6 Minute English
Eating pond scum
EPISODE 200227 / 27 FEB 2020


[前書き]

栽培に利用できる土地の量が少なくなっている中で、増え続けている世界の人口をどうやって養いますか? 池の藻がその答えになるでしょうか? 科学者によればこの、ほぼどこででも育てられる微細藻類が解決策の一部になるかもしれません。ニールとサムは最新のスーパーフード・ブームについて議論し、役立つ語彙もいくつか皆さんにお教えします。

[台本]

ニール:こんにちは。この番組は BBC Learning Englishがお送りする 6 Minute Englishで、僕はニール。

サム:そして私はサムです。

ニール:今回の番組では、微細藻類という珍しい食べ物について考え、藻を食べることが人の健康にとって、またこの惑星の健康にとって良いことなのかどうかを問うことになっている。それにもちろん、その中で関連するいくつかの語彙にも注目するつもりだ。

サム:オエッ! 藻を食べるのはためらいますよ、ニール! て言うか、あなたが今までに食べたことがある一番変な物は何ですか?

ニール:そうだな、揚げたナナフシをタイで一度食べたことがある…。蟻もあるな。あれはコロンビア産だった。 

サム:ああ、はい、そうですか。どちらもここ英国では相当変わってますね。でも、池の藻はどうですか、ニール?

ニール:池の藻? 池の藻は微細藻類の俗語での呼び方だ。緑色をした植物性の微生物で、例えばスピルリナのように水の中で育つ。池とか。そして乾燥させる前は、見た目が少しぬるぬるして汚い。ここで僕らが話すことになっているのは食用の藻について。つまり食べても大丈夫ってこと。

サム:大丈夫なだけではありません。実際、この手の食用藻は実のところ人の身体に良いのです! スピルリナやクロレラといった微細藻類にはタンパク質、ビタミン、それに抗酸化物質が一杯詰まっています。とても健康にいいので、これらは今まさに旬です。つまり、有名になって人気が出ているということ。

ニール:そう。微細藻類は今ちょうど、もっともな理由があってトレンドになっている。そのことは後程明らかにするが、まずは君にクイズ質問をさせてほしい。次の三つの物の共通点は何だろう? 海、雪、そしてウチの中庭。 それは…

a) いずれもくつろぐのにいい場所
b) いずれもとても寒い
c) いずれも微細藻類が育つ場所

サム:なるほど、えー、海と雪が水で出来ているのは知っています…。でも、あなたの家の中庭は? バーベキューがまた雨で中止になったんですか、ニール?

ニール:いや、ちょっと違うよ、サム! まぁ、番組の終わりまでに君が理解しているといいんだけど。さて先ほど言ったように、微細藻類はスーパーフードと呼ばれることがある。基本的には健康にいいビタミン、ミネラルや栄養素で一杯の類の食品のことだ。でも、微細藻類は人気が出たスーパーフードの第一号ではない。

サム:その通り。2010年代の初めにはグリーン・スムージーを販売する沢山のジュースバーが世界のあちこちに登場し始めました。ケールやチャード、ほうれん草といった健康にいい素材を混ぜて作った栄養ドリンクのことです。微細藻類やスピルリナの最近の流行は、その一部は、大手飲料メーカーによって宣伝されています。彼らは最新の色鮮やかなスムージーを売りたがっているのです。

ニール:そしてどんどん、スピルリナは食材としても使われるようになっている。ホットドッグやミートボールに入れて。あるいは、パスタやマヨネーズに使う鶏卵の高タンパクな代用品として。

サム:こうした健康上のあらゆる利点に加えて、微細藻類のスーパーフードにはもう一つ、長所があります。それはこの惑星全体にとっての恩恵となり得るものです。BBCラジオ4の「料理の番組」で、ケンブリッジ大学で植物科学の学部長を務めているアリソン・スミス教授が説明するよう求められています。

アリソン・スミス
世界の人口が増加するにつれ、また、農業に使える土地が限界になるにつれ、他の手段で生産性を高めようとすることに関心が持たれています…。ですから、農業の持続可能な強化も一つの方法です…。

ニール:つまり、一つの問題は食糧安全保障。増加している世界の人口を養うために、栄養豊富な食料の十分な生産を確実にすることだ。アリソン・スミスによれば、食料を栽培するために利用できる農耕地の量は、限界になりつつある。その意味は、十分な資源がないこと。今回の場合は、全員の必要を満たすための農業用地が。

サム:ええ。そして彼女は可能性のある解決策の一つは農業の持続可能な強化だと話しています。つまり、環境を損なったり新しい土地を使わない方法で食料の生産を増加させることです。

ニール:ふむ。微細藻類がスーパーフードで、栄養的にビタミンやタンパク質が豊富なのは分かっている。でも、農地の必要性を減らすのに、それがどう役立つんだろう? アリソン・スミスが説明している。

アリソン・スミス
…これはあらゆる種類の場所で育つことが可能です。水中で、海洋で、池の中で、湖で等々。あなたの家の中庭や雪の中でさえも…。ですから一つの可能性は、こうした微生物を都市や町で生産することです。なぜならこれは育てるのに開けた地形を必要としないのですから。

サム:あなたのクイズ質問の答えが分かったと思いますよ、ニール。

ニール:ああそう? 僕が聞いたのは、何が海と雪と僕の中庭に共通しているかだ。

a) いずれもくつろぐのにいい場所
b) いずれもとても寒い
c) いずれも微細藻類が育つ場所

サム:答えはc)の微細藻類が育てられる場所! なんてスゴイ植物でしょう! これを池の藻だなんて呼ぶのはやめて、スミス教授が口していた正しい学名を使おうと思います。生命体。

ニール:今日の番組は、微細藻類に関するあれこれだ。スピルリナのような、緑色の食べられる藻類で、人によっては池の藻と呼んでいる。しかし科学的に言えば、これは'organism'だ。動物や植物といった生命体のこと。

サム:ええ。そしてこの植物の生命体は'superfood'とも呼ばれています。なぜなら、良好な健康を促進させるビタミン、ミネラルや栄養素がとりわけ豊富だからです。

ニール:スーパーフードはまさに今、'moment'になっている。それは、すごく健康的だから人気や流行になっているということ。

サム:微細藻類のもう一つの利点は、ほぼどこででも育つことです。ですから多くの農耕地を使いません。それは'streched'になりつつあります。つまり、世界の食料の必要量を満たすのに十分はないという意味。'Sustainable intensification'は、この問題に対するもう一つの考え得る解決策です。なぜなら、これは環境に害を与えたり、新たな土地を使うことなく食料生産を増加させる一つの方策だからです。では、もっとたくさんの学習教材や時事的な語彙を私たちのウェブサイト、bbclearningenglish.comで見つけられることをお忘れなく。そして、またすぐご参加ください。ではまた!

ニール:じゃあね!

[ノート]

feed:食物を与える、飼う、養う
ever-growing:ますます増加する、増え続ける、増える一方の
amount:量、額、総計、総量、総額
available:使用できる、利用できる、入手できる、得られる
grow:育てる、生育する、栽培する
get smaller:小さくなる、少なくなる
pond scum:藻類
pond:池
scum:浮きカス、あく、膜
microalgae:微細藻類
solution:解、解答、解決、解法、解決策
latest:最近の、最新の
superfood:Superfood is a marketing term for food assumed to confer health benefits resulting from an exceptional nutrient density.(英語版wikipediaより)
craze:流行、はやり、一時的熱狂、~熱、ブーム

look at:目を向ける、見る、注目する、調べる、検討する、~について考える
unusual:まれな、普通でない、ありふれていない、異常な、珍しい
algae:藻類
eating algae might be better:(mightの訳が不明)
be better for:~にとってさらに良い、望ましい、~のためにかえってよい
along the way:途中で、、これまでに、進行中に
Yuck:ゲッ!、ゲーッ!、オエッ!、ウェー!、ウヘーッ!
I mean:つまり、と言うのは、と言うか、て言うか
be sure about:~を確信している、~に確信を持っている
例文not sure about buying:~を買おうか迷っている、ためらう、決心がつかない
stick insect:ななふし
ant:蟻
as well:おまけに、その上、なお、同じに
fairly:(ここでは)かなり、相当、極めて、ほとんど、全く
slang:俗語、隠語
plant:植物、草
organism:有機体、生命体、生物、微生物
spirulina:スピルリナ(Spirulina)は、藍藻綱ユレモ目アルスロスピラ属の微細藻類の通称である。特にサプリメントとして採取・開発が進んだ A. platensis 、 A. maximaの2種をしばしば指す。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
slimy or scummy:(scummyの訳に自信なし)
slimy:粘液性の、ねばねばした、ぬるぬるした、ぬめりのある
scummy:浮きかすの生じた、汚い、軽蔑すべき、浮きかすの
dry:乾く、乾燥する
edible:食べられる、食用の
food algae:(foodは形容詞ではないが、ここでは形容詞的な使い方だろう)
chlorella:クロレラ(英語:chlorella)はクロレラ属の淡水性単細胞緑藻類の総称。クロレラという名前は、ギリシャ語のchloros(クロロス、緑の意)と、ラテン語のella(エラ、小さいものの意)から合成された名前で、1890年にオランダの微生物学者マルティヌス・ベイエリンクによって発見命名された。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
be packed full of:~で一杯である、~がいっぱい詰まっている
protein:タンパク質
antioxidant:抗酸化物質、酸化防止剤
be having a moment:(informal) to be having a time of success or popularity - used especially in magazines - 'Short hairstyles are having a moment.'(LONGMANの辞書サイトより)(流行ってるとか、注目されているとか、「今、来てる」的な意味だろう)
well-known:広く知られた、周知の、有名な
popular:人気がある、評判が良い
trend:<名詞>流行、はやり、<動詞>向く、流れる、傾向を取る
for good reason:正当な理由で、もっともな理由があって
find out:見いだす、解明する、理解する、明らかにする、気付く、見破る、答えを出す、謎を解く
following:次の、下記の
have in common:共通点がある
ocean:大洋、海
garden:<形容詞>園芸の、野外の、庭の、緑が多い
patio:中庭、パティオ、テラス
be made up of:~で構成されている、から成る、でできている
barbeque:バーベキュー
rained off:雨で中止になる:
No, not quite, Sam!:(not quite,の訳に自信なし)
not quite:そうでもないね、それほどではないよ、そこまでではない、まったくそうだとは言えない、そうでもない、ちょっと違うね
hopefully:願わくは、できれば
mention:言及する、~について述べる、~に触れる、話に出す、口にする
例文as I mentioned before:すでに述べたように、先程触れたように、前に申し上げましたとおり
essentially:本質的に、基本的に、原則的に、本来、元来
mineral:無機質、ミネラル
nutrient:栄養物、栄養になる食物、栄養素
juice bar:ジュースバー(絞りたてのジュースをだす店)
pop up:(ここでは)現れる、出現する
in different places around the world:世界のあちこちで
Smoothie:スムージー(英: Smoothie)は、凍らせた果物、又は野菜等を使った、シャーベット状の飲み物である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
energy drink:栄養ドリンク
blend:混ぜ合わさる、混合する
ingredient:材料、ネタ、原料、含有物
kale:ケール(英語: Kale, Borecole、学名:Brassica oleracea var. acephala)はアブラナ科の野菜。和名はリョクヨウカンラン(緑葉甘藍)、ハゴロモカンラン(羽衣甘藍)。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
chard:フダンソウ(不断草、恭菜、フダンナ、唐萵苣、スイスチャード Beta vulgaris var. cicla (L.) K.Koch)は、アカザ科フダンソウ属の一年草-二年草。葉菜として改良されたビートの一系統(リーフビート)。甜菜やテーブルビートとは同種。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
spinach:ほうれん草
promote:販売促進する、宣伝する
in part:一部分において、一つには、ある程度、幾分
brightly coloured:明るい色の、鮮やかな色の、色鮮やかな
more and more:ますます、どんどん、いよいよ
cooking ingredient:食材
protein-rich:高タンパクの、タンパク質を豊富に含む
substitute for:~の代用品、代わりとなるもの、代替、~と置き換わる
pasta:パスタ
mayonnaise:マヨネーズ
benefit:便益、恩恵、利益
advantage:有益な点、利点、強み、長所、優位
potentially:潜在的に、~の可能性がある
whole:全体、まる、分けられていない、一体となった
BBC Radio 4’s The Food Programme:
Plant Science:植物科学
Cambridge University:ケンブリッジ大学(University of Cambridge)は、イギリスの大学都市ケンブリッジに所在する総合大学であり、イギリス伝統のカレッジ制を特徴とする世界屈指の名門大学である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
agriculture:農業
becoming stretched,:(訳に自信なし。イメージとしては一杯一杯まで引き伸ばされている様子か)
stretch:(ここでは)能力一杯に働く、限界まで引き伸ばす、ぎりぎりまで使う
例文stretched tight:(風船が)パンパンに空気が入った状態である
例文feel stretched way:無理しているように感じる
there’s an interest:(下記参照)
参考there is increasing interest in:~への関心が高まっている
参考there is renewed interest in:~に新たな関心が持たれている
increase productivity:生産力を増やす、生産性を高める
by other means:他の手段によって
sustainable:維持できる、持ちこたえられる、持続できる、
intensification:強化、増大、激化
food security:食料安全保障
issue:問題、問題点、論点、争点
make sure:確実に~する
nutritionally:栄養的に
-rich:~に富んだ
agricultural land:農地、農耕地
resource:資金、要因、資源、資力、資産
farm land:農地、農業用地
meet a need:ニーズを満たす、要求に応える、必要に応える
meet:合う、満足させる、かなえる、満たす、かなう
possible solution:可能な解決策
possible:可能性がある、見込まれる、考えられる、予定される、予定の
damage:損害を与える、損傷を与える、~を損なう
all sorts of:あらゆる種類の
location:場所、位置、配置
possibility:可能性、実現性
landscape:景観、風景、地形、地勢
spot:~に気付く、~を見分ける
amazing:驚くほどの、すごい、素晴らしい
correct:正しい、正確な、誤りのない
scientific name:学名
all about:~に関する全て
scientifically:科学的に
life form:生物形態、生命体
promote:促進させる、助長させる
harm:害する、害を及ぼす、損害を与える
lots more:ずっと
learning material:学習教材
topical:今話題の、時事の、時事問題の
p084lmhj
パスタに鶏卵?と思ったら、生パスタには鶏卵が使われていという知識を得た。