで識別することも出来ます。

ニール:では、コンピュータは何が本物で何がニセの笑顔なのか、どうやって知るのだろう? コンピュータは最初にそれを学ばないといけない。ここでウガール教授の再登場だ。そこをどうしているのか話している。

ハッサン・ウガール教授
我々は本当の笑顔のデータセットを持っており、作り笑いのデータセットも持っています。本当の笑顔は研究室で誘発された笑みです。つまり、人に椅子に座ってもらい、何か面白い映画を見せる。で、そこでの笑顔は心からの笑みだと想定するのです。また同様に、笑顔のフリをするように頼みます。なので、それらがいわゆる作り笑いです。で、我々がしている事は、それらをマシンに放り込んで、それからマシンは何が本当の笑顔の特徴か、何が作り笑いの特徴かを算定するのです。

ニール:では、人の笑顔がニセモノか心からのものかどうかをコンピュータが確かめるために使うデータをどうやって手に入れているんだろう? 心からとは、本物のという意味の別の単語だ。

サム:彼らは研究室内で本物の笑顔を引き起こさせました。人々におかしな映画を見せることによって。その意味は、笑顔が自然に起きるようにさせたということ。彼らは、おかしな映画を見ている間の笑顔は本物だと仮定しています。

ニール:それから彼らは人々に笑顔のフリをするよう依頼している。で、コンピュータ・プログラムは今や本物とニセモノの笑顔のデータベースを持っている。よって、どっちがどっちかはじき出すことが出来る。

サム:'Figure out'の意味は、計算し、答えに辿り着く。

ニール:そう。そしてどうやらこのシステムは90%の確率で正解を出すらしい。それは我々人間に出来るよりもずっと高い数字だ。では、語彙を思い出すにはまだ間があるので、質問の答えを確認しよう。いくつの筋肉が、私たちの顔にはあるでしょうか? それは、

A: 26個
B: 43個
C: 62個

サム、君は笑うことになるのかな? 君は何て言った?

サム:62個だと思いました! 私は微笑んでいますか、ニール?

ニール:悲しいことにそうじゃない。君が使っているのは違う筋肉だ。その手の悲しい顔つきの為にね! 実のところ正解は42個。正解した皆さんはおめでとう。さあ、語彙だ。

サム:はい。'facial'は形容詞で、顔に関する。

ニール:それから取り上げたのが'infer'。この動詞の意味は、全ての情報を持っていない場合でも何かを理解すること。また、その理解に至るのは、その人の経験や知識に基づいている。あるいはコンピュータの場合には、プログラムに基づいてだ。

サム:そしてこうしたコンピュータは'real time'に機能する。その意味は、遅延なしに愛想笑いと'genuine'な物とを見分けられる。それは、本当の物という意味。それを人が話している間に。

ニール:彼らは人を笑わせた。あるいは、教授が言ったように、おかしな映画を見せて笑顔を'induce'した。

サム:そしてコンピュータは、'figure out'できる。つまり、笑顔がニセか本物かを計算できます。

ニール:よし、ありがとう、サム。今日の6 Minute Englishはこれで以上です。次回ご一緒できるのを楽しみにしています。そしてもし待ちきれないなら、もっと多くの物をbbclearningenglishのオンラインやソーシャルメディア、またアプリで見つけることが出来ます。さようなら。

サム:じゃあね!

[ノート]

Faking it: (訳に自信なし)
you are faking it:あなたは嘘をついている、それは芝居だよ、ふりをしている
fake it:ふりをする、ごまかす
spot:気付く、見分ける、見当をつける

tell:(ここでは)見分ける、分かる
例文tell if a mushroom is poisonous or not:キノコに毒があるかどうか識別する
smile:<名詞>笑顔、ほほえみ、<動詞>微笑む
smirk:<名詞>ニヤニヤ笑い、気取った笑い、きざな笑い、なれなれしい笑い、<動詞>作り笑いをする、ニヤニヤ笑う、薄ら笑いを浮かべる
face:顔、顔つき、表情
fake:偽の、偽造の、でたらめな、いんちきの
tell A from B:AとBを区別する、識別する、見分ける
work:(ここでは)機能する、動作する、役にたつ、効く、うまくいく
benefit:便益、恩恵、利益、メリット
A as well as B:AもBも、AおよびB、BだけでなくAも
hopefully:願わくは~だといいんだが
bring a smile to someone's face:人をにっこりさせる、人を笑顔にする

It’s good to see you again:また会えてうれしい、もう一度あえて嬉しいです、また会えて良かった
by the way:ところで
find it difficult to:~することは難しいと思う、~するのが困難である、~するのに困難を感じる
find:(ここでは)思う、感じる
fake smile:愛想笑い、作り笑い
coincidence:偶然、偶然の一致
because this(today’s) programme:(音声はthis)
all about:(ここでは)~に関する全て
may be able (to) tell:(音声にはtoがある)
real:現実の、実際の、本物の、偽物でない
get in to:(下記のget intoではないかな?)
get into:足を踏み入れる、首を突っ込む、巻き込まれる
expression:(ここでは)表情、顔つき
make with our face:(顔で作ることが出来る、からちょっと意訳)
control:操作する、制御する、支配する、統制する、規制する
muscle:筋肉
have no idea:全く分からない、見当もつかない
go with:~を選ぶ、選択する
if you are(’ll be) smiling:(音声はareじゃないかな)
Hassan Ugail:Professor Hassan Ugail is a mathematician and a computer scientist. He is currently working as a Professor of Visual Computing at the School of Engineering and Informatics at the University of Bradford.(英語版wikipediaより) 
visual computing:(訳語は適当)
visual computing:Visual computing is a generic term for all computer science disciplines handling with images and 3D models, i.e. computer graphics, image processing, visualization, computer vision, virtual and augmented reality, video processing, but also includes aspects of pattern recognition, human computer interaction, machine learning and digital libraries. (英語版Wikipediaより)
visual:視覚の、視力の
University of Bradford:ブラッドフォード大学(ブラッドフォードだいがく、University of Bradford)は英国ウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォードに位置する1832年創立の歴史ある国立総合大学である。大学のモットーは、ウィリアム・シェイクスピアのソネット38番から引用された "Give Invention Light"。世界最大級の平和研究センターを持っており、世界で最初に平和学を始めた大学として平和学の権威として知られている。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
work on:~に取り組む、~に取り掛かる、~に従事する、~を研究する
get A to do:Aに~させる、~してもらう
例文I got him to wash my car.:彼に車を洗ってもらった
recognise:認識する、識別する、見分けがつく、分かる、見覚えがある、
emotion:感情
here:(ではここで、という意味合いなのか、さあ、というような間投詞なのか不明)
Inside Science:サイトはこちら(番組名の訳は適当)
inside:~の内部に、内側に、内幕で
successful:上出来な、上首尾の、成功した、達成できた
so the idea is how the facial muscle movement, which is reflected on the face, through obviously a computer through video frames:(訳に自信なし。この文章の全体にかかるべき動詞が無いように思うのだが。)
idea:考え、アイデア、思い付き、意図、狙い、目的、意見、知識
例文idea is to:~することがその狙いである
例文That was the idea. : それが狙いだった
facial:顔の、顔面の
movement:動き、動作、運動
reflect:反射する、像を映す、映す、示す、反映する
obviously:明らかに、はっきりと、明白に、当然、言うまでもなく、もちろん、むろん
video:映画、映像、動画
frame:(フィルムの一つの)コマ、フレーム
actually:実際に、本当に、本当は、実は、実のところ
relate to:関連している、関わる
facial expression:顔の表情、顔つき、顔貌
infer:推論する、推察する、推測する、察する
look at:見る、注目する、調べる、検査する、考察する、検討する、
in real time:リアルタイムで、同時に、すぐに
identify:確認する、識別する、割り出す、明らかにする、特定する
series of:一連の~、ひと続きの、連続的な
express:表す、示す、伝える、表現する
as well:おまけに、その上、なお
delay:遅らせること、遅延
analyse:分析する
crunch the numbers:計算する
crunch:かみ砕く、踏みつぶす
as:(ここでは)と同時に、しながら、の間、~している時に、最中に
例文as we speak:今ちょうど、今すぐに、こうしている間にも
then:(ここでは)それに、その上、さらにまた
get an understanding of:~を理解する、把握する、~をつかむ、身に付ける
understanding:理解、見解、解釈、知識、知力、知性、意見、理解力
directly:直接に、真っすぐに、そのまま
例文tell someone directly that:ということを直接話す
available:利用できる、使用できる、入手できる、得られる
your understanding and knowledge:(understandingは何と訳すのがいいのか不明)
knowledge:情報、事実、知識、知恵、知見
work out:解く、解明する、解決する、分析する、算出する、はじき出す、考え出す、案出する
例文work out the meaning of:~の意味を解読する、つかむ
detective:探偵、刑事
clue:手掛かり、ヒント、鍵
all the details:全詳細、一部始終
detail:詳細、細部、細目
show:見せる示す、表す、表示する
data set:データの集まりのこと(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
induce:説得する、勧誘する、し向ける、引き起こす、生じさせる、誘発する
lab:実験室、実習室、研究所、研究室
put ~ on a chair:~を椅子の上に置く:
funny:おかしい、おかしな、面白い
expect:予期する、期待する、予想する
genuine:本物の、偽物でない、心からの、偽りでない、正直な、誠実な
similarly:同様に、類似して、同じように
pretend to:~のふりをする、~だと偽る、見せ掛ける
what you call:いわゆる、あなたの言う~:
throw ~ into:~を…に投げ入れる、放り込む
figure out:計算して答えを出す、算定する、~だと分かる、解き明かす、理解する
characteristic:特徴、特性、特質、特色、持ち味
see if:~かどうかを確かめる、~かどうかを見る、~かどうか調べる
another word for:~と言い換えられる、~の同義語である
they make the smiles come naturally.:(訳に自信なし)
naturally:当然、自然に、生来
assume:仮定する、想定する、推測する、~と思い込む、~と見なす
database:データベース(英: database, DB)とは、検索や蓄積が容易にできるよう整理された情報の集まり。 通常はコンピュータによって実現されたものを指すが、紙の住所録などをデータベースと呼ぶ場合もある。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
know which is which:両者を見分ける、どっちがどっちか分かる
calculate:計算する、算出する
come to:(ここでは)着く、行き着く、達する
例文come to a long-term solution:長期的な解決法にたどり着く
apparently:どうも~らしい、どうやら~らしい
get it right:正しく理解する、正しくやる、きちんとやる
__% of the time:_%の確率で:
Right:なるほど・そうなんだ・へ~・(文頭で)さて、それでは
well before:~よりかなり前に、ずっと以前に
例文well before noon:昼にはまだ間がある
remind A of B:AにBのことを思い出させる
Sadly:悲しんで、悲しそうに、悲しいことに、悲しむべきことに
for that sort of sad look!:(that sort ofの訳に自信なし)
that sort of:その種の、そういう、その類の、そんな
look:目つき、顔つき、様子
the answer is 43.:(音声では42と言っている。何故誰も気づかない?)
come to understand that:だと理解するに至る
come to an understanding of:~を理解するようになる
based on:~に基づいて
experience:体験、経験
in the case of:~について言えば、~の場合は
programming:プログラミング
make people smile:笑わせる
that’s all:それがすべてだ、それで終わりだ、それだけです、以上です
look forward to:楽しみにする、待ち望む、期待する、楽しみに待つ
company:(ここでは)同伴
例文enjoy a person's company:人との同席を楽しむ
例文I'm encouraged by your company. : 君が一緒なら心強い
p07n1hjq
愛想笑いは見抜かない方が平和だと思うけどな。