The English We Speak
The last/final straw
Episode 160712 / 12 Jul 2016

p040f4ks
BBCのリンクはこちら→The last/final straw

[要約]
一本の藁のような軽くて害のない物で、友情のように強固なものが壊れることが有り得るのでしょうか? 実は、それがあるのです。 番組を聞いて、言い回しの意味を理解してください。

[台本]

ニール:こんにちは、BBC Learning Englishがお送りしているThe English We Speakへようこそ。僕はニール。

ヘレン:こんにちは、私はヘレン。ニール、ちょっと聞いてもいいかしら?

ニール:ああ、いいよ。何か心配事でも?

ヘレン:実は、テオドラとアルマは私の親友なんだけど、二人は互いに口を利かないの。藁のせいで。

ニール:二人が仲良くやっていけない原因が藁だって? 間違いなくそう聞いたのかい?

ヘレン:ええ、アルマのパーティーにテオドラが来なかった時に彼女が私にこう言ったの。「これが最後の藁だった」って。私は意味が分からなくて。藁にいったい何ができるの?

ニール:ああ、アルマはことわざを使ったんだよ。彼女が実際に言っていたのは、二人の間が上手くいかないのは、過去に起きた出来事に原因がある、ということ。

ヘレン:そういえば、テオドラはかなり何度も私たちの集まりに来なかったわ。

ニール:テオドラがアルマのパーティーに来なかった時、それがアルマを本気で怒らせて二人の友情を見限る決定的な出来事になったんだよ。

ヘレン:ああ、わかった。つまり最後の藁というのは、完全にダメになってしまう原因となる最後の物事あるいは出来事という意味なのね。

ニール:その通り。'the last straw'という言い方をよく聞くのは、繰り返し起きている問題や論点があって状況は改善せず、やがてごく些細な事が起きて、ついに人々は冷静さを失って激怒する。そんな話をしている時だよ。

ヘレン:なるほど。

ニール:どう使われているか、聞いてみよう。

[例]
A: 君がこんなに怒っているのは見たことないよ。
B: 今日はとてもひどい一日だった。寝過ごして、慌ただしく家を出たらほんの数秒の差でバスに乗り遅れて、職場に着いたら今年は昇給はないだろうと言われて。だから、食堂の女性職員から、あなたは皿にサラダを取り過ぎだと言われた時、堪忍袋の緒が切れたのよ。

製紙工場は、ここ数年は事業継続に苦労していた。新たな課税が最後のダメ押しになり、30年続いた事業の閉鎖を余儀なくされた。

ニール:念のために言っておくと、人によっては'the final straw'とも言うけど、これは'the last straw'と同じ意味だよ。

ヘレン:解説どうもありがとう。私の友達が、仲違いを解決できることを心から願っているわ。友情は守る価値があるものだから。

ニール:まさしく。

二人:さよなら。

[ノート]
The last/final straw:語源は、It is the last straw that breaks the camel's back.  「最後の一本の藁でラクダの背骨が砕ける」という諺。大量の荷物を背負ったラクダに、ほんの些細な負担を加えると限度を超えて一気に破綻するという意味。似た言葉で、The last drop makes the cup run over. 「最後の1滴でカップが溢れる」。日本語で似ているのは「仏の顔も三度まで」とか「堪忍袋の緒が切れる」。でも、最後の些細な出来事で、というニュアンスぴったりな諺は見当たらないかも。

harmless:損害を与えない・当たり障りのない・罪のない
solid:固形の・頑丈な・信頼できる
find out:見いだす・発見する・解明する・調べる・気付く・見破る

can I ask you about something?:ちょっと聞いてもいいですか?・質問していいですか?
What’s on your mind?:何を考えているの?・どうしたの?・何を心配してるの?
straw:藁・麦わら・麦わら帽子・一縷の望み・価値のない物
get on:(ここでは)うまくいく・仲良くやっていく・気が合う・折り合う・暮らす
expression:言い回し・語句・表情・表現
miss:(ここでは)逃す・欠席する・休む・免れる
quite a few of:かなりの数の
gathering:収集・会合・集会
final:最後の・決定的な・確定的な
give up:諦める・断念する・明け渡す・見限る・期待しない・中断する・放棄する
cause:~を引き起こす・~の原因となる
total:合計した・全体の・全くの・完全な
melt down:溶かす・駄目にする・崩壊する・正気を失う・怒り狂う
phrase:言いまわし・言葉遣い・成句・慣用句・フレーズ
issue:重要な話題・問題・論点・核心・決着・関心事
smallest thing:些細なこと
finally:ついに・最終的に・やっと・ようやく・最終的に
lose composure:心を乱す・度を失う・冷静さを失う
explode:爆発する・吹き出す・感情が激発する・激怒する
rush out of one's house:慌ただしく家を出る
miss a bus:バスに乗り遅れる
by seconds:数秒の差で・タッチの差で
get in:着く・来る
pay rise:賃上げ・給料引き上げ・昇給
dinner lady:学校や職場の食堂で働く女性・給食のおばさん
paper factory:製紙工場
struggle:力を振り絞る・苦闘する・あがく・苦労する
stay open:店が開いている・営業している
tax charge:課税額
force:強要する・余儀なくさせる・強いる
shut down:閉める・閉鎖する・休業する・停止する
in business:商売を行って・事業として・商売上
Just so you know:一応言っておくと・一言申し上げておきますが
clarification:不明点の明確化・意味の説明・解明・浄化
resolve:(ここでは)問題や困難を解決する・解消する
difference:相違・差・不一致・論争・不和
save:(ここでは)確保しておく・取っておく・残しておく
worth saving:維持する価値がある Every human life is worth the same, and worth saving.:人間の命はみんな同じ価値があるし、守る価値があるんだ。(ハリー・ポッターと死の秘宝より)
Absolutely:(ここでは)おっしゃる通り・全くその通りだ・そうですとも

久々登場、ヘレンさんの軽いアニメ声が楽しい。カラムはこっちに来るな。