6 Minute English
Do as I say, not as I do
Episode 160602 / 02 Jun 2016

BBCのリンクはこちら→Do as I say, not as I do
人は何故、しばしば言う事とする事が違うのでしょう? 誰も偽善者は好きではなく、その言葉はよく侮辱として使われます。しかし、偽善は避けられるものでしょうか? アリスとロブは偽善は実のところ私たち自身とどの程度離れているのかを聞いています。

[台本]

アリス:こんにちは、6 Minute Englishへようこそ。私はアリス…

ロブ:そして僕はロブ…

アリス:今朝、あなたが大きくて赤いピックアップトラックで来るのを見た気がするけど、あれはあなた?

ロブ:そうだよ。カッコいい車だろ、そう思わない?

アリス:すごく大きくて…赤かったわ。でもロブ、あなたは環境保全活動の支持者じゃなかったかしら?

ロブ:えーと、そうだよ。

アリス:環境保護主義者なのに、ガソリンをガブ飲みする車なの?、ロブ。それって矛盾してるわよね。あなたって偽善者なのかしら?

ロブ:いやいや、あの車はとても燃費がいいんだよ、アリス。結構、環境に優しいんだよ、実際。

アリス:そんな説明はばかげてるし、あなたもわかっているでしょ。偽善が今日の番組の話題です。まず'hypocrite'の意味を探ることから始めるべきかもしれません。古代ギリシャにおいて'hypocrite'という言葉の本来の意味は何だったか、わかりますか? それは…
a) 役者 b) 政治家 それとも c) 馬?

ロブ:ああ、それは簡単だ。b)の政治家だと思うよ。

アリス:では、あなたが正解だったか間違いかの確認は番組の後ほどで。さて近頃では意味が変わっていて、偽善者の意味とは言う事とやる事とが違う人を指します。

ロブ:例えば君が僕に、爪を噛むのはやめなさい。それはすごく気持ち悪い癖だから…。って言ったのに、その同じ日、後になって君が爪を噛んでるのを見たようなことだよね。

アリス:うーん、まぁ矛盾しないでいるのって、時として難しいのよね。私は爪を噛むのは確かに気持ち悪いと思っているけど、でも少し神経質になると無意識にしてしまうのよ。

ロブ:まあね。しかしながら人は時々言動が一貫しないこともある、ってことだよね? 'Inconsistent'とは、変わりやすいいう意味。

アリス:時として我々の発言と行動が大きく違ってしまう事についての解説があります。アメリカのミズーリ大学、クランシー・マーティン教授の話を聞きましょう。教授は哲学を教えておられ、人の考え方について多くの知識をもっておられます。

[挿入]
Clancy Martin 合衆国カンザス州ミズーリ大学、哲学教

つまり人は教師や親としての役割の際には非常に思いやりがあるかもしれませんが、あなたの役割が兄や姉の場合には自分がかなり厳しくて遠慮がないことに気付くかもしれません。そして、こんな風に考えます。いや、ちょっと待てよ、私の性格がこれほど矛盾だらけで、これほどバラバラなのだとしたら、私は誠実で信頼のおける人物だと自分で本当に言えるだろうか? Or am I just kind of blowing with which ever way my relationship winds kind of incline me? (訳出来ず。[ノート]に注記あり)

ロブ:クランシー・マーティン教授でした。人は人生の中で様々な役割を演じており、それらの役割は矛盾するように見えても同じ人間の一部に過ぎないのです。君は時々僕に対してやや厳しくて遠慮がないんじゃないかな、アリス? 君は自分のことを僕の姉だと思っているのかい? 僕の姉は、よく僕のことをいじめてたけど。

アリス:'Harsh'とは、厳しいとか不親切なこと。あなたに不親切なつもりはないけれど、ロブ。あなたにもっと思いやりを持つようにすることはできるかもしれないわね。'compassionate'は、少し同情や共感を時々示すことです。

ロブ:優しい言葉をかけて欲しいね。少なくとも、僕に親切にすると約束してほしい。つまり、紅茶とビスケットを振る舞ってくれて…

アリス:それは政治家のやり方でしょう。彼らは人々が望むことをすると約束して…、しばしば実行しない。これは政治家の大きな問題です。政治家と偽善について話しましょう。

ロブ:政治家はとても多くの問題について意見を表明しなければならないから、彼らの偽善ぶりは簡単に露見する…。そして我々国民は、道徳的にそのことに腹を立てる。

アリス:そうね。'To catch somebody out'とは、人が過ちを起こしたことを発見するという意味です。そして'morally indignant'は、何かについて善悪の原則に照らして腹を立てること。マーティン教授の話をもう一度聞きましょう。政治家になることの困難さについてです。

[挿入]
Clancy Martin 合衆国カンザス州ミズーリ大学、哲学教授
私が思うに、現代の民主主義で殆どの人にとって明らかになったことがあります。それは、我々が政治家に期待する信念や、政治家を当選させる信念の種類が…、彼らの個人としての生活の営み方や個人的な信念と完全に矛盾する可能性があることです。そしてそれが、いかにして道徳的に極めて有害になりうるかということなのです。道徳的にとても危険なのです。

アリス:はい。つまり私たちは政治家を彼らの信念に基づいて選びます。例えば環境問題についてであり、教育であり、外交方針です。しかし、彼らの公の信念は個人的な信念と矛盾する、あるいは一致していないことがあります。

ロブ:そして彼らの公の場合と個人的での信念との違いは有害になり得る。'pernicious'とは致命的なとか破壊的なという意味です。

アリス:政治家は常に人々の監視下にあります。彼らの個人的な生活も、公の声明も…。今はソーシャルメディアがあるので、不注意な発言はバイラルに乗る、つまりインターネットを通じて極めて急速に広がります。

ロブ:その通り。そして実際に…、僕の赤いピックアップトラックの写真を前にネットに上げたんだよ。

アリス:その写真は人気が出たの? ロブ。

ロブ:いいや、逆に地元の環境保護活動家から批判のコメントが付いたよ…。

アリス:あらまぁ。ともあれロブ、今日のクイズ質問の正解をあなたに伝える頃合いだと思うんだけど。私の質問は:古代ギリシャにおいて'hypocrite'という言葉の本来の意味は何でしょうか? それは…
a) 役者 b) 政治家 それとも c) 馬?

ロブ:で、僕はb)の政治家と答えたよ。

アリス:そしてそれは、間違い。残念ね! 'Hypokrites'は、舞台俳優を指す専門用語で、公的な人物には適切な職業ではないと考えられていました。紀元前4世紀のアテネで、偉大な雄弁家であるデモステネスは対立する政治家が人気のある役者であることであざ笑いました。さて、時間もなくなったので、今日習った言葉を聞かせてもらえるかしら?

ロブ:では、
hypocrite
inconsistent
harsh
compassionate
catch somebody out
morally indignant
incongruous
pernicious
go viral

アリス:じゃあ、今日の6 Minute Englishはこれでおしまい。またすぐ番組に参加してくださいね!

二人:さよなら。

[ノート]
Do as I say, not as I do:わたしの行い通りでなく、わたしの言葉通りにせよ

insult:侮辱・無礼な行動
avoidable:回避できる
hypocrisy:偽善
actually:実際は・実のところ

preserve:保存する・守る・持続する
gas-guzzling:ガソリンを大量に消費する guzzle:大酒を飲む・ガブガブ飲む
for:~にしては・~の割には
environmentalist:環境保護主義者・環境問題専門家
contradiction:矛盾
Arn't you:あなたは~ではないですか?
hypocrite:偽善者
fuel-efficient:低燃費の・燃費の良い
eco-friendly:環境に優しい・環境に配慮した
actually:実際に・実のところ・意外と
ridiculous:ばかげた・おかしな・不合理な・非常識な
Hypocrisy:偽善
explore:探索する・調査する・検討する
Ancient Greek:古代ギリシャ
originally:最初は・元々は・本来は
disgusting:むかつくような・うんざりさせる・実に嫌な・キモい
consistent:矛盾しない・一貫した・一致した
a bit:わずかに・少し
nervous:興奮しやすい・神経質な・心配する・臆病な
without thinking:無意識に・軽はずみに
inconsistent:矛盾した・一貫しない・辻褄の合わない・食い違った
changeable:変わりやすい・気まぐれな・移り気な
explanation:説明
behave:振る舞う
Philosophy:哲学
a thing or two:かなりの物事・相当の知識・率直な忠告
enormously:非常に・莫大に・巨大に・ものすごく、
compassionate:思いやりのある・心の優しい・温情のある
harsh:厳しい・とげとげしい・辛辣な
direct:まっすぐな・率直な・遠慮のない
when it comes to:~のことになると・~に関して言えば
inconsistency:辻褄の合わない事・不一致・矛盾
all over the place:あちらこちら・どこでも・乱雑に・精神的に不安定・理性を失う
sincere:誠実な・正直な
authentic:真正の・信頼のおける・確かな
individual:個人・人間

Or am I just kind of blowing with which ever way my relationship winds kind of incline me? (訳出来ず) それとも私は、人間関係の風が私に気を向かせるままにどちらの方向へでも行動するような類の人間だろうか?。 みたいな感じ? わからない。
blow with the wind:気の向くままに行動する
whichever way the wind blows:風任せに
relationship:関係性・関わり合い・人間関係
incline:傾く・~したいと思う・心を向けさせる

play a role:役割を果たす・役を演じる
contradictory:相反する・矛盾する
used to:よく~したものだ・昔は~していた
pick on:いじめる・非難する
stern:厳格な・厳しい・断固たる・容赦のない
unkind:不親切な・思いやりのない
not mean to:~するつもりはない・~の意図はない
try and be:~になろうとする
sympathy:同情・共感・思いやり
concern:関心事・気遣い・心配
now and then:時々
Offer words:言葉を掛ける
nice to:人に親切にする・人に良くする
catch out:見掛ける・ぼろを出させる・嘘を見破る・捕まえる・露見させる
hypocritical:偽善者ぶった・偽善的な
the public:国民・市民・公衆
morally:道徳的に・間違いなく
indignant:腹を立てた・怒った
get indignant:憤慨する・腹を立てる
according to:~に従って・~に準じて・~に照らして
principle:原理・指針・道理・本質
contemporary:同時代の・現代の
democracy:民主主義
obvious:明らかな・疑う余地のない・見え透いた・露骨な
view:光景・視野・見ること・意見・考え・物の見方・目的・信念
expect from:~に要求する・~に期待する・~から思い浮かべる
get elected:当選させる
incongruous with:~と矛盾する・~と一致しない
lead lives:生活を送る・生活を営む
pernicious:致命的な・有害な・悪質な
in agreement with:~に一致して・~と意見が合って
deadly:致命的な・命がけの・辛辣な・完全な・極端な
destructive:破壊的な・相手を傷つける・否定的な
scrutiny:精査・吟味・監視・凝視
under scrutiny:監視されて・注視されて・捜査中で、
statement:意見・発言・声明
thoughtless:不注意な・配慮に欠ける・無分別な
comment:意見・所感
viral:ウイルスの・ウイルスが引き起こす
go viral:インターネットや口コミで情報が急速に広がる
negative comment:否定的な見解
local:地元の・地方の・部分的な・近くの
conservationist:自然保護活動家
technical term:専門用語・技術用語
stage actor:舞台俳優
appropriate role:適切な役割・ふさわしい役割
public figure:著名な人・有名人・公的な人物
Athens:アテネ
orator:雄弁家・演説者
Demosthenes:デモステネス
ridicule:嘲る・意地悪く笑い者にする・あざ笑う
rival:張り合う・競争する
successful:成功した・社会的に成功を収めた・地位を得た
run out of time:時間が無くなる

アリスとロブが互いに辛辣。