6 Minute English
Is it good to disagree?
EPISODE 200206 / 06 FEB 2020



[前書き]

自分と意見が合わない人には失望しましたか? 公開討論がとても険悪になった時、意見を戦わせることは悪口の応酬になるかもしれません。サムとロブは説得の技術が失われたのだろうかと考え、関連する語彙を皆さんにお教えします。

[台本]

サム:こんにちは。この番組は BBC Learning Englishがお送りしている 6 Minute Englishで、私はサムです…

ロブ:そして僕はロブ。

サム:今回の番組では、意見が食い違うことについて話をすることになっています。

ロブ:いや、その話はしないよ!

サム:すると思いますよ、ロブ。私たちは次のことを議論します。「意見が分かれるのは良いことか?」。

ロブ:そうだね。でも、ちょっと意見が合わないことがある方が僕は気分がいい。だからこれは、異議を唱えるのは良いことだっていう証明だ!

サム:まぁ、意見が合わないのは私はイヤですけどね。でも、これからの6分間でまずはこのテーマをもう少し掘り下げるべきだと思います…

ロブ:うーん、それは5分間にすべきじゃない?

サム:ロブ、それは重箱の隅つつきです。これは、些細なことや堅苦しい規則に注意を向けすぎること。意見の不一致を認めて、毎週あなたに出すのが楽しみなクイズ質問に進む方がいいでしょう。

ロブ:ああ、いい考えだ。

サム:分かりました。では、次のように言ったことで有名な精神的指導者が誰か知っていますか? 「意見の不一致は普通のことです」。それは…

a) フランシスコ教皇
b) ダライ・ラマ、それとも
c) ラヴィ・シャンカル

ロブ:難しいね。なのであてずっぽうを言うことにして、b)のダライ・ラマだ。

サム:分かりました。これが正解だったかは番組の最後にお教えします。ただ、誰が言ったにせよ「意見の不一致は普通のこと」はきっと正しいです。間違いなく、人はみんな誰かと何かで意見が合いません。ですよね、ロブ?

ロブ:そんなことはない…、冗談だよ! もちろん、意見の不一致はあたりまえだ。全てのことで意見が合うなら退屈だろう。でも、幾つかのことについての合意は、幾つかの戦争を防いできたんじゃないかと思う。

サム:確かに。でもこれは魅力的テーマで、BBCラジオ4の番組「上手に異を唱えるための手引書」で検討していたことです。まずは、どのように反対意見を言うべきではないかについて話を聞く方がいいでしょう。この問題に詳しい、カップル療法士で作家で演説家であるエスター・パレルです…

エスター・パレル セラピスト
議論の中で、自分を階層の中に位置付けることです。つまり一人を他の人より上に。そうすると、言い争いには軽蔑が付随してきます。そこでは、ただ単に相手の見解を受け入れないだけでなく、実際にすごく相手を劣った人間だと考えることになります。

ロブ:なるほど。つまりエスターは、悪い意見の不一致とは闘争なのだと説明している。一人が階層組織の中でより高い立場に立とうとする。階層制とは、その人の重要性に応じて人を組織化する方法のこと。

サム:つまり意見の相違は、誰かが自分のことを他の誰かよりも地位が高いと考えると、うまくいきません。そしてエスターによれば、誰かが軽蔑しても、やはり物事は上手く行きません。軽蔑とは誰かや何かを嫌ったり敬意を欠くことです。

ロブ:そして、悪い意見の対立における軽蔑は、誰かの見解が単に好きじゃないという以上になることがある。つまり何かに対する捉え方が。誰かを劣った人間だと考えることがあるのだ。

サム:あらら! それは良くありません。良い意見の不一致について更に考えましょう。BBCのポッドキャスト番組「冗談抜きで」で、上手に異議を唱えるためのコツがいくつかリストアップされていて、そこには妥協点を目指すのではない、も含まれています。それは「歩み寄る」の別の言い方です。

ロブ:番組では、誠実に話して熱心に話を聞くことも勧められている。その意味は、話されていることに全ての注意を注いで共感を目指すこと。しかし、意見の対立の最後に合意しなければならないと感じることではない!

サム:同感です。英国の元政治家ダグラス・アレクザンダーもきっとそうでしょう。彼は番組「上手に異を唱えるための手引書」で司会をしていて、彼は何故、反対することが良いことだと思うのか説明をしています…

ダグラス・アレクザンダー
数十年にわたり公選される政治家として過ごしてきて、確信しました。もし社会が進歩すべきなら、意見の対立は必要なのだと。そして礼儀正しさを正義や真実よりも重視する社会は、単に停滞の処方箋に過ぎないと。ただ、誠実な会話には、熱心に聞くことと正直に話すことが含まれています。

サム:以上、ダグラス・アレクザンダーの考えでした。彼は政治家としての仕事を通じて、意見の不一致は良いことだと確信しました。彼によれば、礼儀正しさという価値観にただ従うべきではありません。それは丁寧な振る舞いという意味です。考えや意見に盾突き疑問を呈するのは大事なことです。ただ礼儀正しくそれを受け入れるのではなく!

ロブ:ああ。それに、もし物事に挑み真実や正義を探求しなければ、それは停滞を引き起こすと彼は感じている。同じところにとどまり、発展しない。その動詞形は「停滞する」だ。

サム:でも、彼はこう言っています。物事を議論して異議を唱えるときには誠実でなければなりません。他の人の話を熱心に聞き、本当のことを話す。でも私が付け加えるなら、それは礼儀正しく敬意をもって行われるべきです。

ロブ:えー、サム、僕は君の話を夢中で聞いてきたけど、正直に言うと、そろそろ今日の質問の正解を教えてもらう時間だと思うんだ。

サム:その点は同意できますよ、ロブ! では、先ほど私があなたに聞いたのは、精神的指導者の誰が「意見の不一致は普通のことです」と話したことで有名か知っていますか? それは…、

a) フランシスコ教皇
b) ダライ・ラマ、それとも
c) ラヴィ・シャンカル

そしてロブ、あなたは何て言いましたか?

ロブ:僕はb)のダライ・ラマだと言ったよ。

サム:それは正解です。お見事! さて、もし賛成いただけるなら、今回の番組で議論した語彙のいくつかをおさらいしましょうか?

ロブ:いいとも。まず最初は、僕は'pedantic'だと非難された。細かいことや形式的な規則に重きを置きすぎること。 それから言及したのが'hierarchy'。人をその重要性に応じて組織化する方法。

サム:'Contempt'とは、何かや誰かのことを毛嫌いしたり敬意が欠けていること。

ロブ:'A point of view'が言い表しているのは、何かに対する誰かの見方のこと。あなたの見方は私の見方とは違っているかもしれない。

サム:確かに。そして'civility'にも触れました。これは礼儀正しい態度のこと。

ロブ:そして'stagnation'の意味は、現状維持のままで発展しないこと。同意するかな、サム?

サム:その通りです、ロブ。そして、異を唱えることに関する私たちの議論はこれで終わりになります! ずっと多くの learning Englishの題材を、 bbclearningenglish.comのウェブサイトやソーシャルメディア、それにアプリで見つけることが出来るのをお忘れなく。次回またご参加ください。バイバイ。

ロブ:さようなら。

[ノート]

lose respect:敬意を失う
lose respect for:~を見損なった、失望する
respect:関心、注意、尊敬、敬意
disagree with:意見が合わない、同意できない、賛成できない、異論がある、異議を唱える、反対する
At a time when:という時に、~な時期に、~の時代に
public debate:公開討論、立会演説、国民的論議
ill-tempered:不機嫌な、怒りっぽい、短気な、不愉快な、荒れ模様の、けんか腰の、険悪な
battle of ideas:知恵比べ
idea:考え、着想、アイデア、発想、思い付き、意見
exchange of insult:罵り合い、悪口の言い合い
exchange:交換、やりとり
insult:侮辱的言動、侮辱、無礼な言動
wonder if:~かどうか不思議に思う、~ではないかと思う、~なのか疑問に思う
art:(ここでは)技術、技巧、技、術、能力
persuasion:説得すること、説得されること、納得、得心、説得力、説得の腕

disagree:意見が合わない、意見を異にする、同意しない、異議を唱える、賛成できない、反対である
following:次の、左記の
I know,:そうだ、そうそう、そうだね、たしかに
feel better for:~のおかげで気分が良くなる
disagreement:不一致、相違、不調和、不釣り合い、不協和、論争
prove:証明する、示す
hate to:~するのを嫌う、嫌がる、~したくない、好きではない
explore:探索する、探る、調査する、研究する、検討する、掘り下げる、取り上げる
this(the) subject:(音声はtheかな)
subject:主題、題目、議題、テーマ
a little further:もう少し
you are being pedantic:(意訳。素直に訳せば「細かなことにうるさすぎですよ」みたいな。) 
pedantic:重要でない事にこだわりすぎる、ささいな事にうるさ過ぎる、学者ぶった、知識をひけらかす、衒学的な、杓子定規な
focus too much on:~にばかりに集中し過ぎる、焦点を置き過ぎる、注意を向け過ぎる
small detail:細かいこと、ささいなこと、詳細な点
formal:堅苦しい、よそよそしい、他人行儀な、正規の、正式な、公式の、形式的な
rule:規則、ルール、規定、法則
Maybe you should:~した方が良いと思います
agree to disagree:意見の不一致を認める、見解の相違を認め合う、意見を異にするということで意見が一致する
agree:同意する、合意する、賛成する、一致する、同感である
move onto:移る、移行する、移動する
set someone a question:人に問題を出す
spiritual leader:精神的指導者、宗教指導者
be famous for:~で有名である
Disagreement is something normal:(ダライ・ラマの言葉として見つからなかった)
normal:通常の、標準の、普通の、当たり前の、正常な、健康な
Pope Francis:フランシスコ(1936年12月17日 - )は、第266代ローマ教皇(在位: 2013年3月13日 - )。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Dalai Lama:ダライ・ラマは、チベット仏教ゲルク派の高位のラマであり、チベット仏教で最上位クラスに位置する化身ラマの名跡。チベットとチベット人民の象徴たる地位にある。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Ravi Shankar:ラヴィ・シャンカル (Ravi Shankar、1920年4月7日 - 2012年12月11日)はミュージシャン、シタール奏者。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)(人物違いかもしれない。シタール奏者が精神的指導者なんだろうか?)
tricky:ずるい、やりにくい、扱いにくい、微妙な、巧妙な、難しい
have a guess:当てずっぽうを言う、推量をする、見当を付ける
whoever:~するのは誰でも、誰が~でも、誰を~しても、~する人なら誰でも
probably:多分、おそらく
sure:確信している、自信がある、確かな
bore:退屈させる、うんざりさせる
guess:推測する、言い当てる、~だと思う
agreement:合意、同意、承諾
prevent:止める、阻止する、阻む、抑える、防ぐ
Indeed:本当に、実に、まったく、確かに
fascinating:魅力的な、魅惑的な、うっとりさせる、興味を引く
BBC Radio 4 programme ‘A Guide to Disagreeing Better’:サイトはこちら(番組名は適当)
Guide to:手引書、入門書、ガイド
look at:見る、注目する、調べる、検討する
couple:一組の男女、男女のカップル、夫婦、恋人
therapist:療法士、セラピスト、治療専門家
author:作者、著者、作家
speaker:演説家、演説者、弁士
know a thing or two about:~についてたくさん知っている、~に関する知識や経験が豊富である、(謙遜して)ある程度知っている:
battle:戦い、論争、議論、闘争
position:置く、配置する、位置付ける、地位に置く、立場に置く
hierarchy:ピラミッド型組織、階層制、階層、序列
on top of:~の上に、~より優位に立って、~を支配して
argue:異議を唱える、反対する、言い争う、論争する、口論する
come with:~が付いている、付属している、備えている、同伴する
contempt:軽蔑、軽視、侮辱
accept:承認する、承服する、認める、容認する、受け入れる、納得する
point of view:視点、観点、見方、見解、考え方
Actually:本当は、実は、実のところ、(文頭で)さて、ところで
really:全く、実に、とても、かなり、すごく、実際に、本当に、実のところ
lesser:より小さい、より少ない、より劣った、より重要でない
human being:人間
Right:なるほど・そうなんだ・へ~・(文頭で)さて、それでは
take a position:地位に就く、地位を獲得する、立場を取る
例文take a leading position in:~で指導的な地位に就く
organise:組織する、構造化する、整頓する、体系化する
according to:(ここでは)~に従って、~と一致して、~に準じて、~に照らして、~と比例して
importance:重要性、大切さ、重大さ、身分の高いこと
go well:うまくいく
important:重要な、重大な、有力な、地位が高い、身分が高い
according to:~によれば
have contempt for:~を軽蔑する
dislike:嫌う、毛嫌いする
lack of:~の欠如、欠乏、不足
respect for:~への尊敬、敬意、~の尊重
can be more than:(訳に自信なし。canの訳し方が不明)
perspective:見方、態度、視点、観点、捉え方
it could be:(訳に自信なし。couldの訳し方が不明)
Ouch:痛い、あいたっ、あれっ、しまった
Let’s think more (now) about:(音声にはnowはない感じ)
BBC podcast Seriously:サイトはこちら(番組名の訳は適当)
list:一覧表にする、リストアップする、~の一覧表を作る
tip:役立つ情報、助言、ヒント、秘けつ
include:含む、包含する、持つ、備える
aim for:目指す、狙う、目的とする
middle ground:中立の立場、妥協点、妥協案
another way of saying:別の言い方
compromise:妥協する、歩み寄る、和解する
suggest:提案する、勧める、意味する、示唆する、暗示する
truthfully:正直に、誠実に、本当に
intently:熱心に、一心に、夢中で
attention:注意、留意、注目
empathy:共感、感情移入
at the end of:~の終わりに、最後に
former:元の、先の、かつての
politician:政治家
Douglas Alexander:ダグラス・ガーヴァン・アレクサンダー(英: Douglas Garven Alexander, 1967年10月26日)は、イギリス労働党の政治家。ブラウン内閣で国際開発大臣を務めた。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)(同姓同名の別の政治家かも。この人は現役政治家っぽい)
present:司会する、放送する、上演する
A couple of decades:20~30年、数十年
spend:費やす、~を過ごす、~して過ごす
elected politician:選出された政治家
convince:確信させる、納得させる、説得する
if society is to progress:(このbe to do は、~すべきであると推測)
progress:進む、前進する、進歩する、向上する
value A over B:AをBより重んじる、重視する
civility:丁寧さ、礼儀正しさ、礼節
justice:正義、公正、正当性、妥当性
truth:真実、事実、真相、本当の事
simply:簡単に、分かりやすく、単に、ただ、全く、とても、本当に
recipe for:~の作り方、レシピ、秘訣、方法、方策、手段、もと、原因、処方箋
stagnation:沈滞、不振、停滞、低迷、よどみ、不況
honest conversation:誠実な会話、率直な対話
honest:正直な、誠実な、実直な、率直な、公正な
as well as:AもBも、AおよびB、BだけでなくAも
thought:思考、思索、考え、見解、思い付き
be convinced:納得する、確信する
follow:従う、守る、倣う、信奉する
value:価値、価値観、価値基準
polite behaviour:礼儀正しいふるまい
polite:丁寧な、礼儀正しい、上品な
behaviour:行動、態度、挙動、振る舞い、言動、素行
challenge:挑む、挑戦する、疑う、盾突く、異議を申し立てる
例文challenge one's boss:上司に盾突く
question:疑問を持つ、問う、質問する
search for:~を捜す、探し求める
lead to:通じる、至る、引き起こす、原因となる
stay the same:同じ状態を保つ、現状維持を続ける、変化がない、同じままである
develop:成長する、発育する、発達する、発展する
stagnate:成長が止まる、沈滞する、停滞する、活気がなくなる、くすぶる
politely:丁寧に、礼儀正しく、失礼のないように、丁重に
with respect:丁寧に、敬意を払って
if I'm honest with you:正直言って
First of all:まず第一に
accuse:責任を問う、責める、非難する、訴える
mention:言及する、述べる、触れる、話に出す、口にする
bring ~ to an end:~にピリオドを打つ、~を終わらせる、~を終わりにする、~を済ませる、~に決着をつける、~を完結する
bring:連れていく、持っていく、持ってくる、もたらす
find:出会う、探し出す、見つける、発見する、見いだす、理解する、手に入れる
material:原料、材料、資料、題材、ネタ
p0827zmn
異議を唱えなければ社会は停滞し、進歩は生まれない。なるほど。