6 Minute English
Britain's love affair with coffee
EPISODE 220407 / 07 APR 2022


前書き

ここ英国で、美味しくて温かな飲み物を楽しむと言えば、それは紅茶がすべてではありません。私たちはコーヒーも好きで、むしろそれが大好きです! サムとニールはコーヒーの「ブーム」について話をし、関連する語彙を皆さんにお教えします。

台本

サム
こんにちは。この番組はBBC Learning Englishがお送りしている6 Minute Englishで、私はサムです。

ニール
そして僕はニール。

サム
今朝、コーヒーを飲みましたか、ニール?

ニール
ああ。朝の一杯のコーヒーを抜きに一日を始めることは出来ないよ…。あるいは二杯か…三杯か!

サム
で、コーヒーのどこがそんなに好きなんですか?

ニール
そうだな、一つにはその素敵な香りだ! そしてもちろん目が覚めるし、世の中と向き合う準備をさせてくれる

サム
ああ、あなたが言っているのはカフェインの一撃ですね。天然の興奮剤であるカフェインの脳への効果で、もっとシャキッと目覚めている気分にさせてくれます。もしかしてあなたは…、コーヒー中毒だと思いますか?

ニール
それは僕だけじゃないよ、サム。近頃のコーヒーショップがどれほど賑わっているか見たことはあるかい?! 世界中の美味しいコーヒーを楽しむ人でいっぱいなんだ!

サム
実は、以前からずっとそうだったわけではありませんよ、ニール。17世紀に英国に最初に届いたコーヒーは、海路で何カ月もかけて到着していました。それは生のコーヒー豆を茹でて作られたもので、どうやらひどい味だったようです! 今回の番組で、私たちは英国のコーヒーの歴史について調べることになっています。そしていつものように、いくつかの関連する語彙についても学びます。でもその前に、あなたに質問があります。英国に到着した最初のコーヒーは、それが出荷されたイエメンの港にちなんだ名前が付けられていました。では、何と呼ばれていたのでしょうか? それは、

a) カプチーノ?
b) モカ? それとも
c) ラッテ?

ニール
b)のモカにしよう。

サム
分かりました。答えは番組の後ほど明かします。

ニール
英国とコーヒーとの恋愛関係は、ロンドンで最初のコーヒーショップが1652年に開業した時から始まった。人々が気に入ったのはその効果だ。コーヒーは人々をよりおしゃべりで快活にし、より長時間眠らずにいさせた。そしてこの飲み物はますます人気になった。10年足らずのうちに、ロンドンのシティ地区だけで80軒以上のコーヒーショップが新たに開業した。

サム
しかし1800年代までには、紅茶が最もオシャレな飲み物としてコーヒーに取って代わりました。その原因の一部は、ビクトリア女王が紅茶を飲んだためです。ジュディス・ホーリーの話を聞きましょう。18世紀文学の専門家で、この話をBBCラジオ4の番組「現代では」で取り上げています。

ジュディス・ホーリー
それはどちらかというと労働者階級の飲み物になりました。ですのでコーヒーの店や屋台がありました。それは、ロンドンでいまでも見かけるような、あるいはニューヨークのあちこちで見かけるような、通りの小さな屋台みたいな類のものです。それは人を元気づける安くて手軽な飲み物でした。そして、禁酒運動がコーヒー居酒屋を後押ししていました。それは、働く男性が昼食にパブに行くのをやめさせるためです。ですから、it moved。それは深刻に衰退し、現在のコーヒーブームにおいてさえも、完全に回復することはありませんでした。

ニール
17世紀にコーヒーブームがあった。つまりその人気が増大すること。原因の一つはコーヒーが人を元気づけることだ。つまり人により活力を与え、より活動的にすること。

サム
コーヒーを飲むことは、禁酒運動と呼ばれる社会集団によって後押しもされていました。お酒を違法にするための運動をしていた人たちのことです。彼らはコーヒーを、お酒から男性を引き離すために利用していました。それは、人々が中毒になっている何かの使用を徐々に中止させることです。

ニール
コーヒーは英国社会を変化させ、今も変化させ続けている。ここでジュディス・ホーリー教授の再登場だ。BBCラジオ4の「現代では」で、今日の状況について話をしている。

ジュディス・ホーリー
私の考えでは、今日行われているコーヒーの消費のされ方を見ると、どうやら世界にとって二つのとても極端な選択肢が提示されているようです。一つは企業コーヒーの世界、つまり低賃金経済の上に存在しているコーヒーチェーンです。つまり一方には、その手の大量消費のコーヒー市場があります。もう一方にあるのはマイクロロットの農園やフェアトレードのコーヒー、流行に敏感な人のコーヒーの類で、それらは高級ワイン並みに種類豊富で興味深く、職人技な方法で製造されています。

サム
今日、多くの消費者がスターバックスのような大手コーヒーチェーンに背を向けつつあります。それは、より責任ある方法で調達されたコーヒーを探し求めているからです。その一例がフェアトレードという倫理的な基準の構想で、南米やアフリカやアジアのコーヒー生産者に対して適正な価格を保証するものです。

ニール
もう一つの最近の進展が、マイクロロットの活用だ。小さな区画の土地のことで、その品質の高さや独特の香りで評価される特化されたコーヒー豆を栽培している。

サム
フェアトレードやマイクロロットのコーヒーは、品質や職人技のコーヒーに向けて焦点を移していく一部です。つまり熟練の栽培者によって手作りで、伝統的な方法で作られるコーヒーのことです。職人技のコーヒーは、しばしば小規模な独立系のコーヒー店で販売され、流行に敏感な人に好まれています。

ニール
つまり英国のコーヒーは、エチオピアやジャワ島といった遥か彼方の地から海路を何か月もかかって旅していた時代からはずいぶんと進歩したんだ。それで思い出したけど、サム、君の質問の答えは何なのかな?

サム
私がニールに聞いたのは、1600年代に英国に到着した最初のコーヒーには、どの都市の名前がつけられたのかです。

ニール
僕の推測はb)のモカだ。それはたまたま、僕が大好きな飲み物なんだけどね。

サム
えー、あなたの推測は当たりです。だってそれが正解ですから! あなたは確かに自分のコーヒーのことを理解していますね、ニール。

ニール
確かに。コーヒーの歴史に関する今回の番組で使った語彙をおさらいしよう。コーヒーは'perk you up'できる飲み物だ。つまり、より活力を与え、目を覚まさせてくれる。

サム
多くの人がコーヒーを'caffeine hit'のために飲んでいます。コーヒーに含まれているカフェインが人の体や心を刺激する方法のことです。その効果は、'wean off'しなければならないほど強いかもしれません。あなたに悪い何かの使用を徐々にやめることです。

ニール
'Fairtrade'なコーヒーが指しているのは、その産物を栽培することに対してコーヒー農家が適正な価格を受け取ることを保証する構想のことであり、一方、'microlot'とは、とても高品質だったり独特の香りがするコーヒー豆を専門に扱う小さな土地の区画のこと。

サム
最後に、'artisanal'が言い表しているのは、職人によってつくられている何かのことです。職人とは、物を手で、伝統的な方法で作る熟練した労働者です。

ニール
今回もまた、僕たちの6分間は終わりです。熱々の湯気が出ているモカを手に入れるため、僕は出掛けます。ではまた次回!

サム
さようなら!

[ノート]

when it comes to:~のことになると、~に関して言えば、~のことに関しては
all about:~が全てで、全て~次第で、要は~で
boom:急上昇、沸騰、にわかに景気、急成長、急発展

have a cup of coffee:コーヒーを飲む

get ready to:~する準備をする、~する支度をする
face the world:世間に向き合う

caffein:カフェイン
hit:打撃、一撃、衝突、命中
effect:効果、効き目、効力、薬の効能、影響
stimulant:興奮剤、興奮誘発剤、覚醒剤、刺激物、刺激剤
awake:目が覚めて、意識がしっかりして
be addicted to:~の中毒になっている、~に夢中になっている、はまっている

busy:忙しい、にぎわっている、ごった返す、活気がある
nowadays:最近は、今日では
delicious:おいしい、うまい、美味な

always:(ここでは)以前からずっと、前々から、昔から、今に始まったことではないが、相変わらず
boiling:沸騰している、煮え立っている
raw:生の、加工していない、原料のままの、未加工の
apparently:どうも~らしい、どうやら~らしい
taste awful:まずい、ひどい味がする
look into:~の中を見る、~をのぞき込む、調査する、調べる、研究する、検討する
take someone's name from:~から人の名前を取る、名前を付ける
Yemen:
ship:船に積む、船に載せる、船積みする、輸送する、出荷する、発送する

Cappuccino:カプチーノ(イタリア語: cappuccino)は、イタリアで好まれているコーヒーの飲み方の1つで、陶器のコーヒーカップに注いだエスプレッソに、クリーム状に泡立てた牛乳を加えたものをいう。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Mocha:モカ - アラビア半島のイエメン共和国にある港町、および、かつてその町を集散地としたコーヒー豆。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Latte:カフェ・ラッテ(Caffe Latte)は、エスプレッソと牛乳を混ぜたイタリア発祥の飲み物である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

Britain:英国、イギリス
love affair with:~との恋愛関係、~との情事、~に夢中になること、熱中すること
start with:~から始まる、~に端を発する
talkative:話し好きな、口数の多い、おしゃべりな、饒舌な
bright:機転の利く、利口な、頭の良い、頭の切れる、頭脳明晰である、快活な、元気のいい
keep awake:眠らない、眠らずにいる
City of London:シティ・オブ・ロンドン(英: City of London)は、イングランドのロンドン中心部に位置する地区である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

replace:取り替える、交換する、後を継ぐ、取って代わる、後任となる
fashionable:流行している、流行っている、おしゃれな、有名な、高級な
Queen Victoria:ヴィクトリア(英語: Victoria、1819年5月24日 - 1901年1月22日)は、イギリス・ハノーヴァー朝第6代女王(在位:1837年6月20日 - 1901年1月22日)、初代インド皇帝(女帝)(在位:1877年1月1日 - 1901年1月22日)。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
Judith Hawley:この人かな
literature:文学
take up:(ここでは)取り上げる
例文take up ~ as a theme:~をテーマに取り上げる
BBC Radio 4:BBC Radio 4 is a British national radio station owned and operated by the BBC. It broadcasts a wide variety of spoken-word programmes including news, drama, comedy, science and history from the BBC's headquarters at Broadcasting House, London.(英語版Wikipediaより)
In Our Time:サイトはコチラ
In Our Time:現代では、現代においては

become more of:~の度合いを強めていく、ますます~になる、~になってくる
参考more of a centrist:どちらかというと中道寄りである
working-class:労働(者)階級の
So, there were coffee shacks and carts like these sort of little street carts that you get still in London, and you get all over New York, that is a cheap, quick drinks to perk you up. And the Temperance Movement sponsored coffee taverns to try to ween working men off going to the pub for lunch. So, it moved. It declined seriously and has never fully recovered even in the current coffee boom.:(全体に訳に自信なし。it moved.は訳せず。)
shack:掘っ建て小屋、小屋
例文burger shack:ハンバーガー店、ハンバーガーショップ
cart:カート、手押し車、荷馬車
例文soup cart:スープ屋台
sort of:やや、幾分、いくらか、まあ言ってみれば~みたいな、~のようなもの、~みたいな、~めいた、いわば、どちらかといえば
all over:全体にわたって、一面に、至る所を、くまなく
perk someone up:人に元気を取り戻させる(→コメント欄参照)
Temperance Movement:禁酒運動
temperance:禁酒、節酒、節度、克己、自制
sponsor:スポンサーになる、出資する、資金援助する、後援する、発起する
tavern:居酒屋、酒場(→コメント欄参照)
wean ~ off:~から…を引き離す、抜けさせる、やめさせる
例文The doctor tried to wean her off sleeping pills.:医師は彼女に睡眠薬をやめさせようとした
pub:パブ
it moved:(訳出来ず→コメント欄参照)
move:移動する、引っ越す、転職する、行動する、行動に移す、取り掛かる、立ち去る、出発する、出掛ける、変化する、展開する、進展する、変わる、うつろう、よく売れる、さばける
decline:減る、減少する、下がる、低下する、下落する、衰退する、沈む
seriously:真剣に、重大に、著しく、ひどく、重く、深刻に
fully:十分に、完全に、全く、すっかり、全体に
recover:正常な状態に戻る、取り戻す、回復する

increase in popularity:人気の上昇
energy:元気、活力、精力
active:活発な、素早い、機敏な、盛んな、忙しい

social group:社会集団
campaign:運動を起こす
illegal:法で禁じられた、違法の、不法の、非合法の
gradually:徐々に、次第に、だんだん

set out:~を設計する、~を設定する、~を立案する、並べる、並べて置く、陳列する、展示する、配置する、発表する、提示する、はっきりと述べる、明確に書く、詳しく説く
radical:根本的な、徹底的な、本来の、抜本的な、急進的な、急進主義的な、過激な、極端な、過激派の、先鋭の
alternative:別の可能性、取って代わるもの、代替手段、選択肢、選択の可能性
corporate:法人の、企業の
coffee chain:コーヒーチェーン店
exist on:~に存在する
low wage economy:低賃金経済
mass market:大量(消費)市場、大衆市場
on the one hand ~ on the other hand:一方では~他方では
microlot:(検索するとその定義について色々な説明が出てくる。例えば「誰がどんな風につくったのか、できるだけ細かい単位まで追跡できるコーヒー豆」とか「1コンテナ(20フィート)約280Bagsに満たない数量を、大きな会社では「マイクロロット」と言う場合がある。」とか「「同じ日に収穫」された「同じ農地区画」の「同一品種」であり、「一度」に「同じ方法で精製」されたものでなければなりません。」「1. 生産エリアがシングルオリジン(単一農園) 2. 品種が単一品種 3. 収穫量が50袋(70kg)以下 4. カッピング評価が83点以上(SCAA基準) 5. 梱包がバキュームパック(真空包装)か、グレインプロ」等々。)
estate:地所、私有地、農園、農場
Fairtrade:フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。
hipster:進んでいる人、流行に敏感な人
varied:変化に富んだ、多様な、変更された
fine wine:高級ワイン
artisanal:職人技の、技工の

customer:顧客、取引先
turn away from:から目を背ける、~から目を離す、背を向ける
Starbucks:スターバックス(英: Starbucks Corporation、NASDAQ: SBUX)は、米国の企業。1971年にアメリカ合衆国ワシントン州シアトルで開業した、世界最大のコーヒーチェーン店で、シアトル系コーヒーの元祖である 。2020年時点で、世界83カ国に32,660店舗を展開しており、16,637店舗が直営店、16,023店舗がFC店舗である。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
in search of:~を探し求めて
responsibly:責任を持って
sourced:供給される、提供される
例文locally sourced seafood:地元産の海産物
ethical standard:道徳の基準、倫理規範、道徳的規範、倫理的基準
ethical:道徳的な、倫理にかなった、倫理的な
standard:尺度、基準、標準
scheme:計画、構想、スキーム
guarantee:保証する、請け合う
fair price:正当な価格、公正価格、適正価格

development:発達、発展、進行、進展、進歩、出来事、変化
plot of land:1区画の土地、土地の1区画
plot:区画
grow:成長する、育つ、大きくなる、栽培する
specialised:特殊化した、特殊な、分化した、専門の、専門化した、専門分野別の、ある専門分野に特化した
prize:重んじる、尊重する、大切にする、評価する
例文prized for one's rarity:その珍しさから珍重される
例文prized among collectors:収集家の間で高く評価される
unique:唯一の、並ぶもののない、比類のない、無類の、優れた、変わった、珍しい、ユニークな、異色の
flavour:味わい、風味、香り、匂い

be part of:~の一部、~の一環
shift in:~の変化
focus:焦点、中心、的
towards:~の方へ、~に向かって、~を向いて、~に面して、~に関して、~について made by hand:手作りである
skilled:熟練した、特殊技能を持つ、腕の立つ
grower:栽培者
independent:独立した、支配されない、影響を受けない、自律的な
preferred by:~には好まれる
trendy:最新流行の、時代感覚に合った

come a long way from the days of:~の時代からずいぶんと進歩する
travel:旅する、旅行する
travel by sea:船で移動する
faraway place:遠い場所、遠隔地
faraway:遠い、遠方の
Java:ジャワ島

happen to:偶然~する、たまたま~する、ふと~する

guess right:うまく当たる
guess right on a quiz:クイズに正解する、質問の正解をずばり言い当てる
certainly:確実に、確かに、必ず

stimulate:刺激する、興奮させる、元気づける、励ます、かき立てる

refer to:指す
ensure:確かにする、保証する、請け合う、確保する
specialise:専門に扱う、特殊化する

artisan:職人、工匠

Once again:再度、もう一度、またまた、今度も、前と同じように、またしても、またもや、またぞろ、繰り返しになりますが
off to:~に向かう、行ってくる、~へ出掛ける、出発する
例文Where are you off to? : どこ行くの?、どちらへお出掛けですか?
steamy:蒸気の、蒸気から成る、湯気の立ち込める
p0bsyqh4
つまり英国と紅茶の結び付きよりも、コーヒーの方がむしろ歴史があるという訳ですね。