AS IT IS
Japanese Youngster Starts Online Counseling Service
October 31, 2020
78901DCC


13歳から19歳の日本の若者の間で自殺が増加している。子供の頃にうつ病で苦しんでいた21歳の大空幸星はそのことを心配している。

大空は「あなたのいばしょ」という非営利のボランティア組織を立ち上げた。英語では「あなたの為の場所」という意味だ。この団体は、親身になって話を聞いてくれる人を探している人に24時間、チャットによるサービスを提供している。「あなたのいばしょ」はすべての依頼に可能な限り早く、時には数秒で、返答することを約束している。

オンラインの日本語でのメッセージサービスは、3月以降、ボランティア500人へと拡大した。ボランティアの多くは様々なタイムゾーンの諸外国に住んでおり、彼らは自殺が最も多くなる時間帯に支援を提供している。夜の10時から夜明けまでだ。

新型コロナ危機が起きている間、大空のアイデアは効果を発揮した。業務のすべては、ボランティアの訓練も含めて、オンラインで行われている。「あなたのいばしょ」のボランティアの人数は急増した。こうしたオンラインサービスは日本では珍しい。

「このことは私にとても希望を与えてくれています」と、大勢のボランティアについて大空は話している。「何かせずにはいられなかったと彼らは言っています」。

「あなたのいばしょ」は助けを求めるメッセージをオンラインで1万5,000通以上受け取ってきた。一日に130通程度だ。

幾つかのメッセージにはとても切実な苦悩が書かれている。ある相談者は自分の子供を殺してしまうことへの恐怖を語っている。また別の人は親から性的虐待を受けた後の自己嫌悪について話している。

「あなたのいばしょ」に送られてきたメッセージの32%は自殺に関するもので、12%は育児の難しさや不安についてだ。

ボランティアの目標は、40分以内に直ちに助けの手を差し伸べることだ。そこには、相談者が警察に助けを求めたり保護施設に支援を依頼するよう助言することも含まれている。

日本では一日に約50件の自殺が起きている。女性は三日に一人の割合で配偶者もしくは元配偶者に殺害され、毎年16万件の児童虐待が報告されている。この情報の出所は日本政府や国連の資料だ。今年起きた日本の有名人の何人かの自殺は、日本における心の健康問題に新たな関心を呼び起こした。

ウエハラスミエは「あなたのいばしょ」のボランティアだ。彼女は、オンラインのチャットを介して人を助けるのは困難な場合があると話している。それは、使えるものが言葉だけだからだ。

「決して、相談者の気持ちを否定したり、あらゆることを急いで解決しようとしたりはしません。ただ耳を傾け、理解するためにそこにいるのです」と彼女は話している。

大空は、日本人はまだ健全な孤独と不健康な孤独さとの違いを理解していないと思うと話している。

大空によれば、彼が信頼することを学んだ初めての大人は高校時代の教師フジイタカシだった。

「彼がいなければ、今の私はいなかったでしょう。彼と出会えたのは奇跡です」と大空は話している。

フジイは覚えている。彼は、大空がまったく笑わないことに学校で気付いたと話している。この教師によれば、彼が生徒を気に掛けていることを示そうとし、生徒が人生にワクワクするように努めた。

大空は研究プロジェクトのために「あなたのいばしょ」からの情報収集を開始している。彼は大学での研究を英国で続けたいと考えている。英国は、2018年に孤独問題担当国務大臣を任命したことで公衆衛生問題への取り組みで世界のリーダーになっている。

しかし大空は、彼の最大の夢は幸福な家族を持つことだと話している。

彼はこう話している。「私には一度もなかったものです。父親がいて、母親がいる。子供たちは幸せで、やりたいことが何でもできる。それはありふれた家族ですが、でもむしろ、それが私が一番欲しい物なのです」。

ジョナサン・エバンスでした。

[ノート]
Counseling:カウンセリング、相談、助言
start:始める、開始する、設立する、立ち上げる

Suicide:自殺
on the rise:上昇中で、上昇傾向で
concern:(ここでは)心配させる、に気をもませる、気にかかる、不安になる
Koki Ozora:この人
suffer from depression:うつ病を患う、うつ病に苦しむ、うつ病にかかっている
as a child:子どもの頃に、幼い頃に
nonprofit:非営利の
volunteer organization:ボランティア組織
Anata no Ibasho:(サイト等は下の方に貼っています)
seek:見つけようとする、探し求める
sympathetic:同情的な、思いやりのある、共感する、好意的な
例文sympathetic audience:親身に聞いてくれる人
listener:聞き手、聞き役
promise:約束する、誓う、請け合う、断言する、保証する
request:頼むこと、依頼、要求、要望、要請、頼み事、懇願
as soon as possible:出来る限り早く
within seconds:数秒以内に、たちまち
message service:メッセージサービス
grow:成長する、育つ、大きくなる、増える、増大する、高まる
other countries:諸外国
different:相違する、違っている、異なる、いろいろな、種々の、さまざまの
time zone:タイム・ゾーン、時間帯、時刻帯、時差帯
provide:供給する、提供する、もたらす、与える
provide assistance:援助をする、支援を実施する、支援を行う
common:一般的な、普及している、よく起こる、日常的な、普通の
例文disease common in the elderly:高齢者に多い疾患
sunrise:日の出
idea:考え、着想、アイデア、発想、思い付き、意図、狙い、目的、意見、見解
work well:うまく機能する、功を奏する、効果がある、役に立つ
COVID-19:2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(しんがたコロナウイルスかんせんしょう、国際正式名称:COVID-19)は、SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)がヒトに感染することによって発症する気道感染症(ウイルス性の広義の風邪の一種)である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Every part of:あらゆる部分
operation:操作、運転、運用、稼働、作業、工程、業務、事業、営業、経営、運営
carry out:実行する、遂行する、行う
grow quickly:急速に高まる、急速に上昇する
rare:まれな、まれに見る、めったにない、珍しい
just have to:~するしかない、~しなければ仕方ない、~せずにはおれない、~せざるを得ない
ask for help:助けを求める
express:述べる、言う、表す、示す、伝達する、表現する
deep:(ここでは)強度の、極端な、凄まじい、激しい、切実な、重大な、深刻な
pain:痛み、苦痛、骨折り、苦労、悩みの種、苦悩
texter:テキストメッセージを送る人
discuss:話し合う、意見を交わす、議論する、説明する
fear:恐れ、恐怖感、恐怖心、懸念、心配事、不安
self-hate:自己嫌悪
sexually abused:性的虐待を受ける、性的暴力を受ける
concern:(ここでは)関係する、関与させる
例文The research concerns social change.:その調査は社会変化に関するものである
worry:
不安、心配、気掛かり、気苦労、懸念、憂慮
parenting:しつけ、親業、子育て、育児
goal:目標、目的
immediate help:即時支援
immediate:即時の、即刻の、当座の、差し迫った、緊急の
The advice can include that a texter seek help from police or aid from a shelter.:(訳に自信なし。意訳すればこういう意味だと思うのだが。)
advice:アドバイス、忠告、助言、勧告
include:含む、盛り込む、取り入れる
seek help from:~に助けを求める、~に援助を求める
例文seek help from a physician:医師に助けを求める
aid from:~からの援助
例文implore aid from:~に援助を請う
shelter:避難所、シェルター、保護所、救護施設、一時的な収容施設、保護施設
partner:配偶者、連れ合い
former:元の、先の、かつての
child abuse:児童虐待
come from:~から来る、~に由来する、源を~に発する、~によってもたらされる
Several:数個の、幾つかの
celebrity:有名人、著名人
bring attention to:注意を向ける、関心を向ける、関心を呼び起こす、注意を喚起する
mental health issues:精神衛生上の問題点
Sumie Uehara:(資料見つからず)
not ~ ever:決して~ない
negate:否定する、否認する
feeling:感情、気持ち
in a hurry:急いで、慌てて
understand:理解する、分かる、把握する、共感する、同情する、そのとおりだと思う
recognize a difference:違いを識別する
recognize:識別する、見覚えがある、覚えている、見分けがつく
例文recognize cultural diversity:文化の多様性を理解する
healthy:健康な、健やかな、健全な、正しい、健康的な
solitude:孤独、独りぼっち
unhealthy:病気の、不健康な、健康に悪い、体に有害な、病気の兆候の、病気からくる、不健全な、有害な
aloneness:孤独さ、孤独な状態
trust:信頼する、信用する
Takashi Fujii:(資料見つからず)
I wouldn’t even be around today. :(訳に自信なし。文脈から憶測)
around:活躍して、活動して、機能して、存在して、健在で、元気で
例文She'll be around for a long time.:彼女は長く活躍するよ
例文The idea has been around for years.:その考えは昔からずっとある
miracle:奇跡、驚くべきこと、奇跡的な出来事
come across:~に出くわす、出会う、偶然見つける、見掛ける、遭遇する
The teacher said he tried to show care for his student and get him excited about life.:(訳に自信なし)
show:見せる、示す、表す、表示する、あらわにする、与える、注ぐ
care:気にかけること、気がかり、注意、用心、心配、関心気づかい、面倒、世話
例文show someone how much one cares:自分がどれだけ気に掛けているか示す
get someone excited:人を興奮させる
excited about:~に興奮する、ワクワクする、沸き立つ
Great Britain:グレート・ブリテン(正式名称ではないものの、the United Kingdomの代わりに使われる)
world leader:世界的な指導者、世界をリードする人
deal with:取り組む、解決しようとする、対処する、処理する
public health issue:公衆衛生問題
Minister for Loneliness:孤独問題担当国務大臣は、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)政府に設置された、社会的孤独者問題に対処するために任命された「国務大臣」のことである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
name:指名する、任命する
everyday:(ここでは)ありふれた、平凡な
if anything:どちらかといえば、それどころか、むしろ、いずれにしても、もしあるにしても
例文Things are, if anything, improving. :事態はむしろ好転してきた.

まず、あなたのいばしょのサイトを貼っておきます。
サイト

インスタグラム

ツイッター


'Suicides are on the rise among Japanese young people aged 13 to 19.'という文について、「データえっせい」というサイトの、「コロナ渦の影響を受けているのは誰か」という記事にこの件が詳しく書かれているので、その表を引用します。
検証A
6月まで前年比でマイナスだった自殺が8月に急増しています。
検証C
そして増加率が大きいのが「20歳未満」特に「女子」です。
検証D
女子中高生の増加が顕著だと分かります。ふむ。

「あなたのいばしょ」に関する日本での報道をいくつか紹介しておきます。朝日新聞の「論座」というサイトから、

一部引用すると、
 私が代表を務めるNPOあなたのいばしょでは、24時間365日、年齢や性別を問わず、誰でも無料・匿名で利用できるチャット相談窓口を運営している。誰かに頼りたくても頼れない、話したくても話せないという「望まない孤独」によって苦しんでいる人が、「信頼できる人」にいつでも確実・簡単にアクセスできる窓口だ。

 私自身、ひとり親家庭で育ち、家庭内トラブル、不登校など様々な経験をしてきた。頼れる人がおらず、常に「孤独」で、自らの人生に希望を失い、どうやって死ねるかを常に考えていた時期もあった。

 しかし、私にとって人生で初めての信頼できる人となる、高校で3年間担任だった先生と「奇跡的」に出会えたことで、私の人生は大きく好転した。何か問題が起きても頼れるという安心感を得ることができたのだ。その安心感は、家庭の問題などを乗り越える力をくれ、大学進学を大きく後押ししてくれた。私が現在、大学生でいられるのは、その先生の存在によるところが大きい。

 しかし現在、過去の私のように、頼れる人がいないことによって様々な問題を抱えて苦しんでいる人が、私にとっての先生のような、「信頼できる人」に出会えるとは限らない。そうした人に巡り合えるかは「運」であり、「奇跡」なのだ。

 私はそれを「奇跡」ではなく、問題を抱えて苦しんでいる時に誰もが「確実」に信頼できる人にアクセスできるような社会にしていきたいと思っている。過去に悲観的になるのではなく、自分の過去と同じ状況にいる人たちに手を差し伸べていくことが「信頼できる人」を得た私の使命だと考えるからだ。

 そうした想いで設立したのが、この相談窓口である。
なるほど。
高校生新聞onlineというサイトから、

ABEMA TIMESというサイトから、

産経新聞から、