6 Minute English
The benefits of boredom
EPISODE 220217 / 17 FEB 2022


前書き

やることが何もなかったり、同じ作業を何度も繰り返しすることは、意欲を削ぐ可能性があります。でもいつもそうとは限りません。ニールとサムは退屈の良い面について話をし、皆さんに関連する語彙をお教えします。

台本

ニール
こんにちは。この番組はBBC Learning Englishがお送りしている6 Minute Englishで、僕はニール。

サム
そして私はサムです。

ニール
今週はどうだったかな、サム?

サム
ああ、ご存じのように静かでした。大したことはしていませんし、どこにも行っていません。ですから、少々退屈でした。

ニール
その気持ちは分かるよ。ワクワクすることが何も起こらないと、退屈することがある。興奮や熱中がほとんどないような気分の状態のことだ。その原因はしばしば、することが何もないからだけど、でもサム、良い知らせもあるんだ。退屈は君にとって良いことかもしれない。

サム
話を続けて!

ニール
そうするよ。でも、答えてもらう質問を君に出すのが先だ。英国の新聞、ミラー紙の調査によって、ピーター・ウィリスは「英国で最も退屈な男」であることが判明した。どんな「退屈な」趣味を持っているから、彼はこの称号を得たのだろうか? それは…

a) 列車番号の収集、つまりトレイン・スポッティング
b) 郵便ポストの写真を撮ること、それとも
c) 英国の環状交差点を車で運転してまわること

サム
わぁ、どれも耐えがたいほど退屈に思えますが、でも私の考えでは、郵便ポストの写真を撮るのが一番退屈そうじゃないですか?

ニール
では、いつものように、番組の最後に解答を伝えることにしよう。でも君が言う通り、こうした趣味をしていると、耐えがたく退屈かも知れない。これは、いかに極めて飽き飽きしているかを表現する言葉だ。

サム
でもすべての人がそうなのではありません。退屈はその人の心の持ちよう次第です。ある人は何かを退屈だと感じるかもしれませんが、でもまたある人はそれを魅力的だと感じるかもしれません。

ニール
確かに。でも、することが何もない時に感じる退屈さについて話をしよう。トレイン・スポッティングさえない時に! することが何もなかったり、同じ作業を何度も繰り返しすることは、確かにやる気をなくさせるかもしれない。しかしサンディ・マンによれば、彼女はBBCワールドサービスの番組「ナゼの要因」で話をしているが、退屈でいることは必ずしもつまらないことではない。人にとって良いことの可能性もあるんだ…

サンディ・マン博士 セントラル・ランカシャー大学の心理学講師
誰もがとてもネガティブに考えるのがこの感情ですが、実際にポジティブな面もあるのです。これには実際に良い面もあるのです。人はより創造的になります。ですから例えば、退屈でいることは私たちが心をさまよわせることを可能にし、空想にふけることを可能にします。そしてそれが実のところ、問題解決や創造力につながる可能性があるのです。私が恐れているのは、最近は退屈を向こうにスワイプしたりスクロールしたりすることで、その想像力を失いつつあるのではないかということです。なぜなら私たちを楽しませるものがとてもたくさんあるからです。しかしどうやら、私たちを楽しませるものがたくさんあるほど、私たちは一層退屈しているようです! それには理由があります。それは何故ならば、私たちは実のところ、刺激や目新しさに中毒になっているからです。

ニール
サンディ・マンによる、いくつかの興味深い考えでした。彼女曰く、退屈には良い面がある。その意味は悪い状況の肯定的な側面のこと。そしてそれは、人をより創造的にするかもしれないんだ。

サム
それは何故ならば、何もすることがないと人は心をさまよわせることが可能になるからです。私たちは自由に考えることが出来て、それは問題解決を助けてくれるかもしれません。それは、彼女が言うように、退屈を向こうにスワイプしたりスクロールしてしまうと、起こり得ません。それは私たちがスマホ上でする動作を指しています。

ニール
そう。そして退屈している時に気晴らしを求めてしまう物がスマホなんだ。それは人々に刺激を与えてくれる。心を活性化したり豊かにしてくれる。そしてそれは僕らに、見るべき何か新しくて珍しくて異なっているものを与えてくれる。つまり目新しさと呼べるものだ。

サム
きっと、私たちの多くが列に並んでいる時やバスの中で座っている時にスマホを見ます。ただ、退屈しないように。でもどうやら、私たちはただじっと座って考えるべきなのです。さあ、マニュシュ・ザマロディからひらめきを受け取りましょう。彼女は作家で、Zig Zagというポッドキャストの主催者です。ここで彼女は番組「ナゼの要因」で話をしていて、これは努力を要するけれど、その価値があるということを説明しています…

マニュシュ・ザマロディ 作家兼ポッドキャスター
私たちはこう考えます。一体誰が退屈なんてしたいでしょうか? それはなんとひどい感覚でしょう。そして私の考えでは、問題は心の迷走にあります。バラや鳥たちのさえずりにすぐに辿り着くことはありません。そして素晴らしい創造的な思考にも。そこには、通り抜けなければならないこの心地良くない時間があります。そこであなたは次のようなことを考え始めるかもしれません。それについて考えたくない物事や、気まずい状況だったり、あるいはあなたが抱えている不快な感情について。思うにそれが、退屈がかくもネガティブな意味合いを持っている理由です。なぜなら気まずさを感じるからです。しかし、私たちがそれにこだわっていると、それが良いものがやって来れるときなのです。

ニール
つまり、退屈をひどい感覚、あるいは感情だと考えるかもしれない理由は、それがネガティブな物事に焦点を合わせ始める時だからだ。マニュシュは、人々が退屈に否定的な意味合いを持たせるのはそれが原因だと考えている。

サム
意味合いとは、ある単語に結び付いた感情のことです。でも、悪い物事に取り組んでそれにこだわれば、素晴らしい創造的な思考が起こり得ます。マニュシュが言うように、「良いものがやって来れる」のです。

ニール
つまり基本的には、退屈をつまらないものだとは思わないでもらいたい! とはいえ、この形容詞はピーター・ウィリス、つまり英国でもっとも退屈な男がしている趣味にも当てはまるのだろうか?

サム
ああ、そうでした。ニール、あなたが私に尋ねたのは、その趣味が何かです。そして私は、彼は郵便ポストの写真を撮っているのだと言いました。合っていましたか?

ニール
うん、正解だ! おめでとう。この元郵便配達員の夢は、英国にある11万5,000個すべての郵便ポストの写真を撮ることなんだ。

サム
ふむ、ピーターの夢がかないますように。英国にそんな沢山の郵便ポストがあるとは知りませんでした! と言う訳で、私たちは今日は退屈の効用について話してきました。'boredom'とは、興奮や熱中がほとんどない気持ちの状態のことです。

ニール
'die of boredom'という語句にも言及した。それを使うのは、どれほど極めて退屈しているかを表すためだ。

サム
でも退屈には'upside'があります。その意味は、悪い状況に肯定的な側面があることです。

ニール
'stimulation'という単語を聞いた。その意味は、心を活性化し、豊かにすること。そして'novelty'が言い表しているのは、新しくて珍しくて異なっている何かのこと。

サム
そして'connotation'の説明をしました。ある単語に結び付いた感情のことです。

ニール
まぁ、僕たちの番組を聞いて皆さんが退屈していないといいのですが! ではまた次回!

サム
さよなら!

[ノート]

benefit:便益、恩恵、利益

task:任務、課題、仕事、職務
demotivate:やる気をなくさせる、意欲を失わせる
positive side:プラス面、ポジティブな側面、肯定的な面、良い面、プラスの側面
boredom:退屈、ものぐさ、倦怠、退屈さ

boring:退屈な、うんざりする、つまらない

exciting:刺激的な、面白い、心躍る、興奮させる、胸を躍らせる、ワクワクさせる
lead to:~に通じる、つながる、至る、~を引き起こす、~の原因となる
state:状態、ありさま、様子
excitement:興奮
enthusiasm:熱中、熱狂、熱烈な興味

set someone a question:人に問題を出す
The Mirror:デイリー・ミラー(The Daily Mirror)はイギリスの主要な日刊タブロイド紙。1990年代には一時名称を「The Mirror」としていた。社としては労働党を支持している。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
earn the title of:~という称号を獲得する

train number:列車番号
train spotting:トレイン・スポッティング(鉄道マニアの活動の一種。自分が見た列車について記録する。「その鉄道会社が保有する全車両を自分の目で見る」といったことが目標となる。)
letterbox:郵便ポスト
Driving around roundabouts (+in)(-of) the UK.:(音声との差異)
roundabout:ラウンドアバウト、ラウンダバウト、環状交差点、円形交差点
参考:ラウンドアバウト(英: roundabout)、または環状交差点(かんじょうこうさてん)とは、交差点の一種で、中心の島の周囲を一方向に周回する方式のうち、環状の道路に一時停止位置や信号機がないなどの特徴をもったものをいう。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

(+that)(-they) all sounds deadly boring:(音声との差異)
deadly boring:死ぬほど退屈、耐えられないほど退屈
imagine:想像する、思う、心に描く、推測する、仮定する
perhaps:(ここでは)ひょっとして、できましたら、もしかして、よろしければ
例文You would like to see it, perhaps?:それを見たいの,ひょっとして

die of boredom:退屈で死ぬ
following those hobbies:(訳に自信なし)
phrase:言い回し、言葉遣い、表現法、成句、言葉、語句、表現、フレーズ
express:述べる、言う、表す、示す、伝える、表現する
extremely bored:飽き飽きする
extremely:極度に、極めて、非常に、とても

depend on:~によって決まる、~次第である
state of mind:心の状態、精神状態、気持ち
find ~ boring:~を退屈だと感じる:
while others might (+find) it fascinating.:(音声との差異)
fascinating:魅力的な、魅惑的な、うっとりさせる、興味をそそる

certainly:確実に、確かに、必ず
Sandi Mann:この人かな
BBC World Service:BBC World Service:BBCワールドサービス(英語: BBC World Service)とは、イギリスの英国放送協会(BBC)が海外向けに放送を行っている国際放送のことである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
The Why Factor:サイトはコチラ
bored:退屈した、時間を持て余した、飽き飽きした、うんざりした
not have to be:必ずしも~ではない
boring:退屈な、うんざりする、つまらない

Psychology:心理学
lecturer:非常勤講師、専任講師
University of Central Lancashire:サイトはコチラ
emotion:感情、興奮、感性
real:実在する、存在する、現実の、実際の、本物の
upside:良い面、利点
creative:創造力がある、創造性に富んだ、創造的な、独創的な、創造性が発揮された
allow:許す、許可する
wander:歩き回る、ぶらつく、徘徊する、さまよう、迷う、迷子になる、とりとめがなくなる、はっきりしない
例文My mind wandered. : ぼんやりしてたよ
daydream:白日夢を見る、空想にふける、ボーッとする
creativity.:創造力、創造性、独創性
fear:恐れる、怖がる、心配する、懸念する
entertain:楽しませる、慰める、もてなす、歓待する、接待する
the more bored we seem to be!:
get addicted to:~に対して中毒になる、~に病みつきになる、~の依存症になる
stimulation:刺激、興奮、鼓舞、激励
novelty:新規性、目新しいこと、珍しいもの、変わったもの、目新しいもの

refer to:指す

turn to A for B:AにBを求める
例文turn to religion for help:宗教に助けを求める
例文turn to someone for leadership:人に指導を仰ぐ、求める
entertainment:もてなし、楽しみ、喜び、気晴らし
activate:活性化する、活発にする、活気を与える、盛んにする、活動的にする
enrich:裕福にする、豊かにする、高める、強化する、改善する、補強する
unusual:まれな、普通でない、ありふれていない、珍しい、異常な、独自の、独特な
different:似ていない、違っている、異なる、いろいろな、種々の、さまざま
what we can call:~と呼ぶことができるもの

in a queue:列を成して
例文wait in a queue:列をつくって待つ
prevent:防ぐ、止める、阻む、止める、阻止する、阻む、抑える
take inspiration from:~からインスピレーションを受ける
inspiration:刺激、鼓舞、創造的思考状態、創造性、ひらめき、素晴らしい思い付き
Manoush Zomorodi:サイトはコチラ
Zig Zag podcast:サイトはコチラ
take effort:努力を要する、努力が必要である
worth:~の価値がある、値打ちがある

awful:大変な、恐ろしい、ひどい、嫌な、ひどい、すさまじい、不愉快な
sensation:感覚、知覚、気持ち、感じ、興奮、感動
issue:話題、問題、問題点、論点、争点
mind-wandering:心の迷走
immediately:すぐに、すぐさま、早急に、即座に、即刻、早速、至急、直ちに
rose:バラ
chirp:さえずる、甲高く鳴く
uncomfortable:心地良くない、気まずい、気詰まりな、落ち着かない
pass through:~を通る、通過する、通り抜ける、通行する、貫通する、~を経験する
unpleasant feeling:不快感情、不快感、気分の悪さ
I think has (+such) negative connotations:(音声との差異)
connotation:言外の意味、含蓄、含み、暗示的意味、含意、意味合い、ニュアンス
'cos we feel uncomfortable:(訳に自信なし)
'cos:=because
but when we stick with it that's when the good stuff can come. :(訳に自信なし)
stick with:~にくっついて離れない、~とずっと一緒にいる、~のそばを離れない、~を手放さない、~を堅持する、~を続ける、~にあくまでも忠実である、~にこだわる、~の一点張りで通す
good stuff:良い物、良いこと

we might think (+of) boredom:(音声との差異)
focus on:~に焦点を合わせる、~に重点を置く、~を重視する、~に集中する、注目する、~に心を注ぐ
have a negative connotation:否定的な含みがある
negative connotation:否定的な意味合い、否定的な含み

work through:取り組む、対処する、向き合う、克服する、こなす、乗り切る、乗り越える

basically:基本的に、根本的に、大筋で、おおむね、元来、一般的に言って
be applied to:~に当てはまる、応用される、適用される

postman:郵便配達員

good luck:幸運を祈る
realise:気付く
例文I didn't realize that. : それは知らなかった。

which means (+it) activates:(音声との差異)
p0bmzl54
つまりお風呂やトイレで何かを思いつく的なこと?