6 Minute English
Coronavirus vs other pandemics
EPISODE 201224 / 24 DEC 2020


[前書き]

スペイン風邪といった歴史的な大流行や、大恐慌のような経済危機と比べると、コロナウイルスはどうやらそれほど酷いものではないようです。ニールとジョージナはコロナウイルスと他の大流行とを対比する歴史家の視点について議論します。

[台本]

ニール:こんにちは。この番組は BBC Learning Englishがお送りしている 6 Minute Englishで、僕はニール。

ジョージナ:そして私はジョージナです。

ニール:今回のコロナウイルスには本当にうんざりしてるよ、ジョージナ! 人々は病気になり、職を失い、それになんといっても場所によってはパブが閉まっている!

ジョージナ:良くないのは分かっていますよ、ニール。でも、スペイン風邪のような歴史的大流行や、世界恐慌といった経済危機に比べれば、コロナウイルスは実のところ、さほど酷くありません。もっと大局的に見る必要があります。複雑な状況の、長期的で全体的な見方です。

ニール:うーん、どうもそれはあまり慰めにはならないね、ジョージナ! でも、話を続けて…

ジョージナ:では、私たちは政治家や科学者からコロナウイルスの流行について沢山話を聞いてきましたが、でも歴史家の見解は斬新な大局観を与えてくれるかもしれません。しかももしかすると、より希望に満ちた見方を。そこで今回の番組では、ベストセラーとなった本、「シルクロード」の著者である歴史家・ピーター・フランカパンの話を聞くことにしています。

ニール:ああ、その本のタイトル「シルクロード」で、僕のクイズ質問を思い出したよ、ジョージナ。受けて立つ用意はいいかな?

ジョージナ:いいですよ、ニール。でも、シルクロードについて私が知っていることと言えば、それが古代の通り道で、それに沿って人々が地球を旅したことぐらいです。

ニール:素晴らしいよジョージナ! 人間ばかりではなく、考えや宗教や言語も、そして病気もこうした太古の道を通ってあちらこちらに移動したんだ。でも、シルクロードが通っていたのは、正確にはどこだろう? それが僕のクイズ質問だ。それは、

a) 南アフリカからヨーロッパまで?
b) アフリカからアジアまで?、それとも
c) アジアからヨーロッパまで?

ジョージナ:そうですね、今の大流行は武漢からやって来たのですから、私はc)のアジアから欧州にします。

ニール:分かったよ、ジョージナ。それが正しかったかは後程確認しよう。確かなのは、病気があちらこちらに広がり、動物から人へとうつるのは、別に目新しくないことだ。歴史家のピーター・フランカパンがBBCの番組「痛烈な対話」でインタビューを受けているのを聞いてみよう。

ジョージナ:どうやって病気が蔓延するのかについて、彼が挙げて原因を聞き取れるでしょうか。

ピーター・フランカパン
歴史家がこう言うのはかなり予想が付きますが、変化や広く蔓延する病気は、今に始まったことではありません。私たちの祖先はみんな、巨大な流行を乗り越えてきました。その中のいくつかはコロナウイルスよりもずっと致死的でした。そして、人口密度が高い中で共同生活をしている帰結の一つとして、歴史的な記録がある限り遡ると、病気が動物から人間へ移行してそれが損害を与えることが何度もあることに気付きます。そしてその損害は、一般的には死亡率で算出されますが、一方では病気の経済的社会的な重大性でも算出されます。歴史には、そこから学ぶべき事例がたくさんありますよ。

ニール:コロナウイルスと比べると、歴史上の他の大流行ははるかに致命的だった。つまり死をもたらすほど危険だった。

ジョージナ:ピーターがその原因として挙げていた一つが、高い人口密度です。つまり、人々が建物内で互いにとても接近して一緒に暮らしていること。昔は動物も同居していたということもあり、そのせいで病気の人への伝染がはるかに容易だったのです。

ニール:その通りだ、ジョージナ。ちょうどノミが湧いているネズミのように。それが中世に欧州全土でペストを広めた。

ジョージナ:でも時代は変わり、今ではほとんどの人の暮らし方は、何世紀も前に生きていた人とは大きく違っています。

ニール:では、2020年のコロナウイルスの大流行はどう説明がつくのだろう? また、幾つかの国が他の国に比べて非常に上手く対処できているのは何故だろう? ここでピーター・フランカパンの再登場だ。BBCの「痛烈な対話」で話をしている。

ジョージナ:良く聞いて、彼の答えを見抜けるか確かめてください。

ピーター・フランカパン
実は世界における地理的な位置が重要です。もし、もしそこが地理的に辺境であれば、スカンジナビアやニュージーランドのようなら、被る苦みは違います、世界のその他の地域との繋がりの水準が違います。もし英国のような国であれば、それは世界の全航空路線の中心にいるので、すると人々が行ったり来たり、その国を出たり入ったりする発生率で、ずっと早く流行し感染することになるでしょう。得点表は非常にまちまちで、民主主義体制の中でも先回りして極めて立ち直りが早く頑強だった国もあれば、読み違えている国もあります。

ニール:ピーターによれば、地理的に辺境な国は、つまり物事の周辺や端っこにいて、中心でなければ、リスクは少ない。

ジョージナ:その一方で英国は、全世界の航空路線の中心にいます。つまり航空機が利用する乗継便の中心に。来訪する航空機の乗客が病気を広めることが、英国がコロナウイルスで被る苦みの背後にある原因の一つです。

ニール:ここでの「被る苦み」は、不快な経験の砕けた言い方として使われている。

ジョージナ:ですから歴史的な見地から言えば、この現在の大流行はそう悪くは思えません。死んだ人は以前の大流行に比べてずっと少なく、ワクチンが到着するので、終わりはほぼ見えています。

ニール:うーん、僕もそう思うよ、ジョージナ。でも今のところ少なくとも、パブはまだ閉まっているところがあるんだ! ともあれ、古代以来、病気がどう広まってきたのかを聞くのは面白かったよ。

ジョージナ:シルクロードのような道を通って、という意味ですか? で、あなたのクイズ質問の答えは何だったのでしょうか、ニール? 私のは正解ですか?

ニール:君が言ったのは、古代のシルクロードが通っていたのは、c)のアジアからヨーロッパだけど、それは…、正解だ! それは日本や極東から始まってアジアと中東を経由し、交易と香辛料、更には新たな考えや言語をも欧州にもたらした。

ジョージナ:それは'the bigger picture'を見るもう一つの例に思えます。つまり、込み入った情勢の、長期的で大局的な見方です。

ニール:他の語彙もおさらいしよう。疾患は'lethal'なことがある。死さえ引き起こすほど、非常に危険ということ。

ジョージナ:人口が'high-density'だとは、人々がとても密接に共生していること。

ニール:'Peripheral'な国々はパンデミックの危険性が低いかもしれない。なぜなら、出来事の外縁やはずれにいるからだ。その中心部ではなくて。

ジョージナ:従って'flight route'、つまり飛行機がたどる乗り継ぎの経路が少ない場所では、深刻な'dose'、つまりコロナウイルスの嫌な体験が少ないかもしれません。

ニール:この番組の経験が、あまり不快でなければいいのですが。そして、この語彙をいくつか使ってニュースで話題になっている事について友達とおしゃべりをする機会があることを願っています。

ジョージナ:そしてもし、時事的な議論が好きで見出しで見かける語彙の使い方が学びたいのであれば、News Reviewのポッドキャストをチェックしては如何でしょうか? 6 Minute Englishにまたすぐ参加するのもお忘れなく。

ニール:そして、無料のアプリをいつものアプリストアからダウンロードすることもお忘れなく。そうすれば BBC Learning Englishをフォロー出来ます。我々はソーシャルメディアの至る所にも登場しています。ではまた次回!

ジョージナ:さよなら!

[ノート]

Spanish flu:スペインかぜ(英語: 1918 flu pandemic, Spanish Flu、スペイン語: La pandemia de gripe de 1918、gran pandemia de gripe、gripe espanola)は、1918年から1919年にかけ猛威を振るった全世界的に大流行したH1N1亜型インフルエンザの通称。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によるインフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI)においては最上位のカテゴリー5に分類される。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Great Depression:世界恐慌または大恐慌とは、1930年代にアメリカを皮切りに世界的に起こった深刻な経済恐慌のことである。世界恐慌の時期は国によって異なり、ほとんどの国では1929年に始まり、1930年代後半まで続いた。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
apparently:一見したところ~のようだ、どうも~らしい、どうやら~らしい
historian:歴史家、歴史学者
view:意見、見識、考え、物の見方、視点、見解、見通し

have had enough of:~はもうたくさんだ、~にはうんざりした、~にはこりごりだ
get sick:病気になる、健康を害する、発病する
lose one's job:失業する、職を失う
to top it off:その上、なによりも
in some places:所によっては、一部の地域では
look at the bigger picture:より大局的に見る、もっと広い視野で考える
big picture:全体像、大局
long-term:長期の、長期間にわたる
overall view:全体図、大局
overall:全部の、全体の、全てを含めた、総合的な、全般的な、一般的な
complex situation:複雑な状況
somehow:どういうわけか、どうしたものか、どことなく、どうも
comforting:気分が安らぐ、慰めとなる、励みになる、元気づける
例文comforting lie:慰めるためのウソ、励ますためのウソ
spread:流行、蔓延
might give us a fresh look at the bigger picture:(訳に自信なし)
fresh:新鮮な、新たな、斬新な
例文take a fresh look at things:物事を新たな目で見直す
hopeful:希望の持てる、希望に満ちた
point of view:視点、観点、見方、見解、考え方
Peter Frankopan:本人のサイト
The Silk Roads: amazonのページ
ready to:いつでも~できる、すぐに~できる、~する用意がある
have a go:やってみる
try:試す、やってみる、試みる、挑戦する
ancient:古代の、古い、古びた、古来の、太古からの
route:道、通路、経路、道筋、ルート
along which:に沿って
travel:旅する、旅行する、移動する、進む、伝わる
religion:宗教、宗派、信条、信仰
from place to place:あちこちに
exactly:正確に、厳密に
run:(道路などが)向かう、続く、伸びる
current:現在の、最新の、進行中の
Wuhan:武漢市は、中華人民共和国の中部、湖北省の東部、長江とその最大の支流漢江の合流点に位置する都市である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
find out:見いだす、解明する、理解する、明らかにする、気付く、見破る、答えを出す、謎を解く、調べる
certain:明白な、疑う余地がない
例文have certain knowledge:確かな知識がある
pass:感染させる
例文pass easily between people:人から人に容易に伝染する、うつる
例文pass from mouth to mouth:口伝えに広がる
nothing new:今に始まったことではない、別に珍しくない、新しいことではない
interview:インタビューをする
HARDtalk:HardTalk (styled as HARDtalk) is a BBC television and radio programme broadcast on the BBC News Channel, on BBC World News, and on the BBC World Service.HardTalk provides "in-depth interviews with hard-hitting questions and sensitive topics being covered as famous personalities from all walks of life talk about the highs and lows in their lives."(英語版Wikipediaより)(番組名の訳は適当。司会者がゲストに対して遠慮なく厳しい質問をぶつけていくインタビュー番組らしいので、それ風のタイトルにした。)
参考hard-hitting:力を込めた、力強い、容赦しない、痛烈な、激しい、活気ある
See if:~かどうかを確かめる、~かどうかを見る、~かな?
give a reason for:~に理由を説明する:
it’s a fairly predictable thing a historian would say:(訳に自信なし。文脈からの憶測)
fairly:かなり、相当、極めて、ほとんど、全く
predictable:予測可能な、予測どおりの
例文in a fairly predictable pattern:かなり予測可能なパターンで
change:変化、変更、移行、交換
widespread:広がった、及んでいる、まん延した
ancestor:先祖、祖先
live through:乗り切る、乗り越える、切り抜ける、生き抜く
much more:はるかに、ずっと
lethal:死を招く、致死の、致命的な、致死的な
And one of the products of living together in high-density populations, going back as far as historical records go, is you find there are transitions of disease from animals to human beings and they inflict damage. :(訳に自信なし。→コメント欄参照)
product:帰結、結果、たまもの
living together:共同生活、同居、同棲
live together:一緒に住む、一緒に暮らす、同居する、共生する
high-density:高密度の
density of population:人口密度
population:人口、住民数、人々
go back:遡って
as far as:~の範囲までは、~に関する限りは
record go:(下記参考)
参考go unrecorded:記録に残らない
record:記録、業績、実績、履歴、成績
find:発見する、見いだす、気付く、理解する、~だと感じる、
transition:推移、変遷、遷移、移行、変転、変異
human beings:人間
inflict:与える、押し付ける、課する、負わせる
例文slowly inflict damage:徐々に損害を与える、損傷を与える
And that damage typically you measure in mortality rates but then the economic and social consequences of disease.:(訳に自信なし。→コメント欄参照)
measure:測る、測定する
typically:典型的に、通常は、一般的に、概して
mortality rate:死亡率
but then:とはいうものの一方では、しかしその一方では、そうは言っても、それにしても
consequence:結果、結論、帰結、重大さ、重大性、重要性
例文social consequence:社会的重大性
example:例、実例、実施例、用例、他の例、先例、前例
cause death to:~に死をもたらす、~を死なせる、死を引き起こす.
close:近い、接近した、近接した
to one another:互いに
In olden days:昔々、昔は、昔に
transmission:(ここでは)伝染
flea:ノミ
infest:群がる、はびこる
例文infested with ticks:ダニが湧いている
例文cat infested with fleas:ノミが湧いているネコ
rat:ネズミ
plague:ペスト、疫病、大厄災
Middle Ages:中世
time:時、時代、状況
例文Times have changed. : 時代は変わった
deal with:対処する、処理する、取り組む、解決しようとする
so much:非常に、とても
spot:目印を付ける、目星を付ける、見当を付ける、~に気付く、~を見分ける
例文spot a lie:うそを見抜く
例文spot a problem:問題に気付く、を見つける、を発見する
geographical:地理的、地理学的な
position:位置、場所
matter:重大なこと、重要性
例文It is no matter.:たいしたことでない
geographically:地理的に
peripheral:周囲の、周辺的な、末梢の、中心からはずれた
例文peripheral regions:辺境地域
Scandinavia:スカンディナヴィア(英語: Scandinavia)は、ヨーロッパ北部のスカンディナヴィア半島周辺の地域。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
dose:(「被る苦み」は私が勝手に作った訳語)
dose:an amount or experience of something, often something bad or unpleasant、避けられない不愉快な経験の1回分、いやなもののある分量
connectivity:接続、接続されていること、接続性
rest of the world:世界のその他の地域
rest:残り
centre:中心
global:地球規模の、全世界の
flight route:飛行経路、航空路
incidence:発生、出現、発生率
move backward and forward:行ったり来たりする
in and out:出たり入ったりして
catch:(ここでは)感染する
quick:迅速な、速い、即座の、素早い
The scorecard is very mixed and there’ve been some democratic systems that have been extremely resilient and robust at anticipating it and some that have got it wrong.:(訳に自信なし。→コメント欄参照)
scorecard:得点表
mixed:混じった、矛盾した、賛否が混ざった、いろいろな、複雑な、悲喜こもごもな、種々の、雑多な、まちまちな
democratic system:民主主義体制、民主的制度、民主主義システム
extremely:極度に、極めて
resilient:弾力姓のある、弾力的な、回復力のある、復元力のある、立ち直りが早い
robust:頑丈な、長持ちする
anticipate:予想する、予測する、見込む、期待する、~を未然に防ぐ、~の機先を制する
get it wrong:早飲み込みである、間違った思い込みをする
get ~ wrong:~を誤解する、~を間違える、~を取り違える、~を読み違える
at the periphery of:~の周辺で、~の末端に
periphery:周辺、外縁
edge:端、へり、はずれ、境界
instead of:~ではなくて、~の代わりに、~しないで
less:より少ない、より少数の、より小さい
on the other hand:その一方で、他方では
connecting:乗り継ぎの
flight path:飛行経路
airplane:航空機
Visiting:訪問の
air passenger:旅客機の乗客、航空機利用客
behind:~の後ろの、背後の、裏側の
informal:堅苦しくない、非公式の、日常の、普段の、口語体の、砕けた
way of saying:言い方
unpleasant:不愉快な、感じの悪い、不快な、嫌な
far:はるかに、大いに、ずっと
previous:前の、以前の、事前の
end:停止、終わり、結末
in sight:見えて、目に入って、間近に、すぐ近くに迫って
guess:~だと思う
for now:今のところ、差し当たり
ancient times:古代
spice:スパイス、香辛料、薬味
Sound like:ように思える、ように聞こえる、ような印象を与える
another example:もう一つの例
recap=recapitulation:要約
pathway:小道、歩道、通路、進路、経路
follow:たどる、進む
get a chance:機会を得る、好機をつかむ
chat:おしゃべりする、雑談する
story:ネタ
topical:時節柄興味深い、時事問題の
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'the end is almost in sight.' 果たしてそうかな?