HEALTH & LIFESTYLE
Study: Vitamin Supplements May Harm Breast Cancer Treatment
January 11, 2020
BFBDDBA


新たな研究で、乳がんの患者が化学療法を受けている最中に追加的なビタミンを摂取していると、リスクの増大に直面している可能性があることが示されている。

研究者によれば、抗酸化物質や鉄、ビタミンB12、オメガ3脂肪酸の水準を高める栄養補助食品の利用は、化学療法の効果を低減させているようだ。研究者はこの研究結果を「臨床腫瘍学誌」に発表している。

クリスティーン・アンブロソニは、ニューヨーク州バッファローにあるロズウェル・パーク総合がんセンターでがん予防と管理の責任者をしている。彼女によれば「この研究や、文献にある他の研究から、化学療法中にサプリメントを摂取するのは賢明ではないようです」。

「化学療法ががん細胞を殺す能力を、抗酸化物質が妨げているのではないかと考えられています」とアンブロソニは述べている。

患者に対し化学療法中は抗酸化物質を摂取しないよう、長年にわたりアドバイスしてきた医師もいる。「しかし、この助言には強力な実験的データがありませんでした」とアンブロソニは述べている。

そこで、アンブロソニや他の研究者らは、サプリメントの使用が化学療法の効果に影響するのかを調べることにした。彼らは食事や運動、生活スタイルとがんの治療結果に関する先行研究から証拠を探した。

以前の研究に参加した人たちは、治療開始時と治療中のサプリメントの使用や、生活スタイル、食事、運動について質問されている。

研究者は調査事項に記入した患者1,134人を調査し、中央値で6年間追跡した。対象者のサプリメントの使用は、一般よりもずっと少ないとアンブロソニは述べている。化学療法の開始前に栄養補助食品を摂っていたのは患者の約20%。治療中に摂取していたのは13%だ。

研究者は病気の再発や死の危険性を高める他の可能性を探した。彼らは、化学療法の開始時あるいは治療中に何らかの栄養補助食品を摂っていた患者は、そうでない患者よりも乳がんが再発する可能性が41%高いことを発見した。それに加え、栄養補助商品の摂取者は、摂取していない患者に比べ、その後死亡する可能性が40%高かった。栄養補助食品には、ビタミンA、C、Eが含まれている。

ビタミンB12と鉄

ビタミンB12や鉄のサプリを摂取している人は、がんが再発する危険性が更に高いと研究者は述べている。ビタミンB12を摂っている女性は、そのサプリを摂っていない人より病気の再発を経験する可能性が83%高く、それによって死亡する可能性が22%高い。オメガ3のサプリを摂っている人は病気が再発する可能性が67%高い。鉄のサプリを摂っている人は、その可能性が79%に高まる。

エイミー・ティアストンはニューヨーク市にあるマウントサイナイ医科大学で内科教授をしている。彼女はこの研究に満足していると話している。

「何年も前から私たちは患者さん達に、乳がんの化学療法中のビタミン剤の使用について警告してきました。特に抗酸化物質について」とティアストンは述べている。

ロイター通信社にあてたメールで、彼女はこう述べている。「これまでずっと、化学療法中の患者さん達にこう言ってきました。ビタミンを摂取する最善の方法は、バランスの取れた食事からですと。そして今回のデータを受けて、そう言い続けるつもりです」。

マリオ・リッター・Jrでした。

[ノート]
harm:~を害する、~に害を及ぼす、~に損害を与える、~に危害を加える

additional:付加的な、追加の、さらなる
chemotherapy:化学療法
dietary supplement:栄養補助食品
antioxidant:抗酸化物質、酸化防止剤
omega-3 fatty acid:ω-3脂肪酸(おめが-さん しぼうさん、ω-3 fatty acid、ω3とも表記、オメガ-スリー、Omega-3)または、n-3脂肪酸(n?3 fatty acid)は、不飽和脂肪酸の分類の一つで、一般にω-3位(脂肪酸のメチル末端から3番目の結合の意味)に炭素-炭素二重結合を持つものを指す。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
appear to:~するように見える、思われる
lower:下げる、低くする、減じる
effectiveness:有効性、効果
Journal of Clinical Oncology:The Journal of Clinical Oncology is a peer-reviewed medical journal published 3 times a month by the American Society of Clinical Oncology. (英語版wikipediaより)(雑誌名なので本当は訳さずカタカナの方がいいとも思うが、どういう学術誌かわかるように日本語化した)
Clinical Oncology:臨床腫瘍学
Christine Ambrosone:PhD/ Research Professor(大学のサイトより
prevention:予防、防止
control:支配、統制、管理、抑制、制限、規制
Roswell Park:Roswell Park (May 4, 1852 - February 15, 1914) was an American physician, best known for starting Gratwick Research Laboratory in 1898, which is now known as Roswell Park Cancer Institute. (英語版wikipediaより)
Comprehensive:包括的な、総合的な、広範囲の
Buffalo:バッファロー(Buffalo)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州北西部エリー郡の都市。同名の都市はアメリカ国内に多数存在するが、そのうち最大の人口を抱え、知名度が最も高い都市である。ニューヨーク州第2の都市であり、重要な工業都市でもある。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
literature:文学、文献、資料
例文published in the literature:文献に発表される
interfere with:妨げる、邪魔する、干渉する
ability:力量、手腕、能力、才能
advise:忠告する、助言する、勧告する、勧める
for a number of years:長年にわたり
empirical data:実験データ、経験的データ
empirical:経験による、実験によって立証できる、実験に基づいた
recommendation:推薦、推挙、助言、勧告
look for:探す
evidence:証拠、証言、痕跡
earlier study:以前の研究、先行する研究
diet:食事、食生活、食習慣
cancer results:(訳に自信なし。多分こういう意味ではないかと思うけど)
result:結果、結末、成り行き、効果、成果、成績、実績.
at the beginning of:~の初めに、当初、開始時に、最初に、始まった時
treatment:治療、手当、治療法
fill out:書き入れる、記入する、書き込む
survey:調査、検査
follow:監視する、尾行する、目で追う、観察する、見守る、常に把握する
例文follow the impact of:~の影響を追跡する
for a median:中央値で
search for:捜し求める、捜索する、検索する
possibility:可能性
reappear:再現する、再発する
more likely to:~する可能性が高い、~する傾向が強い、~しがちである
return:回帰、再来、再発
In addition:さらに、その上、加えて
taker:取る人、受ける人、受け手、受取人、
later on:あとで、後になって、後に、その後の
at greater risk of:~の危険性がより高い
experience:経験する
Amy Tiersten:MD / Cancer (Oncology)(病院のサイトより
professor of medicine:内科教授、医学教授
Icahn School of Medicine at Mount Sinai:マウントサイナイ医科大学(Icahn School of Medicine at Mount Sinai、旧マウント・シナイ医科大学)は、ニューヨーク市マンハッタン区にある私立の医科大学(メディカル・スクール)である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
be pleased with:~に喜んでいる、~が気に入っている、~に満足している
For years:何年間も、長年
caution:警告する、戒める
in particular:特に、とりわけ
given:~と仮定すると、~を考えると、考慮すると、前提として、所与として

ちょっと検索した限りでは日本語の記事が見当たりません。こんな大事な話が本邦初紹介?
それにしても、これは「乳がん」に特定の現象なのでしょうか?