6 Minute English
Mars: Mysteries of the Red Planet
EPISODE 220317 / 17 MAR 2022


前書き

火星は最近、ニュースに多数取り上げられています。というのも、2021年にはこの惑星の表面を探査するために、それぞれ別個の3つのミッションが派遣されているためです。ニールとサムはこの「赤い惑星」の魅力を話し合い、関連する語彙を皆さんにお教えします。

台本

ニール
こんにちは。この番組はBBC Learning Englishがお送りしている6 Minute Englishで、僕はニール。

サム
そして私はサムです。

ニール
今回の番組で、僕たちは太陽系内の最も近い隣人について議論することになっている。火星だ。

サム
しばしば「赤い惑星」と呼ばれる火星は最近、ニュースに多数取り上げられています。というのも、2021年にはこの惑星の表面を探査するために、それぞれ別個の3つのミッションが派遣されているためです。

ニール
赤い惑星の魅力は、長年にわたり興味深いアートをいくつも生み出してきた。そこには音楽も含まれている。例えばデヴィッド・ボウイの1973年のヒット曲であるLife on Mars?。それに数えきれないほどの映画もある。1938年のMars Attacks!から、2015年の大ヒット作「オデッセイ」まで。

サム
でも、人類の火星に対する興味ははるか昔まで遡ります。古代文明、例えば中央アメリカのマヤ文明はこの惑星の色を観測し、その動きを記録しています。現代の天文学者と全く同様に。天文学者とは科学者で、宇宙と、その中にある恒星や惑星や太陽の研究をしています。

ニール
にもかかわらず、多くの謎にまだ答えが出ていない。この惑星の表面にある印や傷跡の原因は何だろうか?

サム
そしてその中でも最大の謎は、火星に生命はいるのか?です。

ニール
でも話を続ける前に、答えてもらう必要があるもう一つの質問があるんだ、サム。古代ローマ人もまた、火星に興味を持っていた。彼らはこの惑星を神だとさえ考えていたが、でも何の神だろうか? 火星がローマの神として司っていたのは、

a) 愛?
b) 火? それとも
c) 戦争?

サム
そうですね、火星は「赤い惑星」ですから、答えはb)のローマの火の神だと思います。

ニール
分かったよ、サム。答えは番組の最後に明かすことにしよう。

サム
ローマ人がどう考えていたにせよ、歴史を通じて様々な文明が、夜空を見上げると明るく輝く赤い光が見えると説明してきました。でも、火星の特徴的な色は何に由来しているのでしょうか?

ニール
それに答えられる人物が、マイケル・マイヤー博士だ。NASAの火星探査計画の主任科学者として、彼は赤い惑星を観測し記録することに何年も費やしてきた。

サム
マイヤー博士がBBCワールドサービスの番組「公開討論会」で話しているのを聞いてみましょう。火星の独特な色について彼が行っている説明を聞き取って下さい。

マイケル・マイヤー
火星について際立っている事の一つが、それが赤くて、ですから人はその星を見て、見分けることができる点です。それが赤く見える原因は錆、つまり表面にある酸化鉄です。それは赤くて、面白いことに見掛けが変わる場合があります。それを見ることが出来たのは2018年で、その時火星全体を覆う砂嵐があり、火星は赤く見えるのではなく、少しオレンジ色っぽく見えました。その色合いの変化は、もしかすると火星を観察していた文明を不安にさせたかもしれません。夜空にある不変なものが色を変えるのを見るということが。

ニール
マイヤー博士は火星の赤い色を「際立っている」と言った。他のどれとも異なっているので、見分けるのが簡単ということだ。でも、そもそもどうして赤い色をしているのか聞き取れたかな、サム?

サム
ええ。赤い原因は錆です。赤みを帯びた化学物質で、酸化鉄と呼ばれていて、それが生じるのは金属が水や空気と反応した時です。

ニール
この錆の色は微妙に変化することがある。赤色から茶色やオレンジ色へと。そしてマイヤー博士は、この色の変化が、火星は不変つまり決して変わらないと考えていた古代の天文学者を不安にさせたかもしれないと考えている。

サム
古代文明とは異なり、現代の天文学者は火星に着陸し、その表面を探査するために人工衛星を送り込んでいます。そして、これまでのところ人類は赤い惑星に降り立ってはいませんが、彼の地の状況について私たちは多くを知っています。

ニール
つまり、デヴィッド・ボウイの言葉を借りるなら、火星に生命はいるのだろうか?

サム
実は、それは全て水が見つかることにかかっています。水は生命です。そしてマイヤー博士がBBCワールドサービスの「公開討論会」で話しているように、水があれば何だって可能です。

マイケル・マイヤー
私たちが宇宙生物学から学んだすべてのことから、生命には驚くべき順応性があります。だがそれでも水が必要です。それが、水がカギである理由です。ですから、火星上で液体の水を発見することが、それが現在であろうと、過去であろうと、潜在的に居住可能な環境が存在することを告げるのです。生命を維持することが可能な、そして恐らくは火星人の命さえ維持できる場所があることを。

ニール
マイヤー博士によれば、生命には驚くべき順応性がある。新たな状況において生存するために変化できるということ。

サム
液体の水を発見することで、赤い惑星は居住可能になるかもしれません。そこで生活するのに十分良いということです。また、イーロン・マスクのような億万長者の事業家が有人宇宙飛行を計画しているので、人類が火星に到着するまでにあとどれだけの時間がかかるか、誰にも分かりません。

ニール
そこで何を見つけるかも誰にも分からない! 小さな虫か? 緑色をした小人か? あるいはローマの神かも…?

サム
ああ、そうでした。クイズ質問であなたが聞いたのは、火星はローマの何の神かです。私の推測は、b)のローマの火の神です。

ニール
それは、ハズレだ、残念ながら。実のところ、ローマ人は火星を戦争の神と考えており、彼に野生動物を捧げていた。例えばオオカミやクマや、そして奇妙なことにキツツキを!

サム
分かりました、ニール。では赤い惑星、火星に関する今回の番組から語彙をおさらいしましょう。最初はまず'astronomer'。私たちの宇宙にある恒星や惑星や月の研究をしている人たちです。

ニール
もし何かが'distinctive'なら、それは容易に見分けることが可能だ。なぜなら他の全てと異なっているから。

サム
'Rust'つまり酸化鉄とは、赤い色をした化学物質で、金属が水や空気と反応したときに発生します。


ニール
'Immutable'の意味は、決して変わらない。

サム
'adaptable'な何かは新たな環境に対処するために容易に変化できます。

ニール
そして最後に'habitable'の意味は、そこで暮らすのに十分良いこと。

サム
私たちの持ち時間は以上です。

ニール
ではまた次回!

サム
さようなら!

[ノート]

be in the news:ニュースになる、話題になる、大きくクローズアップされる
separate:接していない、分かれた、離れた、関連がない、結び付かない、独特の、別個の
mission:派遣団、交渉団、任務、使命、宇宙飛行、ミッション
explore:探検する、探索する、調査する、研究する
fascination with:~に魅惑されること、~に感じている魅力

neighbour:隣人、近所の人、隣席の人
solar system:太陽系

give birth to:~を出産する、~を産む、~を生じる、~を生み出す、~の原因となる
over the years:長年の、長年にわたって、長い年月に、ここ何年も、年を追って
David Bowie:デヴィッド・ロバート・ジョーンズ(英語: David Robert Jones、1947年1月8日 - 2016年1月10日)は、デヴィッド・ボウイ(英語: David Bowie)の名で知られるイングランド出身のロックミュージシャン、シンガーソングライター、俳優。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Life on Mars?:71年発表の第4作アルバム Hunky Dory のA面4曲目で、73年にはシングルとして発表され、英3位を記録
countless:数え切れないほどの、無数の、たくさんの
Mars Attacks!:(正確には'Mars Attacks the World'らしい)
blockbuster:ビッグヒット、大ヒット作、大当たり
The Martian:『オデッセイ』(原題: The Martian)は、2015年のアメリカ合衆国のSF映画である。アンディ・ウィアーの小説『火星の人』(2011年出版)を原作としている。監督はリドリー・スコット、主演はマット・デイモンが務める。火星に一人置き去りにされた宇宙飛行士の生存をかけた孤独な奮闘と、彼を救いだそうとする周囲の努力を描く。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

go back:(ここでは)遡って存在する
ancient civilisation:古代文明
Ancient:古代の、古い、古びた、古色蒼然とした、古来の、太古からの
civilisation:文明
Maya:マヤ文明(マヤぶんめい)は、メキシコの南東部、グアテマラ、ベリーズなどいわゆるマヤ地域を中心として栄えた文明。メソアメリカ文明に数えられる。また、高度に発達したマヤ文字をもつ文明でもあった。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
observe:よく見る、観察する、見学する、監視する、観測する
modern:現代の、今の
astronomer:天文学者
universe:宇宙、銀河、万物、森羅万象、全世界、全人類

Yet despite this:(「にもかかわらず」という意味の単語を二つ重ねていると推測)
Yet:まだ、今のところは、今までのところ、さらに、その上、けれども、それにもかかわらず
despite:~にもかかわらず、~をよそに
remain unanswered:依然として回答されていない、未回答のままである、まだ答えが出ていない
cause:~を引き起こす、~の原因となる
mark:跡、印、点、線、へこみ
scar:傷痕、瘢痕、やけど跡

go on:進み続ける、~を続ける、継続する、~し続ける、続いて~する、続けて~する

guess:推測する、推量する、~だと思う

find out:見いだす、解明する、理解する、明らかにする、気付く、見破る、答えを出す、謎を解く、調べる、知る

Whatever:どんなことが~でも、どんなことを~しても、~することなら何でも
throughout history:歴史を通して
civilisations throughout history have described looking into the night sky and seeing a bright, red light.:(訳に自信なし)
describe:述べる、言い表す、記述する、説明する、表現する
look into:~の中を見る、~をのぞき込む
bright:輝く、輝いている、光っている、まぶしい、明るい、晴れた、うららかな
characteristic:特徴のある、特有の、独特の、特徴的な
come from:~から来る、伝来する、~に由来する、源を~に発する、~によってもたらされる

Michael Meyer:この人
lead scientist:第一線の科学者
参考lead engineer:主任技術者
Mars Exploration Programme:火星探査計画
spend years:何年も費やす

in conversation with:~と談話中である
BBC World Service:BBC World Service:BBCワールドサービス(英語: BBC World Service)とは、イギリスの英国放送協会(BBC)が海外向けに放送を行っている国際放送のことである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
The Forum:サイトはコチラ(タイトルの訳は適当)
Forum:公開討論会、フォーラム、公開討論番組
give an explanation:説明する
unusual color:珍しい色、変わった色、独特な色
unusual:まれな、普通でない、ありふれていない、珍しい、変わった、独自の、独特な、他とは異なる

distinctive:独特の、特色を示す、異彩を放つ、際立った、特徴のある、特徴的
identify:確認する、識別する、特定する、同定する、見分ける、確認する、認証する、割り出す
rust:さび、さび色
iron oxide:酸化鉄
dust storm:砂塵嵐
instead of:~の代わりに、~しないで、~せずに、~ではなくて
uneasy:不安な、心配な、不安定な
to see something immutable in our night sky changing colours.:(to see以下の訳文をどこにどう入れるのがいいか不明)
immutable:変わらない、変化しない、不変の、不易の、変えることのできない

easy to recognise:見分けるのが簡単である
in the first place:第一に、最初に、そもそも、まず

reddish:やや赤い、赤みを帯びた
chemical substance:化学物質
occur:起こる、発生する、生じる、現れる、存在する
react with:~と反応する

slightly:わずかに、ちょっと、少し、やや、若干
brown:茶色の、褐色の、茶色っぽい
orange:オレンジ色

satellite:(ここでは)人工衛星、通信衛星、サテライト
land on:~に着陸する、上陸する
set foot on:~に足を踏み入れる、~に立ち入る、~の地を踏む
例文set foot on the lunar surface:月面に降り立つ
so far:今までのところ
condition:状態、状況、様子、様相

in the words of:~の言葉によれば、~の言葉を借りれば

all depend on:~に尽きる
depend on:~によって決まる、~次第である

astrobiology:宇宙生物学
amazingly:驚くほどに、驚くべきことに、驚いたことに
adaptable:順応できる、対応できる、適合性のある、順応性のある、調整できる
whether or not:~かどうかに関わりなく、~であろうとなかろうと
potentially:潜在的に、~の可能性がある、将来の実現可能性を秘めて
habitable environment:居住可能環境
habitable:居住に適した、居住可能な、可住な
support life:生命を支える、生命を維持する
Martian:火星人

good enough:十分に良い、結構間に合う、通用する
billionaire:億万長者
Elon Musk:イーロン・リーヴ・マスク(Elon Reeve Musk, 1971年6月28日 - )は、南アフリカ共和国・プレトリア出身のアメリカの実業家、エンジニア、投資家である。宇宙開発企業スペースXの創設者およびCEO、電気自動車企業テスラの共同創設者、CEOおよびテクノキング、テスラの子会社であるソーラーシティの会長等を務める。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
manned mission:有人ミッション

Tiny:小さい、ちっぽけな
worm:毛虫、芋虫、うじ虫、地虫

sacrifice:ささげる、いけにえにする、犠牲にする
strangely:妙に、変に、よそよそしく、異様に、奇妙に、不思議なことに
woodpecker:キツツキ

deal with:対処する、処理する、取り組む
circumstance:周囲の事情、環境、状況
p0brrrdc
火星に水は結構あるようだし、生命もいそうな気がするけどなぁ。