6 Minute English
Inventing languages
EPISODE 220113 / 13 JAN 2022


前書き

人々が言語を新しい方法で使うに連れて、英語の新たな断片が発明されますが、言語が全く異なる銀河から、クリンゴンの母星であるクロノスのような場所からやってきたら何が起きるでしょうか? ニールとサムは言語がどのように発達するのかを話し合い、関連する語彙をいくつかお教えします。

台本

サム
こんにちは。この番組はBBC Learning Englishがお送りしている6 Minute Englishで、私はサム。

ニール
そして僕はニール。今日の調子はどうだい、サム?

サム
聞いてくれてありがとう、ニール。私は元気…ではない!

ニール
何だって? 元気なの? そうじゃないの…?

サム
あら、混乱させてしまいましたか? 私のせいですね!

ニール
ああ、サムが話しているのは英語、とても今風な種類の英語だ。例えば、彼女が間違っていることを認める方法として、‘my fault’の代わりに‘my bad’と言っている。

サム
あるいは、文章の最後に‘not’をくっつけるのは、私が意味しているのは実のところ、私が言ったことの逆だと示すためです。これらは共に、過去10年から20年をかけて自然に起きた英語の小さな変化の事例です。

ニール
こうした変化が起きるのは、例えばラテン語を日々話している人はいないけれど、それとは違って英語が現代語だからで、普段の生活の中で人々が話したり使ったりしている言語だからだ。

サム
英語の新しい断片は、人々がその言語を新しい方法で使うに連れて発明されていきます。でも、全く異なる銀河から言語が来た場合、何が起きるでしょうか? クリンゴンの母星であるクロノスのような場所から来た場合は。

ニール
ああ。テレビのSF番組、スタートレックがクリンゴンと呼ばれる異星人のキャラクターを登場させた時、製作者は全く新しい言語を発明する必要があった。クリンゴン語だ。

サム
完全に架空のもので、人間のどの言語とも関係が無い。クリンゴン語はhas developed a life of its own. 現在では大学でそれを学ぶことさえできます。そこで、ニール、私のクイズ質問はこれです。2010年、クリンゴン語は何をした初の人工言語になったでしょうか? それは、

a) その言語の辞書が出来た?
b) その言語のオペラが書かれた? それとも、
c) 国連によって公用語だと承認された?

ニール
うーん、どの言語にも語彙は必要だ。だから僕は、a)のクリンゴン語はその言語の辞書が出来た初の人工言語にするとしよう。

サム
分かりました、ニール。答えは番組の後ほど明かすことにしましょう。クリンゴン語は映画のために考案された唯一の人工言語ではありません。デビッド・ピーターソンはドスラク語の考案者です。これはテレビのファンタジー番組「ゲーム・オブ・スローンズ」で使われた言語です。

ニール
ロサンゼルスにある自宅から、デビッドはBBCラジオ4の番組「口コミ」の司会者であるマイケル・ローゼンと話をしている。彼らが話しているのは聖ヒルデガルドについて。12世紀に最初の人工言語を生み出した人物についてだ。

デビッド・ピーターソン
彼女が持っていたのは名詞の全リスト、名詞の丸ごとのリストでした。その多くは敬虔で、そうでないものも多くありました。そして彼女はラテン語の文法やラテン語のその他の単語を使ってそれらを歌に落とし込みます。ですからそれは厳密な意味で言語ではありません、現在私たちが理解しているような意味では。なぜなら言語について話す時、それは単に語彙だけではなく、それは文法だからです。にもかかわらず私たちは今なお、彼女のことを現代の人工言語の守護聖人だとある種見なしています。

サム
聖ヒルデガルドは新しい名詞は作り出しましたが、ラテン語の文法を利用しました。ですからデビッドは彼女が発明したものは正式な言語であるとは考えていません。それでもなお、聖ヒルデガルドは人工言語の守護聖人だと考えられています。

ニール
何かの守護聖人が指しているのは、特定の活動に特別な支援を行と考えられているキリスト教の聖人だ。ここでは、その活動とは人工言語を縮めた'conlang'を考案すること。クリンゴン語やドスラク語のような、人工的に作り出された言語のことだ。

サム
もう一つの有名な人工言語であるエスペラント語は、1887年にポーランド人の医師、ルドヴィゴ・ザメンホフによって考案されました。彼が望んだのは、異なる言語を話す人にとって互いに意思疎通するのを容易にすることです。

ニール
BBCラジオ4の番組「口コミ」で、デビッド・ピーターソンがマイケル・ローゼンとエスペラント語を話し、彼がどれだけ理解するかテストしているのを聞いてみよう。

デビッド・ピーターソン
あなたは西ヨーロッパ出身の英語話者で、19世紀において「普遍的である」とは、「西ヨーロッパ出身の人に理解されることができる」という意味でした。

ですから例えば「私はエスペラント語を話す」は、‘mi parolas Esperanton’です。

マイケル・ローゼン
ええ、それは理解できたかもしれません。‘parle’の部分はラテン語の先祖から来ていますし、それに‘me’、明らかです。もう一度試してください。

デビッド・ピーターソン
Kiel vi fartas?

マイケル・ローゼン
「私の父は誰ですか?」 いや、「私はどこを旅していますか」 ああ、だめだ、これは行き詰りました!

サム
スペイン語やイタリア語やその他の現代の欧州言語と同様に、エスペラント語はラテン語を基礎としています。マイケルはエスペラント語の単語である‘parolas’の意味をラテン語の先祖から推測しました。言語の源泉や起源ということです。

ニール
しかしエスペラント語の二つ目の文章はそう簡単ではなかった。マイケルはそこで行き詰った。難しすぎるので答えることが出来ないということ。

サム
私もおそらくそれには行き詰まると思います。でも少なくともエスペラント語は人間のために考案されました。外宇宙から来た異星の生物のためではなく!

ニール
外宇宙から来た生物と言えば、僕は君のクイズ質問に正解したのかな、サム?

サム
私がニールに聞いたのは、架空の異星人の言語、クリンゴン語によって達成された珍しい第一号についてです。

ニール
僕の推測は、それは自身の辞書が出来た最初の人工言語だろうだ。

サム
それは…不正解です、残念ながら、ニール。信じられないことに、正解はb)。2010年に、オランダ人の音楽家や歌手の仲間たちが、史上初のクリンゴン語のオペラを上演したのです! 筋書きを追うのはきっと大変だったでしょう。でもきっと、歌はこの世のものと思えなかったことでしょう!

ニール
MajQa! これはクリンゴン語で「素晴らしい」だ。よしでは、人工言語に関する我々の議論から語彙をおさらいしよう。それは人工言語とも呼ばれ、縮めると'conlang'だ。

サム
'living language'とは英語のようなもので、人々がその日常生活の中で今なお話したり使ったりしている言語です。

ニール
'my bad'という言葉はアメリカに起源がある。ただし英国でも使われている「私のせいです」の口語的な言い方であり、あるいは誰かに自分が間違いを犯したと伝える方法だ。

サム
'patron saint'とは、特定の活動に特別な支援や保護を提供すると考えられている人物のことです。

ニール
ある言語の'root'とは、その源泉や起源という意味だ。

サム
そして最後に、もしあなたが'get stuck on something'したら、困難すぎるためにそれを完遂することができません。

ニール
人工言語に関する今回の番組のための我々の持ち時間は以上です。‘Gis revido baldau’。これはエスペラント語で「またすぐにお会いしましょう」です。

サム
別の言い方をすれば、‘Qapla’。これはクリンゴン語での「さようなら」の言い方です。Qapla!

ニール
Qapla!

[ノート]

bit:破片、小片、少し、ちょっと、少量、部分
come from:~から来る、~に由来する、源を~に発する、~によってもたらされる
entirely:全く、完全に、全体に
Qo’noS:クロノス、クリンゴン人の母星
home planet:故郷の惑星、本星
Klingon:クリンゴン人(クリンゴン語: tlhIngan[1]、英: Klingon)はアメリカのSFテレビドラマと映画『スタートレック』シリーズに登場する、交戦的な性格の架空のヒューマノイド型異星人。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

confuse:混乱させる、困惑させる、戸惑わせる、まごつかせる

fault:責任、誤り、過ち、過失、落ち度
accept:承認する、承服する、認める、容認する、受け入れる、納得する

opposite:正反対の、逆の、あべこべの、対照的な

say:(ここでは)例えば
day-to-day:毎日、日々、日常的に
living language:現代語
ordinary life:普段の生活、普通の生活、ありきたりな生活、平凡な生活
ordinary:普通の、通常の、いつもの、平素の、普段の

Star Trek:『スタートレック』(英: Star Trek)は、ジーン・ロッデンベリーの制作したSFテレビドラマシリーズを基にするメディア・フランチャイズ。最初の作品である『宇宙大作戦』が1966年に放映開始以来、7本のテレビドラマ、3本のテレビアニメ、13本の劇場版が制作されており、各作品によってハードSF、スペースオペラ、コメディー、サスペンス、ヒューマンなどの要素を含み、その内容は多岐にわたる。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
introduce:紹介する、引き合わせる、案内する、導入する、取り入れる
whole new:全く新しい

made-up:作り上げた、仕上がった、まとめられた、すっかり出来上がった、完成した、でっち上げた、こしらえた、フィクションの
例文made-up story:作り話、でっち上げの話
unrelated:関係がない、別個の
Klingon has developed a life of its own.:(訳出来ず)
参考have a life of one's own:非常に目立つ、自分の生活がある
参考take on a life of its own:一つの形になる
参考take on a life of one's own:独り歩きする
invented language:人工言語

recognise:評価する、認める、受け入れる、承認する
official language:公用語

made-up language:人工言語
David Peterson:デイヴィッド・ジョシュア・ピーターソン(英語: David Joshua Peterson、1981年1月20日 - )はアメリカの言語創作者、作家、アーティストである。マイティ・ソー/ダーク・ワールド、ドクター・ストレンジ、テレビシリーズゲーム・オブ・スローンズなどのテレビ番組や映画のために、ドスラク語やヴァリリア語群などの言語を構築した。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Dothraki:ドスラク語(ドスラクご、英:Dothraki language、ドスラク語:Lekh Dothraki)は、ジョージ・R・R・マーティンのファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』と、それをドラマ化したHBOの『ゲーム・オブ・スローンズ』の舞台における草原地帯「ドスラクの海」の住民である騎馬民族ドスラク族が話すという設定の架空の言語である。この言語は、アメリカの言語学者デイヴィッド・J・ピーターソンがマーティンの小説内のドスラク語の単語を元にテレビドラマのために製作したものである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
fantasy:想像、空想、ファンタジー小説、幻想的作品
Game of Thrones:『ゲーム・オブ・スローンズ』(原題:Game of Thrones、略称GOT)は、ジョージ・R・R・マーティン著のファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』を原作としたHBOのテレビドラマシリーズ。中世ヨーロッパに類似するがドラゴンや魔法が存在する架空の世界において、多くの登場人物が入り乱れる群像劇である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

Michael Rosen:Michael Wayne Rosen (born 7 May 1946) is a British children's author and poet who has written 140 books. He served as Children's Laureate from 2007 to 2009, and has also been a television presenter and political columnist.(英語版Wikipediaより)
presenter:講演者、司会者
BBC Radio 4:BBC Radio 4 is a British national radio station owned and operated by the BBC. It broadcasts a wide variety of spoken-word programmes including news, drama, comedy, science and history from the BBC's headquarters at Broadcasting House, London.(英語版Wikipediaより)
Word of Mouth:サイトはコチラ(タイトル訳は適当)
word of mouth:口づて、口伝え、口コミ
Saint Hildegard:ヒルデガルト・フォン・ビンゲンまたはビンゲンのヒルデガルト(独: Hildegard von Bingen, ユリウス暦1098年 - ユリウス暦1179年9月17日)は、中世ドイツのベネディクト会系女子修道院長であり神秘家、作曲家。史上4人目の女性の教会博士。神秘主義的な目的のために使われたリングア・イグノタという言語も考案した。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
very first:本当に最初の

entire list:全リスト
entire:全体の、全部の、全部そろっている
whole:全てを含んだ、欠けたものがない、分けられていない、一体となった
many of them godly, many of them not,:(訳に自信なし。)
godly:信心深い、敬けんな、神聖な、神々しい
and she would drop them into songs using Latin grammar and other Latin words,:(訳に自信なし。)
proper:適した、適切な、正確な、きちんとした、正式の、妥当な、適当な、ふさわしい、相応の、全くの、当然の、まっとうな、特有の、固有の、独特の、文字どおりの意味の、正規の、正式の、〔通例後置修飾〕厳密な意味での、ほんとうの
because really when we talk about a language:(reallyが訳せず)
nevertheless:それにもかかわらず、それでもなお、それにしても、とは言っても、そうは言うものの
look on ~ as:~を…と見なす、とらえる、考える
patron saint:守護聖人
conlang:=constructed language、人工言語

invention:発明、考案、創案
the patron saint of (+made-up) languages.:(音声との差異)

particular:特定の、個別の、固有の、特有の、特別な、際だった、注目すべき
short for:~の省略である
artificially:人工的に、人為的に

Esperanto:エスペラント (Esperanto) とは、ルドヴィコ・ザメンホフとその弟子(協力者)が考案・整備した人工言語。母語の異なる人々の間での意思伝達を目的とする、国際補助語としてはもっとも世界的に認知され、普及の成果を収めた言語となっている。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Polish:ポーランド人の
Ludwik Zamenhof:ラザーロ・ルドヴィゴ・ザメンホフ(1859年12月15日 - 1917年4月14日)は、ユダヤ系ポーランド人で、職業としては眼科医。人工言語エスペラントの創案者。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

Listen as:(toでなくasなのはどうして?)

universal:世界中の、万人の、普遍的な、全員の、全員に共通する

I might have got that one - the ‘parle’ bit from its Latin root, and ‘me’, obviously.:(訳に自信なし。)
get:頭の中に得る、理解する、分かる
root:根、根元、底、麓、先祖、祖先、本質、基底、根源
obviously:明らかに、はっきりと、明白に、明瞭に、どう見ても~だ、どこからどう見ても~だ、誰が見たって~だ、どう考えても~だ、当然、言うまでもなく、むろん、もちろん

get stuck on:に行き詰まる、引っかかる、てこずる

guess:推測する、推量する、推定する、言い当てる、~だと思う
origin:発端、端緒、起源、源泉
source:もと、源、起源

alien:異星人、宇宙人、異邦人
creature:生き物、動物、人間
outer space:宇宙、大気圏外、惑星間空間、太陽系外空間

Incredibly:信じられないことに
the correct answer was b):(cじゃない)
company:会社、企業、商社、法人、仲間、友達、友人
Dutch:オランダの、オランダ人の
follow:後について行く、追い掛ける
out-of-this-world:奇想天外な、この世のものとも思われないような、この世の物とは思えないくらい、天下一品で、とびきり素晴らしい

That’s Klingon for ‘great’(+****).:(greatの後にもう一言あるが、なんと言っているか分からない。) 

originate:起源がある、由来する、始められる、考案される

protection:保護

complete:完了する、仕上げる、終える、完結する、完成する、達成する、修了する

how Klingons say ‘goodbye’(+****).:(goodbyeの後にもう一言入っている気がする。)
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文章の最後にnotをつけるなんて、日本語みたいだ。