6 Minute English
Covid-19: The office after lockdown
EPISODE 200709 / 09 JUL 2020


[前書き]

コロナウイルスの流行が職場を変えつつあります。都市封鎖を終えて社員が徐々に仕事に戻っているため、技術系企業は社員が安全に復帰する方法を見つけるのに追われています。ニールとサムは各社で試されている新技術について議論し、関連する語彙を皆さんにお教えします。

[台本]

ニール:こんにちは。この番組は BBC Learning Englishがお送りする 6 Minute Englishで、僕はニール。

サム:そして私はサム。お聞きのように、まだ在宅勤務をしていますが、多くの人が職場への復帰を始めています。

ニール:そして安全確保のため、一部の仕事場には新しい温度カメラが設置されている。体温を測定してコロナ患者をふるいにかけるためだ。

サム:何週間かの在宅勤務の後、職場への復帰がいくつもの国で徐々に進んでいます。

ニール:しかしこのコロナウイルス時代にあって、職場は変化を余儀なくされている。多くの企業が、会社や職場をより安全にするための技術の導入を急いでいる。私たちの動きを監視するセンサーや同僚と近づきすぎると警告するスマホアプリ、更には体温を測定する機器さえ。その全てが「新常態」になるかもしれない。これは近頃よく聞く言葉だけど、その意味は、以前は馴染みのなかった状況が、今では普通で予想されるものになったということ。

サム:今回の番組では、こうした技術がどう機能するのかを調べ、それが本当に私たちが求めている答えなのかを問い掛けます。

ニール:でも先ずは、今日のクイズ質問だ。さっき言った温度カメラは身体のある部位の皮膚温を表示することでコロナ患者を見つけるんだけど、それは内部の体温に最も温度が近い所なんだ。でも一体どの部位だろう? それは、

a) 目、
b) 耳、それとも
c) 鼻?

サム:a)の目にします。

ニール:分かったよ、サム。君が正しかったかは後程明らかにしよう。さて、社員がだんだんと仕事に戻っているので、テック系企業は社員が安全に仕事する策を見つけるのに追われている。そうした企業の一つがマイクロシェア社で、経営者はチャールズ・パーメルだ。彼はBBCワールドサービスの番組「テック・テント」で話をし、考え得る解決策について説明をしている。

チャールズ・パーメル
我々が提供している技術では、職場内で人々が身に着けるブルートゥースの腕輪や札を利用し、それが近接事象を検知します。近接事象が記録されていると、それは企業が保存していますから、いつか将来になって必要になった場合には、感染していると明らかになった特定人物の足取りを辿り、そして接触した可能性がある他の全員に通知します。

ニール:コロナウイルスを制御する重要な方策の一つに「接触追跡」が挙げられる。その意味は、検査でこの病気の陽性だと分かった人が、接触した他のすべての人に通知すること。マイクロシェアのシステムは、このためにブルートゥースを使っている。その技術はパソコンや携帯、その他の機器が、有線でつながっていなくても互いに通信しあうことを可能にするんだ。

サム:社員はブルートゥースの腕輪を身に着け、従業員が近接近した場合には登録します。ある人が他の人とどれだけ近づいたかを。

ニール:同僚と接近したことがある人は誰でも、その後、措置を講じる必要があると知ることになる。もしその人がコロナウイルスに感染していることが後々になって、つまり将来になって判明した場合には。

サム:腕輪を装着して、スマホでデータを監視して、カメラで記録されている。どれもかなりひどいプライバシーの侵害に思えますが、違いますか?

ニール:確かにそうだ。そして、この前例のない時期にはこうした措置が必要だと主張する人もいるが、一方で起こりうる結果について懸念している人もいる。ここで人権派弁護士のラビー・ナイクが警鐘を鳴らしている。

ラビー・ナイク
人権の観点からいえば、こう問わなければなりません。技術のために技術を使おうとしているのですか。これは実際に、誰が仕事に戻るのが安全なのか理解するのを容易にしてくれるのか、そうでないのか? もしそうでないなら、これの必要性は一体何ですか。なぜなら、これは基本的人権へのかくも顕著な干渉なのですから。高水準な証拠に基づく大義名分がなければなりません、この手の技術を配備するには。で、それがあるようには私には思えません。

ニール:ラビーが疑問を呈しているのは、こうした機器が本当に、誰が仕事に復帰できるのか確認する役に立つのか、それとも、技術はそれ自体のために使われているのかだ。この表現の意味は、それが面白くて楽しいから何かをしているのであって、必要だからではない。

サム:ラビーの弁護士としての仕事には、何かが正しいのか間違っているのかの証拠を見つける事があります。もし人の人権が妨げられているのなら、彼は考えでは、そこには証拠となる正当な理由がなければなりません。なぜ、あることをするのは正しいのかの、証拠に基づいた理由の説明です。例えば、体温を検査することで得られた証拠のように…

ニール:…それで今日のクイズ質問に戻ってきた。思い出して、僕が聞いたのは身体のどの部位が、体温を測定するために温度カメラで検査されるのかだ。

サム:で、私はa)の目だと言いました。

ニール:それはまったくの正解だ! 目の涙管の近くにある小さな場所が、体温を測定するための最も正確な皮膚の場所なんだよ。

サム:Well, there you go. 私たちが議論してきたのは、コロナウイルスを防ぐために使われている温度カメラやその他の職場の装置が、いかにして'new normal'になってきたか。つまり、これまでは馴染みのなかった状況が常態化しつつあります。

ニール:そうした機器の中には、'Bluetooth'付きの腕輪がある。パソコンやスマホを線でつながなくとも遠隔で交信するのを可能にする技術だ。それなら、近くに'proximity'していた職場の同僚を識別できる。言い換えれば、互いに近くにいた人を。

サム:それは、職場の誰かが検査でコロナウイルス陽性だと分かったら、'further down the line'に役立ちます。つまり将来のある時点で。

ニール:コロナウイルスの大流行は、世界中の職場で大規模な変化を引き起こしてきた。だが批判する人の中には、接触追跡技術が'for its own sake'に使われていることを憂慮している人もいる。つまり、そうするのが面白くて楽しいからであって、必要不可欠だからではないのだ。

サム:そして、新技術の多くが人のプライバシーを侵害しているため、'evidential justification'がある場合にのみ、取り入れるべきです。何故それをするのが正しいのかの、根拠に基づいた説明のことです。

ニール:残念ながら、持ち時間は以上です。でもまた参加するのをお忘れなく。ではまた次回!

サム:さよなら!

[ノート]

outbreak:勃発、発生、流行
workplace:仕事場、職場
employee:従業員、会社員、雇用者
lockdown:封鎖
busy:忙しい、多忙な、にぎわっている、ごった返す、活気がある、活動的な、精力的な
例文busy with one's job:仕事で忙しい、仕事に追われている
find a way:方法を見つける
try:試す、やってみる、試みる、企てる、試験する
office:会社、事務所、営業所、オフィス

work from home:在宅勤務をする、自宅で仕事をする
as you can hear:(多分、訳のような意味だろう)
thermal camera:温度カメラ(日本語だと「サーモグラフィ」「赤外線カメラ」等が一般的な言葉かな?)
thermal:熱の、熱による、温度の
install:組み込む、導入する、設定する、据え付ける、設置する、取り付ける
measure:測る、測定する
screen for coronavirus:(多分、訳のような意味だろう)
screen for:ふるいに掛ける、~を探る
screen:検査する、選抜する、ふるいにかける
例文screen for tuberculosis:結核の検査をする
get underway:始まる、進む、開幕する
underway:進行中で、移動中で、既にスタートしている、始まっている、進行中で
a number of:多数の、たくさんの、多くの、幾つかの、いくらかの、複数の、若干の
be having to:~しなければならなくなっている、~しなければならない状態だ
era:時代、年代、時期
rush to:大急ぎで~する
Sensor:センサー、感知装置、検出器
monitor:監視する、観察する、傍受する、モニターする、検査する、測定する
alert:警告する、警報を出す、注意を喚起する
get close:近づく、接近する、なれなれしくする
workmate:職場の同僚、仕事仲間
device:機器、装置、道具
take one's temperature:体温を測る
new normal:ニュー・ノーマル(英語: New Normal)は、ビジネスや経済学の分野において、2007年から2008年にかけての世界金融危機やそれに続く2008年から2012年にかけての大景気後退の後における金融上の状態を意味する表現。この言葉は、以降、様々な文脈で用いられるようになり、かつては異常とされていたような事態がありふれた当然のものとなっていることを意味するようになった。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)日本語だと、「新しい日常」「新しい生活様式」「新たな常態」などの言い方がある。
phrase:言い回し、言葉遣い、表現法、成句、言葉、語句、表現、フレーズ
previously:前に、以前に、先に、既に、前もって、これまで
unfamiliar:慣れていない、親しくない、よく知らない、見慣れない、なじみのない
usual:通常の、通例の、普通の、いつもの、よくある
expected:予期される、予想された、起こり得る、起こる可能性のある
take a look at:ちらっと見る、目を通す、見る、調べる、注目する、目を向ける
ask if:~かどうかを尋ねる
look for:探す、探し求める、予期する 
mention:言及する、述べる、触れる、話に出す、口にする
record:~を記録する、~を登録する、~を録音・録画する、表示する、示す
例文The anemometer recorded a wind speed of 136mph.:風速計が時速136マイルを示した
skin temperature:皮膚の温度、皮膚温
closely resemble:~に酷似している、非常によく似ている
closely:接近して、近くで、注意深くて,綿密で、厳密で
resemble:似ている、共通点がある
例文resemble a flying saucer:空飛ぶ円盤に似ている
internal:内部の、内側の、体内の
manage:(ここでは)経営する、管理する、運営する
Charles Paumelle:Chief Product Officer & Co-founder at Microshare.io(Linkedinの記載
BBC World Service:BBCワールドサービス(英語: BBC World Service)とは、イギリスの英国放送協会(BBC)が海外向けに放送を行っている国際放送のことである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Tech Tent:(どういう意味合いか分からない)
tent:テント、天幕
possible solution:可能な解決策、考え得る解決策
Bluetooth:Bluetooth(ブルートゥース、ブルーツース)は、デジタル機器用の近距離無線通信規格の1つである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
wristband:腕輪、リストバンド、ブレスレット
tag:付け札、タグ、ラベル
within:~の中で、内部で、~以内で、~のうちに、~の範囲内で
detect:見つける、気付く、見抜く、発見する、検知する、検出する
proximity event:(勝手に作った訳語)
proximity:近いこと、近接
event:出来事、事件、行事、事象
例文event associated with:~に関連する事象
save:(ここでは)確保しておく、取っておく、残しておく、記録する、セーブする、保存する
in case:念のため、万が一、に備えて、~の場合は
例文in case of need:必要な場合には、いざとなれば
例文in case it gets wet:雨が降った場合に備えて
further down the line:('further'抜きの'down the line'と同様の意味だろう)
further:更に遠い、なお一層の、さらなる、追加的な
down the line:いずれ、そのうち、将来において、いつかある時点で
参考way down the line:遠い将来
retrace the steps of:(retrace以下の文の主語は何なんだろう?)
retrace:引き返す、たどる、遡って調べる、回顧する、振り返る
step:一歩、歩み、足取り、足跡、道のり、道筋
例文mentally retrace one's steps:自分の足取りを思い起こす
certain person:ある人
declare:宣言する、宣する、布告する、断言する、明らかにする、打ち明ける、公表する、表す
例文declare one's stance on:~について立場を明らかにする
例文declare an intention:意図を公表する
infected:感染した
inform:情報を与える、知らせる、通知する、報告する、連絡する、告げる
in contact with:~と接触して、連絡を取り合って、時々会って、交際して
control:操作する、制御する、規制する、抑制する、支配する、統制する
involve:含む、伴う、関わる、巻き込む
contact tracing:(日本語だと「接触確認」の方が主流かな?)
contact:<名詞>接触、接点、密着、関係、交流
trace:跡を追う、探し出す、突き止める、明らかにする、解明する
test positive:検査で陽性と出る
disease:病気・疾患
inform:情報を与える、知らせる、通知する、連絡する、告げる
allow:許す、許可する、認める、できるようにする
communicate:やりとりする、交換する、伝える、通信する、交信する
connect:つなぐ、接続する、結合する、結び付ける
wire:針金、ワイヤ、電線、ケーブル、電話線、通信回線
例文be connected by a wire with:~と線でつながっている
register:記録する、登録する、記名する
come into:~に入ってくる、~に加わる、~に加入する、~に参加する、~の状態になる、~になり始める、相続する、受け継ぐ
close proximity:近接近(この訳語でいいのか不明)
near:近い、近くにある、接近した、近接した
take action:行動を起こす、取り掛かる、措置を講じる、対応策を取る、対策を取る
be found to:~が分かる、発見される、~と判明する、と考えられる
in the future:将来は、今後は、これからは
feel like:~したい気がする、~のような気がする、どうやら~らしい
big:(ここでは)重要な、重大な、大変な、ひどい
invasion:侵入、侵略、押し寄せること、襲来、侵害、侵犯
privacy:人目を避けること、プライバシー
certainly:確実に、確かに、必ず
argue:主張する
measure:手段、方策、処置、対策、措置
unprecedented:前例のない、異例の、空前の、かつてない、前代未聞の、今までに例のない
be worried about:気になる、心配である、悩む、気掛かりである、懸念する
possible consequence:起こり得る結果、可能性のある結果
consequence:結果、結論、帰結
human-rights lawyer:人権問題専門の弁護士、人権派弁護士
human rights:人権
Ravi Naik:この人かな?
with a warning:(多分、訳のような意味だろう)
warning:警告、警報、警鐘、いさめ、忠告、注意
from a perspective of:~の視点からすれば、~の観点から言えば
perspective:見方、態度、視点
sake:目的、目指すもの、ため
例文for explanation's sake:説明のために
actually:実際は、本当のところは、実は、実のところ
facilitate:楽にする、容易にする、促進する、円滑に進める、手助けする
understanding:理解、把握
go back to:戻る、帰る、再び取り掛かる
or not?:(この'or not?'は、facilitateにつながっていると判断したが、'is safe to go back'への'or not'かもしれない。)
necessity:必要、不可欠、必要品、必需品、必然、不可避
significant:重要な、意義深い、重大な、大幅な、かなりの、著しい
例文significant adverse environmental effects:顕著な環境悪影響
interference with basic human rights:('interference'は「妨害・妨げ」か「干渉・介入」か、どの訳語がふさわしいのか不明)
interference:干渉、介入、関与、妨害、障害、邪魔、支障、衝突
例文avoid interference with:~への干渉を防ぐ、妨害を防ぐ
evidential:証拠の、証拠に基づいた
justification:正当化、理由、正当な理由、正当性、言い訳、大義名分、根拠
deploy:配備する、配置する、展開する
question:(ここでは)疑問に思う、問題にする、疑う
identify:確認する、識別する、割り出す、明らかにする、特定する
for one's own sake:自分自身のために
例文take pleasure in learning for its own sake:学ぶこと自体に喜びを感じる
enjoyable:楽しめる、楽しい
find a proof:証拠を見つける、証拠を探す
explanation:説明、弁明、釈明、原因、真相、解釈
evidence from:~の証拠、~による証拠、~から得られた根拠
例文evidence from clinical trial:臨床試験による証拠
bring back:戻す、返却する、連れ戻す、連れて帰る、呼び戻す
scan:詳しく調べる、精査する、見通す、走査する、スキャンする、解析する、検査する
absolutely:完全に、100%~だ、全く、確実に、決定的に、絶対に、間違いなく
tear duct:涙管
accurate:正確な、精密な
skin:皮膚
Well, there you go.:(訳出来ず。)
there you go:はいどうぞ、それでいいよ、よくやった、その通り
prevent:防ぐ、止める、阻止する、阻む、抑える
normalised:正常化された
normalize:標準化する、正常化する、常態にする
remotely:遠く、遠く離れて、遠隔で
work colleague:職場の同僚
helpful:役立つ、助けになる、有益な
at some point:ある時点で、いつか、ある時期に
cause:引き起こす、原因となる
massive:巨大な、非常に重い、圧倒的な、壮大な、大規模な
critic:批判する人、評論家
be concerned:懸念する、心配する、憂慮する、気にする
rather than:~よりはむしろ、かえって、~しようとしないで、~ではなく
absolutely necessary:不可欠である、なくてはならない、絶対に必要である
since:(ここでは)~なので、~だから
invade:侵攻する、攻め入る、入り込む、妨害する、侵害する
personal privacy:個人のプライバシー
introduce:(ここでは)導入する、取り入れる
Unfortunately:不運にも、不幸なことに、残念ながら、あいにく、
That’s all:それがすべてだ、それで終わりだ、以上です、ただそれだけだ
Bye for now:またね、じゃあまた後で、次回お会いしましょう
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涙腺は目尻寄りの上側にあって、そこから出た涙は眼球表面を潤して目頭の上下涙点に吸い込まれ、鼻涙管'nasolacrimal duct'経由で鼻の奥に流れて行くのだそうだ。つまり目頭付近で測るのがいいってこと?